一目均衡表の見方・使い方|雲、遅行スパンから三役好転・三役逆転まで解説!

一目均衡表の見方・使い方

一目均衡表(いちもくきんこうひょう)といえば、トレンド系で大人気のテクニカル指標です。

一目山人というペンネームで活動していた株式評論家の細田悟一氏によって、1935年に考案された歴史があります。

日本生まれの一目均衡表ですが、海外でも「ICHIMOKU」の名で知られるほど有名であり、世界的にも標準のインジケーターとして人気を集めています。

時間の概念が取り入れられていることにより、他のテクニカル指標とは一線を画する存在である、一目均衡表の見方・使い方を解説していきます。

テクニカル指標名タイプ分析適正
一目均衡表トレンド系・時系列順張り
目次

一目均衡表は、時間の概念を重視したチャート

「相場は、買い方と売り方の均衡が崩れた方向に動く」

このように唱えた一目山人ですが、将来の値動きは時間の経過によって影響を受ける、という時間論がこの指標の根底にあります。
これは「日柄」という考え方のことで、「今のトレンドならいつ頃が買いどきなのか?」という判断にあたってチャート分析に表したのが、この一目均衡表なのです。

外為どっとコム「リッチアプリ版」で一目均衡表を表示した例
参考チャート:外為どっとコム「リッチアプリ版」

そのため、チャートの未来に描かれた線を売買の判断材料にできるというのも、一般的なテクニカル指標と大きく異なる特徴があります。

一目均衡表は、プロのアナリストも信用度が高い指標として注目されていますので、しっかりと基本的な見方を身につけて、分析力を上げていきましょう!

一目均衡表を構成する「5つの線」と「雲」

一目均衡表は5つの線によって描かれています。

一目均衡表の計算式

  • 基準線 =過去26日間の(最高値+最安値)÷2
  • 転換線 =過去9日間の(最高値+最安値)÷2
  • 先行スパン1 =(基準線+転換線)÷2を、26日間先行させた線
  • 先行スパン2 =(52日間の高値+52日間の安値)÷2を、26日間先行させた線
  • 遅行スパン =当日の終値を26日遅行させた線
一目均衡表の基準線、転換線、先行スパン1、先行スパン2、遅行スパン

一目均衡表は、過去の日数は当日も含んでいるため、その日の価格も反映されるのがポイントで、遅行スパン以外は終値ではなく実際の高値と安値が利用されています。

一目均衡表の足種は?

通常、どのような期間の足でも利用することができますが、一目山人自身は、日足のみで利用すべきであると唱えていますので、日足を基本として分析を行なっていくといいでしょう!

はじめに、一目均衡表を構成する5つの線について説明していきます。

基準線と転換線は、過去の高値・安値の平均値

まず基準線(過去26日)と転換線(過去9日)について見ていきましょう。

一目均衡表の基準線と転換線

移動平均線は「過去の終値の平均値」ですが、この2つの線は「一定期間の高値と安値の中間値」となります。

かんたんな見方としては、移動平均線に例えるなら「基準線を長期線」、「転換線を短期線」として考えると分かりやすいです。

ほかのテクニカル指標ではあまり使われていない、9や26、また52という数字は、波動論を研究して開発され、一目均衡表では重要な期間でとされています。

そのため、他のテクニカル指標のように設定を変えて利用されることは、プロトレーダーであってもほとんどありません。
ですから、まずは初期パラメーターで使っていきましょう。

「雲」の見方

先行スパン1と先行スパン2で囲まれた部分を「雲」といい、26日先行して表示されています。

先行スパン1と先行スパン2に内包されたエリアが雲となる

一目均衡表のもっとも初歩的な見方として、サポート(下値抵抗帯)やレジスタンス(上値抵抗帯)として判断することができます。
このとき、雲の厚さ・薄さに注目してください。

雲が厚いときは強いサポート・レジスタンスとなることから、価格は雲を抜けにくく、トレンド反転となりにくいのが特徴です。
逆に雲が薄いときは、トレンドが一気に反転しやすい不安定な相場といえます。

通常、レートが雲の中へ突入すると相場乱高下の前触れとなり、雲の中から外へ抜けると、トレンドが加速しやすい傾向があります。

また、先行スパン1と先行スパン2が交差する「雲のねじれ」も重要なポイントです。

雲のねじれはトレンド転換としても注目ポイント

雲がねじれてクロスしたところを「先行スパンの変化日」といい、相場反転やトレンド加速の節目、すなわち相場転換点の目安となります。

レートが雲のねじれとクロスするときは、相場の変化に注目してみましょう。

一目均衡表は線の数が多くて、最初は見にくいと感じるかもしれませんが、このように「雲」に注目するだけで、トレンドの強弱と反転のポイントを探ることができます。

遅行スパンについて

遅行スパンは、単純に当日の終値を26日間前に表示させたものです。

一目山人自身は、この指標において遅行スパンがもっとも重要な線と説いていました。

遅行スパンは当日終値を26本過去に表示したライン

この遅行スパンはトレンド転換の判断に利用ができ、見方はいたってシンプルです。

(当日から26日前の)レートよりも遅行スパンが上にあれば上昇トレンド、遅行スパンが下にあれば下降トレンドとして判断することができます。

そして、レートと遅行スパンが交互に上下を繰り返してもみ合っていれば、レンジ相場と判断することができます。

遅行スパンで注目すべきは、ローソク足をブレイクするときです。

遅行スパンはローソク足をブレイクするときに注目

こちらは上昇トレンドのときの例です。

龍の頭のように、遅行スパンがローソク足を上に抜けるときにロングで保有したとしましょう。

遅行スパンのブレイクアウト時にエントリーした場合、当日の終値が26日前の遅行スパンより上なら、現在は利益となっていることを示してくれます。

一目均衡表のさまざまな見方と具体的な使い方

一目均衡表を使って相場を分析する、4つの方法をご紹介します。

基準線と転換線で、トレンドの傾向を判断する

まずは、基準線(過去26日)と転換線(過去9日)を使って、トレンドの傾向や強さを見る方法です。
どちらの線も「過去の高値と安値の合計の平均値」となるため、傾き加減で直近のトレンド判断に利用ができます。

  • 基準線(転換線)が横ばい = 高値と安値に変化がない = レンジ相場
  • 基準線(転換線)の向きが上向き = 高値更新 or 下値切り上げ = 上昇トレンド
  • 基準線(転換線)の向きが下向き = 安値更新 or 高値切り下げ = 下降トレンド

基準線と転換線ともに右肩上がりなら強い上昇トレンド、右肩下がりなら強い下降トレンドのように、両方が同時に一方方向に推移すれば、より鮮明なトレンドが出ていると判断ができます。

そして一目均衡表では、基準線と転換線を移動平均線のような役割として機能させることができます。
これに、転換線を短期線、基準線を長期線として、ゴールデンクロス・デッドクロスを探していくと分かりやすいです。

転換線、基準線のクロスによる売買シグナル
  • 転換線が基準線を上抜いたら、買いサイン。(均衡の好転)
  • 転換線が基準線を下抜いたら、売りサイン。(均衡の逆転)

遅行スパンとレートのクロスを見る

一目均衡表を駆使するトレーダーには、この遅行スパンを重要視する方も多くいます。

遅行スパンを使った売買シグナルは、逆張りの使い方もできますが、基本的には順張りで臨む戦略となります。

遅行スパン、レートのクロスによる売買シグナル
  • 遅行スパンが26日前のレートを上抜いた時は、上昇に転換すると判断して買いサイン。(遅行の好転)
  • 遅行スパンが26日前のレートを下抜いた時は下降に転換すると判断して売りサイン。(遅行の逆転)

トレンドの出てきた方向にエントリーしますので、ボリンジャーバンドを併用して、±2σや±3σの上抜け・下抜けやバンドの拡大に注目するのも一つの手法です。

強力な買いシグナル「三役好転」

一目均衡表では、以下の3つのシグナルが重なったとき、もっとも強い買いシグナルとなります。

三役好転
  • 転換線が基準線を上抜くこと(均衡の好転)
  • 遅行スパンがレートを上抜くこと(遅行の好転)
  • ❶、❷に加えて、レートが雲を上抜くこと(三役好転)

❶、❷に加えて、レートが雲を上抜いてすべての条件を満たせば、三役好転となって、一目均衡表の中では最大の買いサインとなります。

一目均衡表の三役好転
三役好転

こちらの過去チャートは、米ドル/円・日足のローソク足で三役好転が出来上がった時の動きです。
転換線と基準線のゴールデンクロスのあと、遅行スパンが上向きとなり雲をかすかに抜けたと同時に、レートも雲を上に抜いています。
値動きにはさまざまな要因があるものの、レートはその後、約121円 → 約125円と大きく推移したのが分かりますね。

三役好転の位置関係をまとめると、このようになります。

  • 基準線 < 転換線
  • レート < 遅行スパン
  • 雲 < レート

強力な売りシグナル「三役逆転」

三役好転とは反対に、強い売りシグナルとなるのが、三役逆転です。

三役逆転
  • 転換線が基準線を下抜くこと(均衡の逆転)
  • 遅行スパンがレートを下抜くこと(遅行の逆転)
  • ❶、❷に加えて、レートが雲を下抜くこと(三役逆転)
一目均衡表の三役逆転
三役逆転

こちらはポンド/米ドルで三役逆転がきれいに出現したときのチャートです。

デッドクロス → 遅行スパンがレートを下に抜く → レートが雲を下に抜く
という順番でシグナルが発生した形となります。

転換線と基準線とのクロスが、買いサイン・売りサインとして、3つのサインの中で一番最初に知らせてくれるシグナルとなります。
早めにエントリーポイントを探るなら、この部分に注目して見ていくようにしましょう。

三役逆転の位置関係をまとめると、このようになります。

  • 基準線 > 転換線
  • レート > 遅行スパン
  • 雲 > レート

一目均衡表のデメリット

三役好転・三役逆転は、大きなトレンドが形成されたあとに売買サインが発生するため、数あるテクニカル指標の中でも、信頼度は高いとされています。

そのためダマシが少なくなりやすいのですが、売買サインの発生が遅れがちなことから、エントリーポイントとしては遅くなる場合もあります。

長期的なトレードや大きな変動の後には有効的ですが、より早くエントリーポイントを探るには、三役好転(逆転)のうちの2つのサインで、ダマシの可能性を理解した上で早めにエントリーするか、オシレーター系指標の併用で早めのポイントを探る必要があります。

一目均衡表をMT4で使うときの注意点

MT4は全FX業者共通で、デフォルトで一目均衡表を利用できます。
ただここで1つ、注意点があります。

デモ版など、通常のMT4にデフォルトでインストールされている一目均衡表には、当日の価格が含まれていません。
そのため一般的な一目均衡表に比べると、遅行スパンが1本分過去に表示されてしまいます。
(先行スパンは、1本分未来に表示されてしまいます。)

一目均衡表は極めて高度な仕組みを持つテクニカル指標で、特に遅行スパンは重要度が高いとされていることから、出来る限りオリジナルの設定で分析することが好ましいです。

ゴールデンウェイ・ジャパン(FXTF)では、このズレを直したインジケーター「修正版一目均衡表(FXTF-Ichimoku)」が初期設定で用意されています。
MT4で本格的な分析をしたい方は、ゴールデンウェイ・ジャパンのMT4がおすすめです。

【まとめ】一目均衡表の売買サインなど

基本的な使い方をまとめました。

一目均衡表の基本
  • レートが雲より上にあればサポート、雲より下にあればレジスタンス。
  • 抵抗力の強弱は雲の厚みで判断ができる。
  • 雲のねじれは相場転換の目安になる。
一目均衡表の買いサイン
  • 転換線が基準線を上抜いたら、買いサイン。
  • 基準線が上向けば買いサイン。
  • 遅行スパンがローソク足を上抜いたら、買いサイン。
  • 基準線 < 転換線、レート < 遅行線、雲 < レート が揃って三役好転。
一目均衡表の売りサイン
  • 転換線が基準線を下抜いたら、売りサイン。
  • 基準線が下向けば売りサイン。
  • 遅行線がローソク足を下抜いたら、売りサイン。
  • 基準線 > 転換線、レート > 遅行線、雲 > レート が揃って三役逆転。

一目均衡表をベースとしたテクニカル指標として、柾木利彦氏が開発したスパンモデルがあります。

興味がある方は、こちらの記事もご参考にしてみてください。

一目均衡表の売買シグナルが見れるツール

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