FXというと店頭FXに注目が集まりがちですが、実はくりっく365は取引所FXならではの魅力がある商品です。
くりっく365の高金利通貨(南アフリカランド、トルコリラ、メキシコペソ)は、低スプレッド・高スワップポイントなので、金利狙いのトレードとの相性も良いです。
たとえばスワップポイントに関しては、店頭FXと比べても有利な水準で提供されているケースもよくあります。
両方サービスを提供するGMOクリック証券のFXネオ、365FXのスワップポイントを比べると、365FXの方がプラススワップが多く付与されています。
それでは、一般的なFXとの違いや特徴を解説しながら、各社が提供するくりっく365を徹底比較し、おすすめな業者をご紹介します。
くりっく365は「取引所FX」のこと
通常のFX取引は「店頭FX」と呼ばれ、これは顧客とFX業者が直接取引を行なうことから店頭取引(相対取引)と呼ばれます。
対して、くりっく365は取引所で行なうFX取引のことです。
2005年7月、金融取引所(以下、金融取)は世界初となる公的な取引所FX「くりっく365」をスタートさせました。
2021年9月には台湾でくりっく365のサービスが開始となり、世界的にも注目が集まっています。
参考リンク:「くりっく365」台湾で始動 初の海外展開、認可から4年 – 日本経済新聞
店頭FXとの大きな違いは、FX業者を介して金融取で取引を行う点です。
くりっく365が誕生した背景として、国内でFXサービスが始まった当初、法規制が定まっていなかったこともあって、一部悪質な業者が存在していました。
そこで顧客に安心・安全な取引環境の提供にあたり、金融取によりくりっく365のサービスが始まったという背景があります。
前述のとおり、くりっく365は金融取で取引を行いますので、参加業者間でスプレッド、スワップポイントなどの取引条件は同一となります。
そのため各業者の大きな違いは、「取引プラットフォーム」「手数料体系」「各社が取り扱う為替情報サービス」の3点となります。
店頭FXとの違いを比べてみよう
それではくりっく365と店頭FXの違いを見てみましょう。
![]() | サービス名 | 店頭FX |
---|---|---|
取引所取引 | 取引形態 | 相対取引 |
25通貨ペア | 通貨ペア数 | 業者ごとによる |
マーケットメイク方式 | スプレッド | くりっく365より狭い |
受取額 = 支払額 (一本値) | スワップポイント | 受取額 < 支払額 |
10,000通貨単位 | 取引単位 | 10,000通貨単位 以下も対応 |
無料が主流 | 売買手数料 | 無料が主流 |
金融取へ全額信託 | 信託保全 | 提携金融機関へ全額信託 |
最大25倍 | レバレッジ | 最大25倍 |
有利なサービスにマーカーを引いています。
平成23年6月の税制改正にともない、くりっく365を優遇する税率は消滅したため、税金面では店頭FXと同条件となります。
サービス名 | ![]() | 店頭FX |
---|---|---|
課税方法 | 申告分離課税 | |
税率 | * 一律20% | |
損益通算 | 損益通算が可能 | |
損失繰越控除 | 3年間可能 |
* 東日本大震災の復興財源で0.315%上乗せされるため、平成49年までの税率は20.315%。
くりっく365のスプレッド
くりっく365はGMOクリック証券、外為オンライン、FXブロードネットなど16業者(2021年9月時点)が提供しています。
スプレッドはマーケットメイク方式により、全ての提供業者において共通で変動スプレッドです。
買い気配・売り気配の差から、スプレッドはどれくらいで提供されているのか見ていきましょう。
通貨ペア名 | スプレッド |
---|---|
USD/JPY | 3.5銭 |
EUR/JPY | 3.5銭 |
GBP/JPY | 5銭 |
AUD/JPY | 3.5銭 |
CHF/JPY | 4銭 |
CAD/JPY | 3銭 |
NZD/JPY | 3銭 |
ZAR/JPY | 1銭 |
TRY/JPY | 2銭 |
NOK/JPY | 5銭 |
HKD/JPY | 1銭 |
SEK/JPY | 5銭 |
MXN/JPY | 5銭 |
PLN/JPY | 3銭 |
EUR/USD | 2pips |
GBP/USD | 3pips |
GBP/CHF | 4pips |
USD/CHF | 3pips |
USD/CAD | 4pips |
AUD/USD | 3pips |
EUR/CHF | 3pips |
EUR/GBP | 2pips |
NZD/USD | 2pips |
EUR/AUD | 5pips |
GBP/AUD | 7pips |
USL/JPY(米ドル/円ラージ) | 1.4銭 |
EUL/JPY(ユーロ/円ラージ) | 2.8銭 |
GBL/JPY(ポンド/円ラージ) | 3銭 |
AUL/JPY(豪ドル/円ラージ) | 1銭 |
EUL/USL(ユーロ/米ドルラージ) | 2pips |
スプレッド取得日・記載日:2023年9月22日
こうしてみると、スプレッドは決して狭くはないのですが、取引次第では店頭FXよりも有利な条件で売買を行うことができるのです。
くりっく365のメリット
スペックだけで比べると、店頭FXよりも不利な面が多いですが、くりっく365は『取引所ならではのメリット』を持ち合わせています。
一定の基準を満たす業者が取り扱える
くりっく365を取り扱うには、一般的な金融商品取引業の基準を満たしているのはもちろんのこと、さらに金融取の厳しい基準をクリアした業者のみが取り扱えるようになります。
くりっく365取り扱いの可否は業者ごとの判断によりますので、取り扱っていないからといって信頼性が低いということではありません。
ただし取り扱いがある点に関しては、信頼性が高い業者であることを表すひとつの指標となります。
価格の透明性が高く、流動性が豊富
くりっく365のスプレッドは、店頭FX業者にありがちな「原則固定スプレッド」ではありません。
複数インターバンクによるマーケットメイク方式で決まるため、「変動スプレッド」となります。
マーケット メイカー | 買い気配 | 売り気配 | スプレッド |
---|---|---|---|
A社 | 108.455 | 108.480 | 2.5銭 |
B社 | 108.455 | 108.485 | 3.0銭 |
C社 | 108.460 | 108.496 | 3.5銭 |
買い気配 | 売り気配 | スプレッド |
---|---|---|
108.460 | 108.480 | 2.0銭 |
マーケットメイカーの6社(コメルツ銀行・ゴールドマン・サックス証券株式会社・ドイツ証券株式会社・野村證券株式会社・バークレイズ銀行・株式会社三菱UFJ銀行)がそれぞれ提示したレートの中で、最良なレートを合成・提示する仕組みです。
取引数量が見れるため透明性が高い!
有利なレートが合成されるといっても、スプレッド自体は店頭FXの方が有利です。
以下レート確認時のUSD/JPYを例にすると、スプレッドは3.0銭となるため、店頭FXよりも割高です。
そのかわり、USD/JPYの買い気配にある「1,925」のように、リアルタイムに気配数量が表示されるため、透明性は非常に高いといえます。
これは「利用者がどのレートでどのくらいの取引数量を売買可能であるか」という流動性を表しています。
この公平性がくりっく365の魅力なのです。
スリッページ、約定拒否がない
相場急変時にスリッページが発生しやすく、どのくらいのスリップまで許容できるかは注文時に設定できるようになっています。
少数派となるNDD方式の業者は、有利・不利な方向どちらにもスリッページしますが、ほとんどの店頭FXでは自分の不利な方向にスリッページしやすい特徴があります。
約定力が低いと、相場急変時に損切りしたくてもできない、なんて場面に出くわすこととなります。
各FX業者では基本的にスリッページは発生します。
約定拒否に関しては、どの業者も公表データ自体が少ないため、やや不透明な部分も多いです。
例えば店頭FXでは、約定力に自信のあるみんなのFX、マネーパートナーズは自社サイトで約定データを公表しています。
「NO Slippage!NO Reject!」(スリッページなし・約定拒否なし)と店頭FX業者に求めたいところですが、現状主流のDD方式の仕組みではなにかと難しいようです。
くりっく365はFX業者を介してオーダーするため、市場とダイレクトに取引をするNDD方式ではありません。
しかし、それに近いほどの環境(マーケットメイク方式)で取引できることから、スリッページなし・約定拒否なしが実現されています。
「相場急変時に確実に使える口座」として、くりっく365で口座を保有しておくと、ここぞいうときに力を発揮してくれます。
一本値で高水準のスワップポイント
買いスワップと売りスワップが同額であることを一本値といいます。
店頭FXのほとんどの業者では、スワップは受け取りよりも支払いの方が多いです。
くりっく365では、買い・売りそれぞれ同じ数量で両建てをしても、一本値なので、スワップ分でマイナスにならないのがメリットとなります。
そして、くりっく365のスワップポイントは高水準であることも強みです。
通貨ペア名 | 買いスワップ |
---|---|
USD/JPY | 237円 |
EUR/JPY | 190円 |
GBP/JPY | 298円 |
AUD/JPY | 114円 |
CHF/JPY | 107円 |
CAD/JPY | 151円 |
NZD/JPY | 146円 |
ZAR/JPY | 169円 |
TRY/JPY | 22円 |
NOK/JPY | 180円 |
HKD/JPY | 328円 |
SEK/JPY | 140円 |
MXN/JPY | 253円 |
PLN/JPY | 39円 |
スプレッド取得日・記載日:2023年9月22日
※1万通貨単位のスワップポイントを記載。(南アフリカランド/円、ノルウェークローネ/円、香港ドル/円、スウェーデンクローナ/円、メキシコペソ/円は10万通貨単位。)
下記の店頭FXのスワップポイントと比べてみてください。
FXでは、スワップポイント狙いのトレードが人気です。身近なポイントというと楽天ポイントなどが有名ですが、いわゆるスワップポイント(Swap Point)は、FX版[…]
そうすると、くりっく365の方が全体的に高めとなっていることが確認できるかと思います。
くりっく365は高金利通貨に強い!
くりっく365での取り扱われているのは、全25通貨ペアです。
(※くりっく365ラージは5通貨ペア)
香港ドルや、珍しい北欧通貨が用意されている点もポイントです。
注目すべき高金利通貨では、人気の南アフリカランド/円、トルコリラ/円、メキシコペソ/円の3通貨ペア全て用意されています。
2022年2月のスプレッド、スワップポイントの実績値がこちらです。
高金利通貨に関してはややスプレッドが狭く設定されており、店頭FXと比べても遜色ない水準であることが分かりますね。
前述のとおりスワップポイントは高水準ですので、店頭FXに比べてもかなり魅力的な設計であると言えます。
くりっく365のデメリット
くりっく365を始めるにあたり、店頭FXと比べたときのデメリットも知っておきましょう。
店頭FXでは各社でサービス競争が繰り広がれているため、「スプレッドが狭い」「売買手数料が無料」「少額から取引できる」といったメリットがあります。
これらのメリットをひっくり返すと、そのままくりっく365のデメリットとなります。
メジャー通貨ペアのスプレッドが広い
さきほど高金利通貨のスプレッドは狭いと伝えましたが、やはりメジャー通貨ペアのスプレッドは店頭FXよりも広いです。
相場急変時で必ず注文を執行させたいときに、約定力のあるくりっく365を選ぶように使い分けることもできますね。
そのため、ある程度の取引量をこなす方でしたら、「くりっく365ラージ」の方がおすすめです。
くりっく365ラージの取引単位は10万通貨となりますが、通常のくりっく365よりも狭いスプレッドで取引が可能です。
最小取引単位は1万通貨から
くりっく365の最小取引単位は1万通貨単位で、一部の通貨ペアは最小10万通貨となります。
1万通貨 | 米ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円、NZドル/円、カナダドル/円、スイスフラン/円、ポーランドズロチ/円、トルコリラ/円、ユーロ/米ドル、ポンド/米ドル、豪ドル/米ドル、ユーロ/スイスフラン、ポンド/スイスフラン、米ドル/スイスフラン、米ドル/カナダドル、ユーロ/豪ドル、ユーロ/ポンド、NZドル/米ドル、ポンド/豪ドル |
---|---|
10万通貨 | 南アフリカランド/円、メキシコペソ/円、ノルウェークローネ/円、香港ドル/円、スウェーデンクローナ/円 |
なお取引に必要な証拠金基準額は、毎週月曜日に公表されておりますが、一部の通貨ペアを例にすると以下が目安になります。
通貨ペア | 証拠金基準額 |
---|---|
USD/JPY(米ドル/円) | 47,450円 |
EUR/JPY(ユーロ/円) | 52,250円 |
GBP/JPY(英ポンド/円) | 62,170円 |
AUD/JPY(豪ドル/円) | 34,600円 |
CHF/JPY(スイスフラン/円) | 50,580円 |
CAD/JPY(加ドル/円) | 37,370円 |
NZD/JPY(NZドル/円) | 32,410円 |
ZAR/JPY(南アフリカランド/円) | 31,630円 |
TRY/JPY(トルコリラ/円) | 3,220円 |
NOK/JPY(ノルウェークローネ/円) | 53,320円 |
HKD/JPY(香港ドル/円) | 60,640円 |
SEK/JPY(スウェーデンクローナ/円) | 49,980円 |
MXN/JPY(メキシコペソ/円) | 22,980円 |
PLN/JPY(ポーランドズロチ/円) | 11,120円 |
EUR/USD(ユーロ/米ドル) | 52,250円 |
GBP/USD(英ポンド/米ドル) | 62,170円 |
GBP/CHF(英ポンド/スイスフラン) | 62,170円 |
USD/CHF(米ドル/スイスフラン) | 47,450円 |
USD/CAD(米ドル/加ドル) | 47,450円 |
AUD/USD(豪ドル/米ドル) | 34,600円 |
EUR/CHF(ユーロ/スイスフラン) | 52,250円 |
EUR/GBP(ユーロ/英ポンド) | 52,250円 |
NZD/USD(NZドル/米ドル) | 32,410円 |
EUR/AUD(ユーロ/豪ドル) | 52,250円 |
GBP/AUD(英ポンド/豪ドル) | 62,170円 |
USL/JPY(ラージ 米ドル/円) | 474,390円 |
EUL/JPY(ラージ ユーロ/円) | 522,460円 |
GBL/JPY(ラージ 英ポンド/円) | 621,640円 |
AUL/JPY(ラージ 豪ドル/円) | 345,970円 |
EUL/USL(ラージ ユーロ/米ドル) | 522,460円 |
上記のうち、南アフリカランド/円、ノルウェークローネ/円、香港ドル/円、スウェーデンクローナ/円、メキシコペソ/円は10万通貨あたりの金額です。
人気の南アフリカランド/円、メキシコペソ/円に関しては、米ドル/円よりも少ない金額で始めることも可能であることが分かりますね。
もっと少額から始めたいのでしたら、1,000通貨対応の店頭FX業者を選びましょう。
サービスによっては取引手数料が発生する
くりっく365に限らず店頭FXも同様ですが、外為オンラインやFXブロードネットの連続自動注文機能は、取引手数料が発生します。
なお、くりっく365の裁量取引(通常の取引)は手数料無料ですが、スプレッドが有利なくりっく365ラージは、原則として往復(新規注文→決済注文)どちらも手数料がかかります。
大口注文を高速約定させるための手数料、といった位置付けでしょうか。
短期売買は取引を重ねるほど売買コストの差は歴然となりますので、手数料の低さも業者選びで重要なポイントとなります。
くりっく365を一覧で比較!
FX会社名 | 取引単位 | 通貨ペア | スプレッド / スワップ | 取引手数料 | ラージ 取引手数料 | キャッシュ バック |
---|---|---|---|---|---|---|
![]() | 10,000 通貨単位 | 25 通貨ペア | 全社 共通 | 通常:無料 | 片道 1,018円 | 最大 50,000円 |
![]() | 10,000 通貨単位 | 25 通貨ペア | 全社 共通 | 通常:無料 自動注文:片道200円 | 片道 1,100円 | ✕ |
![]() | 10,000 通貨単位 | 25 通貨ペア | 全社 共通 | 通常:無料 | 片道 990円 *1 | ✕ |
![]() | 10,000 通貨単位 | 25 通貨ペア | 全社 共通 | 通常:無料 自動注文:利益の20% *2 | 片道 1,100円 | 最大 20,000円 |
10,000 通貨単位 | 25 通貨ペア | 全社 共通 | 通常:無料 *3 | 片道 1,080円 *3 | ✕ | |
FX会社名 | 取引単位 | 通貨ペア | スプレッド / スワップ | 取引手数料 | ラージ 取引手数料 | キャッシュ バック |
*1 100枚まで990円(税込)、101枚以上は770円(税込)。
*2 決済時に利益が出たら、決済利益の20%が投資助言料として発生。(決済利益が0もしくはマイナスの場合は発生なし。)
*3 スタンダードコースの場合。プレミアムコースはくりっく365は825円、くりっく365ラージは8,250円の手数料が発生。
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