ポイント&フィギュアの見方・使い方について解説します。
テクニカル指標名 | タイプ | 分析適正 |
---|---|---|
ポイント&フィギュア | トレンド系・非時系列 | 順張り |
ポイント&フィギュアとは?
テクニカル分析というと、チャートに表示されるローソク足とともに、トレンド系やオシレーター系のテクニカル指標を用いたり、トレンドライン分析を行うのが定番です。
このポイント&フィギュアはテクニカル指標ではなく、ローソク足、バーチャートなどチャートタイプの一種となります。
その歴史は古く、アメリカ・シカゴの先物取引所(CME)では、バーチャートが生まれる前の1880年頃からテクニカル分析の手法として使われていました。
アメリカでは、ヘッジファンドなどの機関投資家で好んで使う人もいます。
考案した人物は不明ですが、時代とともに多くの人々に改良されて現在の形となっています。
ローソク足など通常のチャートは、時間ごとに価格や数値が更新される「時系列チャート」と呼ばれています。
これに対し、時間的概念がなく、純粋に値動きだけを追ったものを「非時系列系チャート」といいますが、海外での代表格がこのポイント&フィギュアです。
縦軸に価格をとり、横軸には時間の概念が入らないことから、「不規則時系列チャート」とも呼ばれています。
point and figureは直訳すると「点と図形」という意味があります。
かんたんに言うと、◯と✕で値動きを表して相場のトレンドを判断していきます。
ポイント&フィギュアの書き方を知ろう!
書き方には以下のルールがあります。
- ※終値で記述する。
- 価格が上昇したら「✕」、下落したら「◯」で表す。
- あらかじめ決めた値幅を1ポイントとして1枠に書いていく。(例えば10pips)
- 1列には◯、✕のどちらか一方のみを、3枠以上書く。
- 価格が反対方向に3枠以上動いたら、次の列に移動する。(3枠反転という。)
- 転換後の1枠目を空けて記入する。
※始値と終値の中間値で記述するザラ場ベースというやり方もありますが、ここでは割愛します。
上記が通常ルールとなりますが、4枠転換として信頼性を高くするやり方もあります。
通常ルールでは1列に最低3枠を書き、次の列に移動したら1枠空けて記述しますので、1ポイントを10pipsとして転換するには、最小で40pipsの変動が必要であることになります。
そのため、転換して同じマークが連続すればトレンドが出ていることになります。
売買ルールの基本は「新値買い」「新値売り」です。
ポイント&フィギュアにトレンドラインを引いて、「前回の✕枠を上回ったら買い」「前回の◯枠を下回ったら売り」をシグナルと判断していきます。
このとき、保ち合いが長く続くほど、抜けた方向に大きなトレンドが生まれやすくなります。
ポイント&フィギュアの特徴と使い方
ポイント&フィギュアの特徴は以下です。
- ローソク足よりも単純に描かれるため、上昇(下降)トレンドが判断しやすい。
- ローソク足よりも長期間が表示されるので、全体を見渡して分析できる。
- 細かい値動きを考慮しなくていいので、大きな波を捉えやすい。
- 時間の要素がないため、価格変動が分かりやすくダマシが少ない。
- トレンドライン分析、パターン分析、カウンティング分析の3つの分析のやり方がある。
ポイント&フィギュアは、大きなトレンドの方向性を分析していきますので、順張りに有効的となります。
トレンドライン分析もパターン分析も、通常のチャート分析と同じやり方は共通で、ブレイクアウトを狙っていきます。
ポイント&フィギュアのトレンドライン分析
トレンドライン分析には、枠の対角線同士引く方法(コーエン方式)と、通常のトレンドラインを引く方法(シュリッガー方式)の2通りがあります。
①コーエン方式
枠の角と角を45度の角度で結んでブレイクアウトを狙った手法がコーエン方式です。
ポイント&フィギュアでは、こちらのやり方がトレンドライン分析に多く採用されています。
上昇相場のときは、もっとも安値の位置から右肩上がりにサポートラインを引きます。価格がサポートラインよりも上なら強気相場と判断ができます。
下降相場のときは、もっとも高値の位置から右肩下がりにレジスタンスラインを引きます。価格がサポートラインよりも下なら弱気相場と判断ができます。
高値同士、安値同士を結んだ平行線(アップチャネル、ダウンチャネル)もよく使われています。
②シュリッガー方式
枠が正方形ではないときは45度で線を引くことができませんので、その場合は通常のトレンドラインの描き方をします。
ポイント&フィギュアのパターン分析
ダブルトップ、ダブルボトムは代表的なパターン分析のひとつです。
基本的には、前回の高値(安値)をブレイクしたらシグナルと判断していきます。
買いサイン 売りサイン
ダブルトップ、ダブルボトム
ダブルトップ
天井でMの形状がポイントです。
前回の安値をブレイクしたら売りサインとなります。
ダブルボトム
大底でWの形状がポイントです。
前回の高値をブレイクしたら買いサインとなります。
トリプルトップ、トリプルボトム
トリプルトップ
天井で3つの山がポイントです。
最初の山をブレイクしたら売りサインとなります。
トリプルボトム
大底で3つの谷がポイントです。
最初の谷をブレイクしたら買いサインとなります。
幅の広いトリプルトップ、幅の広いトリプルボトム
幅広トリプルトップ
幅の広いトリプルトップです。
幅広トリプルボトム
幅の広いトリプルボトムです。
上昇三角型(ブルトレンド、ベアトレンド)
上昇三角形の上抜け、下降三角形の下抜けをシグナルとします。
弱気混合型
上値が切り下がっているとき、サポートを下抜いて売りサインとなります。
強気混合型
下値が切り上がっているとき、レジスタンスラインを上抜いて買いサインとなります。
三角保ち合い型(ペナント型)
弱気の三角保ち合い型
三角保ち合いで下抜けたら売りサインとなります。
強気の三角保ち合い型
三角保ち合いで上抜けたら買いサインとなります。
逆転型(フラッグ型)
逆転下降型
上昇トレンドから下降トレンドへの転換を示します。
逆転上昇型
下降トレンドから上昇への転換を示します。
末広がり型(逆ペナント型)
弱気の末広がり
保ち合いから拡大し、下放れしたら売りサインとなります。
強気の末広がり
保ち合いから拡大し、上放れしたら買いサインとなります。
カタパルト型
カタパルトとは飛行機などの発射装置のことです。2段階上昇(下降)する動きがポイントです。
弱気のカタパルト
下降相場で、下値をさらに抜いてきたら強いトレンドと判断して売りサイン。
強気のカタパルト
上昇相場で、上値をさらに抜いてきたら強いトレンドと判断して買いサイン。
ポイント&フィギュアのカウンティング分析
カウンティング(値幅観測)とは、枠数を数えて目標値を計測する方法です。
半値戻し、全値戻し、倍返しなどのように、過去の値幅を参考にして上値(下値)を探っていきます。
2種類あり、一般的には水平カウンティングの方がよく使われています。
ただカウンティング分析は、あくまでも参考程度に留めておくようにしましょう。
①水平カウンティング
水平カウンティングは、保ち合いを抜けて大きく動いたときの高値・安値を、水平計算する方法です。
長くもみあうほど、その後の変動幅は大きくなるとする考え方です。
このときの目標値は、もみあった行数に、3枠転換の「3」をかけて算出します。
②垂直カウンティング
垂直カウンティングは、メジャードムーブとも呼ばれていて、垂直計算する方法が2パターンがあります。
トレンドが大きいときほど、初動の変動は大きいとする考え方です。
- 保ち合いを上抜いたとき(下抜いたとき)
- 「下降→上昇」「上昇→下降」にトレンドがV字転換したとき
例えば、保ち合いを上抜いたときは、最初の上げ幅と同じ長さ分、再び上昇すると考えていきます。(図①)
天井から転換したときは、最高値からトレンドラインを抜けるまでの長さと、下落する長さを同じと考えていきます。(図②)
ポイント&フィギュアの注意点は?
ポイント&フィギュアの使い方に慣れてきたら、自分の使いやすい値幅設定探しをするのもいいでしょう。
1枠の値幅設定ですが、10pips、20pips、25pips、50pipsなど、きりのいい数値を基準にして設定してみてください。
注意点として、値幅が小さくなると反応がいい分ダマシが多くなってしまいます。
逆に値幅を大きくし過ぎると、反応が悪くなってしまいますので、売買の判断が遅れてしまいます。
値幅は、各通貨ペアの変動の大きさを参考にすると良いと思います。
【まとめ】ポイント&フィギュアの売買サインなど
基本的な使い方をまとめました。
- 分析に時間の要素が加えられていないテクニカル指標。
- 順張りで大きなトレンドを捉えるのを得意とする。
- (主に)前回の高値を上回ったら買いサイン。
- (主に)前回の安値を下回ったら売りサイン。
各社のチャート機能は、こちらのページで詳しくご紹介しています。
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