FXの「3すくみ」ってどんな取引?すくみサヤ取り手法と3つの注意点を解説!

通貨ペア間の強弱を狙った「すくみ」のサヤ取り手法

FXには、すくみを利用したサヤ取り手法があります。

  1. 金利差(スワップポイント差)を狙うサヤ取り手法
  2. 価格差(レート差)を狙うサヤ取り手法
    1. 相関通貨ペアで両建てする、サヤ取り手法
    2. 逆相関通貨ペアで両建てする、すくみサヤ取り手法

外国為替にはさまざまな通貨ペアがありますが、ここでは三大メジャー通貨である米ドル、ユーロ、円を例にすくみを解説していきます。

また、逆相関通貨ペアで両建てするすくみのサヤ取り手法から注意点、さらに簡単にすくみの自動売買(システムトレード)ができる方法までご紹介します。

目次

そもそもすくみとは

すくみ(竦み)とは、「得意な相手」「不得意な相手」の力が均衡してバランスが取れているイメージです。

3すくみが有名ですが、3すくみには日本では古くからヘビ、カエル、ナメクジの例があります。

これは三者が得意な相手、不得意な相手を対に持ち、お互いに身動きが取れなくなる状態のことです。

これはじゃんけんで考えると分かりやすいです。

  • グーはチョキに勝つがパーに負ける。
  • チョキはパーに勝つがグーに負ける。
  • パーはグーに勝つがチョキに負ける。

FXでも3すくみを利用して、サヤ取りする手法があります。

三大メジャー通貨の3すくみ

それでは米ドル、ユーロ、円ですくみの例を見てみましょう。

ここでは仮にEUR/USDを買いとした場合、他通貨ペアのすくみは以下となります。

三大メジャー通貨(米ドル、ユーロ、円)の3すくみ例
  • EUR/USDの買い=ユーロを買って米ドルを売る(ユーロ買い・米ドル売り)
  • USD/JPYの買い=ドルを買って円を売る(米ドル買い・円売り)
  • EUR/JPYの売り=ユーロを売って円を買う(ユーロ売り・円買い)

各通貨で互いに「売り」「買い」をしているのがわかると思いますが、この3通貨ペアを上記の方向で保有している場合、各通貨を両建てしている状態となります。

3通貨のパワーバランスが拮抗していてバランスが取れていたら、これが3すくみとなり、ポジションを持っていても利益・損失とならずに変わらないことになります。

※FXにはスワップポイントの付与・支払いが発生しますが、ここではスワップポイントはないものとして割愛して進めます。

続いて、各通貨の強弱をそれぞれ100%をベースとして見ていきましょう。

米ドル、ユーロ、円の強弱

米ドルの価値が20%上昇し、ユーロと円に変化がなければ以下のようになります。

米ドルの価値が上昇してユーロと円に変化がない場合
  • 米ドル:100%→120%
  • ユーロ:100%→90%
  • 日本円:100%→90%

FXはゼロサムゲーム(市場参加者の利益・損失の合計がゼロになる理論)ですから、市場全体で比例して価値が上下することはありません。

もし世界に3通貨しかないと考えるなら、総量は300で変化しないということです。

つまり米ドル、ユーロ、円それぞれが10%ずつ価値が上昇しても、実際にはそれぞれ100%で何も変わらないことになります。

3通貨全ての価値が上昇した場合
  • 米ドル:100%→110%→100%
  • ユーロ:100%→110%→100%
  • 日本円:100%→110%→100%

ただし実際にはクロス/円でも米ドルを介して取引が行われるため、ユーロ/円の取引には米ドルの値動きが反映される、ということは理解しておいてください。

すくみのサヤ取り手法

すくみの仕組みが分かりましたでしょうか。

それでは具体的なトレードですが、すくみを狙うトレードには「サヤ取り」と呼ばれる手法が用いられています。

サヤ取りにも色々な手法がありますが、メジャーなのは以下の手法です。

一般的なサヤ取りは、サヤが小さくなったら両建てし、サヤが広がったら決済する手法
一般的なサヤ取り手法のイメージ

相関性のあるオセアニア通貨(豪ドルとNZドル)を例にすれば、想定よりも価格差の開き(ギャップ)が小さくなったとき、この水準ならもっと乖離するだろうと判断してトレードする手法です。

これを3すくみで考えると、「通貨ペアAと通貨ペアBがこの水準なら、通貨ペアCは売り方向に進むだろう」といった判断材料に使っていく形ですね。

ここまで3すくみを例に解説しましたが、さらにポンドを加えて4すくみ、豪ドルを加えて5すくみといった形で応用していくことができます。

通貨の強弱と相関はチャートで分析

今どの通貨が強いのか、弱いのかを判断するには、「変動率」と「相関分析」を搭載したチャートが便利です。

こちらはマネックス証券マネックストレーダーFXに搭載された比較チャートです。

マネックストレーダーFXの比較チャート
マネックストレーダーFXの比較チャート
  • 上部(変動率比較):通貨ペアごとの変動率を比較するチャート
  • 下部(相関分析):2つの通貨ペアの相関度を示すチャート

もともとユーロ/円は米ドル/円に相関しやすい通貨ペアですが、こちらのチャート例では、右下の丸で囲った箇所を見ると分かるように、相関性が下がってきているのが確認できますね。

上下2つのチャートを見ると、ユーロが強く、米ドルが弱くなってきていることが分かります。

このように「すくみ」によるサヤ取りでは、今回を例にすると、行き過ぎたユーロ高・米ドル安はいずれ戻るだろうと判断してトレードに生かすことができます。

手軽に分析できる、みんなのFXの「通貨強弱」

みんなのFXのスマートフォンアプリやPC取引ツールには、「通貨強弱」が搭載されています。

通貨の変動率から算出した通貨指数をもとに、通貨ごとの強弱が可視化されたツールです。

スマホアプリ版みんなのFXに搭載された通貨強弱チャート
通貨強弱(チャート)

起点となる日時を基準に、現在の通貨は相対的に強いのか、弱いのかをチェックできます。

最大で過去10年の強弱を見れますし、「通貨の強弱が極端に偏っても、いずれ元の水準に戻るだろう」と分析することに役立てることができます。

すくみを狙ったトレードの注意点

すくみを狙ったサヤ取り手法は万能ではなく、デメリットが存在します。

  • 多くの証拠金が必要になる。
  • 両建てすれば、スプレッドが2倍発生する。
  • 両建てによりスワップポイントで不利になる。

サヤ取りは両建てしたり、さまざまな通貨ペアの保有をして利益を狙っていく手法です。

ポジションサイズが大きくなることに比例して、そのぶん証拠金が必要になってきますし、コストとしてスプレッドもかかります。

また両建てすると、買いスワップポイントと売りスワップポイントを合計するとマイナスになることもデメリットとなります。

サヤ取り手法には、こういった注意点が存在することを理解した上でトレードを始めるようにしてください。

すくみサヤ取り自動売買はトライオートFXがかんたん

すくみでサヤ取りを狙うトレード手法は、裁量取引で継続していくのはかんたんではありません。

それもそのはず、マーケットが変化するたびに取引チャンスを探していく必要があり、マーケットにおける通貨のパワーバランスも一定ではないからです。

例えば米ドル、ユーロ、円の価値がそれぞれ100%で3すくみだとしても、米ドル1強がこの先加速したら、米ドル140%、ユーロ80%、円80%の比率がスタンダードとなることも考えられます。

そこで便利なのが、インヴァスト証券の自動売買「トライオートFX」です。

トライオートFXでは、過去のシミュレーションなど色々な項目で自動売買のパフォーマンスをチェックしながら、中長期的に利益を狙うことができます。

また自動売買のパフォーマンスが落ちても、そのときに合った自動売買にかんたんに切り替えることができます。

すくみならトライオートFXのハイブリッド

トライオートFXの自動売買ではサヤ取りを狙える設計となっており、「すくみ」でおすすめなのが通貨分散型の「ハイブリッド」です。

トライオートFXの売買戦略「分散」
自動売買セレクト「分散」の例

※ハイブリッドはロジックとして「分散」に用意されています。

ハイブリッドの基本は「4すくみ」や「6すくみ」で、すくみが増えるほど為替変動の影響や通貨ペアごとの売買タイミングが分散されるため、為替変動によるリスクが抑えられた商品設計が魅力です。

円安・円高に影響されやすい通貨ペアといえば、米ドル/円が筆頭ですよね。

これに、円の値動きによる影響が限定的で、かつ同じように動きやすい正相関の通貨ペアの「豪ドル/NZドル」や「ユーロ/英ポンド」を組み合わせることで、色々なマーケットに対応するチームを編成するイメージです。

例えば、ハイブリッドの「ハイブリッド_米ドル/円_ユーロ/英ポンド_豪ドル/NZドル」を例にします。

米ドル/円の相場が軟調でも、米ドル/円の影響が少ないと考えられるユーロ/英ポンド、豪ドルの相場が動いていれば、こちら通貨ペアで利益を狙っていくことに期待ができる設計となっています。

直近でもなかなかのパフォーマンスを見せていますので、すくみに注目したトレードをしたいなら、インヴァスト証券のトライオートFXがおすすめです。

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通貨ペア間の強弱を狙った「すくみ」のサヤ取り手法

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