TDシーケンシャル(TD Sequential)は、チャートの天底を狙いにいく異色のテクニカル指標です。
西原宏一さんのメルマガ、西原宏一のシンプルFXトレードでお馴染みの方も多いかも知れません。
知る人ぞ知るマイナーなテクニカル指標ですが、なぜTDシーケンシャルこそが天才的発想で、独創性溢れるインジケーターだと呼ばれているのでしょうか。
その理由とともに、TDシーケンシャルの具体的な使い方から、MT4でもっともおすすめのTDシーケンシャル・インジケーターをご紹介します。
テクニカル指標名 | タイプ | 分析適正 |
---|---|---|
TDシーケンシャル | トレンド系・時系列 | 逆張り |
最強にして至高のテクニカル指標
1990年代で名を馳せたアメリカのチャーティスト、トム・デマーク(Tomas R DeMark)の最高傑作と呼ばれているのがTDシーケンシャルです。
TDはトム氏のイニシャルが由来で、このほかデマーク系指標にはTDコンボ(TD Combo)のほか、オシレーター系のデマーカー(DeMarker)が有名です。
マイナーなものでは、TD Line 、TD Point 、TD Moving Avarage 、TD Camouflage、TD Clop、TD Clopwin、TD Open、TD Trapなどもあります。
TDシーケンシャルが至高とされる理由が、サイクル理論をベースとして「相場の天と底」をつかむことを目的としているからです。
サイクル理論とは、安値から安値をひとつのサイクルとし、この一定サイクルから転換点を捉えていくというもの。
トレンド系テクニカル指標ながらも、逆張り狙いのアプローチというのが、ほかのテクニカル指標ではなかなか見られない特徴です。
しかしながら著作権が厳しくライセンスが高額なため、基本的にFX業者のチャートには搭載されていません。
こういった理由でTDシーケンシャルを解説する書籍はほぼ出回っていないため、本格的に学ぶならデマーク氏の書籍を読みましょう。
TDシーケンシャルの使い方
TDシーケンシャルでは1〜13の数字を使い、成熟したトレンドの逆転を捉えていきます。
かんたんな見方は「9」と「13」だけ注目すればOKです。
- 「9」が点灯したら短期のトレンド転換。小反発で押し・戻りを形成。
- 「13」が点灯したら中長期のトレンド転換。
もちろん全てがシグナル通りとはいきませんが、こうしてチャートを見ると、コロナショックで大変動がありましたが、しっかりと転換を捉えているのがわかりますね。

※上記チャートの水平ラインはそれぞれTDSTサポート、TDSTレジスタンスと呼ばれ、トレンド転換の目安となります。
それでは、もう少し深く掘り下げて説明していきます。
TDシーケンシャルのルール
こちらは海外フォーラムの資料にあるTDシーケンシャルの売買ルールです。
これを和訳したのが以下です。
TDセットアップ | TDカウントダウン | |
---|---|---|
期間 | 9番の足 | 無制限(13番以上にもなり、おおよそ30番程度) |
買いシグナル | 1〜9番まで連続したとき、9番の足の終値が、その4本前の足(4〜8番)の安値よりも低いとき | 13番の足の終値が、その2本前の足の安値より低いとき |
完璧な買い | 8番または9番目の足が、6・7番両方の安値よりも低いとき | 13番の足の安値が、8番の足の終値以下のとき |
売りシグナル | 1〜9番まで連続したとき、9番の足の終値が、その4本前の足(4〜8番)の高値値よりも高いとき | 13番の足の終値が、その2本前の足の高値より高いとき |
完璧な売り | 8番または9番の足が、6・7番両方の高値よりも高いとき | 13番の足の高値が、8番の足の終値以上のとき |
このようにルールがありますが、インジケーターによっては条件を満たすときのみ、インジケーター上で「9」「13」それぞれの数字が大きく表示されます。
TDセットアップ
TDセットアップは、新しいトレンドが始まる場所と、現在のトレンド内に修正が入る場所を検知します。
まず価格の反転によって、プライスフリップが発生します。
プライスフリップの発生条件は以下。
- 下落→上昇の場合:最後の終値が4本前の終値より高く、1本前の終値は5本前の終値より低い。
- 上昇→下落の場合:最後の終値が4本前の終値より低く、1本前の終値は5本前の終値より高い。
この条件が継続すればそのままカウントされていき、「9」を付けるまえにカウントがストップすれば、また「1」からセットアップが始まります。
9以降も10、11、12、13、14・・・とプライスフリップが起こるまでセットアップは続きます。
TDカウントダウン
TDカウントダウンはトレンドの長さを計算して、トレンド終焉の瞬間と、新しいサイクルの価格変動要素の出現を検知します。
9以降で続いたセットアップのカウントが終了したら、カウントダウンのフェーズにします。
カウントダウンの発生条件は以下。
- 上昇しているときの場合:最後の終値が2本前の終値より低いor等しい。
- 下落しているときの場合:最後の終値が2本前の終値より高いor等しい。
セットアップと異なり、カウントダウンは連続する必要はないので、ローソク足を1本や2本飛ばしても、条件を満たせばカウントされていきます。
もうひとつ、最後の条件があります。
- 上昇への転換を示唆:13番目の足の安値は8番目の足の終値より安い。
- 下落への転換を示唆:13番目の足の高値は8番目の足の終値より高い。
ここまでの条件が揃い、「13」が点灯する仕組みとなります。
どのMT4インジケーターを使うべきか
TDシーケンシャルはプロトレーダーが使うブルームバーグ端末に搭載されています。
以前西原宏一さんにお話を伺ったとき、このツールを使うには月々2,500ドル?と一般トレーダーが使うにはあまりにも高額だったことが記憶に残っています。
余談はさておき、無料チャートのTradingViewなどを使うか、MT4の無料インジケーターを配布サイトからダウンロードすればTDシーケンシャルを利用できます。
ただしどれもデマーク非公認であり、インジケーターごとに微妙に計算式が異なったりする点は理解しておきましょう。
サイト名 | インジケーター名 | TDSTライン の有無 | サインが 当日に点灯 |
---|---|---|---|
MQL5 | MAB_TD_Sequential.mq4 | ○ | ○ |
Abysse | TD Sequential.mq4 TD_Sequential.mq4 | ○ | ○ |
医学的FX (ゴゴジャンからもダウンロード可能) | TD Sequential.ex4 | ○ | ✕ |
Abysseさんには「TD Sequential.mq4」「TD_Sequential.mq4」の2つがありますが、どちらも海外の同じ開発者による同一のインジケーターです。
各チャートで同じ期間(2020年3月前後)の日足に表示させた例をご覧ください。





MT4インジケーター3つを検証したところ、「9」の表示位置は同じでしたが、カウントダウンのロジックがそれぞれ若干異なる印象で、どれが正解かは正直不明です。
大きく異なるのが、直近のローソク足に点灯するかどうかです。
土日に分析するとき、直近のローソク足に「9」が点灯するかで戦略に違いも出てくるでしょう。
MT4ならMAB_TD_Sequential.mq4は、上記画像の例でいうと土日でも金曜日の足に9が表示されます。Abysse版、医学的FX版は月曜日のマーケットオープン後に9が反映されます。
もっともおすすめなのは、矢印付きで分かりやすいMAB_TD_Sequential.mq4です。
数字の反映タイミングを気にしないなら、9と13のみを表示できる医学的FXさんのインジケーターが使いやすいです。
もしスマホでもTDシーケンシャルを見たいなら、TradingViewのアプリを使えばスマホでも閲覧可能です。
高機能チャートのTradingViewは、無料アカウントでもチャート設定をWeb上で保存できます。本格的に使いたい方は無料アカウントを作成しましょう。
参考リンク
- DeMark Indicators-Jason Perl(Bloombergの解説資料)
- FOREX FactoryのDeMarkインジケーターのフォーラム(各種資料やインジケーターのダウンロードが可能)
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