FXで価格変動につながる要因には、雇用統計などの経済指標発表や要人発言以外にも、さまざまな要素があります。
こちらのページでは、FXの中心となる三大外国為替市場の主要時間とコアタイム、さらにどの時間帯に価格変動要因のイベントがあるのがタイムテーブルを一覧で掲載しました。
また、その後の方向性を形成する要因となる、東京仲値、東京OPカット、NYオプションカットロンドンフィックスを詳しくご紹介します。
三大外国為替市場の特徴
FXの1日はオセアニア市場のニュージーランド市場、次いでオーストラリア市場と始まり、アジア市場(東京・香港など)、欧州市場(ロンドン、フランクフルト、チューリッヒなど)、北米市場(ニューヨークなど)と進んで、毎日繰り返していきます。
為替は日々値動きしていきますが、相場が大きく動くにはニュースであったり、経済指標であったりと、何かしらのきっかけや理由があります。
外国為替市場というのは物理的な場所が存在しないため抽象的な概念ではありますが、世界で特に大きなマーケットとして注目されている東京、ロンドン、ニューヨークを合わせて三大外国為替市場と呼ばれています。
三大市場の取引時間ですが、日本はサマータイムを導入していないため、東京時間の取引時間は1年を通して変わりません。
アメリカとイギリスはサマータイムを導入しているため、サマータイム中はマーケットの開始時間、終了時間ともに1時間早くなります。
なお1年間において、標準時間の期間は約5ヶ月となっており、実はサマータイム期間のほうが約7ヶ月と長いので留意しておいてください。
東京時間
東京市場は9:00〜17:00が主な取引時間となります。
株式市場は15:00に終了しますが、夏時間でも早いと15:30にはロンドン勢が動き始めてきて、欧州時間へと主戦場は移り変わっていきます。
なお株式市場と異なり、FXでは厳密に時間が決まっているわけではありませんが、8:00以降を東京時間とする見方もあります。そして8:30頃から変動が大きくなる傾向にあります。
そのため8:00〜15:00が東京時間のコアタイムと言えますが、夕方〜深夜に比べると東京時間は穏やかな値動きを見せやすい特徴があります。
東京時間ではコアタイムのうち、もっとも値動きを見せる8:30〜10:00の値動きに注目しましょう。
ロンドン時間
欧州市場では夕方〜深夜が取引の活発な時間帯で、この時間帯はロンドン時間とも呼ばれています。
※ロンドン市場は一般的に上記時間との判断が多く、後述するタイムテーブルもこのロンドンセッション(ロンドン市場で取引される時間帯)を記載しています。
しかしロンドン勢は(ロンドン時間の)早い時間帯からトレードする傾向がありますので、サマータイム時は15:00〜、標準時(冬時間)は16:00〜をロンドン時間として考えるのがおすすめです。
そのためコアタイムは、サマータイム時は15:00~20:00(標準時は16:00~21:00)が目安ですが、ロンドンフィックスのみ遅くサマータイム時24:00(標準時は1:00)に公表されています。
短期トレードの場合、東京時間からロンドン時間へと突入する前に、利益を確定しておいたり、ポジションを軽くしておく戦略を考えておくと有効的です。
ニューヨーク時間
夜〜朝方がニューヨーク時間となり、ロンドン時間と重なる時間帯は世界中で活発に取引が行われることから、為替も大きく動く時間帯となります。
FOMC政策金利発表や突発的な有事、要人発言を除き、夏時間でも2:00以降になってくると流動性の低下により値動きも落ち着きを見せてきます。
NY時間で積極的にトレードを仕掛けていくなら、やはりコアタイムとなるサマータイム時21:00〜1:00(標準時22:00~2:00)に取引の機会を探っていくのがおすすめです。
三大外国為替市場のタイムテーブル
それでは、3つの外国為替市場のタイムテーブルを見ていきましょう!
外国為替市場はオープンなマーケットなので、決められた場所や時間が存在する訳ではありません。
しかし、主にその国の株式市場が始まって終わるまでに大きな取引が行われていることから、主要な取引時間のベースとなっている仕組みです。
三大外国為替市場の取引時間【冬時間】
日本が11月〜3月のときは、ロンドン市場、ニューヨーク市場は以下のタイムスケジュールとなります。
アメリカ:11月第1日曜日 ~ 3月第2日曜日
ユーロ圏(イギリスも含む):10月最終日曜日 ~ 3月最終日曜日
オーストラリア:4月第1日曜日 ~ 10月第1日曜日
ニュージーランド:4月第1日曜日 ~ 9月最終日曜日
東京 | ロンドン(冬、-9h) | ニューヨーク(冬、-14h) | |||
---|---|---|---|---|---|
06 | 21 | 16 | 6:00 株式終了 | ||
07 | 22 | 17 | |||
08 | 23 | 18 | |||
09 | 9:55 東京仲値 9:00 株式開始 | 24 | 19 | ||
10 | 01 | 20 | |||
11 | 02 | 21 | |||
12 | 03 | 22 | |||
13 | 04 | 23 | |||
14 | 05 | 24 | |||
15 | 15:00 株式終了 15:00 東京OPカット | 06 | 01 | ||
16 | 07 | 02 | |||
17 | 08 | 17:00 株式開始 | 03 | ||
18 | 09 | 18:00 英国指標 | 04 | ||
19 | 10 | 19:00 欧州指標 | 05 | ||
20 | 11 | 06 | |||
21 | 12 | 07 | |||
22 | 13 | 08 | 22:30 米指標 | ||
23 | 14 | 09 | 23:30 株式開始 | ||
24 | 15 | 10 | 24:00 米指標 24:00 NYOPカット | ||
01 | 16 | 1:00 ロンドンFix 1:30 株式終了 | 11 | ||
02 | 17 | 12 | |||
03 | 18 | 13 | |||
04 | 19 | 14 | |||
05 | 20 | 15 |
取引の多い時間帯 市場のコアタイム
三大外国為替市場の取引時間【夏時間】
日本が3月〜11月のときは、ロンドン市場、ニューヨーク市場は以下のタイムスケジュールとなります。
アメリカとイギリスはサマータイム導入国ですから、サマータイム時は取引時間が1時間早まります。
ほぼ8ヶ月間なので、標準時間よりもサマータイム期間の方が長くなっています。
アメリカ:3月第2日曜日 ~ 11月第1日曜日
ユーロ圏(イギリスも含む):3月最終日曜日 ~ 10月最終日曜日
オーストラリア:10月第1日曜日 〜 4月第1日曜日
ニュージーランド:9月最終日曜日 〜 4月第1日曜日
東京 | ロンドン(夏、-8h) | ニューヨーク(夏、-13h) | |||
---|---|---|---|---|---|
06 | 22 | 17 | |||
07 | 23 | 18 | |||
08 | 24 | 19 | |||
09 | 9:00 株式開始 9:55 東京仲値 | 01 | 20 | ||
10 | 02 | 21 | |||
11 | 03 | 22 | |||
12 | 04 | 23 | |||
13 | 05 | 24 | |||
14 | 06 | 01 | |||
15 | 15:00 株式終了 15:00 東京OPカット | 07 | 02 | ||
16 | 08 | 16:00 株式開始 | 03 | ||
17 | 09 | 17:00 英国指標 | 04 | ||
18 | 10 | 18:00 欧州指標 | 05 | ||
19 | 11 | 06 | |||
20 | 12 | 07 | |||
21 | 13 | 08 | 21:30 米指標 | ||
22 | 14 | 09 | 22:30 株式開始 | ||
23 | 15 | 10 | 23:00 米指標 23:00 NYOPカット | ||
24 | 16 | 24:30 株式終了 24:00 ロンドンFix | 11 | ||
01 | 17 | 12 | |||
02 | 18 | 13 | |||
03 | 19 | 14 | |||
04 | 20 | 15 | |||
05 | 21 | 16 | 5:00 株式終了 |
取引の多い時間帯 市場のコアタイム
市場のコアタイムとは、各市場で活発に取引が行われている時間帯です。
この表には、これからFXを始めたい方や、初めて間もない方には聞き慣れないワードがありますよね。
- 仲値
- 東京OPカット(オプションカット)
- ロンドンFix(ロンドンフィックス)
- NYOPカット(ニューヨークオプションカット)
それでは順番に、それぞれの意味を解説していきます。
経済指標を詳しく知りたい方は、こちらのページでご確認ください。
仲値は銀行が使う為替レートの基準値
仲値(なかね)は、銀行などの金融機関が私たちなどの顧客と取引するときの、基準となるレートです。
9:00に東京株式市場が始まってから、9:55に各金融機関ごとに仲値公示が行われます。
刻一刻と変化する為替レートで、顧客ごとに異なったレートで取引するのは、銀行側は大変ですよね。
分かりやすい例でいうと、海外旅行にいく前、外貨が必要になって銀行で外貨両替するとします。
このときの、円を外貨に替えるときのレートをTTBといいます。
帰国後、余った外貨を銀行で円に替えるときのレートはTTSといいます。
いわばTTBとTTSは、FXでいうところ2Wayプライス、つまりスプレッドと考えると分かりやすいです。
そして2つの価格の中間となる「仲値(TTM)」が、当日の銀行などでの取引に使われるベースの価格となります。
仲値は、日本の銀行と顧客との取引に使われる価格ですから、仲値公表の際には、円を介した通貨ペア(米ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円など)の変動要因となりやすいのが特徴です。
外貨を買いたい顧客が多ければ、銀行は不足するドルなどの外貨を買う(仲値不足という)流れとなります。
このドル買いによって仲値不足となるほど、円安に動きやすい傾向があります。
とくに5と10の付く日や月末は「ゴトー日要因」といい、円安に動くきっかけとなりやすいのでしっかりと覚えておいてください。
ゴトー日に仲値の特徴を突いたトレード手法はこちらで解説しています。
東京オプションカット
東京オプションカット(=東京OPカット)とは、くだいた言い方をすると、通貨の先物取引(通貨オプション)の権利が失効する締め切り時間(カットオフタイム)のことです。
ここでは通貨オプションについて深く掘り下げませんが、要は「オプションが消滅する前にどうにかしよう」という投資家の動きによって、相場が活発になりやすいのが変動要因の理由です。
東京オプションカットの数分前から価格の壁をめぐる攻防となり、15:00を境にトレンドや反転によって、値動きに変化が起こりやすい時間帯となります。
ただし仲値、東京OPカットがある日本時間の午前中から夕方にかけての値動きは、ロンドン市場やニューヨーク市場の変動に比べると大きくありません。
NYオプションカット
NYオプションカットはニューヨークの通貨オプションの権利行使期限のことです。
東京オプションカットのニューヨーク版ですが、東京よりも取引量が多いことから、値動きへの影響も相対的に大きくなります。
カットオフタイムは日本時間24:00(サマータイム時は23:00)です。
設定された価格に近づいたり、24:00を過ぎて大きなオプションが消滅して決済されると、トレンド転換となり相場が動くきっかけともなります。
こういったNYオプションカットの価格情報は、FX会社から配信されるマーケット情報で確認することができます。
サポートライン・レジスタンスラインの目安にしたり、その後のトレンドに注目するのもいいでしょう。
NYオプションカットについてはこちらの記事でも解説しています。
ロンドンフィックスは、ロンドン版の強力な仲値
ロンドンフィックス(London Fix)とは、仲値のロンドン版といったところで、仲値をより強力にしたものだと思ってください。
ポンドの取引をする方ならお分かりだと思いますが、アジア市場から欧州市場へと移り変わるとともに、値動きは大きくなっていきます。
ロンドンフィックスはサマータイム時24:00(標準時は1:00)に発表があります。
東京仲値は円中心の値動きですが、ロンドンフィックスはポンド、ユーロ、米ドルを中心として動きます。
これは、この通貨の主戦場がこの時間であり、取引量が増えるからです。
そして仲値同様に、月末や期末となると取引量の増加にともない、大きく変動する傾向があります。
ロンドンフィックスは月末になると、イギリスとEUの貿易でポンドが決済に使われますが、大口取引も多いことからユーロ/ポンドが動きやすく、テクニカルに反したイレギュラーな動きをすることもよく起こります。
欧米のトレーダーやファンドは、四半期末や半期末を重視する傾向にあり、利益確定のタイミングにも使われるため、こういった状況でのロンドンフィックスは、トレンドの逆に動くこともあります。
三大外国為替市場を判断するのに便利なツール
トレンドの変わり目となる三大市場の移り変わりを視覚的に確認できれば、状況に応じた取引の判断に役立てることができます。
そこで、三大市場の判断に便利なツールをご紹介します。
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