FXにある程度慣れてくると、パーフェクトオーダーという言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
パーフェクトオーダーとは、移動平均線が一定の順序で並んだ状態を指します。たとえば、短期線・中期線・長期線がすべて同じ方向に向かい、かつレートに近い順に整列している形です。
一般的には3本の移動平均線が使われますが、4本や5本で構成するケースもあります。この状態を見極めることで、トレンド相場を正確に捉え、順張りトレードに活用できます。
それでは、実例を交えて詳しく見ていきましょう。
パーフェクトオーダーの基本と由来
世界的に知られるようになったのは、2005年に出版されたキャシー・リーエンの著書『Day Trading the Currency Market』がきっかけです。
日本語版は2007年に『FXトレーディング』として登場し、2020年には全面改訂版として『FXデイトレード・スイングトレード』が出版されました。
この中で紹介されているのが、5本の移動平均線を使ったパーフェクトオーダー手法です。
使われる期間は以下のとおりです。
- 10日移動平均線
- 20日移動平均線
- 50日移動平均線
- 100日移動平均線
- 200日移動平均線
パーフェクトオーダーの見方
これらを表示したのが以下のチャートです。


上昇トレンドの場合
- レートに最も近いのが短期線の10MA
- その下に20MA、20MA、100MA、200MAの順で位置
- すべての線が上昇している
下降トレンドの場合
- レートに最も近いのが短期線の10MA
- その上に20MA、20MA、100MA、200MAの順で位置
- すべての線が下降している
このように、期間の短い順に並んでおり、なおかつ全体が同じ方向を向いていることが条件です。
キャシー・リーエンの手法では、オシレーター系指標のADX(Average Directional Index)と組み合わせることで、トレンドの強さを判断します。
またゴールデンクロス・デッドクロスから5本目のローソク足で売買判断するテクニックが用いられています。
その具体的な手法をご紹介していきます。
上昇トレンドのパーフェクトオーダー手法
今回は、よりシンプルな設定として「10日・20日・75日」の3本を使った例で説明します。


- チャートで上昇傾向のパーフェクトオーダーを確認
- ADXが20以上で、上昇傾向にあることを確認
- パーフェクトオーダーが形成されたローソク足を「0本目」とし、5本目のローソク足でロングエントリー
- ストップロスは以下のように設定
- 長期トレード:形成日(0本目)の安値
- 短期トレード:形成日(0本目)の高値 - 短期線と中期線がデッドクロスしたら決済
チャートではパーフェクトオーダーとなっているか、またはパーフェクトオーダーとなりそうな通貨ペア探しから始まります。
オシレーター系テクニカル指標のDMI/ADXのADXを見て、20を上回って上昇傾向となる動きに注目します。
このときADXが20を下回っているときは、トレンドが弱いことを示します。
エントリーですが、パーフェクトオーダー形成日のローソク足を0本目として、5本目のローソク足でエントリーします。
またパーフェクトオーダー形成日のローソク足をストップロスの水準にも使います。
長期トレードならパーフェクトオーダーの当日安値、短期トレードなら当日高値で設定できます。
上記は日足チャートのため、ストップロスはゴールデンクロスした日のローソク足の安値を例としています。
トレンド継続とともにポジションを保有し、短期線と中期線のデッドクロスをイグジットの目安にします。
下降トレンドのパーフェクトオーダー
下降トレンドの場合も、エントリー、ストップ、イグジットは同じです。


- チャート上で下降傾向のパーフェクトオーダーを確認
- ADXが20以上で、上昇傾向にあることを確認
- パーフェクトオーダーが形成されたローソク足を「0本目」とし、5本目のローソク足でショートエントリー
- ストップロスは以下のように設定
- 長期トレード:形成日(0本目)の高値
- 短期トレード:形成日(0本目)の安値 - 短期線と中期線がゴールデンクロスしたら決済
順張りを基本としたエントリーパターン
キャシー・リーエンの書籍では、5本目のローソク足でエントリーする理由は明記されていませんが、押し目や戻りを意識したタイミングと考えられます。
以下は順張りの王道パターンです。
順張りですので、上昇トレンドのときは上昇中の局面で買い、トレンドの継続後、ある程度下がったところで決済する形です。
エントリータイミングの調整には直近高値・安値を参考にしたり、ストップロスも同様に直近高値・安値を基準に設定もできます。
足種と移動平均線の期間設定
キャシー・リーエンの手法は「日足」がベースですが、短期トレードでは30分足〜1時間足も有効です。
移動平均線の代表的な設定は以下のとおり。
- 短期線:5日、10日、13日
- 中期線:20日、21日、25日
- 長期線:40日、50日、75日
100日や200日を使うと、信頼性は高いものの、パーフェクトオーダーのシグナル出現が遅くなります。
日常的なトレード機会を増やすなら、実際のトレードでは上記のようなやや短めの期間で試してみてください。
トレンドの視認性が高い「GMMA」
GMO外貨のExチャートでは、複合型移動平均線「GMMA(Guppy Multiple Moving Average)」を利用することも可能です。
GMMAは、12本の移動平均線を表示し、トレンドの発生や終了を視覚的に判断しやすいのが特長です。


トレンドが発生すると線が広がり、線が収束すればトレンドが弱まったサインとなります。
移動平均線の設定に迷う方は、直感的にトレンドを判断しやすいGMMAの活用もおすすめです。
パーフェクトオーダーまとめ
パーフェクトオーダーは、単に移動平均線の並びを見るだけではなく、売買の判断に活かせる順張りの強力な手法です。
トレンドが明確になってからエントリーするため、初心者でも比較的リスクを抑えてトレードできます。
「頭と尻尾はくれてやれ」という投資格言のとおり、トレンドの“おいしい部分”を狙うにはぴったりの方法といえるでしょう。
過去から現在にかけてのトレンドの流れをしっかりと把握し、移動平均線の形状を活かして、より精度の高いトレードを目指しましょう。
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