オーストラリアの通貨「豪ドル(AUD)」の特徴と値動きの傾向

オーストラリアの通貨「豪ドル(AUD)」の特徴と値動きの特徴

FXの通貨のなかで、身近な通貨として挙げられるのが豪ドルです。

そして米ドルとのドルストレートとなる豪ドル/米ドルは、世界で取引量が第6位となる通貨ペアとなります。

国内で豪ドル/円は、米ドル/円、ポンド/円に次いで取引量が第3位となる人気の通貨ペアとなっています。

オーストラリアの通貨「豪ドル」には、どのような値動きの特徴があるのか、具体的に解説します。

豪ドル/円で注目となる今後の政策金利やスワップポイントの動向・値動きの見通しは、こちらの記事で解説しています。

目次

豪ドルの基礎データ

豪ドルは高スワップで人気の通貨。中国の動向と資源価格に注目しよう!

オーストラリアの国旗
正式名称オーストラリア連邦
首都キャンベラ
中央銀行オーストラリア準備銀行(RBA)
通貨単位オーストラリアドル($)、セント(¢)
* 主要輸出国中国、日本、韓国、台湾、インド
* 主要輸入国中国、アメリカ、韓国、日本、シンガポール
値動きの大きさ情報量の豊富さ金利の高さ
★★★★☆☆★★☆☆

* 貿易量の多い国順 2022年のデータ(世界貿易投資動向シリーズ |オーストラリア – ジェトロ

豪ドルの特徴を知ろう!

オーストラリアの風景

オーストラリアのように、豊富な資源を有する国の通貨は、資源国通貨とも呼ばれています。

オーストラリアは鉄鉱石などの鉱物・金属資源、石炭の輸出が世界第1位(2022年)の輸出大国です。

こういった資源価格から値動きの影響を受けやすい性質を持っていることから、豪ドルは資源国通貨と呼ばれているんですね。

つまり鉄鉱石価格や石炭価格が上昇すれば、豪ドルも買われやすい傾向があります。

またオーストラリアは金の産出量も多く、中国に次いで世界第2位(2023年)のシェアを誇り、金の産出量は上昇傾向にあります。

そのため、豪ドルと相関性が見られる金価格の動向にも注目していきましょう。

そしてオーストラリアの貿易ですが、経済成長を続ける中国を筆頭に、鉱物資源の主な輸出先はアジア諸国で占めれています。
つまり、豪ドルは、とくに中国の経済動向から影響を受けやすい通貨である、ということになります。
例えば、中国の経済指標で鉱工業生産が予想を大きく下回ると、豪ドルは売られたりします。

FXでは豪ドル=人民元の擬似的な通貨、という見方もされており、アメリカと中国、大国のにらみ合いが反映されやすい特徴もあります。
つまり豪ドル/米ドルは、米中関係のニュースに反応しやすい通貨ペアということですね。

このように豪ドルは、米中対立リスクの影響を受けやすい特徴があります。

今後、米中それぞれの経済が低迷したとき、どのような経済政策を打ち出して大国と関わっていくのかが、豪ドル相場で注目すべきポイントです。

なおオーストラリアでは、鉱物資源のほか、畜産、酪農や農業も盛んに行われています。
肉や乳製品、小麦の輸出国であることから、豪ドルは鉱物資源の値動きに加えて、商品相場の影響も受けやすいのです。

豪ドルは米ドル、ユーロ、円、ポンドに次いで、世界で5番目に取引量の多い通貨です。
オーストラリア自体は経済が安定している国ですが、他のメジャー通貨に比べると豪ドルの取引量は多くはありません。

豪ドル/円は実はポンド/円並の変動率もあり、値動きが大きい特徴がある通貨ペアであることも念頭に入れておきましょう。

豪ドルの特徴 まとめ

  • 代表的な資源国通貨で、商品相場(鉄鉱石価格、石炭価格、金価格)の影響を受けやすい通貨。
  • 商品相場ほどではないが、肉、乳製品、小麦など畜産資源や農作物価格の影響も受けやすい。
  • 主要輸出先である中国経済の動向を色濃く受ける通貨で、人民元の擬似的な通貨の側面もある。
  • 豪ドル/米ドルは、米中関係のマーケットニュースに反応しやすい。
  • 米ドル、ユーロ、円に比べると取引量が少ないため、大きい値動きを見せる通貨。

※高機能チャートのTradingViewの場合、WTI原油は「USOIL」、鉄鉱石は「COMEX:TIO1!」、金/米ドルは「XAUUSD」でチャートを見ることができます。

豪ドルの通貨ペア

主要8通貨の組み合わせにより、こちらが豪ドルの主な通貨ペアとなります。

  • 豪ドル/米ドル(AUD/USD)
  • 豪ドル/円(AUD/JPY)
  • ユーロ/豪ドル(EUR/AUD)
  • ポンド/豪ドル(GBP/AUD)
  • 豪ドル/カナダドル(AUD/CAD)
  • 豪ドル/NZドル(AUD/NZD)
  • 豪ドル/スイスフラン(AUD/CHF)

このなかで注目の通貨ペアをご紹介します。

豪ドル/米ドル

AUD/USD

2022年の国際決済銀行によるデータでは、豪ドル/米ドルは世界で6番目に取引量が多い通貨ペアです。

豪ドル/円と比べるとボラティリティ(変動率)があり、トレンドが発生すれば長期にかけてトレンドが継続しやすい特徴があります。
そのためスイングトレードに向く通貨ペアといえます。

買いなら「米ドル売り・豪ドル買い」、売りなら「豪ドル売り・米ドル買い」です。

豪ドルにプラス要因(米ドルにマイナス要因)の材料が出たら豪ドル/米ドルは上昇、豪ドルにマイナス要因(米ドルにプラス要因)の材料が出たら豪ドル/米ドルは下落、となります。

豪ドル/円

AUD/JPY

豪ドル/円は、私たち日本人トレーダーに人気がある通貨ペアです。

日本国内では、米ドル/円、ポンド/円に次いで豪ドル/円が取引されています。

2021年順位 通貨ペア2021年シェア
1位USD/JPY66.28%
2位GBP/JPY11.09%
3位AUD/JPY6.86%
4EUR/USD4.79%
5EUR/JPY4.13%
6GBP/USD2.98%
7AUD/USD1.04%
8NZD/JPY0.66%
9GBP/AUD0.40%
10MXN/JPY0.38%
店頭FX取引の上位10通貨ペアのシェア(2021年円換算金額ベース)推移

なお豪ドル/米ドルに比べると、豪ドル/円は取引量が少ない組み合わせのためボラティリティーも高くなります。

また豪ドル/円は、米ドルを介したクロス通貨のため、「豪ドル↔米ドル↔円」と米ドルの値動きも加わることで、米ドルの変動による影響も受ける通貨ペアとなります。

買いなら「円売り・豪ドル買い」、売りなら「豪ドル売り・円買い」の形となります。

豪ドルにプラス要因(円にマイナス要因)の材料が出たら豪ドル/円は上昇、豪ドルにマイナス要因(円にプラス要因)の材料が出たら豪ドル/円は下落、となります。

豪ドル/NZドル

豪ドル/NZドルは、同じオセアニア通貨の組み合わせによる通貨ペアです。

同一地域の通貨は相関しやすのですが、この豪ドル/NZドルも例外ではありません。

ニュージーランドはオーストラリアと経済の結び付きが強いことから、NZドルと豪ドルは相関関係にあり、豪ドル/円とNZドル/円は同じように動きやすい傾向にあります。

同じように動きやすい通貨同士の組み合わせである豪ドル/NZドルですから、狭いレンジ相場で動きやすい特徴があります。

この相関性を利用したサヤ取り手法があり、インヴァスト証券のトライオートFXで自動売買が行えます。

豪ドル/円の値動き傾向

FXの1日は、早朝にニュージーランドのウェリントン市場から始まり、次いでオーストラリアのシドニー市場が始まります。

世界の外国為替市場の流れ

シドニー市場に続いて東京市場が始まると、豪ドルの値動きはより活発化していきます。

外国為替市場の取引時間(オセアニア)

豪ドルの取引をするなら、同じくオセアニア通貨である、NZドル関連のニュースにもアンテナを張っていきましょう。

FXでは早い時間帯からレートが上下する豪ドルですが、夕方や深夜になると、さらに勢いよくダイナミックに変動します。

まず東京市場の時間をベースに考えると、日中はオーストラリア、中国の経済指標の影響を受けて変動していきます。
15:00〜17:00頃はユーロの値動きに、そして21:00以降は米ドルの値動きに左右されて大きく動いていきます。

豪ドルは他の通貨ペアに比べると、1日を通して動きやすい傾向のある通貨ペアです。
1日を通して動きやすいので、豪ドル/円はアクティブにデイトレードしやすい、いうことになります。

変動幅は大きめですので、豪ドルの売買をする場合、必要証拠金に余裕を持たせて、レバレッジを低く抑えることが重要なポイントとなります。

豪ドルの変動率

どの通貨とペアになるかで、1日の動きやすい時間帯が異なってきます。

まずは豪ドル/円の1日の変動率を見てみましょう。

以下は2021年1月28日時点のもので、直近20日の平均変動幅を示すグラフです。

豪ドル/円 時間毎の変動幅の傾向(20日間の平均)
引用元:OANDA証券 ボラティリティ グラフチャート

変動幅の推移を見ると、9:00、17:00、24:00に変動幅のピークがありますね。

オーストラリア株式市場は日本時間の8:00〜16:00ですが、変動幅を見ても午前中は9:00台の値動きに注目です。

ほかのデータも見てみましょう。
こちらも2021年1月28日時点に取得した変動率です。

AUD/JPY 時間別平均変動率
引用元:セントラル短資FX 時間帯別変動率

豪ドル/円は深夜の次に9:00台の変動率が高くなっています。

AUD/USD 時間別平均変動率
引用元:セントラル短資FX 時間帯別変動率

豪ドル/米ドルの場合は米ドルの影響が大きいことから、深夜の変動率がより高いことが確認できますね。
また夕方は、欧州相場によって変動率が上昇している様子が見てとれます。

豪ドル/円の取引をするなら、オーストラリアと中国の経済指標の内容によっては、朝からお昼前後に大きく動きますので、日中の動きも注目していきましょう。

※セントラル短資FXの時間帯別変動率は現在利用できなくなっています。

時間帯ごとの変動率をチェックするなら、OANDA証券のボラティリティ グラフチャートがおすすめです。

豪ドルの変動要因となる、オーストラリアの経済指標

注目度の高い経済指標をピックアップしました。

※下記の時間はオーストラリアの標準時間(4月第1日曜日AM3:00~10月第2日曜日AM3:00)で記載しています。
サマータイム時(夏時間、10月第1日曜日AM2:00~翌年4月第1日曜日AM3:00)は下記表の時間が1時間早くなります。

オーストラリアの経済指標発表時期日本発表時間
豪・四半期消費者物価指数(CPI)1・4・7・10月 / 下旬10:30
RBA政策金利発表毎月 / 第1火曜日13:30
RBA理事会議事録毎月 / 第3火曜日10:30
ウエストパック消費者信頼感指数毎月 /上旬9:30
豪・小売売上高毎月 /上旬10:30
豪・雇用統計(新規雇用者数、失業率)毎月 /中旬10:30
豪・四半期GDP(国内総生産)3月・6月・9月・12月 / 上旬10:30

このほか、中国製造業PMI(購買担当者景気指数)や中国GDP成長率も合わせてチェックしていくことをおすすめします。

オーストラリアと中国の経済指標は、こちらのページで解説しています。

豪ドルの取引に向いているFX会社は?

豪ドルの取引では、為替の変動で為替差益を狙った売買と、スワップポイント(金利差益)を狙った売買の2通りがあります。

かつて豪ドルは、NZドルとともに高金利通貨の代名詞的存在でしたが、アメリカの政策金利の方が高く、豪ドルよりも米ドルが高金利通貨となっています。
トルコリラやメキシコペソも高金利通貨として台頭してきたことで、豪ドルの金利的な魅力は薄れつつあると言えます。

それでは豪ドルを取引する魅力はないのかというと、そんなことはありません。

米ドル/円ではなく、あえて豪ドル/円を選ぶ理由のひとつに「証拠金の安さ」があります。

こちらは、2022年9月8日のレートによる証拠金の目安です。

通貨ペア名1Lot/
証拠金
1Lot/スワップ
ポイント
米ドル/円と
同額のLot数は?
米ドル/円と
同じ証拠金なら
スワップは?
米ドル/円
米ドル/円
61,000円250円
トルコリラ/円
トルコリラ/円
1,900円36.1円32.11Lot1,159円
メキシコペソ/円
ハンガリーフォリント/円
3,700円26.1円16.49Lot430.3円
南アランド/円
南アフリカランド/円
7,700円17.1円7.93Lot135.5円
豪ドル/円
豪ドル/円
40,000円133円1.53Lot202.9円
データ取得日:2024年4月2日
※GMO外貨の必要証拠金、スワップポイントで算出。

1万通貨で米ドル/円を保有するには、58,000円が最低限必要ですが、豪ドル/円なら39,000円の証拠金で取引を開始できます。

おおよそ米ドル/円の7割ほどの証拠金で取引できますし、米ドル/円と同じ金額を保有するなら、豪ドル/円は1.5倍ほど多く保有ができるのです。

同じ元手で1Lotで取引するとしても、豪ドル/円の方がレバレッジを抑えた取引が行えることになりますね。

このように「レート水準の低さ」が、豪ドル/円の魅力となっています。

スプレッドとスワップポイントの比較は、以下ページでご確認ください。

豪ドルの取引におすすめFX会社

みんなのFX

みんなのFX|スプレッド業界最狭水準 スワップ業界最高水準

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メジャー通貨からトルコリラ/円などの高金利通貨まで、全通貨ペアにおいて「業界最高水準」「ほぼ固定スワップ」を提供しています。
これにより長期にかけて、安定的にスワップポイントを受け取ることができます。

スプレッドは業界最狭水準であり、約定率も高いので、デイトレードなど短期売買から中期売買にも向いています。
ほとんどの通貨ペアが1,000通貨に対応しているため、少額からスタートが可能です。

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さらに売買比率・価格分布(オープンオーダー)も備わっており、エントリーすべき方向性の判断に役立ちます。

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オーストラリアの通貨「豪ドル(AUD)」の特徴と値動きの特徴

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