FXでは人気の通貨ペアとして常にランキング上位に君臨するのが、豪ドル(オーストラリアドル)/円です。
米ドル/円に比べると、おおよそ2/3ほどの証拠金で取引できることも、豪ドル/円の魅力のひとつです。
豪ドル/円の政策金利、スワップポイントを比較しながら、今後の値動き見通しについて解説していきます。
政策金利の低さにより、現在スワップポイントは低い
オーストラリアの政策金利ですが、2008年上半期までは実に7.25%と高水準でした。
このときの豪ドル/円は、円キャリートレード(政策金利が低い日本円と高金利通貨の組み合わせによる、スワップポイント狙いのトレード)の代表的な存在だったのです。
同年のリーマン・ショック以降、長きにわたって政策金利は下がり続けています。
スワップポイントのベースとなる政策金利の違いを、主要国と比べてみましょう。
順位 | 国名(政策金利) |
---|---|
![]() | トルコ(14.0%) |
![]() | メキシコ(6.5%) |
![]() | 中国(4.35%) |
4位 | 南アフリカ(4.25%) |
5位 | ニュージーランド(1.5%) |
6位 | カナダ(1.0%) |
7位 | 香港(0.75%) |
7位 | イギリス(0.75%) |
7位 | ノルウェー(0.75%) |
8位 | アメリカ(0.5%) |
9位 | スウェーデン(0.25%) |
10位 | オーストラリア(0.1%) |
11位 | ユーロ圏(0%) |
12位 | 日本(-0.1%) |
13位 | スイス(-1.25%) |
今後のオーストラリア政策金利ですが、現在の水準で横ばいが続くか、利下げの見通しとなっています。
スワップポイント・スプレッドを他通貨ペアと比較
まずは豪ドル/円のスワップポイントを、主要な通貨ペアと比べてみましょう。
スワップポイント取得日:2022年5月6日、記載日:2022年5月7日※スワップポイントの単位は円。 各社においてスワップポイント付与が前後している場合は、直近1日分のスワップポイントを記載。
メジャー通貨ペアでは現状、「メジャー通貨では高金利の米ドル」と「低金利(マイナス金利)の円」による米ドル/円の買いスワップポイントがもっとも高い組み合わせです。
ユーロ/円は「ゼロ金利のユーロ」と「マイナス金利の円」組み合わせなので、スワップポイントもマイナスか、ほぼ付与が少なめです。
豪ドル/円のスワップポイント付与水準としては、政策金利が同程度となるポンド/円と同程度で推移しやすい傾向にあります。
しかし最近では業者にもよりますが、メジャー通貨ペアでは豪ドル/円以外はまずまずのスワップポイントが付与されている傾向にあります。
続いて豪ドル/円のスプレッドも主要通貨ペアと比べてみましょう。
スプレッド取得・記載日:2022年5月9日※掲載スプレッドは原則固定(例外あり)ですが、市場急変時や流動性が低下している状況では拡大する場合があります。
※参考:LINE FXのスプレッド一覧ページ
*1 1回の注文が50万通貨以下の場合。
狭いほど短期売買や注文数量が多いときに有利なスプレッドですが、通貨の流通量によって変わってきます。
現在の対円通貨ペアにおいて、米ドル/円、ユーロ/円に次いで豪ドル/円は狭い水準の通貨ペアですので、スキャルピング、デイトレードなど短期売買との相性も抜群となっています。
2022年5月スワップポイントランキング
豪ドル/円の買いスワップポイントが高い業者は?
FXクイックナビに掲載する業者の※買いスワップポイント調査結果では、スワップポイントが高い順に結果となりました。
ランキング | 会社名 | 豪ドル/円![]() |
---|---|---|
![]() | ![]() | 1日/12円 |
![]() | ![]() | 1日/5円 |
![]() | ![]() | 1日/4円 |
スワップポイントは日々政策金利や為替相場の変動により変化しますが、高水準のFX会社は年間を通して安定したスワップポイントを受け取りやすい傾向にあります。
その他通貨ペアのスワップポイントはこちらで比較しています。
FXでは、スワップポイント狙いのトレードが人気です。身近なところでは楽天ポイントやTポイントが有名ですが、いわゆるスワップポイント(Swap Point)は、FX版の[…]
豪ドル/円の売りスワップポイントが低い業者は?
※売りスワップポイント調査結果では、低い順に以下の結果となりました。
ランキング | 会社名 | 豪ドル/円![]() |
---|---|---|
![]() | ![]() ![]() | 1日/−3円 |
![]() | ![]() ![]() | 1日/−4円 |
![]() | ![]() | 1日/−11円 |
米ドル/円を売りから入る場合、ロールオーバーするごとに日々売りスワップの支払いが発生します。
そのためショートポジションを保有するなら、みんなのFXやGMOクリック証券などの売りスワップポイントが低い業者が有利です。
証拠金をある程度用意できるなら、買いポジション用口座、売りポジション用口座と使い分けるのもいいでしょう。
各社のスプレッドはこちらで比較しています。
デイトレードなどの短期売買において、もっとも重要となるのがスプレッドです。2022年現在において、米ドル/円の標準スプレッドは0.2銭が最狭水準として各社揃っています[…]
豪ドル/円今後の見通しについて
それでは豪ドル/円の見通しをファンダメンタルズ要因から見ていきましょう。
- 新型コロナウイルスの収束
- アメリカとの政策金利の縮小(豪・利上げ観測、米・利下げ観測は買い要因)
- 中国株指数の上昇
- 中国経済の成長
- 米中貿易摩擦
- 経済指標がポジティブに推移
- 資源価格の上昇
- 新型コロナウイルスの感染拡大長期化
- アメリカとの政策金利の拡大(豪・利下げ観測、米・利上げ観測は売り要因)
- 中国株指数の下落
- 中国経済の減速懸念
- 米中貿易摩擦の先行き不安
- 経済指標がネガティブに推移
- 資源価格の下落
過去の値動き推移から見た今後の動向
過去の値動きと直近のチャートをもとに、テクニカル分析の観点から今後の動向も見ていきましょう。
こちらは過去30年間のチャートです。豪ドル/円は、方向性に勢いづくと一方方向に推移しやすい傾向があるのがわかります。

直近20年間では、2007年〜2009年にかけて50円以上下落していますが、これはリーマン・ショックによるものです。

続いて過去10年間のチャートです。
大きなダブルトップを形成してから下降トレンド入りし、その後上昇を見せるも再び下降トレンドとなっています。

70円〜73円付近で過去に4回サポートされていますので、この価格帯はレンジの下限として機能していると考えてよさそうです。
先ほどのトレンド転換となった動きを、もう少し詳しく見ていきましょう。

まずアメリカの量的緩和政策の終了ですが、新興国からの資金流出に伴い、新興国通貨の下落要因となりました。
その後中国経済に陰りが見えはじめ、豪ドルも連動して下落していきます。
2017年は主要輸出品の鉄鉱石価格の上昇と、好調な経済指標結果が相まって、上昇へと転じます。
2018年に入ってからはアメリカとオーストラリアの政策金利が逆転し、米中貿易摩擦の激化によって下降トレンドとなっています。

2019年1月には、正月の取引量が薄くなったタイミングの瞬間的な円売りを狙った「フラッシュ・クラッシュ」の影響で豪ドル/円は70円台を付けました。
豪ドル/円は米・政策金利と中国株価指数の動向に注目
現在、新型コロナウイルス(COVID-19)の動向がマーケットにもっとも大きな影響を与える要因です。
コロナウイルスの進展は不透明ですが、このほか豪ドルの大きな変動要因に「中国株価指数」との相関性と、「豪ドル/米ドルと豪ドル/円」「アメリカとの政策金利差」双方の相関性があります。
中国株価指数との相関性
オーストラリアは中国に鉄鉱石などの輸出依存度が高く、中国が最大貿易相手国となります。
そのため豪ドルは、中国の経済成長や経済指標、米中問題の影響を受けやすいのが特徴です。

上記は豪ドル/米ドル、豪ドル/円、中国株(上海総合指数、SHCOMP)のチャートですが、2015年以降、豪ドルと中国株の相関性が強まってきているのが確認できます。
大きなトレンドを見ていくうえで、中国株の方向性にも注目です。
豪ドル/米ドルと豪・政策金利
以下は2009年9月〜2019年9月の「豪ドル/米ドル」と「豪・政策金利」をExcelでチャートにしたものです。
政策金利ですが、2010年以降は利下げで下落している様子が分かります。
豪ドル/米ドルのチャートと重ねると、金利動向が反映され、豪ドル安・米ドル高へと推移していますね。
こちらは豪ドル/円のリアルタイムチャートです。
続いて豪ドル/米ドルのリアルタイムチャートです。
高機能チャートのTradingViewは、無料アカウントでもチャート設定をWeb上で保存できます。本格的に使いたい方は無料アカウントを作成しましょう。
両方デフォルトは日足ですが、同じように推移する傾向があるのが確認できると思います。
スワップ目的に関わらず、相場動向を見ていくかんたんなポイントをまとめると以下です。
- 基本的には豪ドル/円、豪ドル/米ドルの値動きに注目。
- 米ドルが強くなってくると、中国株と相関性が強い性質上、豪ドルの売り要因になる。
- 豪ドル/米ドルの上昇にはオーストラリアの経済指標がポジティブであること、中国経済の好調がカギ。
- 原則、豪・政策金利の引き上げは買い要因、引き下げは売り要因。
今後景気が上向きとなり、利下げの打ち止めが観測されてきたら、長期的に政策金利は利上げとなってくる可能性もあるでしょう。
今はスワップ狙いには適していませんが、再び高金利通貨として脚光を浴びるのも、そう遠くはない未来なのかも知れません。
豪ドル/円は米ドル/円よりも低い証拠金が魅力!
代表的な資源国通貨として、他の通貨ペア異なる特徴をもつ豪ドル/円。
米ドル/円には及びませんが、ユーロ/円、ポンド/円とともに人気の通貨ペアであり、多くのトレーダーが注目しています。
豪ドル/円は米中問題が素直に反映されやすいので、世界的なニュースからトレンドを読み取れるのならば、取引しやすい通貨ペアだと言えるでしょう。
なお「証拠金の低さ」もまた豪ドル/円の魅力です。
通貨ペア名 | 1Lot/ 証拠金 | 1Lot/スワップ ポイント | 米ドル/円と 同額のLot数は? | 米ドル/円と 同じ証拠金なら スワップは? |
---|---|---|---|---|
米ドル/円![]() | 44000 | 6 | - | - |
トルコリラ/円![]() | 5300 | 44 | 8.31Lot | 365.3円 |
メキシコペソ/円![]() | 2300 | 5 | 19.14Lot | 95.7円 |
南アランド/円![]() | 6200 | 10 | 7.1Lot | 71円 |
豪ドル/円![]() | 33000 | 1 | 1.34Lot | 1.4円 |
外貨ex byGMOの場合、メキシコペソ/円と南アフリカランド/円は最小10万通貨からの取引となります。
米ドル/円は1Lot(1万通貨)のポジションを保有するのに最低限44,000円必要ですが、豪ドル/円ならおおよそ34,000円で取引を始めることができます。
スワップ自体には強みはありませんが、少額から取引しやすい通貨ペアであることの魅力は大きいですね。
米ドル/円と同額で考えると約1.3Lot(1万5千通貨)保有できますので、資金効率良くトレードすることも可能です。
豪ドル/円でおすすめなトレードスタイル
豪ドル/円はスプレッドがそこそこ狭く、ある程度値動きも大きいことから、短期売買に向いているといえます。
ショートポジションを保有しても、売りスワップポイントの支払いがそれほど多くはないため、中長期で大きな利ざやを狙うスイングトレードも行いやすいでしょう。
オセアニア通貨(豪ドルとNZドル)は、1日でもっとも早くから動きだす通貨です。
週末(土日)の取引時間外に災害や戦争など、相場に大きな影響をもたらすファンダメンタルズ要因が発生すると、月曜日早朝の取引開始とともに大きく売買されます。
このように為替が動きやすい日本時間の深夜ではなくとも、オセアニア通貨ならではの取引チャンスが存在するのも特徴のひとつ。
もちろん日中にはオーストラリアや中国の経済指標が発表されており、夕方〜深夜にかけてはロンドン市場やニューヨーク市場に引率されて動くため、終日を通して取引機会は多いといえます。
1日の取引チャンスの多さに加えて、スキャルピング、デイトレード、スイングトレードとどんな取引期間であっても、オールマイティーに取引できるのが豪ドル/円の魅力です。
豪ドル/円の取引におすすめなFX会社
豪ドルの取引で最重視すべきは「スプレッドの狭さ」です。
まずは現時点で最小水準のベースとなる、豪ドル/円0.6銭の業者を選ぶようにしましょう。
また米国の利上げにともない、米ドル/円のスワップポイントはオセアニア通貨以上となっています。せっかくの高水準スワップの今だからこそ、為替差益・金利差益の両方で利益の追求をしたいところ。
スプレッドとスワップの観点でいえば、みんなのFX、外貨ex byGMOやGMOクリック証券から選ぶのがおすすめです。
スプレッドとスワップポイント比較は、以下ページでご確認できます。
デイトレードなどの短期売買において、もっとも重要となるのがスプレッドです。2022年現在において、米ドル/円の標準スプレッドは0.2銭が最狭水準として各社揃っています[…]
FXでは、スワップポイント狙いのトレードが人気です。身近なところでは楽天ポイントやTポイントが有名ですが、いわゆるスワップポイント(Swap Point)は、FX版の[…]
トルコリラ/円、メキシコペソ/円など高金利通貨の最高水準スワップがみんなのFXの特徴!
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スプレッドは業界最狭水準であり、約定率も高いので、デイトレードなど短期売買から中期売買にも向いています。全通貨ペアが1,000通貨単位から取引できますので、どんな通貨ペアも少額からスタートが可能です。
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