マーケットでは米ドル/円などのFX、NYダウや日経225などの株価指数、金や原油などの資源価格に注目されています。
近年ではこれに加えて、ビットコインなどの暗号資産価格が話題になることも珍しくありません。
現在多くの投資家に人気の暗号資産は、FXや株とともに近年では投資の定番といえるでしょう。
『暗号資産に興味があるけど、まずは基礎から仕組みを知りたい』
『暗号資産をお得に取引できる業者を見つけたい』
こういったニーズに向けて、暗号資産の基本から業者比較まで初心者にわかりやすく解説します。
そもそも暗号資産とは?
暗号資産とは、インターネットを介して売買できるデジタル通貨のことです。
世界初となる暗号資産のビットコインは、サトシ・ナカモトと名乗る人物によって2009年に発表されました。
その技術の中核となるのが「ブロックチェーン」というデータを記録する暗号化技術によるものです。
ブロックチェーンは、売買によって暗号資産はどのように所有されたのか、取引データをブロックという単位で記録して、チェーン(鎖)のように1本の鎖で繋げることで、取引履歴が保存されます。
このブロックチェーン技術によってデータを改ざんすることが難しいことから、暗号資産の偽装や二重払いを不可能とすることで、その価値を担保する役割を果たしているのです。
参考リンク:ビットコイン - Wikipedia
「仮想通貨」と「暗号通貨」と「暗号資産」
暗号資産はこれまで様々な呼び名がありましたが、現在、金融庁やコインを取り扱う取引所では「暗号資産」で統一されています。
当初、日本国内では「仮想通貨」の名称で広く浸透していました。
日本円や米ドルのように、国が定めた通貨のことを法定通貨(Fiat CurrencyやLegal Currency)といいます。
これに対して、仮想通貨(Virtual Currency)や、暗号技術による通貨により暗号通貨(Cryptocurrency)とも呼ばれたのが始まりです。
そして仮想通貨は世界的に取引が拡大し、2018年3月のG20(20カ国・地域の財務大臣・中央銀行総裁会議)でついに言及されました。
注目された仮想通貨に関しては、会議では「暗号資産*1」と定義された上で、それが「ソブリン通貨の主要な特性」を欠いていると指摘される一方、「暗号資産の基礎となる技術を含む技術革新が、金融システムの効率性と包摂性及びより広く経済を改善する可能性を有している」という認識が共有された。
財務省 - G20ブエノスアイレスの概要
これにより金融庁は、国際的な呼び名の「Crypto Asset(暗号資産)」に足踏みを揃えるように、2018年12月に呼称変更の発表を行い、2020年5月に「仮想通貨「から「暗号資産」へと略称変更を行いました。
参考リンク:金融庁 - 暗号資産関係
ただし現時点では、日本国内では「仮想通貨」「暗号通貨」の呼び名が未だ根強く、海外では「Cryptocurrency」が一般的に呼ばれています。
暗号資産が利用されている理由
2021年7月に中米のエルサルバドルは、世界で初めて暗号資産のビットコインを法定通貨として導入します。
続いて2022年4月27日、中央アフリカも法定通貨としてビットコインを採用し、世界で2ヶ国目の導入国となりました。
またアフリカのナイジェリア、ケニア、南アフリカでは、個人間送金としてビットコインが普及しています。
こういった背景には、金融インフラが整っていないことで現地通貨での送金の難易度の高さ、自国通貨の信頼の低さ、また世界の基軸通貨である米ドルが浸透していないなどの環境が要因として挙げられます。
そして暗号資産には多くの種類がありますが、基軸通貨的な存在であるビットコイン以外のことを「アルトコイン」といいます。
このアルトコインは、全世界で5,000種類以上もあるとされています。
先進国でもビットコイン決済が導入されつつありますが、日本ではやはり投資対象として人気があります。
近年では、サービスの利用に応じてビットコインをプレゼントとして受け取ることもできるため、私たちの生活にも身近に関わってきています。
このように暗号資産は、世界的にも実生活から資産運用まで、生活のサイクルに少しずつ浸透してきているのです。
法定通貨と暗号資産の大きな違い
法定通貨は国家や中央銀行が発行する通貨のことです。
アメリカなら米ドル、欧州圏ならユーロ、日本なら日本円が法定通貨となりますね。
法律によって定められている通貨なので「法定通貨」といい、これによって通貨の価値が保証されている特徴があります。
つまり国家というバックグラウンドによって、裏付け資産としての価値が保たれているということですね。
国際的には、米ドル、ユーロ、日本円など経済が安定していて多く取引されている国(地域)の通貨ほど価値が高く、逆に政治や経済が不安定な国の通貨ほど価値が低くなる傾向にあります。
そして法定通貨と比べると、暗号資産には以下の違いがあります。
- 多くの暗号資産は国家、中央銀行といった中央集権となる発行主体が存在しない
- 紙幣、硬貨のようにモノとして物理的に存在せず、電子データとして存在する
- ブロックチェーン技術によって、資産(電子データ)としての価値を保証している
- 国家の金融政策による影響が大きい法定通貨と異なり、利用者の需要・供給によって通貨の価値が決定する
- ビットコインならマイニング(採掘)によって新しく既成される仕組みで、発行上限(2,100万BTC)と決まっている(供給量に上限がある)
中央銀行の介入や供給量によってコントロールされる法定通貨は、国・中央銀行などの中央集権的な存在の信頼によって、その価値が保証されています。
しかし遠くない未来に、先進国とはいえ国への信頼が不安視される情勢となった場合には、人々は中央集権が存在しない暗号資産に価値を見い出すようになってくるかも知れませんね。
暗号資産が今後の将来性に期待されている理由
暗号資産市場の値動きを予想することは難しいですが、今後さらに価格が上昇するだろうと期待されている理由があります。
- 法規制の整備による流動性・信頼性の向上
- テクノロジーの進化
- 法定通貨への不信感
- 機関投資家や企業の参入
法規制の整備による流動性・信頼性の向上
各国政府では、暗号資産に対する規制の整備を行っています。法的な枠組みがより明確になることで、機関投資家や企業、そして多くの個人投資家が安心して参入できる環境が整うことが期待されます。
これにより暗号資産市場の信頼性が高まり、資金流入の増加に期待ができます。
たとえば近年、アメリカやカナダでは法規制によってビットコインETFが承認されました。
これにより暗号資産取引所だけではなく、「証券取引所」でもビットコインの取引ができるようになり、流動性が高くなる要因となりました。
テクノロジーの進化
ブロックチェーン技術の進化や新しい暗号資産プロジェクトの登場によって、暗号資産の利用用途が拡大しています。
新しいブロックチェーン技術にスポットを当ててみましょう。
たとえばビットコインを例にすれば、ライトニングネットワーク(取引をより早く安く行う技術)が進化してきています。
本来ビットコインはスケーラビリティ(システムの処理能力)問題がありました。
これを解決するための技術の進化により、オフチェーン(ブロックチェーン外での取引)でのトランザクション(ビットコインの送受信や取引)が可能となり、通信速度が大幅が向上して、取引コストも非常に低く抑えられるようになりました。
またDeFi(ディファイ)、NFTといった新しい分野にも注目が集まっています。
DeFi(分散型金融)を分かりやすくいうと、暗号資産を使ったインターネット上の「デジタル銀行」のイメージです。
中央管理者や仲介者がなく暗号資産の取引を行うプラットフォームが誕生しており、安全に暗号資産の貸し借りをしたり、ほかの暗号資産に交換したり、友人に送金を行うことができます。
銀行にお金を預けると利子がつくのと同じように、DeFiのアプリにお金を預けることで利子を受け取ることもできます。
NFT(非代替性トークン)とは、ブロックチェーン技術によって保証されたデジタルアートのことです。
デジタルアート、ゲーム内のアイテム、音楽、動画などさまざまな唯一無二のNFTが存在します。
NFTはデジタルなアイテムを特別なものとして、その所有権を証明するための技術です。NFTを買うことで、特別なデジタルアイテムの公式な持ち主となることができます。
法定通貨への不信感
グローバル経済の不安定さや地政学的リスクが高まる中で、分散型である暗号資産への関心が高まることが考えられます。特に、従来の金融システムに対する不信感が強まると、暗号資産が代替資産として注目される可能性があります。
機関投資家や企業の参入
大手金融機関や企業が暗号資産に興味を示し、投資を増やしています。これにより市場の流動性と信頼性が向上する可能性があります。
ブラックロック、フィデリティ、グレースケールなどの大手金融機関がビットコインに投資していることが報じられています。機関投資家の参入は、市場の流動性を高め、価格の安定化と上昇を促進する要因となります。
PayPalやTeslaなどの大企業が暗号資産を保有したり、決済手段として受け入れたりする動きが広がっています。これにより、一般消費者や他の企業の間でも暗号資産の認知度と信頼性が向上し、市場の拡大につながる可能性があります。
ビットコインが上昇に期待されている理由
世界ではじめて誕生した暗号資産として知られるビットコインですが、ビットコインが持つ特性によって上昇に期待されている理由があります。
- 上限がある配給量と半減期
- 決済通貨としての実用性がある
- インフレヘッジによる買い
上限がある配給量と半減期
ビットコインの供給量は上限が2100万枚と固定されており、約4年ごとに「半減期」があります。
半減期によって新規発行されるビットコインの量が半減するため、供給の増加が減速して価格の上昇圧力がかかるとされています。
決済通貨としての実用性がある
PayPalやSquareなどの企業がビットコインを決済手段として採用し始めており、実際の取引における利用が広がっています。
決済通貨としてビットコインが採用されることで、実用性が高まって需要が増加する要因となります。
インフレヘッジによる買い
安全資産といえば、法定通貨の価値が下がったときに買われる金(ゴールド)を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
暗号資産のなかでも、とくにビットコインは「デジタルゴールド」と呼ばれています。
これは供給量に上限があることで、インフレに対するヘッジ手段となることで注目されているのがその理由です。
法定通貨となる自国通貨の価値が下がる際に、資産を保全する手段としてビットコインへの需要が高くなります。
暗号資産取り扱い業者を比較
業者名 | 取引形態 | 取り扱い 銘柄 | 最小取引単位 /最小取引額 (BTC)※1 | 取引ツール |
---|---|---|---|---|
みんなのコイン | 暗号資産CFD | 5銘柄 | 0.001BTC/ 約9,700円 | スマホアプリ |
まいにち暗号資産 | 暗号資産CFD | 4銘柄 | 0.001BTC/ 約5,000円 | PCブラウザ版 スマホアプリ |
暗号資産CFD | 暗号資産CFD | 4銘柄 | 0.01BTC/ 約97,000円 | スマホアプリ |
GMOコイン | 販売所 取引所 暗号資産CFD | 19銘柄 | 0.00001BTC 約970円 | PCブラウザ版 スマホアプリ |
暗号資産【まとめ】
暗号資産はその価値に期待して購入するユーザーが多いほど、価格は上昇します。
もちろんマーケットは常に上昇が続くわけではなく暴落もしますが、ビットコインや主要なアルトコインは生み出されてから価格が大きく上昇していることは、皆さんもご存知かも知れませんね。
1円以下で買った価値の低いアルトコイン(=草コイン)でも、10倍、100倍以上となったケースもよくあります。
Googleでビットコインのショート/ロング比率を検索すると、ロングの偏りが大きいケースが見受けられますが、これも上昇に期待しているユーザーの多さを表していると言えるでしょう。
また2019年に行われた博報堂の仮想通貨に関する生活者調査では、約4割が取引せずにポジションを保有している「塩漬け」状態であることがわかります。
つまり、資産として保有しつつ取引機会を伺うユーザーが多いことが確認できます。
近年ではブロックチェーンの技術を使ったNFTが盛り上がりを見せているように、暗号資産を取り巻く環境は世界中で注目を集めていますね。
社会のデジタル化が進む流れは、間違いなく今後も続いていくことでしょう。
暗号資産に興味を持たれたのでしたら、ぜひこの機会にスタートしてみてはいかがでしょうか。