注目すべきFOMC政策金利の変動要因と、為替・株・商品との相関性を解説!

FOMC政策金利が変動する要因と為替・株・商品との相関性を解説!

マーケットの大きな方向性を探る要因として、皆さんは何に注目していますか?

相場の中心といえば世界の基軸通貨「米ドル」ですが、米ドルの方向性を探る上で欠かせないのが、「FOMC政策金利発表」です。

そもそも、なぜFOMC政策金利発表がこれほど注目されているか、こちらの記事ではその理由を深く探っていきます。

また政策金利が変更された際に、為替や株、金、原油はどんな動きを見せる傾向にあるのか、相関・逆相関の関係を一覧表で詳しくご紹介します。

目次

「FOMC政策金利」とは

FOMCとは、Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略称で、アメリカの金融政策を決定する最高意思決定機関・会合のことです。

約1ヶ月半ごとに公表される!

アメリカの中央銀行にあたるFRB(米連邦準備理事会)が、原則年間で8回、約6週間の間隔で火曜日(2日間の場合は火、水曜日)に開催しています。

アメリカ現地が夏時間のときは日本時間3:00、標準時間のときは日本時間4:00に発表されています。

日本では日銀(日本銀行)が「日銀金融政策決定会合」で政策金利などの金融政策を決定していますが、それのアメリカ版というわけです。

FOMCの主な役割

  • アメリカにおける物価・経済の安定が、FOMCによる金融政策の目的
  • 雇用統計、PCEデフレーター、CPIといった景況感を示す経済指標の結果(失業率やインフレ率、賃金上昇率など)から、その先の目標が議論される
  • 現在の景気から、政策金利(FF金利, FF=フェデラル・ファンド)の誘導目標(引き上げ、引き下げ、現状維持)を決定する
  • 公開市場操作(=オペ, 金融政策のひとつで、中央銀行が市場で通貨供給量(マネーサプライ)の調節をすること)の方針を決定する

世界では各国の中央銀行が、政策金利による金融政策を行っていますが、アメリカは世界の経済における中心です。

よく相場の例えで「アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひく」とも言われています。
これはアメリカの経済状況が変化すると、日本のみならず、世界中の国々が影響を受けることを表しています。

つまりFOMC政策金利は、為替レートや株価指数にも大きな影響を与えることから、極めて注目度が高くなっています。

FOMC(連邦公開市場委員会)で議決権がある12名のメンバー
FOMCをもっと詳しく

FOMCでは、FRB7名(欠員あり)の常任理事(総裁、副総裁、理事)、地区連銀総裁のうち5名(常任でFOMC副議長となるニューヨーク連銀総裁を除く4名は1年任期のローテーション)を合わせた、合計で最大12名の投票権で政策が決められています。

11人の地区連銀総裁のうち、7名の地区連銀総裁とNY地区連銀副総裁には投票権はありませんが、会合に参加して意見の交換が行われています。

投票は原則、多数決で決定されています。

また議決権があるメンバーは、それぞれ以下の呼び方で分類されています。

  • 利下げを好むメンバー:ハト派(景気重視派)
  • 利上げを好むメンバー:タカ派(物価重視派)
  • どちらにも属さないメンバー:中立派

FOMC終了後、委員会全体の見解がFOMC声明として発表され、その3週間後に、議論内容が記録されたFOMC議事録(議事要旨)が公開されています。

議事録では、それぞれのグループの発言に注目してみるのもいいですね。

ちなみにFOMC議事録は、FRBの以下ページから閲覧できます。
Google Chromeのウェブページ翻訳機能を使うと、かんたんに日本語で見れるのでおすすめです。

参考リンク:FRB(連邦公開市場委員会) – 会議のカレンダー、ステートメント、および議事録(英語)

FRBが重視する経済指標

FRBは金融政策を変更する判断材料として雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率)、PCEデフレーター、CPIを重視しています。

経済指標名特徴
雇用統計・非農業部門雇用者数農業以外の労働市場の勢いを示す
増加は利上げ要因、減少は利下げ要因
雇用統計・失業率労働状況を示す
増加は利下げ要因、減少は利上げ要因
PCEデフレーター個人消費支出の物価上昇率を示す
増加は利上げ要因、減少は利下げ要因
CPI(消費者物価指数)消費者が購入するときの物価水準を示す
増加は利上げ要因、減少は利下げ要因

これらの経済指標に変化が見られてきたら、FRBがテコ入れしてくる可能性があるかも知れないと捉えていきましょう。

「量的金融緩和政策」「テーパリング」にも注目!

伝統的な金融政策といえば「政策金利」のコントロールですが、アメリカではリーマンショック以降、非伝統的な金融政策である「量的金融緩和政策」と「テーパリング」という金融政策も実施されています。

景気循環には一定のサイクルがありますが、景気後退期になってくると、中央銀行は利下げを行います。
政策金利を下げることで、市場でお金が動くように働きかけて景気・物価の下支えをする、という理屈ですね。

それでも景気回復の兆しが見えず、政策金利が実質ゼロ水準で引き下げの余地がない場合、「量的金融緩和政策(=Quantitative Easing, QE)」が導入されます。

これは金融市場の安定・活性化を狙って、市場への資金供給量(=マネタリーベース)を増やす政策で、具体的には国債や担保証券などの金融資産を、中央銀行が金融機関から大量に買い入れるプロセスによって景気を刺激していきます。

そしてテーパリングとは、「量的金融緩和政策の縮小」ことです。
Taperingには「先細り」「徐々に減っていくこと」の意味があるように、量的金融緩和による金融資産の買い入れ額を段階的に減らしていき、最終的にはゼロにすることを目標としています。
「出口戦略」とも呼ばれており、雇用統計などの経済指標で改善が見られてくると、テーパリングが導入されています。

利下げ・利上げによってもたらされる影響

政策金利と為替の相関性

「利下げ」のように景気を上向かせるために実施する金融政策のことを、「金融緩和政策」といいます。

一方で、急激な物価上昇や景気過熱によるバブルを防ぐために、物価の安定・景気の抑制を目指して「利上げ」を実施する金融政策のことを、「金融引き締め政策」といいます。

利下げが好景気になる理由

(お金を預けるときと同じ理屈で)金利が下がるとその国の通貨の魅力も下がるため、通貨安となります。
その一方で、通貨安は輸出面で有利ですので、貿易黒字の要因になります。

金利が低いと企業は金融機関からお金を借りやすいので、事業の拡大要因となります。
つまり事業が好調なら株価は上がります。

低金利によってお金が回るようになってくると、消費者の購買力上昇に繋がります。
モノが売れると物価が上昇します。(=インフレ)

政策金利は、中央銀行が一般の市中銀行などの金融機関に貸し付けるときの金利です。
政策金利が下がると、金融機関から企業、個人へと生活環境における金利も下がります。
そうすると債券の利回りも下がり、利回りをもとに換算される債券価格は高くなります。

このように、景気低迷を刺激するために、金融緩和で「利下げ」が行われます。

利上げが景気悪化になる理由

金利が上がると、その国の通貨の魅力も上がるため、通貨高となります。
その一方で、通貨高は輸出面で不利ですので、貿易赤字の要因になります。

金利が高いと、企業は金融機関からお金を借りにくいので、事業の縮小要因となります。
つまり事業が不調なら、株価は下がります。

高金利によってお金回りが悪くなると、消費者の購買力低下に繋がります。
モノが売れないと、物価が下がります。(=デフレ)

政策金利が上がると、生活環境での金利も上がります。
そうすると債券の利回りも上がり、債券価格は低くなります。

このように、景気の過熱を抑制するために、金融引き締めで「利上げ」が行われます。

FOMC政策金利の変動相関表

FOMC政策金利の変化によってマーケットにはどんな影響があるのか、まとめると以下です。

米・政策金利が
「利上げ」
米・政策金利が
「利下げ」
米ドル相場米ドル高
(米ドル/円は上昇)
米ドル安
(米ドル/円は下落) 
米・株価指数
米国企業株価
下落 上昇
米国債・価格下落 上昇
米国債・利回り上昇 下落
円相場円安
(米ドル/円は上昇)
円高
(米ドル/円は下落)
日経225下落 上昇
新興国通貨下落 上昇
上昇 下落
原油下落 上昇

リスクオン(安全資産買い)・リスクオフ(高金利通貨買い)の観点により、FOMC政策金利が変化すると米ドルと新興国の通貨は対となる動きを見せる傾向にあります。

つまりFXでは、FOMC政策金利が変更された際には米ドル/円の値動きとともに、マイナー通貨の方向性にも注目することで、よりトレンドの変化を捉えやすくなるでしょう。

NYダウ、金、原油といった銘柄とも明快な相関・逆相関が見られることから、CFDでの取引にもぜひ生かしてみてはいかがでしょうか。

なおFOMC政策金利の織り込み度(予想)を知ることができる、「CME FedWatch Tool」という無料のツールがあります。

こちらのページでCME FedWatch Toolの利用方法を解説していますので、合わせてご覧ください。

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