FXのファンダメンタルズ分析は、それぞれの国が置かれた状況を総合的に判断して先行きを予測する分析のことをいいます。
これに対して、チャート分析によって将来の値動きを予測するのがテクニカル分析となります。
中長期の動向を形成するファンダメンタルズ要因は難しいことから、FXではテクニカル分析を重視するトレーダーが多いです。
しかしファンダメンタルズ分析を行うことで、マーケットの大きな流れを掴みやすくなることから、決して無視することはできません。
それでは、主なファンダメンタルズ要因についてご紹介します。
ファンダメンタルズ的要因の種類
ファンダメンタルズ的要因は、たとえ日本国内で値動きに影響を与える要因がないとしても、他国の値動き要因が日本円の値動きにも影響を与えます。
そのため、何が影響を与えているのか正確に判断することは、経験者にとっても難しいです。
近年、為替相場のファンダメンタルズ要因には、米中対立や中東問題をはじめ、各国の政治や選挙、さまざまな金利や商品価格が挙げられます。
このように複数の要因が値動きに影響を与えるファンダメンタルズですが、最初は何を判断材料にすればいいのか、分かりにくいところもありますよね。
ファンダメンタルズ要因には、主に以下の材料があります。
- 各国の金融政策(とくに政策金利の変更)
- 各国の経済指標からみた景気の動向
- 有事(戦争や紛争、内戦、災害など)
- 要人発言(各国政府など重要人物の発言)
- 経済に関わるさまざまなニュース
- 原油などの天然資源、貴金属、木材など商品価格の変動
- 各国の総選挙(とくにアメリカ)
- 株式市場の動向
- 大企業のM&A
ファンダメンタルズ要因はニュースで確認できる
ファンダメンタルズ要因を構成する各国の経済や政治、企業の状況、有事、要人発言などは、FX業者の取引ツールで配信されている「マーケットニュース」で配信されています。
もちろん取引ツールだけではなく、世界中の出来事はテレビやインターネットでもリアルタイムに配信されていますが、こういった情報もファンダメンタルズ要因として重要です。
ですから取引していない場面であっても、ニュース速報にはアンテナを張り巡らせておくと、その後の取引に役立てることが可能です。
経済指標発表時は、大きく為替が変動
先ほどのリストの中で、最も身近に為替が変動するタイミングに、経済指標が挙げられます。
経済指標とは、経済状況を構成する要因(物価、金利、景気、貿易など)を数値化にしたもので、各国の公的な機関により、定期的に発表されています。
各FX業者の公式サイトでは、その指標の前回の結果や予測をもとに、発表前にどのくらいの見通しであるか予想値も発表されますので、参考にするといいでしょう。
全て当てはまるわけではありませんが、例えば、失業率の予想が5%で、発表が4.5%となったとします。
失業率は低いほうが、その国の経済状況にとってはプラスとなります。
そうすると、予想を下回ってポジティブに捉えられ、この場合その通貨は買われやすくなります。
アメリカの雇用統計でいう失業率を例にすれば、米ドル/円なら「米ドル買い」で必然的に「日本円売り」となるため、米ドル/円は上昇する形となります。
以下に、主要な米国の経済指標をまとめましたので、ファンダメンタルズ分析の要因として参考にしてみてください。
米国の主要経済指標 | 発表時期 | 発表時間 (日本時間) | 重要度 |
---|---|---|---|
ISM製造業景況指数 | 毎月/第1営業日 | 23:00 | ★★ |
ISM非製造業景況指数 | 毎月/第3営業日 | 23:00 | ★★ |
雇用統計 | 毎月/第1金曜日 | 21:30 | ★★★★★ |
貿易収支 | 毎月/上旬~中旬 | 21:30 | ★★★ |
小売売上高 | 毎月/中旬 | 21:30 | ★★ |
生産者物価指数(PPI) | 毎月/中旬 | 21:30 | ★★ |
消費者物価指数(CPI) | 毎月/中旬 | 21:30 | ★★★ |
住宅着工件数 建設許可件数 | 毎月/中旬 | 21:30 | ★★ |
対米証券投資 | 毎月/中旬 | 22:00 | ★★ |
中古住宅販売保留指数 | 毎月/下旬 | 23:00 | ★★ |
GDP(国内総生産) | 4半期/毎月 | 21:30 | ★★★★ |
FOMC政策金利発表 | 6週毎/火、水曜日 | 25:30 | ★★★★★ |
【その他】FRB議長議会証言 | 2月、7月 | – | ★★★★★ |
各国の経済指標を知りたい方は、こちらからチェックしてみてください。
有事で買われやすい通貨
- 有事のドル買い
- 有事の円買い
- 有事のスイスフラン買い
なにか有事が起こったときは、安全通貨の代表的な通貨が買われやすくなります。
日本円は長きに渡って安全資産の側面があり、永世中立国のスイスフランも同様に判断されています。
そして米ドルですが、基軸通貨の安定により、有事が発生したら流動性の高い米ドルを買おうとする動きで買われやすくなります。
そのときのパワーバランスで変わってきますが、有事でパニック相場が起これば米ドル、円、スイスフランのいずれかが買われやすくなるのは、過去を見ても明快です。
有事はないに越したことはないでしょうが、こういった局面のときは、対象となる通貨に対しこの3通貨ではどれが強いかに注目してみると、トレンドとなりうる通貨ペア探しに役立ちます。
政策金利は為替レートに大きな影響を与える
各国の金融政策は為替レートに影響を与えますが、そのなかでも大きな影響要因となるのが「政策金利」です。
- 景気が過熱してきたとき:政策金利の引き上げ(利上げ)をして景気を冷まそうする
- 逆に景気が後退してきたとき:政策金利の引き下げ(利下げ)を景気の失速を防ごうする
ファンダメンタルズ要因として数ある経済指標が発表されていますが、政策金利の変更は経済活動に影響を与えるため、GDPやCPIなどの経済指標に影響を与える要因ともなります。
もちろん、景況感や国の経済状況を示すGDPやCPIなどの経済指標も、政策金利などの金融政策の決定に影響を与えます。
そして政策金利ですが、政策金利が利上げすれば該当国の通貨は買われやすく、政策金利が利下げされれば該当国の通貨は売られやすくなります。
これは、投資家が金利が有利な通貨で運用しようとする動きによるものです。
たとえばアメリカが利上げをしたら、投資家は米ドル資産の比率を増やして日本円資産の比率を減らすことで、米ドル高・円安に推移する、という見方が一般的です。
とくに対円通貨ペアは基軸通貨国であるアメリカの動向に大きく影響されることから、アメリカの政策金利には注目していくのが得策です。
ファンダメンタルズ要因となる経済指標の見方【まとめ】
- 経済状況を示す経済指標の結果が好調なら、その国の通貨は買われやすい。
- 日本の経済状況が変わらなくても、もしアメリカが好調なら米ドル高・円安と判断ができる。
- 政策金利が上がれば該当国の通貨は買われやすく、政策金利が下がれば該当国の通貨は売られやすい。
- 主要国の政策金利が上がっているとき、日本が低金利で変化がなければ、円安が継続しそうと判断ができる。
- 主要国の政策金利が下がってきたとき、日銀が利上げを行えば、円高にトレンドが転換しそうだと判断ができる。
各国における政策金利の推移は、外為どっとコムのデータが分かりやすいです。
政策金利の金利発表日は事前にわかりますので、政策金利の動向に注目していくなら発表スケジュールをしっかり押さえておきましょう。
各社のスマートフォンアプリでは「米・FOMC政策金利発表」「英・BOE政策金利発表」のように、重要度の高い経済指標の発表前に通知させることもできます。
FXでファンダメンタルズ要因に着目するなら、経済指標がプッシュ通知に対応する業者で口座開設し、アプリが使える環境を整えておきましょう。
以下記事では、ファンダメンタルズ分析における金利の見方、注目すべき経済指標から、テクニカル分析のポイント、注文方法の使い方まで解説しています。
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