ポーランドの通貨「ポーランドズロチ」の特徴を解説します。
ポーランドの基礎データ
正式名称 | ポーランド共和国 |
---|---|
首都 | ワルシャワ |
中央銀行 | ポーランド国立銀行 |
通貨単位 | ポーランドズウォティ(ズロチ,PLN)、グロシュ(gr,補助単位) |
* 主要輸出国 | ドイツ、チェコ、フランス、イギリス、オランダ |
* 主要輸入国 | ドイツ、中国、イタリア、アメリカ、ロシア |
値動きの大きさ | 情報量の豊富さ | 金利の高さ |
---|---|---|
★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ |
* 貿易量の多い国順 2022年のデータ(ポーランドの貿易と投資 – ジェトロ)
ポーランドズロチの特徴を知ろう!
ポーランドズロチはFXで注目を集めつつある、ポーランドの通貨です。
東欧の国であるポーランドというと、あまりイメージが湧かない方も少なくないでしょう。
ここではポーランドの基礎的な国情から通貨の特徴まで解説していきます。
まず欧州圏であるポーランドはEU加盟国です。
そのかわり通貨としてのユーロは採用しておらず、自国通貨のズロチを採用しています。
正しくはズウォティと呼びますが、国内ではズロチ(ときにはズオチ)と呼ばれるのが一般的です。
東欧というとそれほど経済的に豊かではないイメージがあるかもしれません。
しかしポーランドはというと、2004年にEU加盟してから順調に経済成長を続け、東欧・中欧において唯一、経済大国となった国です。
ポーランドは治安が良いことで知られており、とくに注目なのが物価の安さです。
日本に比べてもヨーロッパは全体的に物価が高いですが、ポーランドはというと日本のおおよそ1/3くらいといったところでしょうか。
通貨としてのユーロを採用しない理由は、経済力だけではありません。
以前にギリシャの財政赤字問題がEU圏全体に広がった過去もありました。
ポーランド政府はこういった単一通貨を採用することによる、不透明なリスクを懸念しているのでしょう。
また一般にユーロを採用すると物価の上昇、すなわちインフレが起きやすい傾向があります。
堅調な経済成長の要因としては、個人消費を中心とした内需の規模が大きいことも一因です。
そのため急激なインフレを避けるためにも、当面の間はポーランドがユーロを導入することはないと考えられています。
ポーランドズロチ/円の値動き傾向は?
東欧最大の新興国だけあって、対ユーロの為替相場は安定して推移しています。
為替には「同じように動く通貨」「正反対の動きをする通貨」があります。
これらを測る指標に相関係数を使った統計がありますが、ポーランドズロチはユーロに対し「正の相関関係」をもつ通貨ペアです。
コモディティ情報サイトのasumiru.comではFX相関係数ランキングが日々公開されています。
ご覧いただくと、ユーロ/円、ポーランドズロチ/円は相関係数が高いことが確認できるかと思います。
対円で見ても新興国通貨を含めると膨大な組み合わせがありますが、ポーランドズロチ/円はユーロ/円にもっとも似た動きをしやすい、という特徴を備えているのですね。
2019年5月時点のチャートを見てみましょう。
こちらは直近5年間の週足チャートで、ローソク足がポーランドズロチ/円、ラインチャートがユーロ/円となります。
ユーロ/円に相関した動きをしているのが確認できますね。また値動きの変動幅はユーロ/円の方が大きいことも分かります。
なおポーランドズロチがよく取引されている時間帯ですが、基本的には隣国であるドイツと同一であると考えて問題ありません。
ポーランドズロチの取引をしたいと考えている方は、ほとんどが長期保有目的だと思いますが、ユーロが動く時間帯の経済指標や要人発言に注目していくのがいいでしょう。
ポーランドズロチの変動要因について
ポーランドは天然資源がそれほど豊かではく、原油や天然ガスの多くをロシアに依存しています。現在ロシア産原油の品質悪化問題もあり、ロシアに対する高いエネルギー依存度からの脱却が大きな課題となっています。
またマーケットで今話題となっているのが、関係が悪化する米中の対立と、イギリスのEU離脱問題がありますが、ポーランドズロチに直接の影響がなくとも、連動するユーロの動きには注目していくべきでしょう。
なおスワップポイント狙いのトレードでもっとも肝心となるのが、「政策金利」です。
2014年10月に2.5%→2.0%、2015年3月に2.0%→1.5%と利下げが行われました。
そして2015年後半以降、継続して1.5%で据え置きとなっています。
今後さらに利下げが行われたらユーロ/円とのスワップサヤ取り手法が通用しなくなる可能性がある点には、十分に注視していきましょう。
ポーランドの政策金利をグラフで閲覧できるサイトは少ないですが、TRADING ECONOMICSなら長期の推移が見やすいのでおすすめです。
ポーランド – 利率 – TRADING ECONOMICS
なお、値動きのきっかけとなるユーロ圏の経済指標はこちらでご紹介しています。
ポーランドズロチ/円(PLN/JPY)を取り扱うFX会社
ユーロ/円で売り、ポーランドズロチ/円で買いを行う、いわゆる相関異通貨ペアの両建てトレードが今注目を集めています。
これは両建てで売買による損益を相殺しつつ、スワップ差のみを狙っていく手法となります。
しかしポーランドズロチの取り扱い業者はそれほど多くはないですが、みんなのFX、LIGHT FX、IG証券、ヒロセ通商、くりっく365取り扱い業者(GMOクリック証券、岡三オンラインなど)で取引することができます。
こういったスワップ狙いのサヤ取りを行う場合、買いで保有する業者、売りで保有する業者に分けるやり方もありますが、ユーロ/円の売りはマイナススワップが大きくなってしまうケースもあるので、業者選びは慎重に行いたいところです。
このほかにスプレッドの狭さや、1,000通貨に対応しているかどうか、また取引量によってはそれなりの証拠金が必要になってきます。
さらにスワップポイントはユーロ/円が低く、ポーランドズロチ/円が高いほど収益化しやすくなります。
FX会社名 | 取引単位 | ユーロ/円 スプレッド | ユーロ/円 | ユーロ/円 | ズロチ/円 | ズロチ/円 | ズロチ/円 |
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1,000 通貨単位 | 0.4銭 | -150 | 150 | 2.8銭 | -54 | 54 | |
通常通貨ペア | 1,000 通貨単位 | 0.4銭 | -150 | 150 | 2.8銭 | -54 | 54 |
10,000 通貨単位 | 0.5銭 | -220 | 54 | 3銭 | -93 | 23 | |
1,000 通貨単位 | 0.4銭 | -220 | 150 | 変動 | -77 | 37 |
※スワップポイントの単位は円。 各社においてスワップポイント付与が前後している場合は、直近1日分のスワップポイントを記載。
スプレッド取得日・記載日:2024年12月3日
※掲載スプレッドは原則固定(例外あり)ですが、市場急変時や流動性が低下している状況では拡大する場合があります。
このサヤ取り手法については、詳しく解説する以下記事もご覧ください。
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ほとんどの通貨ペアが1,000通貨に対応しているため、少額からスタートが可能です。
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