ディナポリ・チャートは、DMA、MACD、ストキャスティクス、そして2種類のフィボナッチ(フィボナッチ・リトレースメント、フィボナッチ・エクスパンション)を組み合わせたトレード手法です。
基本的には、DMAとフィボナッチを軸としたトレードが主流ですが、MACDとストキャスティクスのコンビネーションも、ディナポリ氏の手法のひとつとして紹介されています。
このコンビネーション手法には足種(時間軸)の制限がなく、短期トレードから長期トレードまで幅広く対応可能です。とくにデイトレードにおいては、DMA単体よりも有効であるとディナポリ氏は述べています。
それでは、ディナポリ・チャートにおけるMACDとストキャスティクスのコンビネーションについて詳しく解説します。
通常のMACD、ストキャスティクスとの違い
ディナポリ版と通常版では、MACDおよびストキャスティクスのパラメーターと平滑化方法に違いがあります。
長期EMA | 短期EMA | シグナル | 平滑化方法 | |
---|---|---|---|---|
通常(MT4など) | 26 | 12 | 9 | SMA(単純移動平均線) |
ディナポリ版 | 8.3896 | 17.5185 | 9.0503 | DEMA(二重指数移動平均線) |
%K | %D | SlowD | 平滑化方法 | |
---|---|---|---|---|
通常(MT4など) | 5 | 3 | 3 | SMA(単純移動平均線) |
ディナポリ版 | 8 | 3 | 3 | MMA(修正移動平均線) |
通常のMACDやストキャスティクスはSMAで平滑化されますが、ディナポリ・チャートではそれぞれDEMAとMMAを採用しています。
DEMAとMMAは、どちらも通常よりなめらかな動きを示すのが特徴です。MMAはEMAの平滑化係数「2/(n+1)」を「1/n」とシンプルにしたEMAの一種です。
ディナポリ版ストキャスティクスの構成
ディナポリ氏は、MMAで平滑化したストキャスティクスを「スロー(優先)ストキャスティクス」「優先ストキャスティクスと」と呼んでいます。オリジナルの設定は以下のとおりです。
ディナポリ版ストキャスティクスの設定
優先ストキャスティクス
- %K:8期間
- %D:%Kの3期間のMMA
スロー(優先)ストキャスティクス
- %K:ファストストキャスティクスの%Dを3期間のMMAで平滑化
- %D:スローストキャスティクスの%Kを3期間のMMAで平滑化
※複雑に考える必要はありません。一般的には以下のように設定すればOKです。
- %K:8期間
- %D:%Kの3期間のMMA
- Slow%D:%Dの3期間のMMA
【ディナポリ式】MACDとストキャスティクスの基本的な使い方
ディナポリ・チャートでは、「25%」や「75%」といったストキャスティクスの逆張りゾーンを基準にした売買判断は行いません。
ディナポリ氏の手法は順張りが基本で、MACDもストキャスティクスも「クロス」を売買シグナルとして使います。


ディナポリ・チャートの考え方
まずは、ディナポリ氏がどのように各テクニカル指標を捉えているのかを確認しましょう。
- MACD = 強いトレンド = 大口の投資家
- ストキャスティクス = 弱いトレンド = 小心者で腰の引けたプレイヤー
- 悪材料を押し返す力を示す
- トレンドの発生に時間がかかるが、一度乗れば崩れにくい
- 少し崩れたら逃げてしまう腰の引けたプレーヤーは放っておき、大口の投資家に付いていく
- 腰の引けたプレーヤーの心理を示す
- 目先の天井に惑わされるプレーヤーは、相場が少し傾くとすぐに利食いや損切りをする
- この時こそが、腰の引けたプレーヤーからポジションを奪い取る絶好のチャンス
このように、MACDで大きな流れを掴み、ストキャスティクスで押し目や戻りを判断するのが、ディナポリ・チャートの基本的な考え方です。
ストキャスティクスはシグナルが頻繁に発生することもあり、ディナポリ氏は流れるようになめらかな動きをするMACDをより信頼していると明言しています。
そして、組み合わせは2種類だけではありません。
「ディナポリ版MACD」「ディナポリ版ストキャスティクス」と、「フィボナッチ・リトレースメント」も加えた3種類の組み合わせが条件となります。
【ディナポリ式】MACD+ストキャスティクスの売買ルール
ディナポリ式のMACD、ストキャスティクス、そしてフィボナッチ・リトレースメントを組み合わせた売買ルールは以下のとおりです。
利用可能な足種
日足以上を推奨するダブルレポと異なり、こちらの手法は5分足や30分足など、時間軸に制限はありません。
買いエントリーの条件
- MACDがゴールデンクロス(GC)して上昇トレンドを示す
- ストキャスティクスがデッドクロス(DC)し、押し目を示唆
- 押し目がフィボナッチ・リトレースメントの38.2%付近で反発 → 買いエントリー
※GC=ゴールデンクロス、DC=デッドクロス
売りエントリーの条件
- MACDがデッドクロス(DC)して下降トレンドを示す
- ストキャスティクスがゴールデンクロス(GC)し、戻りを示唆
- 戻りがフィボナッチ・リトレースメントの38.2%付近で反発 → 売りエントリー
利食い・損切り
- フィボナッチ・エクスパンション
- またはD-levels(ディナポリレベル)
利食いはフィボナッチ・エクスパンションのほか、フィボナッチ・リトレースメントを組み合わせることもできます。
実際の売買例を見てみよう
順張りでの押し目・戻りを狙うため、まずはDMAで上昇トレンドか下降トレンドかを確認します。
DMAでトレンドを確認
こちらは上昇トレンドの例です。


DMAが上昇していれば買い方向で戦略を考えます。
MACDとストキャスティクスのクロスを探す
上昇トレンドを確認できたら、MACDのゴールデンクロスを探します。その後ストキャスティクスのデッドクロスを探します。
- 上昇トレンドを確認したら、MACDがゴールデンクロスしている箇所を確認
- 続いてストキャスティクスがデッドクロスしていれば、押し目の可能性あり
以下の矢印は、それぞれがクロスしているポイントです。

フィボナッチ・リトレースメントでエントリーポイントを特定
MACDがゴールデンクロス、ストキャスティクスがデッドクロスしている箇所に注目してください。


MACDがゴールデンクロスする付近の安値をA、ストキャスティクスがデッドクロスする付近の高値をBとします。
以下は、AからBにかけてフィボナッチ・リトレースメントを描画した例です。


38.2%の水準で反発していれば、そこがエントリーポイントです。
(画像では見にくいですが、下ヒゲが38.2%を下抜けしてから反発しています。)
フィボナッチ・エクスパンションで利食い目標を設定
利食い目標はフィボナッチ・エクスパンションで設定します。
フィボナッチ・エクスパンションは、まずフィボナッチ・リトレースメントと同様にA→Bの2点を選び、続けて押し目となるCのポイントを指定し、3点を結んで描画できます。
描画された61.8%、100%、161.8%が利食いの目安になります。


MACDのデッドクロスを利食いのシグナルに使う方法も有効です。
わかりやすく解説するために、今回のチャート例でDMAは省略しましたが、実際の分析ではDMAもあわせて活用することをおすすめします。
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