トレンド系テクニカル指標であるパラボリックの見方・使い方について解説します。
テクニカル指標名 | タイプ | 分析適正 |
---|---|---|
パラボリック | トレンド系・時系列 | 順張り |
パラボリックとは?
パラボリックには「放物線上の〜」という意味があり、RSIやDMIと同じくJ・W・ワイルダーが考案したトレンド系のテクニカル指標です。
正確にはParabolic SARといい、SAR(Stop And Reverse Point)には「止まって逆になるポイント」という意味があり、相場の世界ではドテンのことを指します。
ドテン(途転)とは?
買いポジションを決済すると同時に売りポジションを持つこと、また売りポジションを決済すると同時に買いポジションを持つことです。
手動でドテンするやり方もできますが、1クリックで決済と新規注文を同時に行える「ドテン注文」というのもあり、ほとんどのFX業者でドテン注文を利用することができます。
つまり、パラボリックは最初からドテンを想定して開発された、大きなトレンドを形成する相場のときに威力を発揮するテクニカル指標なのです。
ドテンを行わないとしても、大相場のときにトレンド転換の判断に使うやり方もいいでしょう。
なお最近のFX取引アプリでは、ほぼ全ての業者でFIFO形式のストリーミング注文(スピード注文など)を搭載しています。
つまりこの注文を使えば、1タップだけで今保有しているポジションを決済しつつ、反対方向のポジションを保有する「ドテン注文」が可能となっています。
パラボリックの計算式
日足ベースの場合、パラボリックの計算式は以下となります。
$$ 当日の上昇パラボリックSAR = 前日のSAR + 前日のAF ×(前日のEP – 前日のSAR) $$
$$ 当日の下降パラボリックSAR = 前日のSAR – 前日のAF ×(前日のSAR – 前日のEP) $$
$$ AF(Acceleration Factor)= パラボリックの感度を決める加速係数。初期値の0.02から始まって、0.02ずつ増加し最大値が0.2となる。 $$
$$ EP(Extreme Point)= 最高値・最安値。上昇トレンドのときは新高値を更新でEPとなり、下降トレンドのときは新安値を更新でEPとなる。 $$
パラボリックでは最低でも5期間以上を監視して、高値と安値をEPとして記録します。
期間内に上昇していれば最安値を前日のSAR、期間内に下落していれば最高値を前日のSARとして使います。
AFの値は最初は0.02から始まり、上昇または下落を更新するごとに0.02ずつ変化していき、AFの最大値は0.2となります。
SARがローソク足にタッチしたらトレンド転換を示します。
またSARの上昇トレンド時の初期値は前回の下降トレンドの最安値、下降トレンド時の初期値は前回の上昇トレンドの最高値となります。
パラボリックの見方と使い方を知ろう!
パラボリックは、1つ1つの点であるSARがラインとなって表示されます。
ローソク足がSARの上にあるときは上昇トレンド、ローソク足がSARの下にあるときは下降トレンドと判定するのが基本となります。
シグナルの見方もいたって単純で、SARとローソク足の交差で売買を仕掛けていくやり方となります。
上昇しているSARが下降しているローソク足を下抜けたら売りサイン、下降しているSARが上昇しているローソク足を上抜けたら買いサインとなります。
※赤い点と青い点、それぞれが切り替わったタイミングが売買サインとなります。
激しく上下一定の変動幅で動く相場のときは、きれいに売買サインが出現することから、シンプルで見やすいのもパラボリックの魅力です。
加速因数(AF)の初期パラメーターは、開発者であるJ・W・ワイルダーが最適であるとする値の0.02(最大は0.2)で設定されている場合がほとんどです。
調整は可能ですが、値を小さくするとダマシは少なくなるものの、シグナルのタイミングが遅れてしまい、大きくしすぎるとダマシが多くなってしまいます。
まずは適切な初期値で使ってみましょう。
パラボリックのエントリー・エグジットのコツ
パラボリックのシグナルは、他のテクニカル指標に比べて比較的遅めに出現する特徴があります。
例えば日足でサインが現れたら、それよりも短い時間足でエントリーするのがおすすめです。
一例として、以下の例をご覧ください。
以下の8時間足チャートは、日足の白枠で囲った下降トレンドの部分です。
日足のチャートに比べて、複数の売買サインが発生していることが確認できます。
先ほどの該当期間を、さらに短期間の1時間足チャートで見てみましょう。
こうしてみると、時間軸に関わらず売買サインが発生していることがわかります。
さらに拡大して見てみましょう。
丸く示した箇所で確認できますが、最初から短期の時間足だけで分析した場合、こういったダマシが多くなってしまいます。
しかしパラボリックは、売買サインが比較的遅めに出現するデメリットがあります。
つまり長期チャートのローソク足やパラボリックで、まずはトレンド相場であることを判断することが、1つ目のポイントです。
そして短期チャートでトレンド方向へのエントリーを行うときに、ローソク足を見たりトレンドラインを引くなどの分析も合わせて行うことが、2つ目のポイントとなります。
これにより、パラボリック単体でのダマシを排除しながらトレードに生かしていくことができます。
SARが現れたからといってすぐにエントリーしても、相場が小休止であったりと、すぐに転換しないこともよくあります。
ここでおすすめなのが、「SARが2〜3個出現」し、トレンドの方向性がしっかり現れてからエントリー・エグジットするやり方です。
SARが2〜3個出現すれば、陽線や陰線も連続して現れている場合が多いことから、トレンドが判断しやすくなります。
いわゆるトレンドの中心部分を狙った手法となるため、天底での売買に比べると利幅は小さくなるものの、はっきりトレンドが出てからエントリーすることから、リスクを抑えられる可能性が高まるという訳です。
パラボリックの注意点は?
パラボリックは値動きが大きい相場のとき以外は、ダマシが多く上手く機能しません。トレンドのない相場が苦手なのです。
レンジ相場や相場がもみ合っているときはサインが遅れたり、頻繁にシグナルが出現してしまいます。このような局面であれば、RSIなどオシレーター系が有効的となってきます。
なお、考案者であるJ・W・ワイルダーはDMIのADXを併用して、トレンドが現れている相場でパラボリックを使うことを推奨しています。
【まとめ】パラボリックの売買サインなど
基本的な使い方をまとめました。
- ローソク足がSARの上なら上昇トレンド。
- ローソク足がSARの下なら下降トレンド。
- 下降しているSARが、上昇しているローソク足を上抜けたら買いサイン。
- 上昇しているSARが、下降しているローソク足を下抜けたら売りサイン。
各社のチャート機能は、こちらのページで詳しくご紹介しています。
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