経済指標発表直後のタイミングを狙った手法は、俗に「指標トレード」と呼ばれています。
指標トレードというと、スキャルピングでは人気のある手法のひとつでもあります。
今回は指標トレードのやり方や注意点について解説します。
経済指標発表時の発表データの見方
まずは経済指標が発表されるときに、発表データはどのような部分に注目をすればいいのか見ていきましょう。
下のチャートは、アメリカの雇用統計が発表された直後の変動です。
発表直後、わずか10分で1円以上上昇しているのが確認できますね。
それでは、このときの発表データを見てみましょう!
失業率は5.5%と予想の5.4%より弱い結果となったものの、非農業部門雇用者数が、市場予想の前月比22万5,000人増を上回る28万人と強い結果となったため、円売りドル買いとなりました。
このように指標発表のときは、結果が予想よりも強いか弱いかが売買の判断材料となります。
予想を上回ったらポジティブと捉えて米ドル/円は「買い」、予想を下回ったらネガティブと捉えて「売り」と判断していきます。
指標トレードの重要なポイントとは?
指標時のトレードには、いくつか注意点があります。
指標トレード「6つ」のポイント
- 指標の予想値は、経済カレンダーで必ず確認する
- 必ず損切り注文もセットでエントリーする
- 同じ時間に複数の指標が発表があるときは、あえて取引しない
- 保有ポジションは、指標発表から10分後に決済する
- 配信が早い経済指標データを使うこと
- スキャルピングをするなら、スキャルピング対応業者のうち、スプレッドが狭くてスプレッド提示率が高い業者を選ぶ
特に、アメリカの影響力がある指標は変動幅も大きいことから、あえて取引をしないトレーダーも多いです。
指標トレードをするなら、しっかりと注意点を頭に叩き込んで、自分なりのルールを作るのが最初のポイントとなります。
指標の予想値は、経済カレンダーで必ず確認する
指標トレードにおいて発表の予想値をチェックすることは、もっとも基本的なことです。
このデータを見ずして、指標トレードは語れません。
各FX会社のPC取引ツールやスマホアプリで情報収集できますので、必ず抑えておきましょう!
とくにスマホアプリのプッシュ通知機能が便利で、これを使えば経済指標発表を見逃すことなく取引できます。
詳しくはこちらの記事も合わせてどうぞ。
必ず損切り注文もセットでエントリーする
指標トレードでの失敗の多くは、予測した反対方向に大きく動いてしまったケースではないでしょうか。
やはり損切り注文を入れていなかったことが、大きな損失を生む要因となります。
特に注目度が高く、激しく変動するときは注文が通らなかったり、注文が滑ったりします。
この注文が滑るというのは、変動が激しいために、設定したレートよりも下がった(上がった)レートで約定してしまうことです。
30pipsの利益を狙うなら、15pipsの損切りを入れるなど、自分の許容範囲で発注をしましょう。
成行注文やスピード注文はスリッページしやすいので、逆指値注文が組み込まれた複合注文を使うと、スリッページを抑えやすいです。
おすすめの注文方法は、IFD注文かIFD-OCO注文です。
新規注文 + 利益確定or損切り = IFD注文 となります。
(例)現在のレートが120円として、120.10で新規注文(買い指値注文)、119.90で損切り(売り逆指値注文)を設定します。
この場合、目標pips分の利益になってから決済する必要があります。
新規注文 + (利益確定 + 損切り) = IFD-OCO注文 となります。
(例)現在のレートが120円として、120.10で新規注文(買い指値注文)、120.40で利益確定(売り指値注文)、119.90で損切り(売り逆指値注文)を設定します。
この注文方法は、利益確定または損切りのどちらかが執行されれば、もう一方はキャンセルとなります。
これらの注文を使って、反対に動いたときのリスクを極力減らすのがポイントです。
FXの注文方法は、こちらの記事で図解で分かりやすく解説しています。
スピード注文と決済指値・決済逆指値を組み合わせてスキャルピングするなら、こちらの記事もご参考にどうぞ。
スキャルピングで損切りが苦手な方は、FXではなくノックアウトオプションで取引を検討するのもひとつの手です。
ノックアウトオプションはFXと同じ感覚で取引できて、FXを上回る資金効率の良さを誇ります。
さらに「ノックアウトレベル」という最終損切りラインを必ず決めてから注文を行うため、リスク管理も備えており、攻守に優れた商品設計が魅力の金融商品です。
指標トレードでスキャルピングをするなら、ノックアウトオプションもご検討ください。
同じ時間に複数の指標が発表があるときは、あえて取引しない
複数指標が同じ発表時間の場合の取引は、おすすめしません。
なぜかというと、値動きが読みにくくなるからです。
例えば、同じ時間にA指標とB指標が発表されるとします。
A指標がポジティブな結果、B指標がネガティブな結果となったとしたら、指標の強さや結果との乖離によって、どちらに動くか予測するのが難しくなってしまいますよね。
そのため、単独で経済指標の発表があるときにトレードするのが無難な選択です。
保有ポジションは、指標発表から10分後に決済する
経済指標は発表されてから、瞬く間に大きく変動します。
そのままポジションを保有していれば、その後のトレンドに乗って利益の追求もできますが、その場合は自分の予測がしっかりと立っているときだけにとどめておきましょう。
せっかく狙った指標で利益にできたものの、その後に別の指標で反対に動き、為替差損となってしますことも珍しくありません。
通常は22:00、22:15、22:30など、15分刻みで指標の発表が多くありますので、次の発表前に手仕舞いすれば、あとに発表される指標の影響を受けることもありません。
そのため、エントリーからだいたい10分後に決済するのがひとつの目安ともなります。
指標トレードはあくまでも短期売買だと割りきり、ルールを決めて決済することが大切です。
配信が早い経済指標データを使うこと
ポジティブでもネガティブでも、重要度の高い経済指標の発表データの強弱がはっきりしているほど、為替レートは一方方向に動きます。
発表直後はスプレッドが広がりやすいこともあり、そして少しでも早くエントリーできたら損益も有利となりやすいので、とにかく経済指標の結果を少しでも早く知れるかが重要です。
しかし各社で配信されている経済指標の発表データというのは、タイムラグがあって公表時刻よりも若干遅延して配信されます。
つまり指標トレードにおいて、どの経済指標データを使うかが重要となってきます。
経済指標を国内最速で知るなら、外為どっとコムのロイター赤文字ニュースを活用するやり方があります。
ただしロイター赤文字ニュースは、利用条件のハードルが初心者には高いです。
条件なく使うなら、JFXかヒロセ通商で口座開設すれば無料で利用できる「ロイター経済指標速報」を使いましょう。
ロイター社のニュースが高速配信され、発表と同時にリアルタイムに結果がわかるため、指標トレードに最適なサービスです。
指標トレード時のスキャルピングについて
スキャルピングは禁止する業者もあります。
業者ごとのルールを守らないと口座凍結の可能性もあることから注意が必要です。
ですから指標トレードでスキャルピングをするなら、スキャルピング対応業者を選ぶことが肝心です。
また経済指標発表のタイミングは、スプレッドが拡大しやすいです。
JFXとヒロセ通商はスキャルピング公式OKですが、他社よりスプレッドが拡大しやすい弱点もあります。
そのため複数業者の口座を用意しておくと、その時々で安定したスプレッドを配信する業者を利用することも可能となります。
スプレッドの狭さだけではなく、スプレッドが拡大しにくい業者は「スプレッド提示率の高さ」に注目することで、安定したスプレッドが配信されているかをチェックできます。
「スプレッド」「スプレッド提示率」はこちらの記事に掲載しています。
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