直近の高値・安値を抜けた方向へトレンドフォローで狙っていく手法に「ダウ理論」があります。
こういった高値・安値にスポットを当てたのが、HLバンド(=ハイローバンド)です。
それでは、HLバンドの見方・使い方について解説します。
テクニカル指標名 | タイプ | 分析適正 |
---|---|---|
HLバンド | トレンド系・時系列 | 順張り、逆張り |
HLバンドとは?
HLバンドは、トレンドフォローの生みの親であり、また「ドンチャンの4週ルール」として有名なアメリカ人の投資家、リチャード・ドンチャンによって開発されたテクニカル指標です。
このほかドンチャンチャネル、プライスチャネル、高低線などとも呼ばれており、アメリカの投資家にはとても人気があります。
- H(High)バンド – 前の足からさかのぼった、過去n日間の高値
- L(Low)バンド – 前の足からさかのぼった、過去n日間の安値
- M(Middle)バンド – HバンドとLバンドの平均を表す中心線
HLバンドは設定値に従い、直近n日(20日のほか10日が一般的)の高値・安値が描画されるという、数あるテクニカル指標においても、シンプルな仕組みで計算されています。
HLバンドの見方と使い方を知ろう!
HLバンドでは3本の線を使って相場を見極めていきます。
HLバンドは、Hバンド、Lバンドをブレイクしたときに売買シグナルと判断します。
つまり、Hバンドを上抜けたら買いサイン、Lバンドを下抜けたら売りサインとなります。
バンドをブレイクしたときのシグナルは、その方向のトレンドが続いている間は有効的となります。
中間線はHバンドとLバンドの平均値で、この傾きでトレンドの方向性を確認することができます。
このように、数あるテクニカル分析のなかで、かんたんな見方で使えることもHLバンドの魅力です。
HLバンドはトレンドフォロー型のため、基本的にはブレイクアウトを狙った手法に使います。
ただしトレンドが弱いときは、バンドをブレイクアウトしても、トレンドの勢いが続かずに失速してしまうこともよくあります。
つまり相場に動きがないレンジ相場と判断するときは、HLバンドをサポートライン、レジスタンスラインの目安として逆張りに使うことも可能です。
HLバンドの順張り手法は、バンドの傾きに注目!
順張りのときは、3本のバンドが階段状に「右肩上がり」「右肩下がり」となる動きに注目してみてください。

ボリンジャーバンドでいうところの「バンドウォーク」をイメージすると分かりやすいかも知れません。
順張りは、バンドが階段状となってトレンドが現れてからするのが望ましいです。
しっかりと方向性が生まれていたら、中間線を抜けた地点をエントリーのポイントにするのもよいでしょう。
チャネル・ブレイクアウト(ドンチャン・レンジブレイクアウト)について
HLバンドを使ったトレンドフォロー手法として、チャネル・ブレイクアウトというやり方があります。
これはドンチャンが編み出した「4週ルール」という手法がベースで、相場は4週間(土日を除いた20日)でエネルギーが入れ替わるとの考えによるものです。
そして日足など、一定期間以上の中長期トレードに有効性があるとされています。
- 過去40日間(x)の高値抜けで、新規買い。(ロング)
- 過去20日間(y)の安値抜けで、買いポジションを決済。(x > y)
- 過去40日間(x)の安値抜けで、新規売り。(ショート)
- 過去20日間(y)の高値抜けで、売りポジションを決済。(x > y)
- x,yは40日-20日が一般的で、以下20日-10日の組み合わせも可能。
以下は、チャネルブレイクアウト手法をMT4で表示させた例です。
このチャートのように、20日と40日など異なる期間のHLバンドを表示させたい方は、ゴールデンウェイ・ジャパンのMT4がおすすめです。
※HLバンドはMT4にデフォルトで用意されていませんので、googleで「MT4 HLバンド」と検索し、配布サイトからインジケーターをダウンロードしてご利用ください。
このドンチャンルールを応用したやり方に、タートルブレイクアウトという手法があります。
1980年代、アメリカの伝説的トレーダー集団タートルズは、このドンチャンの4週ブレイクアウトをベースとした20日ブレイクアウト(20日-10日)で仕掛けていた、という有名なエピソードがあります。
なおThinkMarkets(シンクマーケッツ)のスマートフォンアプリには、ドンチャンとタートルズそれぞれのチャート設定が、テンプレートとして用意されています。
それぞれ手軽に使ってみたい方は、ThinkMarketsのご利用もご検討してみてください。
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Mバンドをトレードに活用する
高値・安値の中央値であるMバンドで、トレンドの方向性の判断ができますので、傾きが横ばいなってきたり、ローソク足がタッチすれば新規注文・利益確定のポイントに使えます。
つまり、Mバンドのブレイクアウトを狙う手法となります。
Mバンドがレートの上にあるか下にあるかを見れば、直近の相場は買いと売り、どちらが優勢なのか一目ですぐに判断ができますね。
HLバンドでボラティリティを判断し、逆張りで使う
トレンド系指標ですが、逆張りを好んで使うトレーダーもいます。
為替レートは買いと売り、すなわち取引量の抵抗によって推移していくことから、HLバンドでボラティリティ(価格変動幅)の判断をすることもできます。
価格変動が激しければハンドが拡大し、価格変動が少なければバンドは縮小してきます。
ボラティリティを判断する使い方だけでもよいですし、上下一定の変動幅で推移するレンジ相場のときは、HLバンドをサポートライン、レジスタンスラインに見立てて、逆張りで仕掛ける戦略を考えることができます。
HLバンドの注意点は?
HLバンドは20日のほか、10日も使われることもありますが、パラメーターの設定期間を短くしすぎると、頻繁にブレイクが発生してシグナルの信頼性が低くなります。
メジャーなトレンドフォローでの使い方のほか、逆張りでも使えますが、トレンドが強くないとそれなりの利幅を追求できない欠点もあります。
仕組みがシンプルであるが故に、比較的ダマシの多いテクニカル指標ですので、オシレーター系指標と組み合わせて分析することをおすすめします。
【まとめ】HLバンドの売買サインなど
基本的な使い方をまとめました。
Mバンドの傾きでトレンドの方向性を判断する。
- 上昇トレンドのとき、Hバンドを上抜けたら買いサイン。
- 下降トレンドのとき、Lバンドを下抜けたら売りサイン。
各社のチャート機能は、こちらのページで詳しくご紹介しています。
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