あまりにも少ない金額からFXを始めてしまうと、担保となる証拠金とポジション量のバランスによっては、ロスカットにさらされるリスクが高くなります。
保有ポジションの反対方向に想定外に動いたら、いつロスカットされるのかとソワソワしてしまいがちかもしれません。
しかし証拠金維持率に注目さえすれば、ロスカットリスクをコントロールすること可能です。
こちらのページでは、FXでの適正な証拠金維持率の目安についてご紹介します。
証拠金維持率とレバレッジについて
証拠金維持率とは、時価評価総額に対する必要証拠金の割合のことです。
そして時価評価総額とは、現在の口座残高と保有ポジションの評価損益を合計した金額のことです。
口座に10万円を入金し、1米ドル=100円のときに1万通貨(4万円相当の証拠金)買った場合
※口座の資金が10万円(余力:6万円、証拠金:4万円)
- 為替レートが1米ドル=101円になれば、時価評価総額は10万円+1万円で「11万円」
- 為替レートが1米ドル=99円になれば、時価評価総額は10万円−1万円で「9万円」
時価評価総額は「純資産」とも呼ばれています。
実際にFX取引ツール上の証拠金維持率では、口座資産と未決済ポジションの損益の合計金額に対し、ポジションを保有するのに必要な証拠金はどのくらいであるかがパーセントで示されます。
※ポジションとは「現在保有している未決済の通貨」のことで、建玉(たてぎょく)とも呼ばれています。
つまり、時価で評価したポジション金額と必要証拠金を割合で表したのが、証拠金維持率となります。
この証拠金維持率が一定の水準を下回ると、追証が発生したり、ロスカットが執行されてしまいます。
逆に証拠金維持率が高くなるほど、ロスカットリスクが少なくなり、口座のレバレッジも低くなります。
つまり証拠金維持率は取引の安全性を教えてくれるもので、現在の価格変動リスクはどんな状況であるか確認するのに役立てることができます。
証拠金維持率とレバレッジの計算式
時価評価総額 ÷ * 必要証拠金 × 100 = 証拠金維持率(%)
* 必要証拠金の計算式 100円×1万通貨×4%=4万円
(例)10万円入金し、1ドル100円のとき1万通貨のポジションを保有している場合は、10万÷4万×100=250 となりますので、このときの証拠金維持率は250%となります。
レート × 通貨単位 ÷ 預け入れ資金 = レバレッジ
(例)100×1万÷10万=10ですので、10万円を入金して1万通貨のポジションを持つと、レバレッジは10倍となります。
証拠金維持率とレバレッジはこのような関連性があります。
証拠金維持率 | レバレッジ・特徴 |
---|---|
2,500% | 1倍 |
1,250% | 2倍 |
500% | 5倍 |
250% | 10倍 |
※主に100%を下回ったとき | 25倍 新規建玉ができない。 追証が発生する。 |
※主に50%を下回ったとき | ロスカットの対象になる。 |
※マージンコールの水準はFX会社ごとに異なります。
FXの魅力は、証拠金によって少ない元手で大きな金額を動かせることです。
レバレッジによって資金効率よく大きな利益の追求ができる反面、大きな損失となることもあります。
そのため、FX業者では投資家の資産を保護するために、マージンコールとロスカットという仕組みが導入されています。
マージンコールがイエローカード、ロスカットがレッドカード
マージンコールは英語表記でMargin Call、直訳すると「証拠金の呼び出し」となります。
一般的には「追証(おいしょう)」とも言われています。
マージンコール(追証)とは?
追証(おいしょう)とは、「追加保証金」のことです。
含み損によって所定の証拠金維持率を下回ると、ポジションを維持するのに保証金を追加する必要があります。
ロスカットアラートとも呼ばれています。
マージンコールが発動すると、「今の証拠金維持率は危険だから注意してね。」というお知らせが、登録しているメールアドレスに届きます。
サッカーでのニュアンスに例えると、マージンコール=イエローカードです。
ロスカット(強制決済)とは?
ロスカットは保有中の全ポジションに対して、システムが自動的に決済の成行注文を発注します。
投資家の損失拡大を防ぐのが、ロスカットの目的です。
ただし、相場急変時はスリッページによって証拠金以上の損失となる可能性もあります。
サッカーに例えると、ロスカット=レッドカードです。
「マイナスとなっているポジションは、このまま保有させるのはもう限界なので強制的に決済します。」というものですね。
このように、システムによって強制決済されるのがロスカットです。
なおFXは各社によってロスカット水準、追証の有無がことなります。
詳しくは下記ページで各社の違いをご紹介しています。
ロスカットを回避する2つの方法
ロスカットを回避するには、下記の2通りがあります。
- 建玉の一部を決済する。
- 証拠金を追加で入金する。
建玉の一部を決済すると注文中の証拠金が減りますので、証拠金維持率が上がることになります。
ただし、ポジションが1Lotの場合は建玉の一部を決済することはできません。
また、証拠金を追加で入金すると口座の純資産額が増えますので、証拠金維持率が上がることになります。
「追証は当日の営業終了まで」などと期限がありますので、追証する場合はメールが届いたら速やかに対処するようにしてください。
安全な証拠金維持率はどのくらいを目安にすると適正か?
1米ドル100円で証拠金を4万円、ロスカット水準を※100%とした場合のケースで見ていきましょう。
入金額 | 証拠金維持率 | ロスカット |
---|---|---|
30万円 | 750% | 26円の変動でロスカット |
20万円 | 500% | 16円の変動でロスカット |
15万円 | 375% | 11円の変動でロスカット |
12万円 | 300% | 8円の変動でロスカット |
10万円 | 250% | 6円の変動でロスカット |
8万円 | 200% | 4円の変動でロスカット |
5万円 | 125% | 1円の変動でロスカット |
4万円 | 100% | 購入レートを下回るとロスカット |
※FX業者ごとにロスカット水準は異なり、実際には20%〜100%が目安となります。
1米ドル100円のとき10万円を入金して、米ドル円1Lotの取引で証拠金維持率は250%となります。
この場合、ロスカットは6円の変動で発動します。
米ドル円はリーマンショックのときで7円、スイスフラン暴落のときで6円の変動でしたので、最低ラインで250%、できれば300%以上は望ましいところです。
証拠金維持率が300%であれば、短期的なトレードなら並大抵の変動がない限りは安心といえます。
ただし、ベテラントレーダーほど700%以上のように、高水準の維持率を保つようにしているのも事実です。
入金額と取引量から証拠金維持率とレバレッジを計算できる「簡易計算器」を、以下ページで提供しています。
運用予定額から安全な水準を算出できますので、ぜひご活用ください!
コントロールに自信がなければ、固定レバレッジ採用業者を使おう!
「証拠金維持率をコントロールするのって、なんだか難しそうだな。」
このように感じるのでしたら、通常変動するレバレッジの最大を「固定」で提供するFX業者を選択するのも、ひとつの手です。
GMO外貨は3つのレバレッジコースを用意!
上限レバレッジを設けて提供している業者は少ないですが、GMO外貨は3つのレバレッジコース(1倍・10倍・25倍)を提供しています。
口座開設済みの方は「お客様情報」→「レバレッジ変更」と進むと、コースの変更ができます。
スマートフォンアプリ上で手軽にレバレッジを変更できるのも、GMO外貨の魅力です。
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お申込みは最短5分、口座維持費等の費用は一切かかりません。
FXブロードネットも固定レバレッジ対応!
FXブロードネットでは最大レバレッジを固定するコースを選択可能で、なおかつロスカット水準も選ぶことができる貴重なFX業者です。
以下の画像をご覧ください。
10,000通貨のコースであれば最大レバレッジを1倍・20倍・25倍から選ぶことができます。25倍のコースですが、ロスカット値と強制決済のタイミングが異なるコースが用意されています。
1,000通貨のコースには最大1倍のコースはありませんが、最大20倍・25倍の各コースが用意されています。
このように、ご自身の予算感や許容範囲に合わせて選べるのが、FXブロードネットの魅力です。
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ロスカットされにくい少額取引なら、外為オンラインもおすすめ
どうしても少額から始めたいのであれば、外為オンラインの「L25コース」「L25 miniコース」がおすすめです。
外為オンラインではレバレッジコースは提供していませんが、異なるロスカット水準のコースが用意されています。
L25コース、L25 miniコースはロスカット水準が20%と低いのが特徴です。
証拠金判定とは、1日1回朝の判定時に、その日の取引証拠金以上の資金が口座に入っていなければ強制決済される仕組みです。
例えばその日の取引証拠金が4万円なら、4万円を下回っていたらロスカットされるというものです。
つまり含み損が膨らんでいるときは、朝を迎える前に追加で入金する必要がありますが、10万円でドル円を1Lot(4万円)保有しても、最大9.2円の下落まで耐えられます。
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証拠金維持率の重要性についてご理解いただけましたでしょうか。
ロスカットが不安な方は、あらかじめレバレッジコースを用意しているFX業者を使うことで、心に余裕をもった運用を行うことができます。
何はともあれ、ロスカットを心配する前の段階で、きっちり損切りしておくことが本当に大切です。