日本の主な経済指標や要人発言を、一覧でご紹介します。
日本・経済指標の特徴
日本円が絡んだ通貨ペアには「米ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円」などがあります。
指標発表時の結果によっては、円が大きく買われたり大きく売られたりします。
はじめにお伝えしますが、日本の多くの経済指標は、アメリカの雇用統計のような派手さはありません。
しかし世界的にも、黒田日銀総裁の発言関連、日銀による金融政策、日銀短観などは極めて高く注目されています。
日本国内の経済指標の多くは、午前中に発表されています。
米ドル/円は、アメリカの為替市場が始まる夜の時間帯から活発に動きやすいですが、日中の変動要因には、これら日本の経済指標による影響が大きいです。
また、日本円の値動きと切っても切り離せない関係なのが「日経平均株価」です。
円相場と日経平均株価には深い相関性がありますので、株取引をしない方であっても、日経平均株価の動きは念頭に入れておくべきです。
日本の経済指標は通常、大きな変動要因となりにくい傾向もあります。
しかし「黒田バズーカ砲」に代表されるような金融緩和政策などの発表があれば、為替レートは大きく変動します。
また、国内企業の景況感を表す「日銀短観」は海外からの注目も高いのが特徴です。
日本の主要な経済指標
日本の経済指標で、ある程度の値動きを狙ってトレードしたいなら、星4つ以上【★★★★】の指標に注目してみるといいでしょう。
日本の経済指標 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
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日本・景気動向指数(CI) | 毎月 / 上旬[速報値] 毎月 / 中旬[改定値] | 14:00 | ★★ |
日本・国際収支-経常収支 | 毎月 / 上旬 | 8:50 | ★★ |
日本・国際収支-貿易収支 | 毎月 / 上旬 | 8:50 | ★★★ |
日本・GDP(国内総生産) | 毎月 / 上旬 | 8:50 | ★★★★ |
日本・機械受注 | 毎月 / 上旬 | 8:50 | ★★★ |
日銀・金融政策決定会合発表 (BOJ政策金利発表) | 毎月 / 中旬 | 12:00頃 | ★★★★★ |
黒田日銀総裁・定例記者会見 | 毎月 / 中旬 | 15:30 | ★★★★ |
日銀・金融政策決定会合議事要旨 | 毎月 / 中旬 | 8:50 | ★★★ |
日本・鉱工業生産(IIP) | 毎月 / 中旬[確定値] 毎月 / 下旬[速報値] | 13:30 8:50 | ★★★ |
日本・貿易統計(通関ベース) | 毎月 / 中旬 | 8:50 | ★★★ |
日本・小売業販売額 | 毎月 / 下旬 | 8:50 | ★★ |
日本・完全失業率 | 毎月 / 下旬か上旬 | 8:30 | ★★★ |
日本・有効求人倍率 | 毎月 / 下旬か上旬 | 8:30 | ★★★ |
東京消費者物価指数(CPI) | 毎月 / 下旬 | 8:30 | ★★ |
全国消費者物価指数(CPI) | 毎月 / 下旬 | 8:30 | ★★★ |
日銀短観-大企業製造業 業況判断指数(DI) | 4月初旬・7月初旬・10月初旬・12月中旬 | 8:50 | ★★★★★ |
日銀短観-大企業製造業 先行き | 4月初旬・7月初旬・10月初旬・12月中旬 | 8:50 | ★★★★ |
日銀短観-大企業全産業 設備投資額 | 4月初旬・7月初旬・10月初旬・12月中旬 | 8:50 | ★★★★ |
黒田日銀総裁・発言 | 不定期 | – | ★★★★ |
日本・景気動向指数(CI)
景気動向指数は、景気の現状判断と、将来の予測に利用されている経済指標です。
具体的には、生産、雇用、消費など、29種類の景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、算出されています。
景気動向指数には、コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)がありますが、2008年以降は、景気変動の大きさや量感を把握しやすいCIがより重視されています。
CIとDIはそれぞれ、景気に対し先行して動く先行指数、ほぼ一致して動く一致指数、遅れて動く遅行指数の3本の指数があり、先行指数は景気の先行きを見るために、一致指数は景気の現状を見るために使います。
遅行指数は確認するために利用されており、FXの経済指標としてはあまり重要視されていません。
FXでは、景気先行指数CIと景気一致指数CIの速報値に注目していきましょう。
この指標ですが、数値の「100」を基準点として、CIが上昇しているときは景気が改善している、下降している時は悪化していると判断されます。
経済指標名 |
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景気動向指数(CI、Composite Index)[景気先行指数CI、景気一致指数CI] |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
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内閣府 | 毎月 / 上旬 | 14:00 | ★★ |
指標のポイント |
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2013年5月以降は100以上で推移しています。景気動向指数が為替レートに与える影響は、極めて小さい傾向となっています。 |
日本・国際収支-経常収支
国際収支は、日本であれば外国との輸出入などの取引や投資など、お金の流れを表す経済指標です。
この国際収支は、大きく分けると経常収支、金融収支、資本移転等収支で構成されています。
- 経常収支
- 貿易・サービス収支
- 貿易収支
- サービス収支
- 第1次所得収支
- 第2次所得収支
- 金融収支
- 直接投資
- 証券投資
- 金融派生商品
- その他投資
- 外貨準備
- 資本移転等収支
- 貿易・サービス収支
この経常収支はいくつかの項目で構成されていますが、その多くは輸出入を表す「貿易収支」と、海外での投資を表す「第1次所得収支」によって占められています。
以前は貿易収支が占める割合が多かったのですが、日本は海外での投資に力を入れてきた日本は、今日では第1次所得収支の割合も高くなっています。そのため、投資立国を目指す日本の第1次所得収支は、今後どれだけ伸びるかが市場から期待されています。
国際収支では、経常収支全体と、貿易収支が重視されており、貿易収支は為替レートや原油価格など、さまざまな価格にも左右される性質があります。
発表値がポジティブであれば円は買われやすく、ネガティブであれば円は売られやすくなります。
経済指標名 |
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経常収支(Current Balance) |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
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財務省 | 毎月 / 下旬か上旬 | 8:50 | ★★ |
指標のポイント |
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貿易収支と同時に発表されます。指標発表後の値動きは小さく、例えば米ドル/円なら動いても15pips程度、平均的には5pipsも変動しない場合が多い傾向にあります。 |
日本・国際収支-貿易収支
貿易収支は、政府と民間の輸出額から輸入額を引いた差額を表す経済指標です。
日本は輸出に力を入れていることもあり、そして貿易収支は、経常収支(貿易収支、サービス収支、所得収支など)の構成要素として多くの割合を占めています。
もともと、モノ作りの国である日本は輸出大国ですが、東日本大震災以降となってからは、火力発電に必要な燃料を海外からの輸入に頼っていることも一因として、日本の貿易収支はほぼ赤字で推移しておりました。
この貿易収支が黒字となれば、経常収支も大きな黒字化が見込めることから、市場からの注目度は非常に高くなっています。
経済指標名 |
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貿易収支(the Trade Balance) |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
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財務省 | 毎月 / 上旬 | 8:50 | ★★★ |
指標のポイント |
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経常収支と同時に発表されます。指標発表後の値動きは小さく、例えば米ドル/円なら動いても15pips程度、平均的には5pipsも変動しない場合が多い傾向にあります。 |
日本・GDP(国内総生産)
GDP(国内総生産)は、日本で一定期間内に生み出された財とサービスの付加価値の総額で、国の経済規模を見るための経済指標です。
日本国内のGDPは内閣府により、速報は2、5、8、11月の中旬(10日〜20日頃)、改定は3、6、9、12月の上旬(10日頃)に発表されています。
GDPの伸び率は、そのままその国の経済成長率を表しますので、非常に重要度が高い経済指標であり、中長期的な景気動向を判断するためにも利用されます。
GDPには、名目GDPと実質GDPがあり、名目GDPは実際の金額を、実質GDPは物価変動を調整した金額を表します。
またGDPの構成要素として消費・投資・輸出・政府支出などがありますが、このうち消費がGDPのおおよそ2/3を占めています。
日本のGDPは、長い間アメリカに次ぐ世界第2位でしたが、中国の経済成長に伴い、現在は世界第3位となっています。
経済指標名 |
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国内総生産(GDP、Gross Domestic Product) |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
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内閣府 | 2月・5月・8月・11月 中旬[速報値] 3月・6月・9月・12月 上旬[改定値] | 8:50 | ★★★★ |
指標のポイント |
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他国のGDPに比べると、値動きへの影響は限定的なケースが多いです。米ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円ともに40pips程度動くことは少なく、平均的には10pips前後の変動となりやすい傾向があります。 |
日本・機械受注
機械受注とは、機械メーカーが受注する設備用機械の受注額などの状況を調査した、設備投資動向を見る経済指標です。
内閣府により毎月発表(月次 / 翌々月)が行われており、景気先行指標として代表的な指標となっています。
例えば、企業が工場で増産するにあたり、機械を導入する場合、機械を発注する必要があります。
そのため、機械受注は、企業の実際の設備投資よりも約6カ月から9カ月の先行性があるとされています。
一方で、受注額は契約月に計上された場合でも、機械自体は複数月にまたがって生産もされることから、指標自体はかなりブレが多いので注意が必要です。
規模と受注額が大きい船舶と電力は不規則な動きをすることから、これらを除いた「船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)」が一般的に使われています。
経済指標名 |
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機械受注(Orders Received for Machinery) |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
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内閣府 | 毎月 / 上旬 | 8:50 | ★★★ |
指標のポイント |
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平均的に値動きへの影響が小さく、米ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円など、どの通貨も指標発表後10pipsにも満たない傾向があります。 |
日銀・金融政策決定会合発表(BOJ政策金利発表)
この経済指標は日銀総裁による定例記者会見のことで、日銀は英語で「Bank of Japan」となるため、アルファベットの頭文字をとって「BOJ政策金利発表」とも呼ばれています。
日銀の金融政策委員会によって、金融政策決定会合が開催されますが、会合の最終日に決定された金融政策や政策金利の発表が行われます。
金融政策決定会合での結果が発表された後、黒田総裁の定例記者会見が開かれる、という流れとなります。
黒田日銀総裁は就任後、「量的・質的金融緩和」により、政策目標は金利からマネタリーベース(資金供給量、お金の量のこと)に変更となっています。
黒田バズーカ第一弾、第二弾による追加緩和も、この金融政策決定会合発表で行われました。
この黒田バズーカに代表されるように、発表内容が大方の予想に反していたり、大胆であった場合、為替レートは大きく変動します。
なお、この会合内容の発表時間は、正式に定められておりません。おおよそ12:00〜13:00のお昼頃に公表されています。
もしも今後、仮に政策金利が変更されれば、発表後大きく変動しやすい傾向にありますが、日本の政策金利は2016年1月以降-0.1%となり、現在も据え置きとなっています。
経済指標名 |
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日銀・金融政策決定会合発表 |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
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日本銀行政策委員会 | 毎月 / 中旬 | 12:00頃 | ★★★★★ |
指標のポイント |
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発表の際には、資金供給量(マネタリーベース)の増額目標など、決定された内容の公表が行われます。発表は上旬のときもあるなど、その月によって前後しますので、予め確認しておくようにしましょう。 |
黒田日銀総裁・定例記者会見
金融政策の話し合いや決定が行われる金融政策決定会合は、日本銀行政策委員会によって毎月行われています。
会合が終わり次第、決定された金融政策はすぐに公表が行われるとともに、その後、黒田日銀総裁により記者会見が開かれます。
先に公表されるデータによって今後の流れは判断ができるため、基本的には発言内容はある程度の予測ができるとも言えますが、思わぬ発言があった場合、相場へのインパクトも大きく、為替レートは大きく変動することもあります。
また、この時の発言には他にも、現在の経済の状況や、見通し、今後はどのような金融政策を行っていくのかなど、値動きのきっかけとなる情報も多いことから、注目度が非常に高くなっています。
経済指標名 |
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日銀総裁・定例記者会見 |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
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日本銀行政策委員会 | 毎月 / 中旬 | 15:30 | ★★★★ |
指標のポイント |
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例えば、記者からの際どい質問に対する返答内容によっては、思わぬ値動きとなることもあります。 |
日銀・金融政策決定会合議事要旨
通称、BOJ議事録とも呼ばれています。
毎月中旬頃(上旬の場合もあり)に、日銀で金融政策決定会合が1〜2日間、開催されています。
会合開催後の翌月に、このときの議論内容や、政策金利の変更に至った理由、今後の見通しや展望などが、BOJ記事録としてレポートで発表されます。
今後行なう金融政策は、9名による採決で決定されますが、このレポートには、賛成票と反対票の数も記されていることから、今後の動向を見る上で注目されています。
欧米圏では重要指標のため、同様の発表があれば大きく変動したりしますが、日本の場合、近年では値動きの材料と見なされていないため、議事要旨が発表されても、為替レートにはほとんど影響がない傾向となっています。
経済指標名 |
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日銀・金融政策決定会合議事要旨 |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
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日本銀行政策委員会 | 毎月 / 中旬 | 8:50 | ★★★ |
指標のポイント |
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賛成数・反対数のほか、委員の発言や見解も記されており、注目が集まっています。 |
日本・鉱工業生産(IIP)
鉱工業生産(IIP)は、日本の鉱業・製造業の生産動向を見る経済指標で、経済産業省が公表しています。
この統計はこういった業種の設備稼働や生産能力をもとに、2か月後の生産活動の先行予測にも利用されています。
四半期ごとに発表されるGDP(国内総生産)と比べて、鉱工業生産は毎月発表されますので、景気実態を把握する上で速報性が高いのが特徴です。
しかし、予想値と結果のブレが激しい指標ですので、あらかじめ過去の平均値を参考にして把握しておく必要があります。
この指標は、412品目の鉱工業製品について調査され、1か月間の生産量が指数化されています。
指標発表の際には「0」を基準として、0以上で景気は拡大傾向、0以下で景気は縮小傾向と見られています。
経済指標名 |
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鉱工業生産(IIP、Index of Industrial Production) |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
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経済産業省 | 毎月 / 中旬[確定値] 毎月 / 下旬[速報値] | 13:30 8:50 | ★★★ |
指標のポイント |
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為替レートへの影響は極めて小さく、平均的には5pips以上は変動しない傾向となっています。 |
日本・貿易統計(通関ベース)
貿易収支(通関ベース)は、輸出額から輸入額を差し引いて統計をとった経済指標です。
別名、通関統計とも呼ばれていて、財務省が毎月発表をしています。
日本の貿易収支には2つの統計があり、国際収支統計の貿易収支(決済ベース)と、貿易統計の貿易収支(通関ベース)があります。
この貿易収支(通関ベース)は、貿易統計の輸出入額から算出されていて、実際には、税関を通過した物の流れを基準として統計がとられています。
国際収支統計の貿易収支は、貿易統計を基礎データとし、IMFの国債収支マニュアルに基づいて作成されていて、財務省と日本銀行が共同で毎月発表しています。
貿易収支では、国・企業の経済活動の状況を見ることで、景況感の判断に利用されています。
この2つの指標は、数値自体の計上方法が異なることから、数値には差異があるため、くれぐれも同一視しないようにしましょう。
発表の際には、数値が上昇すれば景況感が良いと判断され、円が買われやすくなります。
反対に、数値が下落すれば景況感が悪いと判断され、円が売られやすくなります。
経済指標名 |
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貿易収支(通関ベース)(Trade Statistics) |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
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財務省 | 毎月 / 中旬 | 8:50 | ★★★ |
指標のポイント |
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ユーロ/円が動きやすく、平均的には10pips程度変動する傾向があります。ときには大きな変動となることもありますので、日本国内の経済指標の中では、注目度は高めです。 |
日本・小売業販売額
経済産業省が公表している商業動態統計にはいくつかの種類がありますが、その内の一つに小売業販売額があります。
月次、翌月の月末にデータの公表が行われています。
この小売業販売額は、個人消費の動向を見る上で重要な指標であり、日本の小売業全体(百貨店、チェーンストア、スーパーマーケットなどの大型小売店、コンビニエンスストアなど)の1ヶ月間の総売上が表されます。
数値の上昇は、個人消費は上向きであると判断され、反対に数値の下落は個人消費は下向きであると判断されます。
経済指標名 |
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小売業販売額(Retail Industry Sales) |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
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経済産業省 | 毎月 / 下旬 | 8:50 | ★★ |
指標のポイント |
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景気がいいのか、悪いのかを判断するのに、小売業販売額で動向が見られています。 |
日本・完全失業率
完全失業率とは、日本全国の約4万世帯の雇用情勢を調査した結果を、総務省統計局が翌月に発表する、雇用関連の経済指標です。
月次、速報は翌月末、または翌々月の初旬に発表されています。
15歳以上の人口のうち、就業者(従業者、休業者)と完全失業者をの合計が労働力人口となりますが、このうち完全失業者の占める割合を、完全失業率として表されます。
このときの完全失業者は、次の3つの条件を満たす者が対象になります。
- 仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった(就業者ではない)
- 仕事があればすぐ就くことができる
- 調査週間中に仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む)
つまり、この完全失業率の数値が高いほど、仕事をしていない人が多いことを指します。
同時に、厚生労働省によって有効求人倍率の発表もあり、こちらも雇用関連の代表的な経済指標です。
このような雇用関連の指標は景気動向に直結するため、とても重要視されています。
失業率の発表値が下落すれば、日本の労働市場では景気動向が良いと判断されて、円は買われやすくなります。
反対に、失業率が上昇すれば、景気動向が悪いと判断されて、円は売られやすくなります。
経済指標名 |
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完全失業率(Unemployment Uate) |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
---|---|---|---|
総務省 | 毎月 / 下旬 | 8:30 | ★★★ |
指標のポイント |
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重要度の高い指標ですが、為替レートへの影響はほとんどない傾向があり、発表後の米ドル円の場合、5pipsも動かないケースがほとんどとなっています。 |
日本・有効求人倍率
有効求人倍率とは、求職者 (仕事を探している人)1人あたり、何件の求人があるのかという割合を数値化した指標で、厚生労働省から毎月発表されています。
具体的には、全国の公共職業安定所(ハローワーク)に申込まれている求職者数を、求人数で割ることで算出されます。
この求人倍率ですが「1.0」より高ければ、仕事を探している人の数よりも求人のほうが多い、ということになります。
反対に「1.0」を下回れば、求人が不足している、ということになります。
完全失業率の場合、例えば失業してもリアルタイムに数値化されるわけではないため、景気の遅行指数とされています。
それに対し、有効求人倍率は労働需給に敏感に反応することから、現状の景気に連動する一致指数とされています。
そのため有効求人倍率・完全失業率はともに、雇用関連の指標は景気動向を見るために、とても重要視されています。
完全失業率と同時に発表される有効求人倍率ですが、2019年以降、数値は下落傾向にあります。
経済指標名 |
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有効求人倍率(Effective Opening-to-Application Ratio) |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
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厚生労働省 | 毎月 / 下旬か上旬 | 8:30 | ★★★ |
指標のポイント |
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重要度の高い指標ですが、為替レートへの影響はほとんどない傾向があり、発表後の米ドル円の場合、5pipsも動かないケースがほとんどとなっています。 |
東京消費者物価指数(CPI)
東京消費者物価指数(CPI)は、東京都区部の小売・サービスの販売価格の調査結果を表す経済指標です。
物価の水準を測定した指標ですので、生活コストを計るものさしに使われており、インフレの動向を見るためのもっとも重要な指標という位置付けです。
全国版のCPIである全国消費者物価指数と区別するために、東京消費者物価指数と呼ばれています。
全国版のCPIに比べて、東京消費者物価指数は当月のデータが公表されるため、この指標の方が速報性があります。そのため、国内消費者物価指数の先行指標として注目されています。
CPIには、全調査対象の物価動向を示した総合指数と、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数があり、食品・エネルギー価格は季節要因の影響を受けやすい特徴があるため、コア指数の方が注目度は高くなっています。
また、物価トレンドを把握するとき、総合指数とコア指数の差が大きければ、コア指数の方がより重視されています。
経済指標名 |
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東京消費者物価指数(CPI、Consumer Price Index) |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
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総務省 | 毎月 / 下旬 | 8:30 | ★★ |
指標のポイント |
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日本時間の朝方は為替レートの値動きが少ない時間帯であることと、日本の経済指標は値動きへの影響が少ないケースが一般的です。この指標の発表直後の変動は、5pips以下である傾向となっています。 |
全国消費者物価指数(CPI)
全国消費者物価指数(CPI)は、日本の小売・サービスの販売価格の調査結果を表す経済指標です。
日本のCPIは通常、この全国消費者物価指数のことを指します。
しかし日本のCPIには同時発表される東京消費者物価指数もあり、こちらと区別するために全国消費者消費者物価指数と呼ばれています。
CPIには全調査対象の物価動向を示した総合指数と、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数があり、食品・エネルギー価格は季節要因の影響を受けやすい特徴があるため、コア指数の方が注目度は高くなっています。
また、物価トレンドを把握するとき、総合指数とコア指数の差が大きければ、コア指数の方がより重視されています。
経済指標名 |
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全国消費者物価指数(CPI、Consumer Price Index) |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
---|---|---|---|
総務省 | 毎月 / 下旬 | 8:30 | ★★★ |
指標のポイント |
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日本時間の朝方は為替レートの値動きが少ない時間帯であることと、日本の経済指標は値動きへの影響が少ないケースが一般的です。この指標の発表直後の変動は、5pips以下である傾向となっています。 |
日銀短観
日銀短観とは、日銀により四半期ごと(3か月に1度)に実施される統計調査で、景気動向を把握するために利用されます。
全国約1万社の企業を対象に、業況や経済環境の現状・先行きについてどうみているか、また売上高・収益・設備投資額等の実績・予測値など、企業活動全般についてアンケート調査が行われます。
この結果を元に、日銀が今後金融政策を行っていく上で、重要な判断材料の一つとして利用されています。
日銀短観は、正しくは「全国企業短期経済観測調査」と言いますが、一般的には略称の「日銀短観」「短観」と呼ばれています。
海外でも「TANKAN」で広く知られており、国外での注目度も極めて高い経済指標です。
国内指標の中では注目度はトップクラスであり、為替レートのほか株価への影響もあることから、金融市場では四半期GDPの速報とともに、最重要な指標となります。
日銀短観ではいくつかの統計が公表されますが、このうち、以下3つの統計が注目されています。
日銀短観-大企業製造業 業況判断指数(DI)
大企業製造業 業況判断指数とは、景気が良いと感じている企業の割合から、景気が悪いと感じている企業の割合を引いた、日銀短観の景気判断指数です。
こういった業況を示す景気動向指数(Diffusion Index)はDIとも表されます。
DIの数値は「0」を基準とし、これを上回ると景気が良い、下回ると景気が悪いと感じる企業が多いことを示します。
中小企業、中堅企業、大企業ごとに、製造業・非製造業に分けて公表されますが、在庫の影響を受けやすい製造業の景況感は景気に敏感に反応します。そのため、大企業(資本金10億円以上の企業)製造業のDIがもっとも注目されています。
DIは景気の現状や先行きを見るための代表的な統計ですので、日銀短観の中で、もっとも高く注目されています。
経済指標名 |
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日銀短観-大企業製造業 業況判断指数(DI) 日銀短観-大企業非製造業 業況判断指数(DI) |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
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日本銀行 | 4月初旬・7月初旬・10月初旬・12月中旬 | 8:50 | ★★★★★ |
指標のポイント |
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日銀短観は、この業況判断DIが注目度大です!日本時間の朝方は動きにくいですが、日銀短観発表時には30pips〜40pips程度動くこともあります。 |
日銀短観-大企業製造業 先行き
日銀短観の大企業製造業先行きとは、大企業(製造業)の3ヶ月後の景況感の先行きを見る経済指標です。
この統計は大企業、中堅企業、中小企業ごとに発表されますが、大企業の数値がもっとも重要として見られています。
また業況判断DIと同じく、非製造業よりも製造業の先行きがより注目されています。
ひとつの例となりますが、前回の先行きを発表値の数値が上回り、さらに、今回の先行きが発表値を上回れば、景況感の先行きは良いと判断されて、日本円が買われやすくなります。
経済指標名 |
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日銀短観-大企業製造業先行き 日銀短観-大企業非製造業先行き |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
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日本銀行 | 4月初旬・7月初旬・10月初旬・12月中旬 | 8:50 | ★★★★ |
指標のポイント |
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日本の指標が発表される朝方は大きく値動きしにくい傾向ですが、日銀短観は国内の最重要指標であるため、大きな変動に繋がる可能性があります。 |
日銀短観-大企業全産業 設備投資額
日銀短観の大企業全産業 設備投資額とは、日本の全ての産業の設備投資額(土地投資額を含む、ソフトウェア投資額を除く)を測定した経済指標です。
設備投資額額の上昇は、生産性の向上に繋がることから、景況感をみる先行指標として見られています。
設備投資関連のデータはいくつか発表されますが、土地投資額を含み、ソフトウェア投資額を除いた、前年度比のデータが主に注目されています。
各FX会社の経済カレンダーでは、あらかじめ予想値を見ることができますので、発表値との差に注目してみましょう。
経済指標名 |
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日銀短観-大企業全産業 設備投資額 |
発表機関 | 発表時期 | 日本発表時間 | 重要度 |
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日本銀行 | 4月初旬・7月初旬・10月初旬・12月中旬 | 8:50 | ★★★★ |
指標のポイント |
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日本の指標が発表される朝方は大きく値動きしにくい傾向ですが、日銀短観は国内の最重要指標であるため、大きな変動に繋がる可能性があります。 |
黒田日銀総裁・発言
黒田東彦日銀総裁・発言は、金融政策決定会合後の定例会見以外の発言、すなわち不定期に行われる発言全般を指します。
例えば、日本銀行金融研究所が主催で、日銀本店で国際コンファレンス(会議)が開かれますが、この国債コンファレンスでは日銀の総裁が開会挨拶を行う形となっています。
さまざまな会議や講演の際に、発言の場が設定されており、この時の発言に注目が集まっています。
不定期要因ともなる要人発言ですが、FX会社の経済カレンダーで開催日を確認することができ、平均的に月に0回〜2回程度となっています。
日銀総裁発言については、以下日銀ウェブサイト上でもスケジュールを確認できます。
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取引ツールはMacにも完全対応する高機能「MATRIXチャート」にはマーフィー氏考案のテクニカル指標、スーパーボリンジャーとスパンモデルが搭載されています。
さらに分析専用MT4も使うことができ、スマートフォン(iPhone/Android)やiPadに最適化されたアプリは直感的に発注ができることもポイント。
当日の相場状況を知らせてくれる「小林芳彦のマーケットナビ」、未来の値動きを自動で予想する「未来予測チャート」など、会員限定でさまざまな情報&分析ツールを利用できるのも魅力です。
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