ある程度FXの経験を積んでくると、パーフェクトオーダーというフレーズを耳にしたことがあるかもしれません。
パーフェクトオーダーを直訳すると、「完全なる注文」といったニュアンスです。
移動平均線が一定の順序になることをパーフェクトオーダーと呼びますが、短期線から長期線まで連続した期間の順序で並ぶ形状と定義されています。
そして3本の移動平均線を使う方が多い印象ですが、4本でも5本でも使うことができます。
このパーフェクトオーダーを判断することによって、トレンド相場を的確に捉え、順張り戦略に大いに役立てることができます。
それでは実例を交えながらご紹介していきます。
パーフェクトオーダーの見方
2005年に出版されたキャシー・リーエンのベストセラーとなった著書、『Day Trading the Currency Market』で解説されているパーフェクトオーダーの手法が、世界的に有名です。
この書籍をきっかけに、パーフェクトオーダーは世界で知られるようになります。
2007年6月にパンローリングから刊行された『FXトレーディング』を大幅に刷新し、2020年6月には新たな章と戦略を加えた待望の完全新訳として、以下の書籍が出版されました。
こちらのパーフェクトオーダー手法では、10日、20日、50日、100日、200日、合計5本の移動平均線が使われています。
これらを表示したのが以下のチャートです。
- 上昇トレンドのパーフェクトオーダー:レートに近いラインが短期線となり、続いて中期線、長期線と期間順に並び、全て上昇していること。
- 下降トレンドのパーフェクトオーダー:レートに近いラインが短期線となり、続いて中期線、長期線と期間順に並び、全て下落していること。
キャシー氏の手法ではオシレーター系のADXと併用したり、クロスから5本目のローソク足で判断するテクニックが用いられています。
その具体的な手法をご紹介していきます。
上昇トレンドのパーフェクトオーダー
シンプルなチャートで見やすく説明するために、こちらの移動平均線は短期から10日、20日、75日で設定しています。
- チャートで移動平均線がパーフェクトオーダーとなっている通貨ペアを探す。
- ADXが20より大きく、上昇傾向であることを確認する。
- パーフェクトオーダー形成後、5本目のローソク足でロングのエントリーをする。
- 長期トレードはパーフェクトオーダー形成日の安値、短期トレードはパーフェクトオーダー形成日の高値にストップロスをおく。
- デッドクロスしてパーフェクトオーダーが不成立となったら、ポジションを決済する。
チャートではパーフェクトオーダーとなっているか、またはパーフェクトオーダーとなりそうな通貨ペア探しから始まります。
そしてオシレーター系のDMI/ADXでADXを見て、20を上回って上昇傾向となる動きに注目します。
このときADXが20を下回っているときは、トレンドが弱いことを示します。
エントリーですが、パーフェクトオーダーとなったローソク足を0本目と考えた場合、5本目のローソク足でエントリーしていきます。
またパーフェクトオーダーを形成したローソク足をストップロスの水準に使い、長期トレードならパーフェクトオーダーの当日安値、短期トレードなら当日高値で設定することができます。
上記は日足チャートですので、ストップロスはゴールデンクロスした日のローソク足の安値を例としています。
そのままトレンドが継続したら、短期線と中期線のデッドクロスをイグジットの目安にします。
下降トレンドのパーフェクトオーダー
下降トレンドの場合も、エントリー、ストップ、イグジットは同じです。
- チャートで移動平均線がパーフェクトオーダーとなっている通貨ペアを探す。
- ADXが20より大きく、上昇傾向であることを確認する。
- パーフェクトオーダー形成後、5本目のローソク足でショートのエントリーをする。
- 長期トレードはパーフェクトオーダー形成日の高値、短期トレードはパーフェクトオーダー形成日の安値にストップロスをおく。
- ゴールデンクロスしてパーフェクトオーダーが不成立となったら、ポジションを決済する。
順張りのエントリーをベースにしよう!
オリジナルの手法では、パーフェクトオーダー発生後、なぜクロスから5本目でエントリーするかの理由は見当たらなかったのですが、トレンドのおける押し目、戻りを意識したタイミングなのかもしれません。
まずは、順張りのスタンダードなタイミングでエントリーすると分かりやすいのでおすすめです。
- パーフェクトオーダー完成時点でエントリー。(短期線と中期線のクロス)
- パーフェクトオーダー完成後、レートが短期線に達してから離れた時点でエントリー。(グランビルの法則)
- パーフェクトオーダー完成後、保ち合い後の高値/安値をブレイクアウトでエントリー。
順張りですから、上昇トレンドのときは上昇中の局面で買い、トレンドが継続したのち、ある程度下がったところで決済する形ですね。
エントリータイミングを調整するときは、直近の高値/安値を参考にして、ストップロスの位置も適切に調整してみてください。
最適な足種と移動平均線の期間
最初にパーフェクトオーダーのパターンを紹介したキャシー氏の著書では「日足」で解説されていますが、短期のデイトレードで使うこともできます。
移動平均線の期間ですが、長期になるほどエントリーチャンスに乗り遅れやすくなりますが、そのぶん信頼性は高くなります。
スイングトレードで大きなトレンドに乗るなら日足をベースとし、デイトレードから2〜3日程度のトレードなら30分足か1時間足が使いやすいと思います。
ただしパラメーターですが、長期線を100日や200日で設定すると、パーフェクトオーダーの発生が遅れがちで、日常的にエントリーチャンスが訪れにくいです。
- 短期線:5日、10日、13日
- 中期線:20日、21日、25日
- 長期線:40日、50日、75日
ですので、まずはFX業者のデフォルトでも設定されている、上記のパラメーターを参考に調整してみてください。
トレンドを判断しやすいGMMA
こちらはGMO外貨で利用できるExチャートに、GMMA(複合型移動平均線)を表示させたものです。
GMMAでは12本の移動平均線が表示され、視覚的に判断しやすいことが特徴です。
GMMAはトレンドが出てくるときれいに広がり、トレンドがなくなってくると収縮してくるため、直感的にトレンドを判断しやすいのが魅力です。
移動平均線の設定で悩ましい方は、GMMAも試してみてはいかがでしょうか。
移動平均線を使った順張り手法・パーフェクトオーダー【まとめ】
ただ単に移動平均線を見るだけではなく、パーフェクトオーダーで売買判断をすることで、順張り戦略により役立てることができます。
仮に中長期足がデッドクロスであれば、短期足で買いシグナルが出たとしても、慌てて買いでエントリーすることもありません。
損失リスクを抑えてトレードをするなら、短期足もデッドクロスするのを待ってトレンドに乗るのが得策だといえます。
パーフェクトオーダーは、押し目・戻りを狙ってトレードする手法に比べるとエントリーは遅れがちですが、トレンドがしっかり出てからトレードするため、初心者にも取り組みやすい手法だといえます。
「頭と尻尾はくれてやれ」という投資の格言がありますが、美味しいところを狙うパーフェクトオーダー手法にぴったりな格言ではないでしょうか。
パーフェクトオーダーのベースとなる移動平均線は、過去〜現在におけるトレンドの変化を判断するのに役立ちます。
期間の異なる複数の線を使って、移動平均線でトレードチャンスをしっかりと捉えていきましょう。
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