ニュージーランドの通貨「NZドル(NZD)」の特徴と値動きの傾向

ニュージーランドの通貨「ニュージーランドドル(NZD)」の特徴と値動きの特徴

オーストラリアドル(豪ドル)とともに、オセアニア通貨として知られているのがニュージーランドドル(NZドル)です。

NZドル/円や豪ドル/円は、証拠金の安さや親しみやすさ、またスワップポイントの高さで人気を得ている通貨ペアです。

資源国通貨とも呼ばれるNZドルの特徴や、値動き傾向について解説します。

目次

ニュージーランドの基礎データ

ニュージーランドドルは、高金利が魅力!豪ドルに似た価格推移に注目しよう。

ニュージーランドの国旗
正式名称ニュージーランド
首都ウェリントン
中央銀行ニュージーランド準備銀行(RBNZ)
通貨単位NZドル($)、セント(¢)
* 主要輸出国中国、オーストラリア、アメリカ、日本
* 主要輸入国中国、オーストラリア、アメリカ、シンガポール、日本
値動きの大きさ情報量の豊富さ金利の高さ
★★★★★★★☆☆★★★★

ニュージーランドドルは、高金利が魅力!豪ドルに似た価格推移に注目しよう。

* 貿易量の多い国順 2022年のデータ(外務省|ニュージーランド

NZドルの特徴を知ろう!

まずはニュージーランドの産業について見ていきましょう。

ニュージーランドの輸出入は、中国とオーストラリアの占める割合が高いです。

同じオセアニアのオーストラリアとは地理的にも近く、経済的にも結びつきが強いです。
通貨の取引量としては豪ドルに劣ることから、NZドルは豪ドルの値動きに牽引されやすく、豪ドルと同じく値動きが激しい特徴があります。

近年では、ニュージーランドの輸出入はともに中国が第1位となっており、オーストラリアと同様に、中国の経済動向からの影響度が高くなっています。

NZドルも豪ドルと同じように資源国通貨と呼ばれたりしますが、ニュージーランドでは、オーストラリアのように鉱物資源が豊富に採れるわけではありません。
主な産業は、畜産や酪農による農業、そして工業は畜産物の加工が中心です。

ニュージーランドの景色
畜産などの農業がさかんなニュージーランド

余談ですが、資源国通貨でいうところの資源というのは「鉱物などの天然資源」「原油、天然ガスなどのエネルギー」「農作物などの商品」のことを指し、実は畜産物は該当しません。

ニュージーランドの場合は、こういった畜産物や畜産製品の価格、農産物の値動きに合わせてNZドルも動きやすいため、資源国通貨と呼ばれているからくりなのです。

特にミルク価格は、NZドル相場を見ていく上で重要な指標となり、例えば、農産物の商品市場で価格が上昇していれば、NZドルは買われる傾向があります。
また農産物が豊富であることから、干ばつや豪雨などの自然災害の影響も受けやすい通貨であることも覚えておきましょう。

参考リンク:牛乳 チャート|Trading Economics

NZドルはフォンテラ社に注目!

フォンテラ社は、世界で5本の指に入るニュージーランドの乳業メーカーであり、世界最大の乳製品企業です。

ニュージーランドで最大の企業であり、1企業といえど輸出の1/4を畜産製品が占めるほど割合が高いです。

そのため畜産製品のなかでも、この乳製品価格がNZドル相場に影響を与えやすいのが特徴です。

フォンテラ社が主催する乳製品電子オークション(グローバル・デイリー・トレード, GDT)で、GDT価格指数(GDT Price Index)が公表されています。
GDT価格指数は乳製品の国際価格を示す指数であり、ニュージランドの経済指標のなかでも速報性が高く、NZ・貿易収支の先行指標ともなります。

オークションの入札結果は月に2回、第1/第3火曜日の日本時間21:00(現地が標準時間で日本が夏のときは21:30)に公表にされており、乳製品価格の上昇は買い要因、下落は売り要因となります。

GDT価格指数は各FX業者の経済指標でも配信されていますので、スマホアプリやPC取引ツールで確認が可能です。

発表の際には対豪ドルで変動する傾向もありますので、豪ドル/NZドルの動向にも注目してみてください。

またNZドル/円のトレードをするなら、フォンテラ社の株価も押さえておくと便利です。

NZドルの特徴 まとめ
  • 同じオセアニアの通貨、豪ドルの値動きに牽引されやすい。
  • 豪ドル同様に、中国経済の影響も受けやすい。
  • 豪ドルとともに、値動きが激しい。
  • NZ独自の経済指標ではGDT価格指数に注目するとともに、フォンテラ社の株価にも注目。

NZドルの通貨ペア

主要8通貨の組み合わせにより、こちらがNZドルの主な通貨ペアとなります。

  • NZドル/米ドル(NZD/USD)
  • NZドル/円(NZD/JPY)
  • ユーロ/NZドル(EUR/NZD)
  • ポンド/NZドル(GBP/NZD)
  • NZドル/カナダドル(NZD/CAD)
  • 豪ドル/NZドル(AUD/NZD)
  • NZドル/スイスフラン(NZD/CHF)

このなかで注目の通貨ペアをご紹介します。

NZドル/米ドル

数ある通貨ペアでも、世界で主流に取引されているのはドルストレートのため、NZドルが絡んだ通貨ペアでは、NZドル/米ドルが世界でもっとも取引量が多いです。

しかしNZドルは主要な8通貨のなかでもっとも取引量が少なく、ドルストレートの取引量は世界で第12位となる通貨ペアです。
ちなみに世界取引量のイメージでいうと、NZドル/米ドルはユーロ/円と同じくらいの水準となっています。

参考リンク:OTC foreign exchange turnover in April 2022 – BIS

ニュージーランド、アメリカ両国の経済状況から影響を受けやすい通貨ペアです。

短期ではボラティリティが高く、中長期ではトレンドが発生しやすい特徴があります。

NZドル/円

NZD/JPY

米ドル/円に比べても値動きが大きいNZドル/円は、相関性が高い豪ドル/円と同じように動きやすい通貨ペアです。

豪ドルより流通量が少ないため、豪ドル/円よりもボラティリティがある傾向にあります。

レート水準の低さにより、少ない証拠金で取引できるメリットがある豪ドル/円ですが、NZドル/円は豪ドル/円よりもさらに証拠金が少額である利点があります。

クロス通貨のため、NZドルと日本円に加えて、米ドルの影響も受ける通貨ペアとなります。

ユーロ/NZドル、ポンド/NZドル

数ある通貨ペアで、もっともボラティリティが高い組み合わせとなります。

類似でユーロ/豪ドル、ポンド/豪ドルもありますが、豪ドルよりもNZドルのほうが値動きは激しくなります。

ユーロよりも、変動の激しさで知られるポンドとの組み合わせのほうがボラティリティが高くなり、ポンド/NZドルは主要な通貨ペアでもっとも値動きが激しいため、初心者には向いていません。

値動きの目安ですが、米ドル/円の3〜4倍、NZドル/円の2倍程度の変動率があるイメージです。

豪ドル/NZドル

同じオセアニア通貨であり相関性が高い組み合わせなので、一定レンジで推移しやすい特徴があります。

そのため、リピート系注文などの自動売買でも注目される通貨ペアです。

相関性が高いとはいえ、両国の経済指標は発表スケジュールが異なります。

そのため裁量取引を行う場合は、政策金利など金融政策の内容に違いが出てきたときに注目されやすく、こういったケースでは「レートが一定水準から乖離しても、元の一定レンジに戻りやすい」ことを利用したトレード戦略を立てることも可能です。

NZドルの値動き傾向は?

FXの1日は、もっとも早くスタートするニュージーランドのウェリントン市場から始まります。

世界の外国為替市場の流れ

さまざまな通貨があるなかで、NZドルは冬時間で5:00頃、夏時間で4時頃から早朝から売買が行われるため、比較的早い時間帯から動きやすいのが特徴です。

NZドル/円の売買をするなら、シドニー市場のはじまりとともに、相関性のある豪ドル/円の値動きも注目すべきポイントです。

豪ドル/円にトレンドが出たら、NZドル/円も同じ方向性に動きやすくなります。

外国為替市場の取引時間(オセアニア)

ただ豪ドルと同様、早朝から取引されているものの、もっとも活発に動き出すのは日本時間の夕方と深夜です。
クロス円の取引は米ドルの値動きの影響がもっとも大きく、また世界で2番目に取引量の多いユーロから影響を受けるためです。

NZドルの変動率

それでは、NZドルは1日の中でどのような価格の変動率があるかチェックしてみました。

まずはNZドル/円の1日の変動率を見てみましょう。

以下は2021年1月28日時点のもので、直近20日の平均変動幅を示すグラフです。

NZドル/円 時間毎の変動幅の傾向(20日間の平均)
引用元:OANDA証券 ボラティリティ グラフチャート

変動幅の推移を見ると、深夜の0:00に変動幅のピークがありますね。

ニュージーランドの株式市場は日本時間の6:00〜14:00(日本が春〜秋)ですが、NZオープン時はスプレッドが開きやすいため注意が必要です。

オーストラリアの市場はニュージーランドから2時間遅れてスタートしますが、豪ドルはNZドルに対し、値動きに影響を与えていることも確認できます。

ほかのデータも見てみましょう。
こちらも2021年1月28日時点に取得した変動率です。

NZD/JPY 時間別平均変動率
引用元:セントラル短資FX 時間帯別変動率

最初のデータと同じように、9:00台、17:00台、0:00台のボラティリティが高いことが分かります。

続いてNZドル/米ドルです。

NZD/USD 時間別平均変動率
引用元:セントラル短資FX 時間帯別変動率

※セントラル短資FXの時間帯別変動率は現在利用できなくなっています。

時間帯ごとの変動率をチェックするなら、OANDA証券のボラティリティ グラフチャートがおすすめです。

ロンドン時間の影響も大きいですが、NY時間のボラティリティはNZドル/円よりも高くなっていることが確認できます。

通常、午前中からお昼頃まではニュージーランド、オーストラリア、中国の経済指標が大きな変動要因となりやすいので、注目していきましょう。

NZドルの変動要因となる、ニュージーランドの経済指標

高金利通貨であるNZドルの行方を見ていく上で、ニュージーランド中央銀行による政策金利発表は極めて重要です。
また失業率やGDP、CPIは景況感の判断に役立ちます。
農産物輸出に依存度が高いことから、貿易収支もNZドルの変動要因として注目が集まっています。

※下記の時間はニュージーランドの標準時間(4月第1日曜日AM3:00~9月最終日曜日AM2:00)で記載しています。
サマータイム時(夏時間、9月最終日曜日AM2:00~翌年4月第1日曜日AM3:00)は下記表の時間が1時間早くなります。

ニュージーランドの経済指標発表時期日本発表時間
NZ・雇用統計(失業率、就業者数増減)2・5・8・11月 / 上旬7:45
RBNZ(NZ中銀)政策金利発表年8回 / 第1火曜日6:00
NZ・四半期GDP(国内総生産)3・6・9・12月 / 下旬7:45
NZ・貿易収支毎月 / 下旬7:45
NZ・小売売上高2・5・8・11月 / 中旬7:45
NZ・消費者物価指数(CPI)1・4・7・10月 / 中旬7:45
GDT価格指数第1/第3火曜日21:30

※GDT価格指数は現地サマータイム時(日本が冬)は21:00に公表されています。

ニュージーランドやオーストラリア、中国の経済指標を詳しく知りたい方は、下記ページもご参考にしてみてください。

NZドルの取引に向いているFX会社は?

デイトレードなど短期売買目的なら、低スプレッドの業者を選ぶことでより収益化しやすくなります。
JFXはNZドル/円をはじめ、業界最狭水準のスプレッドが魅力です。

GDT価格指数はFX業者のニュースで配信されないことも多いですが、JFXでは配信されています。
スマホアプリでも確認できるので、口座を用意しておくと便利です。

JFXで配信される乳製品入札とGDT価格指数

乳製品入札は乳製品の国際指標のひとつとなる入札結果のことで、乳製品価格=GDT価格指数となります。

またフラン/NZドル、ポンド/豪ドル、ユーロ/豪ドルのように、ポンドやユーロなど欧州通貨とオセアニア通貨の組み合わせは、ボラティリティの高さが魅力です。

大きな変動を求める中級トレーダーが好んで取引していますが、JFXにはこういった通貨ペアも用意しています。
レベルアップしたら挑戦を検討してみてもいいかもしれませんね。

スプレッドとスワップポイントの比較は、以下ページでご確認ください。

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ニュージーランドの通貨「ニュージーランドドル(NZD)」の特徴と値動きの特徴

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