【米】アメリカの主要な経済指標の一覧

アメリカの経済指標

アメリカの主な経済指標を一挙まとめて、重要度とともに各経済指標の特徴をご紹介します。

目次

アメリカ・経済指標の特徴

アメリカの主要な経済指標は、為替の値動きに与える影響が大きいことから、世界中のトレーダーから注目されています。
FXでファンダメンタルズ分析を始めるなら、まずはアメリカの経済指標から理解していくといいでしょう。

アメリカは世界経済の中心であることもあり、他国に比べてもかなり多くの経済指標が配信されています。

当記事でご紹介する以外にもたくさんの経済指標がありますが、ここでは28種類の米・経済指標をご紹介します。
一度に全てを覚える必要はありませんが、発表時に大きなインパクトとなりやすいものは発表スケジュールを覚えておくと便利です。

米ドルの値動き傾向や特徴は、こちらの記事も合わせてどうぞ。

アメリカの主要な経済指標

指標発表時の値動きを狙ってトレードしたいなら、星4つ以上【★★★★】の経済指標を重視してみてください。

重要度が高い経済指標は、発表時の数値の強さや弱さによって、為替レートが大きく変動します。

初心者の方は、有名どころの雇用統計、GDP(国内総生産)、FOMCなどで、経済指標はどのようなものなのかを参考にしてみてください!

※下記の時間はアメリカの標準時間(11月第1日曜日AM2:00~3月第2日曜日AM2:00)で記載しています。
サマータイム時(夏時間、3月第2日曜日AM2:00~11月第1日曜日AM2:00)は下記表の時間が1時間早くなります。

アメリカの経済指標発表時期日本発表時間重要度
米・ISM製造業景況指数毎月 / 第1営業日24:00★★★★
米・ISM非製造業景況指数毎月 / 第3営業日24:00★★★★
米・ADP雇用統計毎月 / 雇用統計の2日前22:15★★★★
米・雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率)毎月 / 第1金曜日22:30★★★★★
米・中古住宅販売保留指数毎月 / 10日頃24:00★★★★
米・貿易収支毎月 / 上旬22:30★★★
米・ミシガン大学消費者信頼感指数毎月 / 速報:第2か第3金曜日
毎月 / 確定:最終金曜日
24:00★★★
米・小売売上高毎月 / 中旬22:30★★★★
米・住宅着工件数
米・建設許可件数
毎月 / 中旬22:30★★★
米・生産者物価指数(PPI)毎月 / 中旬22:30★★★
米・消費者物価指数(CPI)毎月 / 中旬22:30★★★★
米・鉱工業生産(IIP)
設備稼働率
毎月 / 中旬23:15★★★
米・対米証券投資毎月 / 中旬23:00★★★
米・ニューヨーク連銀製造業景気指数毎月 / 15日頃22:30★★★
米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数毎月 / 第3木曜日24:00★★★
米・景気先行指数毎月 / 20日頃24:00★★★
米・GDP(国内総生産)4月・7月・10月・1月22:30★★★★
米・中古住宅販売件数毎月 / 下旬24:00★★★★
米・新築住宅販売件数毎月 / 下旬24:00★★★
米・耐久財受注毎月 / 下旬22:30★★★★
米・消費者信頼感指数(CCI)毎月 / 最終火曜日24:00★★★
FOMC政策金利発表年8回4:00★★★★★
ベージュブックFOMCの2週間前4:00★★★★
FOMC議事録FOMCの3週間後4:00★★★★★
FRB議長議会証言2月、7月★★★★★
為替報告書4月、11月★★★

米・ISM製造業景況指数

アメリカの製造業の景況感を見る経済指標です。

米供給管理協会(ISM:Institute for Supply Management)が、製造業約350社の購買・供給管理の役員に、生産、新規受注、在庫、価格、雇用などの項目について、前月と比較し、「良い・変わらず・悪い」から選択してもらい、その結果をパーセンテージで表して公表されています。

アメリカの主要な経済指標の中ではもっとも早い、毎月の第1営業日に前月分の結果が発表されているため、速報性に優れている指標です。
GDPに先行して景気転換を示唆する「景気転換の先行指標」として注目度は極めて高く、指標自体の精度も高い特徴があります。

50%が景気判断の分岐点となっていて、50%を超えれば製造業の景況が良く、50%を下回ると製造業の景況が悪化していることを示しています。
また、FRB(米連邦準備理事会)はこの指標が50%を下回っているときに利上げをしたことがないことからも、FRBの利上げスタンスを見極める意味でも注目されています。

アメリカの製造業の景況感を示す経済指標には、当指標のほかにフィラデルフィア連銀製造業景気指数、ニューヨーク連銀製造業景気指数などがあります。
マーケットでは、ISM製造業景気指数の注目度がもっとも高く、次いでフィラデルフィア連銀製造業景気指数、ニューヨーク連銀製造業景気指数の順となっていて、この3指標は相関性も比較的高めとなっています。

経済指標名
ISM製造業景況指数(ISM Manufacturing Report On Business)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
ISM(米供給管理協会)毎月 / 第1営業日24:00★★★★
指標のポイント
50%以上で景気が拡大傾向、50%以下で景気が縮小傾向と判断されます。
先行指標として、15日にNY連銀景況指数→第3木曜日にフィラデルフィア連銀景況指数の発表があります。こちらも要チェックです。

米・ISM非製造業景況指数

アメリカの非製造業(サービス業)の景況感を見る経済指標です。

米供給管理協会(ISM:Institute for Supply Management)が、非製造業約370社の購買担当役員に、「生産・新規受注・在庫・雇用」の4項目は1ヶ月前と比べて、「良い・同じ・悪い」から選択してもらい、結果をパーセンテージで表して公表されています。

毎月の始めにもっとも早く発表されること、またアメリカの非製造業における企業のセンチメント(景況感)を反映した景気転換の先行指標とされていることから、ISM製造業景況指数とともに注目度の高い指標となっています。
アメリカ経済の構造上、サービス産業の比重が増加していることから重要視されています。

50%が景気判断の分岐点となっていて、50%を超えれば非製造業の景況が良く、50%を下回ると非製造業の景況が悪化していることを示しています。

経済指標名
ISM非製造業景況指数(ISM Non-Manufacturing Report On Business)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
ISM(米供給管理協会)毎月 / 第3営業日24:00★★★★
指標のポイント
50%以上で景気が拡大傾向、50%以下で景気が縮小傾向と判断される。

米・ADP雇用統計

米・ADP雇用統計は、アメリカの給与計算などの人事関連業務における大手代行会社、ADP社によって発表される雇用調査レポートです。
調査レポートは、ADP社の顧客(約50万社、約2400万人以上の給与計算データ)を対象に毎月雇用者数の動向を調査した内容となっています。

サンプル数の多さは十分であり、米国労働省から発表される雇用統計に近い算出手法をとっていること、また毎月の米雇用統計の非農業部門雇用者数が発表される二営業日前に公表されるため、この指標を「雇用統計・非農業部門雇用者数の先行指標」として注目されている指標です。

ADP雇用統計は2006年6月から開始されたため、まだまだ他の指標に比べたら歴史も浅い指標です。
初期の頃は雇用統計の数字と差異がある場合も多かったのですが、データの集計方法も改善されてきた効果もあり、近年では連動性も見られつつあります。

ADP雇用統計の数値を利用して雇用統計でトレードをするなら、過去の雇用統計の数字と、その的中率はどのくらいかに注目するのもいいでしょう。

例. 過去1年間で雇用統計が12回発表されたうち、8回がADP雇用統計の予想と一致していて、的中率は約67%だったのでトレードの参考にした。

経済指標名
ADP雇用統計(ADP National Employment Report)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
ADP(Automatic Data Processing社)毎月 / 第3営業日24:00★★★★
指標のポイント
ADP雇用統計は、米・雇用統計「非農業部門雇用者数」の先行指標!

米・雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率)

米・雇用統計は労働省労働統計局が毎月第1金曜日に発表する、アメリカの雇用情勢を表す景気関連の経済指標です。

全米の企業や政府機関などに、10数項目(失業率、非農業部門就業者数、建設業就業者数、製造業就業者数、小売業就業者数、金融機関就業者数、週労働時間、平均時給など)の調査結果を数値化して公表されています。
このうち失業率非農業部門就業者数が特に注目されています。

雇用情勢の動きは、個人所得・個人消費にも関連することや、また今後の景気動向への影響も大きいことから、FOMCの政策金利の決定にも大きな影響を与えるとされています。

雇用統計の結果次第では1円以上変動したり、その後のトレンド形成の一因となることもあります。
FXではもっとも動く経済指標であることからも、発表当日はビッグイベントとして、FXだけではなく金融市場全体から注目を集めています。

米・非農業部門雇用者数

失業率とともにもっとも重要視されているのが、アメリカの雇用情勢を計る、この非農業部門雇用者数です。
数ある経済指標の中でも、最も重要な指標として注目されています。

非農業部門雇用者数は、非農業部門に属する事業所の給与支払い帳簿を基に集計されていて、経営者や自営業者、農業従事者は含まれておりません。
国籍は問われませんので、アメリカ内で働く他国籍の人も労働人口としてカウントされます。また、パートタイム・フルタイムの区別がなく、2ヶ所以上で働いていれば重複してカウントされます。
対象事業所は約40万社・従業員数約4700万人で、全米の約1/3を網羅していると言われていて、発表頻度の多さ・調査対象の多さ・発表時期が早めであることから、FXにおいて注目度ナンバーワンとも言える経済指標です。

失業率と逆行現象が起きることもありますが、そのときは非農業部門雇用者数の方が信頼度は高いとされています。
一般的に雇用者数は、景気後退とともに減少し、不景気の終焉とともに回復しやすい傾向があります。

米・失業率

雇用統計では非農業部門雇用者数と並び、この失業率も重要視されています。

アメリカの約6万の世帯が調査対象となっていて、失業率は「失業者÷労働力人口×100」で計算されます。
アメリカの場合、軍事就業者を除いた16才以上の全人口を労働人口と定めていて、実は国によってこの定義は異なりますので、一概にも他国と比較ができるものでもありませんので、ご注意ください。

FX会社のサイト内では、非農業部門雇用者数や失業率の予想データを見ることができます。
「予想値」と実際の「発表値」の差が大きいほど、為替レートも大きく変動します。

経済指標名
雇用統計(CES、Current Employment Statistics)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
労働省労働統計局
(U.S. Department of Labor, Bureau of Labor Statistics)
毎月 / 第1金曜日22:30★★★★★
指標のポイント
大きくレートが変動する可能性がとても高い指標です。初心者の方はあえて取引を避けるというのも、ひとつのやり方です。発表後に一方方向に推移してからエントリーするなど、見極めが大切です。

米・中古住宅販売保留指数

アメリカの住宅販売において、売買契約済みだが所有権の移転・引渡しが完了していない物件数を指数化した経済指標です。
中古住宅販売成約指数とも呼ばれており、全米不動産業協会によって毎月下旬に公表されています。

売買契約済みということは、住宅販売件数とほぼ同じ意味合いですので、住宅の販売件数と同じく、中古住宅販売成約指数が上昇すれば、今後の景気拡大や住宅価格の上昇を見込んでいる人が多い、ということになります。

アメリカでは、中古住宅の売買が成約してから最終引渡しまでに1~2ヶ月後に引渡しが行われ、売買が完了してから販売件数となります。
高い確率で所有権の移転は行わわれますので、引き渡しが済んだものを集計する中古住宅販売件数の先行指標として注目されています。

経済指標名
中古住宅販売保留指数(Pending Home Sales Index)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
NAR(全米不動産協会)毎月 / 10日頃24:00★★★★
指標のポイント
この指標は毎月10日頃に発表されます。下旬に発表される中古住宅販売件数の先行指標としてチェックしてみましょう!
また、予想と結果が乖離しやすい傾向もありますので、念頭に入れておく必要があります。

米・貿易収支

アメリカの政府と民間の輸出額から輸入額を引いた差額を表す経済指標です。

貿易収支は、経常収支(貿易収支、サービス収支、所得収支、経常移転収支)の最大の構成要素の一つなので、それだけに市場の注目度も高くなっています。

アメリカは世界最大の消費大国で、世界中からいろいろなサービスやモノを輸入しているため、貿易収支の赤字が続いています。
よくアメリカの「双子の赤字」と話題になりますが、これは財政収支と経常収支の赤字のことで、経常収支の赤字のほとんどは貿易収支であることもあり、ドル売り相場でニュースになることもあります。

ドル売り相場で貿易収支の結果が悪いと、一方向に売られる可能性もあります。

経済指標名
貿易収支(the Trade Balance)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
商務省調査(センサス)局
(The United States Census Bureau)
毎月 / 上旬22:30★★★
指標のポイント
アメリカの貿易収支ですが、赤字額がどのくらい拡大・縮小したかに注目してみましょう。
平均的には20pips〜30pips程度、動くときは90pips程度変動することもあります。

米・ミシガン大学消費者信頼感指数

ミシガン大学のサーベイ・リサーチセンターが実施する、消費者マインドに関するアンケート結果を集計した景気関連の経済指標です。
速報は300世帯、確報は500世帯を対象に電話アンケートで調査が行われ、景況感・雇用などの項目に対して、楽観か悲観かの回答結果を、1966年を「100」として指数化しています。

全米産業審議会(コンファレンスボード)の消費者信頼感指数と同じく、現状判断指数(約40%)と先行き期待指数(約60%)を発表します。期待指数は「景気先行指数」の構成要素でもあります。

消費者信頼感指数に先行して発表されるため、当該月の消費者マインドを探る手掛かりとして注目されています。
しかし、アンケート対象者の人数が500人(速報版は300人)と、消費者信頼感指数の5000人よりも対象者数が少ないため、市場予想値とのブレが起こりやすい特徴ですが、速報性においてはこちらを重要視する市場参加者が多いとされています。

アメリカの消費者マインドは、ミシガン大学消費者信頼感指数でトレンドを推測して、消費者信頼感指数で確認する形が望ましいでしょう。

経済指標名
ミシガン大学消費者信頼感指数(University of Michigan’s Index of Consumer Sentimient)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
ミシガン大学毎月 / 速報:第2か第3金曜日
毎月 / 確定:最終金曜日
24:00★★★
アメリカの消費マインドを見る代表的な指標です。ブレは大きいが、速報値は意外と変動要因となることも多いとされています。

米・小売売上高

アメリカの百貨店やスーパーなどの小売・サービス業の月間売上高を集計した、景気関連の経済指標です。

前月比で増加すれば、個人消費は堅調で経済の状況が良いと判断され、米ドルは買われやすくなります。
反対に前月比で減少すれば、個人消費が落ち込んでいて経済の状況が悪いと判断され、米ドルは売られやすくなります。

また年末のクリスマス商戦の結果を確認する材料として、1月に発表される数値が注目されています。

小売売上高は、アメリカだけでなく各国で発表されています。
各先進国では、GDP(国内総生産)の6割以上を占めているのが個人消費となっているため、個人消費や景気の動向に注目して経済動向を見ていくにあたって、必要不可欠となります。
特にアメリカは、世界一の消費大国であることからも、消費活動がGDPに占める割合は7割5分ほどと、他国よりも高くなっておりますので、この小売売上高は非常に注目されています。

経済指標名
小売売上高(Retail Sales)
発表時期日本発表時間重要度
商務省調査(センサス)局
(The United States Census Bureau)
毎月 / 中旬22:30★★★★
指標のポイント
景気がいいのか、悪いのかを判断するのに、小売売上高で動向が見られています。

米・住宅着工件数

アメリカの商務省経済分析局が発表する、住宅関連の建設状況を見る経済指標です。
実際に米国内で着工された新設住宅の件数ですが、この中には公共住宅は含まれておりません。

一戸建てと集合住宅の各件数と、それぞれ地域別の数値も発表されます。
同時に建設許可件数が発表されますが、建設許可数は住宅着工の目安となるため、建設許可件数は住宅着工件数の先行指標となります。
同じく住宅関連の新築住宅販売件数、中古住宅販売件数に先立って発表されることから、これらの先行指標となります。

住宅建設には建設資材が必要不可欠であり、また住宅が完成すれば家具や電気製品などの購入にも繋がります。
つまり、個人消費・景気全体の動向と極めて高い関連性があるため、自動車販売高とともに景気の先行きを見る上で高く注目されています。

住宅の着工自体は、天候の影響を強く受けるため、指標も予想と乖離しやすいことを念頭に入れておきましょう。
そして、人々の住宅購入に至る経緯には、そのときの金利状況にも左右されやすいことから、金利の影響も受けやすい特徴があります。

経済指標名
住宅着工件数(Housing Starts)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
商務省調査(センサス)局
(The United States Census Bureau)
毎月 / 中旬22:30★★★
指標のポイント
アメリカの天候状況によっては思うように住宅の着工が始まらず、結果として指標に反映されることもあります。

米・建設許可件数

アメリカの住宅の着工前に地方自治体などに、申請が必要な地域において建設が許可された数を表す、住宅関連の経済指標です。
建設許可件数では、件数や前月比の増減によって、住宅投資の好不調が示されます。

先ほどご紹介した住宅着工件数の先行指標となります。

アメリカでは、サンプル数1万9000ヶ所で着工許可を受けたうち、98%は実際に着工されていますが、月末時点での未着工の件数も公表されています。
建設許可は全米全ての地域で必要ではないため、建設許可件数は住宅着工件数よりも少ない傾向があります。
一般的に、住宅ローンの金利が引下げられた数ヶ月後に、住宅着工件数が増加しやすいとされています。

長期的な過去の経験則(アノマリー)によると、住宅着工件数が100万戸を割り込む水準に達すると、その後、回復に転じる傾向が見られています。

事前予想より数値が良ければ、ドル買い材料となることが一般的ですが、強い米経済指標がドル売りの反応となることもありますので、注意するようにしましょう。

経済指標名
建設許可件数(Building Permits)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
商務省調査(センサス)局
(The United States Census Bureau)
毎月 / 中旬22:30★★★
指標のポイント
建設許可件数は、住宅着工件数の先行指標!着工前なので、先行性があります。

米・生産者物価指数(PPI)

アメリカの製造業者の約10,000品目における販売価格の調査結果を表す経済指標です。

CPIが「消費者が購入するときの価格」を表すのに対し、PPIは「生産者が出荷するときの価格」を表します。
そのため、CPIと密接した相関性があり、インフレの動向をみる重要な指標とされています。

PPIには全調査対象の物価動向を示した総合指数と、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数があります。
食品・エネルギー価格は季節要因の影響を受けやすい特徴があるため、物価トレンドを把握するにあたり、PPI(総合)とコアPPIの差が大きければ、コア指数の方がより重視されています。

経済指標名
生産者物価指数(PPI、Producer Price Index)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
労働省労働統計局毎月 / 中旬22:30★★★
指標のポイント
どちらかというと、金利とより深い関係性のある、CPIの方が重要視される傾向にあります。

米・消費者物価指数(CPI)

アメリカの小売・サービスの販売価格の調査結果を表す経済指標で、インフレの動向を計るためのもっとも重要な指標のひとつです。

発表時のインパクトが大きいことから、FXトレーダーには注目度の高い経済指標です。

CPIには、全調査対象の物価動向を示した総合指数と、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数があります。
食品やエネルギー価格は、季節要因の影響を受けやすい特徴があります。
そのため物価トレンドを把握するにあたり、CPI(総合)とコアCPIの差が大きければ、コア指数の方がより重視されています。

発表値が予想よりもポジティブなら米ドル買い要因となり、予想よりもネガティブなら米ドル売り要因となります。

経済指標名
消費者物価指数(CPI、Consumer Price Index)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
労働省労働統計局
(U.S. Department of Labor, Bureau of Labor Statistics)
毎月 / 中旬22:30★★★★
指標のポイント
消費者物価指数のコア指数は、インフレの動向をみる最重要な指標です。

米・鉱工業生産(IIP)

アメリカの鉱工業部門の生産動向を指数化した経済指標です。
鉱工業生産は、鉱業や製造業の生産動向をみる判断材料として注目されています。

四半期ごとに発表されるGDP(国内総生産)と比べて、鉱工業生産指数は毎月発表されますので、景気実態を把握する上で速報性が高いのが特徴です。
鉱工業生産は予想値と結果との振幅が激しいため、数ヶ月単位の平均値をとって動向を判断することも重要です。

米国の製造業、鉱業、公共事業(電気・ガス)の生産動向を、基準年を100として指数化したもので、基準年は5年ごとに改定されます。
同じくFRBより、同時に設備稼働率も発表されます。

経済指標名
鉱工業生産(IIP、Index of Industrial Production)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
連邦準備制度理事会(FRB)毎月 / 中旬23:15★★★
指標のポイント
為替相場での影響や注目度は、中程度とされています。

米・設備稼働率

連邦準備制度理事会(FRB)が発表をする、生産能力に対する実際の生産量の比率を表した経済指標です。

基準時点(現在は2002年が基準年)の平均稼働率を100として、アメリカの製造業や鉱業、公共事業(電気・ガス)の生産能力に対する生産実績の比率を元に算出されています。

一般に、製造業者の工場・機械などの設備が稼動率が高まれば、生産能力の向上に繋がります。
そのため、今後のアメリカ経済の発展や景況感の予測、インフレ動向を判断するための指標として利用されています。

設備投資とインフレの先行指標とされていて、80%を超えると投資が活発化すると考えられる、大まかな経験則が存在しています。

経済指標名
設備稼働率(Capacity Utilization)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
連邦準備制度理事会(FRB)毎月 / 中旬23:15★★★
指標のポイント
設備稼働率は、設備投資やインフレの先行指標として重要視されている指標です。

米・対米証券投資

海外から米国証券(国債・政府機関債・社債等を含む)への投資額を表す経済指標です。
貿易赤字や経常赤字をファイナンスできているか、またアメリカへの投資意欲はどのくらいあるかを判断する上で、注目されています。

貿易収支の赤字を対米証券投資がプラスで上回っていれば、アメリカへの流入資金が貿易での流出資金より多いと判断されて、ドル買い材料となる場合もあります。
反対に、海外に流出するドルが多く貿易赤字額をカバーできていなければ、ドル売りの材料となり為替相場に影響を与えることがあるので、注意も必要です。

ただし集計時間が長いことから速報性がないため、値動きへの影響は少ないことも多いとされています。

経済指標名
対米証券投資(TIC、Treasury International Capital System)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
米国財務省
(Department of the Treasury)
毎月 / 中旬23:00★★★
為替市場への影響は少ない傾向ですので、そこまで意識する必要はないでしょう。

米・ニューヨーク連銀製造業景気指数

ニューヨーク連銀が発表する、ニューヨーク州の製造業における景況感を表す経済指標です。
略してNY連銀製造業景況指数や、エンパイア・ステイト景況指数とも呼ばれます。

ニューヨーク州の約200の製造業の経営者に対して、仕入価格・販売価格・新規受注・出荷・入荷遅延・在庫水準・受注残・雇用者数・週平均就業時間などの各項目について、前月との比較や6カ月後の予想を集計して算出されています。

発表の際には「0」が景況判断の分岐点となり、指数がプラスの場合は景況感が良く、逆にマイナスの場合はそれが悪化していることを示します。

フィラデルフィア連銀製造業景況指数の先行指標として注目度は高く、また全国区のISM製造業景況指数との相関性も比較的高めとなっています。

経済指標名
ニューヨーク連銀製造業景況指数(Empire State Manufacturing Survey)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
ニューヨーク連邦準備銀行
(Federal Reserve Bank of New York)
毎月 / 15日22:30★★★
指標のポイント
0よりプラスかマイナスかで、指標の強弱が判断できます。
また、フィラデルフィア連銀景況指数の先行指数としても注目してみましょう!

米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数

フィラデルフィア連銀の管轄地域(ペンシルベニア州東部、ニュージャージー州南部、デラウエア州)の製造業における景況感を表す経済指標です。
フィラデルフィア連銀指数やフィラデルフィア業況指数などの省略した言い回しも、この指標を指します。

この地域の製造業者に、就業者数、失業率、平均賃金、個人所得、新規受注・出荷・在庫・支払価格など11項目について、前月との比較や6カ月後の予想を集計して算出されています。

発表の際には「0」が景況判断の分岐点となり、指数がプラスの場合は景況感が良く、逆にマイナスの場合は景況感が悪化していることを示します。

先に発表されるニューユーク連銀製造業景気指数がこの指標の先行指標とされており、また全国区のISM製造業景況指数との相関性も比較的高めとなっています。

経済指標名
フィラデルフィア連銀製造業景況指数(The Federal Reserve Bank of Philadelphia Business Outlook Survey)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
フィラデルフィア連邦準備銀行
(The Federal Reserve Bank of Philadelphia)
毎月 / 第3木曜日24:00★★★
指標のポイント
15日にNY連銀製造業景況指数→第3木曜日にフィラデルフィア連銀製造業景況指数→翌月第1営業日にISM製造業景況指数という流れになります。それぞれ相関性がありますので、確認しておくことでISM製造業景況指数発表時の方向性も掴みやすくなります。

米・景気先行指数

全米産業審議会(コンファレンスボード)が発表する景気の方向性や転換点を見る経済指標で、景気総合指数のうちのひとつです。

10種類の指標(週平均労働時間、週平均失業保険申請件数、消費財受注、入荷遅延比率、非国防資本財受注、住宅着工件数、普通株500種株価、マネーサプライ(M2)、長短金利スプレッド、消費者期待度指数)を合成して算出されています。

発表の際には、3つの指数(先行・一致・遅行)が発表されますが、この景気先行指数がもっとも重要視されていて、景気のピークに対して約10ヶ月の先行性、ボトムに対して約4ヶ月の先行性があるとされています。

  1. 先行指数:景気に先行して動く10種類の経済指標
  2. 一致指数:景気に合わせて動く4種類の経済指標
  3. 遅行指数:景気に遅れて動く7種類の経済指標

景気先行指数が3ヶ月連続で全月比マイナスが続くと、景気の後退期であると見られていますが、景気先行指数を構成する指標はすでに発表済みのものであるため、市場への影響はそこまで大きくないとされています。

経済指標名
景気先行指数(Leading Economic Indicators)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
全米産業審議会
(コンファレンスボード)
毎月 / 20日頃24:00★★★
指標のポイント
景気先行指数は予想値と発表値の乖離が大きい場合も多いので、注意するようにしましょう。

米・GDP(国内総生産)

米・GDP(国内総生産)は、アメリカで一定期間内に生み出された財とサービスの付加価値の総額で、国の経済規模を見るための経済指標です。

GDPの伸び率はそのままその国の経済成長率を表しますので、非常に重要度が高い指標であり、中長期的な景気動向の判断にも利用されています。
構成要素には、消費・投資・輸出・政府支出などがありますが、このうち消費がGDPのおおよそ2/3を占めています。

アメリカのGDPの場合は、4半期ごとに発表されますが、[速報値]→[改定値]→[確定値]と3回発表があるため、GDP自体は毎月発表されています。

【第1四半期】
[4月:速報値] → [5月:改定値] → [6月:確定値]

【第2四半期】
[7月:速報値] → [8月:改定値] → [9月:確定値]

【第3四半期】
[10月:速報値] → [11月:改定値] → [12月:確定値]

【第4四半期】
[1月:速報値] → [2月:改定値] → [3月:確定値]

この中でもっとも注目されていて、市場へのインパクトが大きいのが、最初の速報値です。
しかし改定値と確定値も市場への影響はあり、予想との乖離が大きければ変動も大きくなります。

GDPは一般的に、予想値と発表値の乖離も少ないことから動向も見やすいとされ、市場では注目度も非常に高いので、発表時期はしっかりと押さえておきましょう。

発表値が予想よりもポジティブなら米ドル買い要因となり、予想よりもネガティブなら米ドル売り要因となります。

経済指標名
国内総生産(GDP、Gross Domestic Product)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
商務省経済分析局1月・4月・7月・10月 [速報値]
2月・5月・8月・11月[改定値]
3月・6月・9月・12月 [確定値]
22:30★★★★
指標のポイント
まずは速報値に注目!発表後に為替レートはどのように動くかを観察してみましょう。

米・中古住宅販売件数

アメリカの住宅販売において、売買契約済みだが所有権の移転・引渡しが完了していない物件数を指数化した経済指標です。
中古住宅販売成約指数とも呼ばれており、全米不動産業協会によって公表されます。

売買契約済みということは、住宅販売件数とほぼ同じ意味合いですので、住宅の販売件数と同じく、中古住宅販売成約指数が上昇すれば、今後の景気拡大や住宅価格の上昇を見込んでいる人が多い、ということになります。

アメリカでは、中古住宅の売買が成約してから最終引渡しまでに1~2ヶ月後に引渡しが行われ、売買完了後に販売件数となります。
高い確率で所有権の移転は行われますので、引き渡しが済んだものを集計する中古住宅販売件数の先行指標として注目されています。

こちらの中古住宅販売件数も同じく、全米不動産協会が毎月下旬に発表しています。

経済指標名
中古住宅販売保留指数(Pending Home Sales Index)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
NAR(全米不動産協会)毎月 / 10日頃24:00★★★★
指標のポイント
この指標は毎月10日頃に発表されます。下旬に発表される中古住宅販売件数の先行指標としてチェックしてみましょう!
また、予想と結果が乖離しやすい傾向もありますので、念頭に入れておく必要があります。

米・新築住宅販売件数

アメリカで販売された新築住宅件数を、商務省経済分析局が集計して公表している、住宅関連の経済指標です。
統計のタイミングが違うことから、中古住宅販売件数よりもこちらの新築住宅販売件数の方が、より先行性が高いとされています。

新築住宅の販売件数や販売価格などを発表し、一戸建てに加えて、コンドミニアムと共同住宅を含めた数字も発表されます。
この指標は土地付きの新築住宅販売が対象となっていて、既に保有する土地へ住宅を新築したものは除外されています。

販売件数・販売価格が上昇すれば、景気が上昇している、回復していると判断されることから、通常は米ドルが買われやすくなります。

住宅建設には建設資材が必要であり、また住宅が完成すれば家具や電気製品などの購入にも繋がります。
つまり、個人消費・景気全体の動向と極めて高い関連性があるため、自動車販売高とともに景気の先行きを見る上で高く注目されています。

新築住宅販売の数値は大きく修正されることがあるため、短期間だけで判断しないように注意しましょう。

経済指標名
新築住宅販売件数(New Home Sales)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
商務省調査(センサス)局
(The United States Census Bureau)
毎月 / 下旬24:00★★★
指標のポイント
景気動向を計る上で、先行性がある部分に注目してみましょう!

米・耐久財受注

アメリカの製造業における新規受注の項目の1つで、企業が受注した耐久財の総額を表す経済指標です。
耐久財とは3年以上の使用に耐えられる消費財のことで、自動車、航空機、家電製品、家具などがこれに該当します。

アメリカでは、製造業新規受注が翌々月の月初に公表されますが、この耐久財受注は翌月下旬に速報値が発表されるため、速報性が高いことから市場の注目度も高いのが特徴です。
この指標は設備投資の先行指標とされていて、中でも変動率の大きい輸送関連を除いた、非国防資本財受注が高く注目されています。

耐久財受注は毎月下旬に米商務省経済分析局(商務省センサス局)から発表されますが、一般的に耐久財の受注は生産段階に入る前に行われています。
そのため、生産や設備投資に対して先行性があることから重要指標のひとつになっており、為替相場にも影響を与えるとして重要視されています。

前月分や予想値と、発表値に乖離が大きいことで知られていますので、その点は十分に注意するようにしましょう。

経済指標名
耐久財受注(Durable Goods Manufacture’s Orders)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
商務省調査(センサス)局
(The United States Census Bureau)
毎月 / 下旬22:30★★★★
指標のポイント
ブレの大きい航空機などを除いた、非国防資本財受注が特に注目されています。耐久財受注は、予想と結果の変動幅が大きいので、注意するようにしましょう。

米・消費者信頼感指数(CCI)

民間の経済研究所である全米産業審議会(コンファレンスボード)が発表する経済指標です。
ミシガン大学消費者信頼感指数と区別するために、コンファレンスボード消費者信頼感指数(CB消費者信頼感指数)とも呼ばれています。

1985年を「100」として消費者マインドを指数化しており、調査は、現在の状況が2項目(景況感・雇用)と、6ヵ月先の状況が3項目(景況感・雇用・所得)の5項目があり、楽観であるか、悲観であるかがアンケートで行われます。
回答結果ですが、現状への評価は現況指数、6ヵ月先の景況感をは期待指数として、5項目の平均値で算出されて発表されます。

ミシガン大学消費者信頼感指数の速報300世帯・確報500世帯に比べると、こちらは5,000世帯と10倍多いことから、現状の景況感を測るにはこの指標の方が信頼性が高いとされています。

消費者の生の声をベースにしているため、個人消費やGDP(国内総生産)との相関性・連動性が強いと言われていて、また米国債やNYダウとの関連も深く、半年ほどの先行性を持つとされています。

経済指標名
消費者信頼感指数(CCI、Consumer Confidence Index)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
全米産業審議会
(コンファレンスボード)
毎月 / 最終火曜日24:00★★★
指標のポイント
個人消費やGDPとの動きに類似点があるか、チェックしてみましょう。

FOMC政策金利発表

FOMC政策金利発表は、アメリカの中央銀行にあたるFRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(連邦公開市場委員会)が、金融政策として政策金利を発表することです。

FOMCは年8回、約6週間ごとに開催され、政策金利(FF金利、フェデラル・ファンド・レート)のほかにも、インフレ動向や経済の見通しなど、今後の政策方針が議論されたのち、政策金利が発表されます。
政策金利変更の発表があれば、個人消費などのさまざまな景気動向に影響があり、数ある経済指標の中でも、為替市場に与えるインパクトは非常に大きいです。
こういった政策金利の利上げや利下げは、短期金利、為替レート、長期金利などに影響を及ぼすため、非常に高く注目されています。

経済指標名
FOMC政策金利発表(Federal Open Market Committee)
発表機関発表時期重要度
連邦公開市場委員会(FOMC)年8回4:00★★★★★
指標のポイント
FOMC政策金利発表直後は、非常に大きな値動きをする場合が多く、雇用統計と並んで世界中のトレーダーが注目しています。

ベージュブック

ベージュブックは、アメリカの12の連邦準備銀行(地区連銀)がまとめた、各地区の経済状況を報告する文章のことで、「地区連銀経済報告」とも呼ばれています。

この報告書は表紙がベージュ色であることが、ベージュブックと呼ばれている由来となっています。

FOMCは年に8回開催されますが、ベージュブックはFOMCの前に必ず報告書としてまとめられますので、こちらも同じく年8回にわたって、FOMC開催2週間前の水曜日に、FRBによって公表されます。

FOMCの討議資料として使われるベージュブックですが、前回のFOMC政策金利発表以降、アメリカの経済情勢について総合判断が行われ、消費支出、製造、金融サービス、非金融サービス、不動産、雇用などの各項目の状況について報告されています。

今後の金融政策をどうするか(政策金利を変更するかどうかなど)の判断材料とされることから、重要度・注目度はともに高いのが特徴です。

経済指標名
ベージュブック(Summary of Commentary on Current Economic Conditions by Federal Reserve District、Beige Book)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
連邦準備制度理事会(FRB、The Board of Governors of the Federal Reserve System、Federal Reserve Board)FOMCの2週間前4:00★★★★
指標のポイント
発表直後の変動幅は平均的に小さめですが、公表内容によっては20pips程度変動することもあります。

FOMC議事録

FOMC政策金利発表の開催最終日に声明文が公表されます。
その最終日から3週間後にFOMCでの議論内容をまとめて公表されるのが、このFOMC議事録です。

通常は、FOMC政策金利発表時点で大体の方向性は把握できますが、金利変更などの金融政策は市場の注目度も著しく高いことから、議事録の内容によってはサプライズとなることも少なくありません。

FOMCでは政策金利の利上げについて議論されていることもあり、外国為替市場のほか、株式市場など金融業界全体で注目されています。

FOMC議事録は40〜50pips変動することもありますので、その動向にはぜひ注目してみましょう。

経済指標名
FOMC議事録(Federal Open Market Committee Proceedings)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
連邦公開市場委員会(FOMC)FOMCの3週間後4:00★★★★★
指標のポイント
FOMC政策金利発表に比べるとインパクトは小さめですが、市場の関心度は高く、決して無視はできない指標です。

FRB議長議会証言

FRB議長議会証言とは、FRB(連邦準備制度理事会)の議長が議会で証言をすることです。
要人による発言はマーケットに与える影響が大きく、金融市場全体での注目度は極めて高いです。

FOMCはFRBにより構成されており、トップに立つFRBの議長が毎年2月と7月に議会で証言を行なうことになっています。

議会証言での発言内容は、おおよそが事前にニュースで確認できたりしますが、議長への質疑応答での発言次第では、想定外に為替が動いたり、その後のトレンド形成の発端となることもあります。
特にマーケットは金利に関する発言には、素直に反応しやすい傾向にあります。

他の要人発言とは性格が異なり、FRB議長議会証言の発表日は事前に報道されますので、当日は注視していきましょう。

FRB議長は大統領が指名し、その後上院議員で承認されてから任命となります。
2018年2月よりパウエル氏がFRB議長を努めています。

経済指標名
FRB議長議会証言(FRB chairman national assembly testimony)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
米連邦準備制度理事会(FRB)2月、7月★★★★★
指標のポイント
質疑応答の内容次第では、想定外の動きとなることも!

為替報告書

為替報告書は、アメリカの財務省により半期ごとに(4月・11月)米連邦議会に提出される書類のことで、各国の為替政策や経済状況に対する、アメリカの見解が記述されています。

記載内容としては、為替介入などで為替レートを故意に操作して自国通貨安へ誘導を行い、輸出競争力を高めようとする国を牽制するものとなっています。

2015年4月の為替報告書では、韓国政府によるウォン安誘導への不当な為替介入の批判や、ドイツの貿易黒字拡大への批判、中国政府に対し人民元の切り上げの要請などが、この為替報告書で公表されました。

為替報告書は一般的に、アメリカが時刻の経済的利益を守る目線で記述されているため、他国にとっては不利となる内容が書かれていることが多い傾向にあります。

例えば、円安が大幅に進行しているとき、為替報告書で円安を牽制する内容があると、日本円が買い戻されることもあります。

経済指標名
為替報告書(Semiannual Report on International Economic and Exchange Rate Policies)
発表機関発表時期日本発表時間重要度
米国財務省
(Department of the Treasury)
4月、11月★★★
指標のポイント
為替報告書の発表後、相手国の言及や、国際通貨基金(IMF)を通じた相手国との対話次第では、その後の為替レートへの影響が考えられます。

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