スイスの主要な経済指標の一覧

スイスの主な経済指標をご紹介します。

スイス・経済指標の特徴

スイスの経済指標の前に、かんたんにスイスについて解説します。

まずスイスの国柄ですが、永世中立国であることから「スイスフラン」は安全通貨とみなされています。
そのことから、戦争や紛争などの有事が起こったときに買われやすく「有事のスイスフラン買い」と言われたりします。

スイスは経済が安定しており、一人あたりのGDPは世界トップクラスに高く、それに伴って物価も世界一高いと言われているほどの水準です。
通貨・経済が安定していることもあり、スイスの経済指標は同じヨーロッパ圏においても、ユーロやイギリス、ドイツに比べると注目度も相対的に低めです。

2015年1月15日には、スイス国立銀行(中央銀行)が「1ユーロ = 1.20スイスフラン」の上限を撤廃すると発表し、その後ユーロ/スイスフランが急落するスイスショックもありました。
それでもなお、スイスフランは安全通貨として見られています。

スイスフラン/円の値動きとしては、ヨーロッパ諸国だけあってユーロ/円との連動性が見られています。
ただしスイスフランは通貨自体の流通量は少ないため値動きが激しそうなイメージがありますが、有事以外のときは注目されにくいため、ボラティリティ(変動率)が小さい通貨として知られています。

スイスの経済指標ですが、日本時間の夕方過ぎ頃に発表があり、日本で確認できる経済指標はそう多くはありません。

ヨーロッパの中央に位置するスイスはユーロ、ドイツの経済指標の影響を大きく受けます。特にドイツはスイスの最大貿易国なので、スイスフランでトレードをする方は、ドイツの動向にも注目していきましょう。

 

スイスフランの値動き傾向や特徴は、こちらの記事も合わせてどうぞ。

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スイスの主要な経済指標

※下記の時間はスイスの標準時間(10月最終日曜日AM1:00~3月最終日曜日AM1:00)で記載しています。
サマータイム時(夏時間、3月最終日曜日午前AM2:00~10月最終日曜日AM2:00)は下記表の時間が1時間早くなります。

スイスの経済指標発表時期日本発表時間重要度
スイス・SVME購買部協会景気指数(PMI)毎月 / 初旬15:30★★
スイス・消費者物価指数(CPI)毎月 / 上旬17:15★★★
スイス・失業率毎月 / 上旬15:45★★
スイス・貿易収支毎月 / 下旬16:00★★
スイス・KOF先行指数毎月 / 下旬17:00★★
スイス・SNB政策金利発表毎月 / 中旬17:30★★★★

スイス・SVME購買部協会景気指数(PMI)

SVME購買部協会景気指数(PMI)は、スイスの製造業の景気動向を見るのに使われる経済指標です。
SVMEとは、発表元のスイス購買部協会(Schweizerischer Verband fur Materialwirtschaft und Einkauf)のことで、毎月上旬に発表されています。

スイスの製造業部門の役員に、新規受注、生産高、雇用、納期、在庫など、景気動向アンケート調査が行われ、集計されたデータが数値化されて公表が行われます。

この指標は「50」を基準として、50以上で製造業部門の景況感は良いと見られています。
反対に、50以下で製造業部門の景況感は悪いと見られています。

ただスイスの経済指標ですが、日本の経済指標と同様に指標の結果を受けにくいという特性があります。
しかしこの指標に限っては、近年ではスイスフランへの影響も見られています。

経済指標名
SVME購買部協会景気指数(SVME Purchasing Management Association of Index)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
スイス購買部協会毎月 / 初旬15:30★★
指標のポイント
スイス経済の景気動向を判断する指標です。スイスの指標は多くはありませんし、近隣諸国の影響も受けますので、スイスフランのトレードをする方はユーロ圏とドイツの指標もチェックしていく必要があります。

スイス・消費者物価指数(CPI)

スイス・消費者物価指数(CPI)は、スイスの小売・サービスの販売価格の調査結果を表す経済指標です。
スイス連邦統計局により、毎月上旬に前月比・前年比のデータが発表されています。

CPIは「消費者が購入するときの価格」を表すのに対して、PPIは「生産者が出荷するときの価格」を表します。
いわば物価の水準を測定した指標ですので、生活コストを計るものさしとして利用されます。
そのため、PPIと密接した相関性があり、インフレの動向を計るための、もっとも重要な指標のひとつとされています。

発表の際には、予想値よりも発表値が良い結果であれば、スイスフランは買われやすくなります。
反対に、予想値よりも発表値が悪い結果であれば、スイスフランは売られやすくなります。

経済指標名
消費者物価指数(CPI、Consumer Price Index)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
スイス連邦統計局(Swiss Federal Statistical Office)毎月 / 上旬17:15★★★
指標のポイント
CPIの数値は、中央銀行による通貨政策の判断材料ともされています。

スイス・失業率

スイス・失業率は、スイス経済省経済事務局によって毎月上旬(7日〜10日頃)に発表されています。

スイスはヨーロッパの小さな一国ですが、銀行業、製薬業、保険業、タバコ産業、時計など、早い段階から事業を限定した政策を推し進めてきました。

国際競争力があり、物価の高さは世界トップクラスでもあるスイスですが、給与水準も高いです。
経済状況が全体的に安定しているスイスは、労働条件が良好であることから、ヨーロッパの中でも失業率が低い国として知られています。

スイスの失業率ですが、現状2%台で推移しています。

安定した経済の基盤により、スイスの失業率は予想と発表との乖離がほとんどない場合が多く見受けられますが、予想と発表との差が大きければ、スイスフランの変動要因となります。

済指標名
失業率(Unemployment Rate)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
スイス経済省経済事務局(SECO)毎月 / 上旬15:45★★
指標のポイント
大きな変動要因とはなりにくい指標ですが、スイスフランはユーロに対する上限の撤廃をしたスイスショック以降、スイスフランの値動きは激しくなりつつある傾向も見られますので、失業率の発表値にも注目していきましょう。

スイス・貿易収支

スイス・貿易収支は、スイスの政府と民間の輸出額から輸入額を引いた差額を表す経済指標です。
スイス国立銀行が毎月下旬(20日頃)に、前月の結果を公表しています。

貿易収支は、経常収支(貿易収支、サービス収支、所得収支、経常移転収支)の最大の構成要素の一つなので、それだけに市場の注目度も高くなっています。
スイスの主要産業には時計などの精密機器や医薬品、化学品関連が多く、天候や資源価格からの影響を受けにくい特性もあり、貿易収支は長期的に黒字で推移しています。

スイスの主要貿易相手国はドイツ、フランス、イタリアなどの近隣諸国、そしてEU内で占める割合が高く、またユーロとの連動性も見られますので、スイスフランのトレードをされる方はユーロやドイツの指標にも注目していきましょう。

発表の際には、予想よりも発表値がポジティブであれば、スイスフランは買われやすくなります。
反対に、予想値よりも発表値がネガティブであれば、スイスフランは売られやすくなります。

経済指標名
貿易収支(the Trade Balance)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
スイス国立銀行(Swiss National Bank)毎月 / 下旬16:00★★
指標のポイント
スイスの場合は日本の経済指標と同じく、値動きのきっかけとなりにくい場合が多いとされていますが、スイスショック以降はスイスフラン自体の値動きも大きくなりつつある傾向があります。

スイス・KOF先行指数

KOF先行指数は、スイスの経済動向とGDP成長率を表す経済指標です。
チューリッヒ工科大学にあるKOFスイス経済研究所が、毎月下旬に発表しています。

名称の通り、景気先行指標として利用されていて、6〜9ヶ月先の経済動向を示すとされています。
具体的には、銀行への信頼感、生産、新規受注、消費者信頼感や住宅関連など、12の経済指標を組み合わせて指数化されています。

発表の際には、予想よりも発表値がポジティブであれば、スイスフランは買われやすくなります。
反対に、予想値よりも発表値がネガティブであれば、スイスフランは売られやすくなります。

経済指標名
KOF先行指数(KOF Leading Indicators)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
KOF毎月 / 下旬17:00★★
指標のポイント
スイスのみで発表される経済指標です。スイスフランと日本円は経済指標による値動きの影響を受けにくい性質があるため、スイスフラン/円の場合、レート変動の要因になりにくいことも多くあります。

スイス・SNB政策金利発表

SNB政策金利発表は、スイスの中央銀行(スイス国立銀行)による政策金利発表のことで、3月、6月、9月、12月の中旬頃に発表されています。
正しくは3カ月物LIBOR(銀行間貸出レート)誘導目標といい、スイスでは公定歩合を廃止し、3ヶ月物市場金利(LIBOR)の誘導水準を採用しています。

スイスの政策金利は利下げが続いており、2008年頃は2.75%、2009年3月〜2011年7月は0.25%で推移し、2011年8月以降は0.0%、すなわちゼロ金利政策で進められてきました。
2014年12月には-0.75%とマイナス金利となり、これは、原油安を背景に安全通貨とされてスイスフランが買われすぎることを抑制するために導入されたとされています。
2015年1月15日には、1ユーロ=1.20スイスフランに設定していたフラン相場の上限を撤廃するとともに、金利は-1.25%に引き下げられました。

このスイス中銀による為替介入の撤廃が発表されたことで、スイスフランは大きく買われ、対スイスフランの通貨は4,000pips以上の大変動となるスイスフラン・ショックとなったのも記憶に新しいですね。

通常であれば、金利の引き上げはポジティブであると判断され、スイスフランは買われやすくなります。
反対に、現行金利の継続および引き下げはネガティブであると判断され、スイスフランは売られやすくなります。

経済指標名
SNB政策金利発表(スイス国立銀行 3ヶ月物LIBOR目標金利中央値、Swiss 3-Month LIBOR Target Rate)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
スイス国立銀行(Swiss National Bank)3・6・9・12月 / 中旬17:30★★★★
指標のポイント
スイスのみで発表される経済指標です。スイスフランと日本円は経済指標による値動きの影響を受けにくい性質があるため、スイスフラン/円の場合、レート変動の要因になりにくいことも多くあります。

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