モメンタムの見方・使い方【テクニカル指標・オシレーター系】

モメンタムの見方・使い方

モメンタムの見方・使い方について解説します。

テクニカル指標名タイプ分析適正
モメンタムオシレーター系・時系列逆張り、順張り
目次

モメンタムとは?

モメンタム(Momentum)は直訳すると「勢い」「はずみ」という意味があり、相場の勢いや強弱を分析するオシレーター系の代表的なテクニカル指標です。

同じオシレーター系であるMACDRSIとともに、モメンタムもまた先行指標の位置付けとなります。

なお先行指標とはローソク足に先行してシグナルが現れやすいテクニカル指標のことをいいますが、確実なものではない点には理解しておく必要があります。

チャートにモメンタムを表示させた例

モメンタムの売買サインとしては、相場の勢いが加速したトレンドのある方向性に追随してエントリーします。
オシレーター系ながらも基本的には順張り指標なのですが、逆張りでも使えます。

モメンタムの計算式は非常にシンプルです。

モメンタムの計算式

$$ モメンタム = 当日終値 − n期間前の終値 $$

$$ モメンタム(MT4の場合) = \frac{当日終値}{n期間前の終値} × 100 $$

$$ モメンタムシグナル = モメンタムの単純移動平均線 $$

n期間は他のオシレーター系先行指標と同じく、日足であれば9〜14日が一般的となっており、このうち10日と14日がよく使われています。
このほか20日、25日も使われています。

当日の終値から直近n日の終値を引いて算出されるシンプルな計算式となっており、短期的な分析に有効的となっています。

例えば日足で10日の場合、単純に当日の終値から10日前の終値を引いた値で算出されます。

また業者によってはシグナルラインも表示されますが、こちらはモメンタムを平均化したもので、単純移動平均線で計算されています。

なお一目均衡表の遅行スパンは26本前の終値を表示させたものですが、当日と過去の価格を比べるという観点では、モメンタムと共通しているといえます。

モメンタムの見方と使い方を知ろう!

まず、モメンタムは0(ゼロ)が強弱の基準となります。
つまり、0以上なら強気相場、0以下なら弱気相場と判断していきます。

以下はもっとも基本的な使い方ですが、0の上抜け・下抜けを売買のシグナルとする方法です。

モメンタムは0の上抜け・下抜けを売買シグナルにできる
参考チャート:GMOクリック証券 [米ドル/円 日足 2016年2月〜6月頃]
0ラインの売買シグナル
  • モメンタムが0を上抜いたら、上昇の勢いが強いと判断して買いサイン。
  • モメンタムが0を下抜いたら、下降の勢いが強いと判断して売りサイン。

そして、モメンタムが0を抜いた方向性に上昇・下降が継続していれば、そのトレンドは勢いがあることになります。

モメンタムでトレンドの強さを判断する
0ライン突破後の継続でトレンド判断
  • 0を上抜き、さらに上昇していればトレンド継続を示唆する。
  • 0を下抜き、さらに下降していればトレンド継続を示唆する。

モメンタムが頻繁に0を交差するときはシグナルとして機能しなくなりますので、注意が必要です。

モメンタムが頻繁に0を交差するときは注意

モメンタムでは、シグナルラインの傾きでトレンドの方向性を見ていくやり方がベターです。

表示できないチャートが大半なので、使ってみたい方はGMOクリック証券がおすすめです。

モメンタムの傾きでトレンドの強弱を判断する

為替レート自体が上昇・下降しているものの、上昇・下降していたモメンタムの傾きが緩やかになってきたら、上昇力・下降力が弱まっていることを示します。

傾きでトレンド判断
  • 価格は上昇しているが、モメンタムの上昇が緩やかになってきたら上昇力が弱まっている。
  • 価格は下落しているが、モメンタムの下落が緩やかになってきたら下降力が弱まっている。

こういった相場のときは、順張りではなく逆張りや押し目買い、戻り売りが有効的な局面となったりします。

モメンタムを逆張りに使う手法

逆張りを仕掛けるときは、一定の変動幅で推移するレンジ相場のときです。

モメンタム天底の売買シグナル
  • 売られすぎの水準で反転したら買いサイン。
  • 買われすぎの水準で反転したら売りサイン。

モメンタムはストキャスティクスやRSIのように、買われすぎや売られすぎの水準は±100%の範囲で推移する指標ではありません。

ですから極端に上がったり下がったりした地点を目安にしてみてください。

ローソク足とモメンタムのトレンドライン分析手法

ローソク足にトレンドラインを描き、ブレイクアウトを狙った手法は一般的に行われていますが、モメンタムでもトレンドラインで分析することができます。

ローソク足とモメンタムのトレンドライン分析
参考チャート:GMOクリック証券 [米ドル/円 日足 2016年3月〜5月頃]

ローソク足、モメンタムともに高値(安値)を更新したら、その後さらにトレンドが続く可能性が高くなります。
上記のように両方にトレンドラインを描いて同じ方向にブレイクアウトしたら、信頼性はより高まり、勢いは加速していると判断がすることができます。

モメンタムのダイバージェンス

価格とモメンタムが乖離する動きを見せたら、トレンドの終焉か転換となる可能性が高まります。
この価格とモメンタムの動きが逆行する現象(ダイバージェンス)が出現したら、トレンド転換を示すシグナルとなります。

オシレーター系テクニカル指標に見られるダイバージェンスは、出現頻度が低いぶん信頼性は高いとされています。

モメンタムのダイバージェンス
参考チャート:GMOクリック証券 [米ドル/円 日足 2015年11月頃]
ダイバージェンスによる売買シグナル
  • 価格の安値は更新しているが、モメンタムが上昇していれば買いサイン。
  • 価格の高値は更新しているが、モメンタムが下落していれば売りサイン。

モメンタムの注意点は?

モメンタムを順張りで使うにあたり、ダマシが多くなることもしばしばあります。

比較的短期での分析が想定されていることから、突発的な変動の影響を受けやすいことがその理由です。

日足などの長い時間足で分析をする、モメンタムの設定期間を長くする、トレンド系の指標を併用するなどして、ダマシを極力排除して分析するようにしてください。

【まとめ】モメンタムの売買サインなど

基本的な使い方をまとめました。

モメンタムの基本
  • モメンタムでは相場の勢いや強弱を分析する。
  • 0を抜けた方向に継続して推移すれば、強いトレンドを示す。
  • 価格は上昇(下降)しているが、モメンタムが緩やかになったらトレンドの弱まりを示す。
モメンタムの買いサイン
  • モメンタムが0を上抜いたら、上昇の勢いが強いと判断して買いサイン。(順張り)
  • 売られすぎの水準で反転したら買いサイン。(逆張り)
  • 価格の安値は更新しているが、モメンタムが上昇していれば買いサイン。(押し目買い)
モメンタムの売りサイン
  • モメンタムが0を下抜いたら、下降の勢いが強いと判断して売りサイン。(順張り)
  • 買われすぎの水準で反転したら売りサイン。(逆張り)
  • 価格の高値は更新しているが、モメンタムが下落していれば売りサイン。(戻り売り)

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