移動平均線を使った有名な売買サインとして、ゴールデンクロスとデッドクロスがあります。
株でもFXでも同じく、相場の転換サインを見るのに使われています。
チャート分析には、さまざまなテクニカル指標があります。
ゴールデンクロス、デッドクロスは移動平均線以外にもあり、たとえば一目均衡表やオシレーター系テクニカル指標でのクロスも分析に用いられています。
このなかでも移動平均線のクロスはもっとも基本的であり、多くの投資家が注目することから、売買タイミングを見極める上で重要な転換を知らせる合図となります。
書籍や業者のレポートでは、ゴールデンクロス(Golden cross)はGC、デッドクロス(Dead cross)はDCと略して記載されることもありますので覚えておきましょう。
それでは、ゴールデンクロス・デッドクロスの見方と使い方を解説していきます。
ゴールデンクロスの見方
「短期の移動平均線」が「長期の移動平均線」を上に抜けた時がゴールデンクロスの合図であり、買いサインとなります。
短期線が上に推移しているということは、直近の値動きが上昇傾向に転換しつつあるということが分かりますね。
買いサイン
クロスするときは、角度が深いほど信頼性が高くなります。
また、長期線の傾きも重要視されています。
長期線が上に向く前に短期線が上抜いた場合、大きなトレンド変換にはなりにくいとされています。
また短期間の線が長期間の線を上に抜ければ転換サインとなりますので、「短期線が中期線を上抜いたとき」も「中期線が長期線を上抜いたとき」もゴールデンクロスとなります。
チャートの足種、移動平均線の期間ぞれぞれが短いほどゴールデンクロスは頻繁に起こりがちです。
より正確な売買サインを捉えるには、日足、週足といった期間において、長期移動平均線の傾き(上昇中か、または横ばいから上昇に転じているか)で上昇トレンドを判断していくのが賢明です。
- 長期線が上昇傾向のとき、短期線が長期線を上に抜けたときが買いサイン
ただし、長期線が上昇傾向のときのゴールデンクロスはダマシは少なくなりますが、そのぶん売買サインの発生も少なくなりますので、チャート分析の際にはしっかりと見極める必要があります。
デッドクロスの見方
「短期の移動平均線」が「長期の移動平均線」を下に抜けた時がデッドクロスの合図であり、売りサインとなります。
短期線が下に推移しているということは、直近の値動きが下降傾向に転換しつつあるということが分かりますね。
売りサイン
ゴールデンクロスと同じく、クロスするときの角度や、長期線の傾きも重要視されています。
長期線が下に向く前に短期線が下抜いた場合、大きなトレンド変換にはなりにくいとされています。
短期間の線が長期間の線を下に抜ければ転換サインと見なされますので、「短期線が中期線を下抜いたとき」も「中期線が長期線を下抜いたとき」もデッドクロスとなります。
- 長期線が下降傾向のとき、短期線が長期線を下に抜けたときが売りサイン
長期線が下降傾向のときのデッドクロスはダマシは少なくなる分、売買サインの発生も少なくなりますので、しっかり見極めるようにしましょう。
チャートに移動平均線を表示させるときの時間足ですが、日足、週足、月足などの長めの期間の方がより信頼性は高くなります。
30分足や1時間足でゴールデンクロスしても、もっと長い足種ではクロスしていないこともよくありますので、いろいろと時間を変えてみて確認するようにしましょう。
クロスの傾きと角度で信頼性を判断
ゴールデンクロス/デッドクロスするときの「移動平均線の傾き」「クロスの角度」から、そのクロスの信頼性はどれくらいであるのか、さらに掘り下げていきます。
ゴールデンクロスを例にご覧ください。
高い ← 信頼性 → 低い | |||
---|---|---|---|
GC の傾き | 傾き:ともに上向き 信頼性:◎ | 傾き:短期線が上向き 信頼性:◯ | 傾き:ともに下向き 信頼性:△ |
GC の角度 | 角度:大 信頼性:◎ | 角度:中 | 角度:小 信頼性:△ |
もちろん分足、時間足、日足など時間軸によっても精度は変わってきますが、チャートではクロスするときの形状に注目して分析を行っていきましょう。
ゴールデンクロスとデッドクロスのポイント
移動平均線を使った売買サインは分かりやすいので、初心者が分析の入門として身に付けるのに最適です。
ゴールデンクロスとデッドクロスの使い方が理解できたら、グランビルの法則でもっと多くの売買サインを身に付けるといいでしょう。
こういったゴールデンクロスとデッドクロスは「トレンドフォロー型」といい、日足以上で長期的なトレンドを判断すれば信頼性が高い売買シグナルだと言えます。
その反面、きれいなシグナルが発生してから注文するには、売買のタイミングが遅くなりやすいのも特徴です。
週足や日足でトレンドを確認し、4時間足でエントリーするなど足種を複数使い分けたり、SMAよりも直近の値動きに反応しやすいEMAを使うなど、自分と相性のいい分析方法を探してみるのも悪くはありません。
有名なテクニカル指標にMACDがありますが、このMACDはオシレーター系ながらも、移動平均線をベースとして作られた指標です。
反転タイミングを計るオシレーター系において、MACDはトレンド系の要素も併せ持つ特徴があるので、相場転換のサインを見るのに併用されることも多くあります。
ゴールデンクロスのタイミングが遅いと感じるなら、MACDなども一緒に使うことで、早い段階でシグナルを掴むことができます。
チャート分析は複数の指標を使って、ダマシを減らし、より早いタイミングで売買できるように見極めていきましょう。
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