FXでは複数口座の開設が可能です。
複数口座を保有すると、どんなメリットがあるのかご存知ですか?
実は取引におけるリスクを分散させたり、各社それぞれの強みを目的に合わせて利用することができます。
FXで複数の口座を保有するメリットを詳しく解説するとともに、複数口座の使い分け方をご紹介していきます。
FXは保有口座の上限がない
FXは保有口座の上限がありませんので、極端に言えばFX会社の数だけ口座を作ることができます。
ただし、1社でいくつも口座を作ることはできません。
原則、「1つの会社で1つの口座」が基本です。
複数口座を作っておくことのさまざまなメリットを見ていきましょう。
オンラインリスクを分散させる
たとえば大きく為替が動いているとき、A証券に多くの注文が殺到したとします。
こういった場合、コンピューターが多くの注文を処理できず、まれに「サーバーダウン」となることがあります。
サーバーがダウンすると、強制的に取引ができなくなったり、注文しても約定せずに弾かれたりします。
(この約定拒否をリクォートといいます)
このような状況に陥ったときでも快適に取引するためには、複数口座を開設しておくことでオンライントラブルによるリスクの分散ができるという訳です。
「今チャンスだからすぐに注文したいけど、サーバーダウンしていて発注できない。」
「損切りしたいけど損切りできなくて、損失が拡大してしまっている。」
こんな場面で力を発揮してくれますが、とくに後者の場合は、「B証券で動いている方向に注文」をして収益化できたら、損失を相殺することができます。
使用用途ごとに口座を作ろう
多くの上級トレーダーほど、使用用途ごとに口座を作っています。
例えばデイトレ用、スワップ取引用、チャート分析用、自動売買用といった分け方になります。
デイトレ向きの口座
デイトレードなど短期売買はスプレッドの狭い業者選びがポイントです。
それと同時に、短期売買は短時間で注文を繰り返すことから、短期売買しやすい注文画面であったり、短期売買に特化した機能があると取引を有利に進めるのに役立ちます。
また狙ったレートを設定しておけば通知してくれる「アラート機能」もあると、画面にずっと張り付く必要がなく、自分のペースで売買タイミング待つ選択もできますね。
デイトレードなら、最低でも2つは口座を用意しておくと便利です。
低スプレッドであり、なおかつ取引ツールが高機能な業者はこちらです。
各社のスプレッドは、こちらのページで比較しています。
デイトレードなどの短期売買において、もっとも重要となるのがスプレッドです。2021年現在において、米ドル/円の標準スプレッドは0.2銭、キャンペーンスプレッドは0.1銭が最狭水準として各社揃っています。また低スプレッドと同時に「[…]
スワップトレード向きの口座
FXで人気の手法といえば、二国間の金利差となるスワップポイントを狙ったスワップトレードです。
このスワップポイントというのは、どのくらい付与されるのかFX業者によって大きく差があります。
もちろん取引する2つの国の金利差が大きな要因であることに違いはありません。
しかし高金利通貨を例にしても、取引する業者によっては2〜3倍も変わってくるのです。
そのためスワップポイントを目的で運用したいなら、とにかくスワップポイントが高い業者を選びましょう。
それと同時に、中長期にかけてスワップポイントの付与が安定している業者を選ぶこともポイントです。
1日だけ高くても、ガクンと下がっては中長期で保有するメリットを見いだせなくなってしまいます。
スワップポイントが極めて高く、なおかつ中長期で安定的に受け取りやすい業者は、みんなのFXとLIGHT FXです。
実は、みんなのFXとLIGHT FXはどちらもトレイダーズ証券のFXサービスです。
若干スワップポイントに違いがあるときもありますが、基本的にはどちらもほぼ共通のスペックですが、セミナーなどの情報はみんなのFXのほうが多いです。
スワップポイントを中長期で狙う取引をする場合、多少の値動きを許容できるようにレバレッジを下げなければいけません。
しかし長期保有ポジションがある状態で、デイトレをしようと新規注文した場合、口座内のレバレッジが上がってしまいます。
この2つの口座を使い分けるやり方もでき、一方の口座を中長期トレード用、もう一方の口座を短期トレード用と分けることで、口座ごとにレバレッジを使い分ける戦略も可能です。
このほか一方をメキシコペソ/円の専用口座に、もう一方を南アフリカランド/円の専用口座にする、といった併用もできますね。
各社のスワップポイントは、こちらのページで比較しています。
FXでは、スワップポイント狙いのトレードが人気です。いわゆるスワップポイントは、FX版の利息といったイメージですね。日本円は低金利通貨ですので、トルコリラ/円やメキシコペソ/円など高金利通貨を買いポジションで保有しているうちは、通貨間の[…]
チャート分析用の口座
チャート分析にあたり、メタトレーダー4(MT4)はかかすことができない存在です。
ブラウザ版のチャートはチャート設定を保存できません。
そのため、チャートを開くたびにテクニカル指標を設定したり、その都度トレンドラインを再描画しなければいけません。
そのため本格的な分析なら、インストール版取引ツールの利用をおすすめします。
インストール版のチャートソフトで最も有名なのがMT4です。MT4なら自分専用のチャート設定を保存しておけば、いつでも呼び戻すことができます。
- ゴールデンウェイ・ジャパン MT4
- YJFX!(分析専用のMT4チャート)
- JFX(分析専用のMT4チャート)
ゴールデンウェイ・ジャパンは取引プラットフォームにMT4を採用しており、MT4を使って発注することも可能です。
MT4で高度な分析をしながら、そのまま取引もできるのがゴールデンウェイ・ジャパンならではの利点です。
なおチャート分析のみで使う場合、YJFX!なら分析専用MT4チャートを提供しています。
とにかくシンプルに、MT4で分析だけしたいなら、YJFX!の「分析専用MT4」がおすすめです。
FX業者のチャートシステムで圧倒的な人気のチャートといえば、やっぱりMT4(メタトレーダー4)ですよね。MT4は海外系のFX業者で採用されている取引ツールです。わざわざこういった業者で口座を作らなくても、実はYJFX!の口座さえ[…]
各社の取引ツールは、こちらのページも合わせてご覧ください。
スプレッドの狭さや1,000通貨対応、通貨ペア数など、FX会社選びには実に多くの要素があります。FXは取引をするほど、取引画面に接する時間は長くなりますよね。ですから取引ツールやチャートの使いやすさというのは、FX取引において重[…]
自動売買用の口座
FXの初心者にとって、自動売買(システムトレード)というと正直ハードルが高いイメージがあるかも知れません。
確かにMT4で自動売買しようとすると、プログラミングの知識も必要になってくるため、正直導入までのハードルが高いです。
しかし人気のリピート系注文は、かんたんに発注できて注文管理もしやすく、初心者にも扱いやすいのが魅力です。
そのため近年で自動売買といえば、ほとんどリピート系注文で取り組んでいる方も多いです。
リピート系注文の基本はこちらで解説しています。
近年FX業界で話題をかっさらっているのが、「リピート系FX」「リピート系注文」と呼ばれる注文方式を採用した発注システムです。ネットや口コミでリピート系FXに興味を持った方も少なくないかも知れません。リピート系注文を始めるには[…]
リピート系注文提供業者のスペックは、こちらの記事も合わせてどうぞ。
いわゆる、リピート系連続発注機能とは、複数注文のリピート機能(繰り返し発注)がある自動売買のことです。複数の発注を一度に行い、何度も繰り返す仕組みにより、シンプル・分かりやすい・手間がかからないことで、今人気のある自動売買システムで[…]
リピート系注文でおすすめなのは、外為オンラインの「iサイクル2取引」です。
ランキングから収益が見込める注文をかんたんに発注でき、相場にマッチすれば、日々相場から利益をコツコツと積み重ねてくれます。
1社で複数口座を保有できる会社は?
さきほど「1つの会社で1つの口座が基本」と記載しましたが、1社のFX口座で複数口座を開設できる会社も実は存在します。
「同一名義で同一口座を複数開設したい!」
「短期売買用」と「スワップ狙いの長期売買用」で1社のなかで口座を分けて管理したいと考えるユーザーも存在します。
1社でも複数口座を利用できれば、例えばこういったニーズにも対応できます。
- 短期売買用は積極的な利益狙いだから、レバレッジは高めでもOK!
- 長期売買向けは安全設計にしたいから、レバレッジをとにかく抑える!
このように、短期売買、長期売買ともにA社を使いたいと考えているなら、取引手法に合わせてレバレッジと資金量をコントロールしやすいメリットがあります。
このほか同一口座ではありませんが、トレイダーズ証券の2ブランド「みんなのFX」と「LIGHT FX」、DMM.com証券の「DMM FX」と「外為ジャパン」、マネックス証券の「FX PLUS」と「マネックスFX」はスプレッド、スワップポイントなどが同一条件です。
これらの口座を組み合わせれば、擬似的に同一スペックの口座を2つ保有できますので、手法ごとに口座を使い分けるやり方も可能です。
さらに複数の会社で口座を保有していれば、各社の会員限定セミナーに参加できたり、会社ごとに異なるマーケット情報にアクセスできたりと、多くの恩恵を受けられるのも事実です。複数口座を併用して、それぞれの長所を生かした運用を目指してみてはいかがでしょうか。