「仲値トレード」って聞いたことはありますか?
仲値トレードは、スキャルピング、デイトレードを行う中上級者が取り入れているトレード手法です。
前日が強い上昇ではなかったり、当日がゴトー日だったりと、条件が揃えば、数分の超短期トレードで10数pips抜いたり、当日朝の保有ポジションによっては20pips程度抜けるケースもあります。
こちらのページでは、仲値トレードを基礎から注意点までご紹介します。
仲値とゴトー日のキホンを知ろう
そもそも仲値、ゴトー日とは何を指すのか、基本的な解説から進めていきます。
仲値とは
仲値とは、銀行が顧客と外国為替取引をするときに決める基準レートのことです。
TTM(Telegraphic Transfer Middle Rate)ともいいます。
土日を除く毎営業日9:55に、三菱UFJ銀行が自行のレートを基準として仲値を決定します。
その後、各銀行や金融機関がその仲値を参照して、10:00に窓口で公示されます。
金融機関は、この当日の仲値を基準としたレートで、輸出入企業や機関投資家(生命保険会社や投資会社など)と取引を行います。
そもそもなぜ仲値が必要かというと、FXのように一日中レートが動いては取引が困難になるからです。
顧客と取引のたびにレートが違うと、その都度レートを照会しなければいけません。
例えば2人で銀行に外貨両替に行った場合、わずかな時間差で両替レートが違えば不平が生じてしまいますよね。
これを解消してスムーズに取引をする仕組みが、仲値というわけです。
ですので、基本的には当日の仲値が変動することはありません。
仲値公表のタイミングで、為替レートはそれまでの動きから変化しやすいです。
ですが、その解説の前に「ゴトー日」も重要になってきます。
ゴトー日とは
ゴトー日(五十日)は、5日・10日が示すように「5の倍数の日にち」のことです。
5日、10日、15日、20日、25日、30日(または月末日)が該当します。
FXのアノマリー(なぜか予想通りになりやすいとする経験則)に「ゴトー日要因」があります。
これはドル不足によって、仲値にかけて円安ドル高で推移しやすいというものです。
ゴトー日に米ドル不足になりやすい理由ですが、輸入企業が海外との取引で決済日となることが多く、円を売って米ドルを買う(つまり決済する)動きがあるからです。
もちろん米ドルだけではなく、外貨自体が不足しやすいですが、取引量の多い米ドルが不足しやすい傾向にあります。
(ただし輸出企業の場合、ゴトー日は逆の動きとなり、米ドルを売って円を買う形となりますが、基本的には米ドル買い需要になりやすいです。)
これを、仲値のドル買いとも呼ばれています。
このような理由で米ドル/円の変動要因となることから、ゴトー日の仲値トレードは、お世辞にもアノマリーとは言いがたいのです。
ゴトー日の仲値トレード手法
それではゴトー日に仲値トレードをする手法をご紹介します。
- 当日がゴトー日であることを確認する。
(土日や祝日は前倒しになりますが、ちょっと分かりにくいので図解で後述しています。) - 前日の米ドル/円は明確な下降トレンドではないか、また深夜〜早朝にかけて大きな値動き要因がなかったか確認する。
- 朝〜10時にかけて、要人発言などファンダメンタルズ要因がないか確認する。
(例. 政府などの要人による外交や金融政策などの発言など) - 朝方(7:00まで)にロングでエントリーする。
(リスクを考慮する必要もあるが、値動きによってはNYクローズ前のエントリーも可能。) - 9:55の前(9:53、9:54など)にあらかじめ利益確定するか、9:55にドテン注文でショートを保有する。
- 9:55にショートした場合は、中国市場オープン前に一旦決済する。
ゴトー日の仲値トレードで選ぶ通貨ペアは、米ドル/円です。
仲値の取引では、円と米ドルの取引が中心となるからです。
まずトレード前に、前日と当日トレード前の動きを確認します。
もしポジション保有したとき、値動きに影響を及ぼすファンダメンタルズ要因がないかも確認しておきましょう。
朝にエントリーする形となりますが、時間帯ごとの精度は後述しています。
ゴトー日に朝から米ドル/円が上昇しているときは、9:55を境に下落しやすい特徴があります。
これは当日の朝から米ドル買い需要でジワジワ上昇し、仲値公表直前(つまり9:54)に米ドル買いが集中しやすいからです。
その後、それまで上昇した動きとは一転して、9:55から落ちる動きを見せやすく、10pips〜15pips下がることもよくあります。
下落後の動きによってはそのままショートを保有する戦略もできますが、10:30にスタートする中国市場の影響でそれまでのトレンドが変化する可能性もあります。ですので、この時間で一旦利食いする目安にもできます。
この一連の値動きを、ゴトー日の仲値狙いのトレードにおける基本的なパターンとして理解しておきましょう。
ただし前日の米ドル/円が明確な下降トレンドであったり、前日にNYダウなど米国株が急落していて、当日も米ドル/円が下落しそうな局面では、「仲値のドル買い」が効きにくい要因となります。
円高への勢いが強く懸念されるときは、トレードしない選択が賢明です。
ゴトー日仲値トレードの精度は?
仲値トレードの精度は、学会で発表された秋山氏の検証(2010年8月〜2018年7月 米ドル/円約8年間の1時間足データ)が大変参考になります。
画像引用元:ザイFX! – ゴトー日の金曜日の仲値トレードは儲かる!茨城大・鈴木智也研究室が検証し学会発表
このデータによると、金曜日がゴトー日のとき、「3:00〜10:00」「5:00〜10:00」に保有するともっとも高い約63%の確率で上昇することが明らかになっています。
また保有期間が長いほどリターンが大きくなるデータも出ています。
画像引用元:ザイFX! – ゴトー日の金曜日の仲値トレードは儲かる!茨城大・鈴木智也研究室が検証し学会発表
投資回数によってパフォーマンスのいいエントリー時間は異なりますが、保有期間の長さと相関していることが確認できます。概ね0:00〜3:00に保有すると収益率が高いのが分かりますね。
変動リスクを抑えて高勝率重視なら3:00か5:00にエントリー、変動リスクを許容して収益率重視なら当日のもっと早い時間エントリーにする戦略を考えることができます。
仲値トレードの注意点とポイント
祝日や決算期などの特殊需給となるときは、ゴトー日がずれ込むため注意が必要です。
- 土日・祝日がゴトー日のとき
- アメリカの祝日がゴトー日のとき
- 大型連休(ゴールデンウィーク、年末年始)のとき
- 月末、四半期末、年度末
ゴトー日が土日、祝日に重なったときは前倒しになります。
例えば30日が月曜日で祝日だった場合、ゴトー日は直前の営業日である27日の金曜日になります。
さらにFXで覚えておきたいのが、アメリカの祝日です。
アメリカが祝日のときはマーケットが閑散となるため、その祝日はいくらゴトー日であっても、不規則な値動きにより注意が必要になってきます。
↑仲値トレードで有名な羊飼いさんがトレードした2017年11月22日(水)の例です。
アメリカでは11月23日(木)、24日(金)は感謝祭で祝日だったため、22日を実質ゴトー日としてトレードしていました。
休日前はドルの買い需要があるため、アメリカの祝日が重なったときもゴトー日が前倒しになることを覚えておきましょう。
ゴトー日に外貨での決済が多いことが、仲値トレードの根底といえます。
そのため大型連休前は旅行による外貨の買い需要もあることから、このタイミングのゴトー日は狙い目なポイントとなります。
同様に決済が集中しやすい月末、四半期末(主に3月末、6月末、9月末、12月末)も狙い目となってきます。
アメリカの祝日一覧
アメリカの祝日は年間で10日間あります。仲値トレードに役立つようにまとめました。
1月1日 | 新年 |
---|---|
1月第3月曜日 | キング牧師誕生日 |
2月第3火曜日 | 大統領の日(ワシントン誕生日) |
5月最終月曜日 | 戦没者追悼記念日(メモリアル・デー) |
7月4日 | 独立記念日 |
9月第1月曜日 | 労働祭(レイバー・デイ) |
10月第2月曜日 | コロンブスの日 |
11月11日 | 復員軍人の日 |
11月第4木曜日 | 感謝祭 |
12月25日 | クリスマス |
独立記念日は7月4日固定ですが、当日が祝日の場合は前日が独立記念日の振替休日となります。
実際のチャートで仲値を見てみよう
2020年5月22日(金)は実質25日のゴトー日でした。この日のトレード例を見てみましょう。
まず日足で前日の値動きをチェックして、大きな下降トレンドではないことをチェックします。
他の日にちと比べても、値幅の小さい陽線であることが確認できますね。
60分足でも前日の値動きを把握しておきましょう。
当日の朝から仲値までの推移を見ると、9:55にかけて上昇し、そこを境にきれいに下落しているのが確認できますね。
こちらは1日の値動きです。
仲値を起点にトレンドが変化しているのが明確に現れているのが確認できますね。
安値で仕込むのは難しいですが、直近安値や当日安値からの反発をエントリーの目安にすれば、ゴトー日の仲値トレードは10pips程度は充分狙える手法です。
このほかロンドンフィキシングもあり、こちらは「強力にしたイギリス版の仲値」といったイメージですね。
詳しくはこちらの記事も合わせてご覧ください。
また仲値と同じように、その設定された時間の前後にかけて価格が動きやすい「NYオプションカット」というのもあります。
NYオプションカットについては、こちらで解説しています。
スキャルピングは禁止業者もありますが、安心して取引できる業者を知りたい方は、こちらの記事もご参考にどうぞ。
仲値トレードにおすすめの業者
仲値トレードは短期のトレードになるので、スキャルピングができる以下のFX業者がおすすめです。
GMO外貨
安心感を求めるなら、GMOインターネットグループのFX業者、GMO外貨で決まり!
低スプレッド・高スワップポイントなので、短期売買から長期売買まで幅広く対応します。
「Exチャート」は全36種類のテクニカル指標を搭載!カスタマイズ性が高く軽快に動作する、初心者〜上級者まで扱いやすいチャートです。
スマホ/タブレットアプリ「外貨ex」は直感的にサクサクと発注でき、取引に便利なプッシュ通知機能も備えています。
対象通貨ペアの取引に応じて、毎月キャッシュバックを受け取れることも、GMO外貨ならではの魅力です!
\ こちらから無料で「GMO外貨」の口座開設ができます! /
お申込みは最短5分、口座維持費等の費用は一切かかりません。
みんなのFX
みんなのFXは、スワップポイント狙いでおすすめの業者です。
メジャー通貨からトルコリラ/円などの高金利通貨まで、全通貨ペアにおいて「業界最高水準」「ほぼ固定スワップ」を提供しています。
これにより長期にかけて、安定的にスワップポイントを受け取ることができます。
スプレッドは業界最狭水準であり、約定率も高いので、デイトレードなど短期売買から中期売買にも向いています。
ほとんどの通貨ペアが1,000通貨に対応しているため、少額からスタートが可能です。
取引ツールには人気チャートのTradingViewを搭載!
さらに売買比率・価格分布(オープンオーダー)も備わっており、エントリーすべき方向性の判断に役立ちます。
口座開設すれば、FX、シストレ、バイナリーオプションと3つの取引ができることも魅力です。
\ こちらから無料で「みんなのFX」の口座開設ができます! /
お申し込みは最短5分、口座維持費等の費用は一切かかりません。