高い勝率を誇り、ディナポリ氏自身が「天の恵み」と表現するトレード手法が、シングル・ペネトレーションです。
もちろん、投資にはリスクが伴い、絶対に勝てる手法ではありません。ただし、アルゴリズム取引(コンピュータによる自動売買)の影響を受けにくい「スラスト」を活用する点が、信頼性の高さにつながっています。
ディナポリ氏はシングル・ペネトレーションを「ブレッド・アンド・バター(Bread & Butter)」とも例えています。これは「日常的に当たり前に存在する」というニュアンスであり、普段のトレードでも比較的シグナルが現れやすいことを意味しています。
短期的な押し目・戻りを狙う手法となるシングル・ペネトレーションは、まずローソク足でスラストを探すことから始まります。
ここからは、スラストの判断方法とシングル・ペネトレーションのトレード手法を詳しく解説します。
まずはスラスト(強いトレンド)を探す
スラストとは、トレンド継続示すプライスアクションです。
トレンドが発生し、継続するほど連続して出現します。




- スラストアップ:前のローソク足の高値を、直近足の終値が上回っていること
- スラストダウン:前のローソク足の安値を、直近足の終値が下回っていること
強い上昇トレンドでは、ローソク足は3×3DMAを下回らず、3×3DMAの上側で推移します。


強い下降トレンドでは、ローソク足は3×3DMAを上回らず、3×3DMAの下側で推移します。


スラストを見つけるには、ローソク足が3×3DMAを抜けることなく、8本以上連続するスラストの発生を探します。
例えば1時間足なら8時間以上、日足なら8日以上、トレンドが続いていることが目安です。
なお、スラストを探す際に一部ローソク足が3×3DMAを割っていても、終値がDMAを抜けていなければ「スラスト継続」と判断できます。
仮に終値がDMAを抜けても、それが1~2本程度で値幅が小さければ、スラスト継続と判断することが可能です。
上昇トレンド中に小さな陰線が出ても、チャート全体の形が崩れていなければスラスト継続と判断して問題ありません。
このようにスラストは数値で明確に判断しにくく、アルゴリズム取引にも組み込まれにくいため、裁量トレードに適しているとディナポリ氏は説明しています。
スラストアップなら買い、スラストダウンなら売りと、順張りが基本です。
スラストを確認したら、次は「シングル・ペネトレーション」や「ダブルレポ」といった高勝率パターン(ディナポリ・チャートではパワーパターンという)を使い、具体的なエントリータイミングを狙います。
- 3×3DMAを割らず、8本以上連続した上昇または下落を探す
(例:1時間足なら8時間以上、4時間足なら32時間以上、日足なら8日以上) - スラストはローソク足の終値で判断する
- 終値がDMAを割らなければスラスト継続と判断する
- 終値が1〜2本程度DMAを割っても、トレンドが崩れていなければスラストの継続と判断できる
シングル・ペネトレーションの見方
ダブルレポは「特別な日の豪華なフルコース」のイメージで、ディナポリ氏はチャートの期間は「日足以上」を条件としています。
対してシングル・ペネトレーションは、ブレッド・アンド・バターと日常的な意味合いを示すように、日足以上の制限がなく、30分足や1時間など、日足以下でも使うことができます。
なおペネトレーションとは「貫通」のことで、シングル・ペネトレーションとは「1度の貫通」を意味します。
つまり、ローソク足が3×3DMAを一度貫通する動きのことを指しています。
シングル・ペネトレーションのトレード手法【上昇トレンド】
買いでエントリーする場合は、上昇トレンドで8本以上のスラストアップを探します。
エントリー
スラストアップを見つけたら、ローソク足が3×3DMAを下抜けする動きに注目します。


続いて、スラストの安値(A)から高値(B)にかけてフィボナッチ・リトレースメントを描画します。
※上昇トレンドの場合、フィボナッチ・リトレースメントの始点は、スラストの起点となる安値から描画します。
下記チャートでは、スラストは実質3×3DMAのブレイク前のローソク足から始まっていますので、このローソク足から描画しています。(フィボナッチ・リトレースメントの上下幅が広い方が押しが深くなり、利幅が大きくなります。)


38.2%を下抜けて押し安値を形成後、反転して38.2%まで戻したらエントリーします。
38.2%に達せずに上昇へ転じた場合は、一度下抜いた3×3DMAの上抜けに注目し、再び上昇方向への推移に注目しましょう。
利食い
エントリーと同じく、利食い目標にもフィボナッチ・リトレースメントを使います。
エントリー時とは別に、フィボナッチ・リトレースメントをもう一度描画して利食いターゲットを算出します。
今回は高値(B)から、押し目をつけた直近の安値(C)に向かって引きます。


このスラストの反対となる、押し目または戻りの値動きのことをコントラムーブといいます。
直近安値(0%)〜直近高値(100%)までのうち、コントラムーブの61.8%が利食い目標となります。
※エントリー時に描画した38.2%(押し目の目標)よりも、2回目に描画する安値(確定した押し目)の方が、下に位置しなければいけません。
なぜなら38.2%以上押し目をつけることが、買いエントリーの条件だからです。


フィボナッチ・リトレースメントによってエントリー、利食い、損切りのポイントを事前に算出できますので、IFD-OCO注文ならまとめて発注ができるので便利です。
シングル・ペネトレーションは保守的な考え方なので、大きな値幅を狙った手法ではありません。
そのため、もしトレンドが強いなら、2回目で描画したフィボナッチ・リトレースメントの前回高値・前回安値(100%)を利食い目標と定めたほうが利益は多くなります。
損切り
シングル・ペネトレーションと判断し、38.2%に達してエントリーしても、押し目・戻りとならず失敗となるケースもあります。
そのため逆指値注文もセットして発注することで、損失リスクを低減できます。
エントリー同様、損切りもフィボナッチ・リトレースメントを使います。
ディナポリ・チャートでは、フィボナッチ・リトレースメントは38.2%と61.8%しか使いません。
つまり61.8%を損切りのポイントに使います。


ただしこの水準は、反対方向にトレードするプレイヤーのオーダーが集まりやすいため、少し外側にストップを置くのが得策です。
シングル・ペネトレーションのトレード手法【下降トレンド】
売りでエントリーする場合は、下降トレンドで8本以上のスラストダウンを探します。
エントリー
スラストダウンを見つけたら、ローソク足が3×3DMAを上抜けする動きに注目します。


スラストの高値(A)から安値(B)にかけてフィボナッチ・リトレースメントを描画します。


38.2%を上抜けて戻り高値を形成後、反転して38.2%まで戻したらエントリーします。
38.2%に達せずに下落へ転じた場合は、一度上抜いた3×3DMAの下抜けに注目し、再び下落方向への推移に注目しましょう。
利食い
売りの場合も描画方法は同じです。
安値(B)から、戻りをつけた直近の高値(C)へ描画します。


コントラムーブの61.8%が利食い目標となります。
損切り
1回目に描画したフィボナッチ・リトレースメントで損切り水準を判断します。
61.8%の少し上にストップロスを設定しましょう。


元シティバンクのチーフトレーダー・西原宏一さんは『61.8%だけではなく、相場の状況によっては50%をストップロスの目安にすることもある』と述べていました。
ずっと相場を見れるときは50%を損切りラインにした方が損失額は少なく済みますし、値動きによっては早めに損切りしてもいい場合もありますので、この辺は状況で判断するのが得策だといえます。
- スラストが8期間以上継続していることを確認する。
- 終値で3×3DMAのブレイクを確認する。
- フィボナッチ・リトレースメントの38.2%でエントリー。
- フィボナッチ・リトレースメントの61.8%の少し外側で損切り注文を入れる。(この水準のストップ狩りを警戒するため)
※61.8%を待たず、50%を損切りの目標に使うことも可能。 - 利食い目標は、コントラムーブの61.8%とする。
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