トレンド相場とレンジ相場 – 相場に合わせた通貨ペアの選び方

トレンド相場とレンジ相場

FXで利益を得ていくには、トレンド相場・レンジ相場の見極めが重要になってきます。
相場はどのように見極めるべきであるか、それはトレンドを判断することから始まります。

そもそもトレンドとは、日本語に直訳すると「傾向」のことです。

FXではトレードをする前に、今の相場はどのような傾向であるかを把握しておかなければいけません。
『木を見て森を見ず』ということわざもあるように、目先だけを見て全体(つまりトレンド)を見れていなければ、トレードチャンスだと判断しても誤りであったケースもあるからです。

例えば「5分足で何度も反転していた高値圏でショートしたが、反転せずに上昇し、改めて日足でチャートを見ると強い上昇トレンドだった」という苦い経験がある方もいるかもしれません。

ですから取引のとき「今の米ドル/円は上昇トレンド中の調整局面だな」と判断するように、マーケットの動向を頭の中で思い描けるようにイメージできると大変有利になってきます。
なぜならトレンドを加味した上で、どちらの方向に、どの価格でエントリーすべきかが明確になってくるからです。

それではトレンド相場・レンジ相場の基本的な見極めから、相場に合わせた戦略をご紹介します。

目次

トレンド相場とは?

そもそもトレンド相場とは、具体的にどのような局面を指すのが見ていきましょう。

こちらは2020年5月19日時点における、豪ドル円の日足チャートです。

上昇トレンドと下降トレンドの例
参考チャート:ヒロセ通商

コロナショックによる暴落後に、継続して上昇する動きが見られていますね。

こうした一方向に向かって大きく勢いが続く動きのことを、トレンド相場といいます。
継続して上がっていれば上昇トレンド継続して下がっていれば下降トレンドです。

1分足、5分足のような小さな値幅で短期的に勢いが続いても、トレンド相場とはなりません。

あくまでも大きな方向性を示す動きがトレンド相場ですから、最低でも1時間足か4時間足主に日足で大きなトレンドが発生していれば、トレンド相場と呼ぶことができます。

王道のスイングトレードでトレンドに乗るべし

トレンド相場では、相場の大波に逆らわずにトレンドに乗って、サーフィンするイメージでトレードを行うのが基本です。
このトレード手法は、順張りトレンドフォローと呼ばれています。

欧米では「トレンドには逆らわずに乗れ」との格言もあるように、欧米の投資家に多いトレード手法です。
そして国内でも、大きな利益を得るトレーダーの多くがスイングトレードを行っています。

スイングトレードの取引回数と取引期間

順張りは発生したトレンドの方向にエントリーするやり方で、上昇トレンドなら買い、下降トレンドなら売りで仕掛けていきます。

その日のうちに決済するデイトレードよりも、トレンドが続く限り利益の追求ができるスイングトレードが順張りの王道です。

スイングトレードでは短期的な値動きに惑わされないことが大事で、分足に翻弄されないメンタルが必要であることは言うまでもありません。

急変動に備えるためにも、逆指値注文で損失リスクをコントロールすることが必須です。

トレンド相場向きの通貨ペア

マーケットにトレンドが生まれると、例えば米ドル/円が上昇トレンドになったなら、ユーロ/円やポンド/円などほかの対円メジャー通貨も同じようなトレンドになりやすい傾向があります。

そもそもユーロやポンドなど米ドル以外の通貨であっても、基軸通貨の米ドルを介する仕組みです。
例えばユーロを買った場合、実は円で米ドルを買い、米ドルでユーロを買うことになります。
つまりユーロ/円はユーロと円だけではなく、ユーロ/米ドルの値動きも加わった合成通貨ペアとなります。

ですから米ドル/円が明確なトレンド相場であれば、ユーロ/円やポンド/円はさらに値幅のあるトレンド相場となりやすい特徴を備えているのです。
ただし円に動きがなく、ユーロ/米ドルが一方向に動くときは、米ドル/円とユーロ/円は逆に動くため注意しましょう。

まずは、米ドル/円を中心としたクロス円がトレンド相場であるかチェックしてみてください。

クロス円にこだわらないなら、豪ドル/米ドルユーロ/豪ドルに注目してみてもいいかもしれません。

オーストラリアは中国との経済的な結びつきが強いことから、中国の経済指標が豪ドルの値動きに反映されるほど影響があります。
つまり仮想敵国同士の疑似的な通貨ペア、という側面もあります。
また資源国通貨の側面もあり、銅や金価格との相関性でも注目されている通貨ペアです。

豪ドル/米ドルの4時間足チャート
参考チャート:ヒロセ通商 豪ドル/米ドル 4時間足 2020年5月19日時点

世界が注目する大国同士の通貨ペア「米ドル/人民元」は、FXではあまり一般的ではありません。
しかし豪ドル/米ドルなら、GMO外貨など多くの業者で取引が可能です。

国際的にアメリカと中国の対立が注目される局面では、「豪ドル/米ドル」の大きなトレンドに注目してみても面白いかもしれません。

ユーロ/豪ドルも大きなトレンドで動きやすく、NYダウなど米・株価指数と逆相関の通貨ペアとして知られています。

先ほどの豪ドル/米ドルチャートでは豪ドル高方向で上昇ですが、ユーロ/豪ドルはユーロ売リ・豪ドル買いで下落方向に推移します。

ユーロ/豪ドルの4時間足チャート
参考チャート:ヒロセ通商 ユーロ/豪ドル 4時間足 2020年5月19日時点

スイングトレードをするなら、豪ドルとユーロの動向にも注目です。

よりトレンド相場の通貨ペアを探すなら、ドルストレート、ユーロクロス、豪ドルクロスのチャートをチェックしてみてください。

レンジ相場とは?

こちらは、最初のトレンド相場のときと同じチャートです。

トレンド相場の値動き

安値をつけたA点から直近までの値動きを拡大して見てみましょう。

トレンド相場のなかにレンジ相場が存在する
参考チャート:ヒロセ通商

こうしてチャートを見ると、いくつかの箇所で、勢いが停滞して横ばいに推移している相場がレンジ相場です。

そもそrangeには範囲という意味があり、海外ではBoxed Range(箱入り範囲)とも呼ばれていることから、ボックス相場や横ばい相場とも呼ばれています。

レンジ相場のときに、レートが上端・下端に達したら反対に動くと想定してトレードする手法は、逆張りと呼ばれています。

一般的に、FXではレンジ相場7割、トレンド相場3割とも言われていますが、これはトレンド相場であっても足種や範囲の視点を変えるとレンジ相場である場合が多いからなのですね。

もちろん、相場全体を占める割合が多いレンジ相場を狙ったトレードが有利、という訳ではありません。

2018年11月に、日本銀行が行ったアンケートに興味深い内容があります。

最近のアンケートでは、7割の投資家が順張りの投資戦略を採るという結果もみられている。
順張り戦略を採る個人投資家は、ごく短い時間に売買を繰り返すことが多いとの指摘もあることから、本稿では、個人投資家の売買について、高頻度の取引データも活用しつつ、投資期間別にみた考察を行った。
その結果、投資期間が一日以上の投資では逆張りの特徴が確認された。
一方、投資期間が一日未満の投資については、全体として逆張りの特徴がみられるものの、局面次第では順張りの特徴もあることが確認され、日中の相場変動の抑制に作用しない場合もあることが示唆された。

日銀レビュー 外為証拠金取引における個人投資家の投資行動

日本人の逆張り好きは世界的にも有名です。
上記アンケートでは順張り派が7割を占める一方で、逆張り派は「レンジ相場での投資を主として行い、レンジの上下限で逆張りを行っている」と回答する短期トレーダーの存在も明らかになっています。

いくらレンジが形成されているといっても、近い将来、レートは必ずレンジを抜く動きを見せるため、逆張りするにはダマシも多くなるのが欠点です。

レンジ相場向きの通貨ペア

繰り返しになりますが、逆張りの基本は短期トレード(スキャルピング、デイトレード)です。

短期におけるレンジ相場向きの通貨ペアとは、トレンドのない局面において、レンジ相場ならではの一定範囲で推移する通貨ペアを選ぶことが重要です。

これには条件があり、短期レンジの逆張りで売買を繰り返すには、スプレッドが狭くて流動性が高い通貨ペア(取引量が多いため不安定な値動きになりにくいこと)が条件となります。

つまり通貨ペアとしては、世界でもっとも取引量が多いユーロ/米ドル、次いで取引量の多い米ドル/円がこれに該当します。

相場がレンジ相場に突入してきて、スキャルピングかデイトレードで逆張りを考えるなら、コスト面でも有利なユーロ/米ドルと米ドル/円が向いているといえます。

中長期のレンジをリピート系注文で狙うには

リピート系注文で中長期にかけて利益を狙っていくには、上下一定の範囲で推移しやすい通貨ペアであるか、またスプレッドの狭さもポイントとなってきます。

月足チャートをで過去5年〜10年程度の値動きを見るとわかりやすいのですが、一方向に大きくトレンドを作ることなく、一定範囲で動く通貨ペアがリピート系注文に適していると判断の目安にもなります。

たとえば米ドル/スイスフラン、豪ドル/NZドル、カナダドル/スイスフラン、NZドル/米ドル、NZドル/カナダドルあたりがレンジ相場で推移しやすい通貨ペアとなります。

このなかで、スプレッド的に有利なのはNZドル/米ドル豪ドル/NZドルですので、通貨ペア選びの参考にしてみてください。

長期足種からトレンドを判断せよ

トレンド相場かレンジ相場かを判断するには、まずは長期足種で全体像を把握し、短い足種に向かってチェックしていくようにしましょう。

長期足種から短期足種の順番でトレンド判断

月足→週足→日足とチャートを見て上昇傾向が続いていれば、上昇トレンドと捉えることができます。

決して短い足種からトレンドを判断しないように、くれぐれも注意してください。
トレンド判断は、長期足種から順番に確認することが鉄則です。

トレンド判断に役立つテクニカル指標/ツール

それではトレンドの判断に役立つテクニカル指標やツールをご紹介します。

移動平均線

トレンドの方向性から強弱まで判断するのに役立つのが、もっとも基本的なテクニカル指標である移動平均線です。

3本の移動平均線(短期線、中期線、長期線)を表示させた例
参考チャート:外為どっとコム「G.comチャート」

移動平均線では、過去n日間の終値から平均値が算出されて描画されます。

長期移動平均線が上方向に推移していたら上昇トレンド、下方向に推移していたら下降トレンドと判断できます。

もし水平方向に推移していたらトレンドがない状態のため、レンジ相場と判断できます。

上昇トレンドを例にすれば、移動平均線が上方向への傾きが強く、さらに移動平均線の上側でローソク足が推移していれば、より上昇の勢いが強いと見極めることができます。

TradingView「FXスクリーナー」

トレンドの判断には、TradingViewが提供するFXスクリーナーも便利です。

かんたんな見方をご紹介していきます。

上部左から2番目のカラムをクリックし、「変動率」「評価」のみにチェックを入れます。

そして上部右側にある通貨ペアを、すべてから「主要」「マイナー」の2つに変更してください。
そうするとメジャー通貨、マイナー通貨の組み合わせで変動が大きく、テクニカル指標に基づいた売買のサインを判断できます。

変動率をクリックすると、変動幅のプラス・マイナスが大きい通貨ペアごとに並べ替えられます。

変動幅が大きく、さらに「強い買い」「強い売り」が出ていれば、大きなトレンドで動きそうだと想定される通貨ペアとなります。

※無料アカウントの場合、足種は1日(日足)から変更ができません。
※項目にある評価は、移動平均線と各種オシレーター系テクニカル指標から総合的に算出されています。

高機能チャートのTradingViewは、無料アカウントでもチャート設定をWeb上で保存できます。本格的に使いたい方は無料アカウントを作成しましょう。

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なおこのツール上では、FX業者の通貨ペアと順番が逆になっている通貨ペア名も多いです。

例えば、FX業者ではEUR/AUDが一般的ですが、こちらではAUD/EURの表記です。
もし評価が買いの場合、FX業者では売りのサインとなります。

FXスクリーナーを利用される際には、くれぐれも誤解のないようご注意ください。

トレンド相場を判断してスイングトレードするなら、こういったツールを使ってみて判断材料に役立ててみてください。

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