グランビルの法則とは、移動平均線やゴールデンクロス・デッドクロスを考案した株式アナリストのジョセフ・E・グランビルによって編み出されました。
もともとアメリカ・ウォール街の新聞社、ハットン・デイリー・マーケット・ワイヤー通信社の人気記者であったグランビルは、さまざまな投資のテクニックを唱え始めました。
そして1960年に出版された著書「A Strategy of Daily Stock Market Timing for Maximum Profit」(利益を最大化するための毎日の株式市場のタイミング戦略)でグランビルの法則が発表されたことで、世界中に広まるきっかけとなります。
なお国内でも日本語訳された書籍「グランビルの投資法則 – 株価変動を最大に活用する戦略」が1962年に発表されています。
もともと株式で使われていたグランビルの法則ですが、もちろんFXでもCFDでも、どんな投資にも使えます。
つまりFXで使い方をマスターすれば、さまざまな投資に応用ができますね。
現代でも全く色褪せることなく、売買のタイミングを計るために活用されている、グランビルの法則について詳しく解説します。
「グランビルの法則」8つの売買サイン
まず前提として、オリジナル版グランビルの法則では、200MA(200日移動平均線)を使っています。
しかし長期売買だけではなく、移動平均線の期間をもっと短くして、短期売買でも使うことは可能です。
信頼性を上げるならオリジナル同様、チャートの足種は日足か週足を使い、長期のトレンドで判断するやり方がおすすめです。
「日足のチャート」「200日移動平均線」の組み合わせを基本として、かなりの長期トレードとなるため
それでは、グランビルの法則全ての売買サインを見ていきましょう。
グランビルの法則には売りサインが4つ、買いサインが4つ、全部で8つの法則があります。
①〜④ = 買いサイン ⑤〜⑧ = 売りサイン
基本的な見方としては、「移動平均線」と「レート」の形状や位置関係で判断していきます。
- 為替レートはどちらの方向性に動いているか
- 為替レートはどれくらい勢いが強いか
- 移動平均線が上昇・下落しているのか
- 為替レートに対して、移動平均線はどんな位置関係か
これらを見て、その後の値動きを探っていく流れとなります。
グランビルの法則「4つ」の買いサイン
買いの法則①
【新規買い】
移動平均線が横ばいか上向きのとき、価格が上昇して移動平均線を上抜いたら買い。
つまり、移動平均線とレートのゴールデンクロスとなります。
買いの法則②
【押し目買い】
移動平均線が上昇中に、価格が一時的に移動平均線を下回ったものの移動平均線に変化がなく、価格が上昇に転じたら買い。
買いの法則③
【買い増し】
移動平均線が上昇中に、価格が移動平均線に近づいて下降したが、タッチせずに再上昇したら買い。
買いの法則④
【短期の買い】
移動平均線が下落中に、価格が移動平均線を下抜けて大きく離れているとき、移動平均線の位置まで反発を狙った買い。
グランビルの法則「4つ」の売りサイン
売りの法則⑤
【新規売り】
移動平均線が横ばいか下向き始めたとき、価格が移動平均線を下抜いたら売り。
つまり、移動平均線とレートのデッドクロスとなります。
売りの法則⑥
【戻り売り】
移動平均線が下降中に、価格が一時的に移動平均線を上回ったものの移動平均線に変化がなく、価格が下落に転じたら売り。
売りの法則⑦
【売り増し】
移動平均線が下降中に、価格が移動平均線に近づいて上昇したが、タッチせずに再下降したら売り。
売りの法則⑧
【短期の売り】
移動平均線が上昇中に、価格が移動平均線を上抜けて大きく離れているとき、移動平均線の位置まで反発を狙った売り。
移動平均線の期間は何日がベストか?
グランビルの法則は200日移動平均線をベースとしています。
これは移動平均線の期間を長くすることで、ダマシを極力少なくすることが理由とされています。
チャートに表示させる期間を200日のように長くすればダマシは少なくなりますが、売買サインも比例して表示回数が少なくなります。
逆に5日など、期間を短くすると売買サインは増えるものの、ダマシも多くなるので注意が必要です。
中期的な分析には20日、21日、25日がよく使われていますので、期間は最低でも20日以上でチャート分析をするといいでしょう。
なおFXで200日移動平均線だと、グランビルの法則によるシグナルがなかなか出現しませんので、スイングトレードで日足を使うなら75日もおすすめです。
また、グランビルの法則は、世界中のトレーダーは誰もが知る売買サインです。
つまり移動平均線を見て、どのタイミングで押し目買いや押し目売りをするかの判断材料にされていますので、今の為替レートはどの足種が意識されているのかを考えることが大切です。
通貨ペアの流動性にも注目
移動平均線の期間やチャートの足種だけではなく、「通貨ペアの流動性」にも目を向ける必要があります。
流動性が低い通貨ペアほど、移動平均線でシグナルが出ていたとしてても、注目度が低いことで、最終的に有効的なシグナルとはならないことも十分考えられます。
日本ではユーロ/円などのクロス円は高い人気を誇りますが、世界的にはドルストレートしか取引されていません。
極端に通貨ペアを絞る必要はないと思いますが、ある程度は(世界的に)人の目に触れていて、それなりに流動性が高い通貨ペアの方が、グランビルの法則に代表されるような動きを見つけやすいでしょう。
流動性が高い通貨ペアは、こちらの記事で解説しています。
移動平均線のクロスを通知できるチャート
グランビルの法則を検出して自動で通知してくれるような取引システムは、MT4インジケーターで見かけることもあります。
しかしは開発者のプログラミング技術によって精度に違いが出てきますので、有料で購入することはおすすめしません。
やはり、8つの法則を頭に叩き込んで、「ここで反転したら売買しよう」と自分自身でチャートを見て判断していくのが、身に付けるための最短ルートだといえるでしょう。
キレイなチャートにならないこともよくありますので、まずはチャートとにらめっこして頭に叩き込んでみてください。
ただし、「レートと移動平均線のクロス」であれば、IG証券のWeb版取引ツール「IGチャート」が対応しています。
通知機能が搭載されているため、任意の期間(200日など)の移動平均線とレートがクロスしたら、取引画面上でお知らせしたり、メールで送信する使い方ができます。
もし高機能チャートをお探しでしたら、IG証券で口座開設してIGチャートを使いましょう。
詳しい使い方はこちらの記事で解説しています。
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