近年、スワップポイントが高い通貨ペアといえば、トルコリラ/円、メキシコペソ/円、南アフリカランド/円の3通貨ペアです。
スワップ狙いのトレードをネットで収益公開している人もおり、興味を持って注目している方も少なくないでしょう。
こういった高金利通貨を長期保有してスワップ差益を狙っていく手法をスワップトレードといい、FX取引において根強い人気を誇っています。
FXでスワップトレードをするにあたり、長期運用するための大切な「5つの注意点」について解説します。
スワップトレードの基本と注意点
そもそもスワップトレードとはどんな取引なのか、詳しくは下記の記事もご覧ください。
FXの中期トレードにはスイングトレードがありますが、スワップトレードはスイングトレードよりも長期であり、ポジショントレードの一種のような位置付けの手法です。
ポジショントレードのメインは為替差益で、あわよくばスワップも狙っていきます。
対してスワップトレードは、ポジショントレードをスワップ狙いに特化させた取引手法、といったイメージですね。
ですから基本的なスタンスとしては、ポジショントレードと同じ考え方で取引を進めていくことができます。
スワップトレード「5つ」の注意点
- 原則スプレッドは気にせず、高スワップ業者を選ぶ
- 買いポジションでもマイナススワップが発生する
- レバレッジは低くし、証拠金は余裕を持たせる
- 取引通貨の為替レートと、政策金利の動きに注目
- 複数通貨を保有すれば、リスク分散ができる
原則スプレッドは気にせず、高スワップ業者を選ぶ
実質的にFXの取引コストとなるのが、売値(Bid)と買値(Ask)の差額を示す「スプレッド」です。
デイトレードなど短期トレードの場合、低スプレッドのFX業者を選ぶことは必須です。
しかしメジャー通貨ペアでスワップ狙いのトレードであれば、スプレッドはあまり重要ではありません。
短期トレードのように、何度も多くの発注をする必要がないからです。
目的はスワップポイントの受け取りですから、安定的なスワップポイントを配信する業者を選ぶことが重要です。
スプレッド | 買いスワップ | 合計 | |
---|---|---|---|
A社 | 0.5銭 10万通貨/500円 | 1日/40円 1ヶ月/1,240円 | =740円 | 1,240円-500円
B社 | 1.0銭 10万通貨/1,000円 | 1日/80円 1ヶ月/2,480円 | =1,480円 | 2,480円-1,000円
上記は為替変動がないと仮定した例ですが、新規注文時のみに発生するスプレッドに対し、スワップポイントは保有するほど継続的に受け取ることができます。
取引をスタートしたときはスプレッドが広いB社が不利ですが、スワップポイントが高いほど保有期間に見合ったリターンに期待できますね。
ただし高金利通貨のトレードには注意が必要です。
高スワップポイントが魅力の高金利通貨ですが、業者や通貨ペアによってスプレッドに違いが出やすいです。
スプレッドがあまりにも広いと取引コストとして負担になりますので、高金利通貨はスプレッドを事前にチェックしておきましょう。
スプレッドの詳しい解説と、各社のスプレッド比較はこちらのページをご覧ください。
買いポジションでもマイナススワップが発生する
買いポジション(ロングポジション)だからといって、必ずしもスワップポイントが付与側の方向とは限りません。
スワップポイントは、二国間の金利差によって受け取ることができる仕組みです。
主に対円の場合、買いポジション(ロング)で高金利通貨のスワップが受け取ることができます。
高金利通貨を買っている状態のため、毎日スワップポイントを受け取ることができます。
高金利通貨を売っている状態のため、スワップポイントを支払うことになります。
南アフリカランド/円のように、高金利通貨と円の組み合わせでショートで保有するとき、日々スワップポイントの支払いが発生します。そして高金利通貨のショートほど、スワップポイントの支払いが多くなりがちです。
そのため高金利通貨のショートポジションは、大きくトレンドに乗って為替変動による利益に期待できるケースを除き、保有期間を短くしたほうが得策です。
また円を介さない通貨ペアの場合も、買いポジション=プラススワップが成立するわけではありません。
たとえばユーロ/米ドルは、売りポジション方向でスワップポイントが付与されます。
スワップポイントの付与/支払いは、金利差がある二国間の組み合わせによって決まりますので、スワップトレードでの保有方向は間違っていないか、しっかり確認しておきましょう。
スワップポイントの基本は下記記事で解説しています。
各社のスワップポイントは、下記記事で徹底比較しています。
レバレッジは低くし、証拠金は余裕を持たせる
ビギナーにとっては、レバレッジはとても重視すべき要素です。
保有期間が長くなるほど、為替変動によって保有ポジションの評価損益がマイナスになってしまうリスクがあります。
このときレバレッジが高ければ、わずかな変動でロスカットになってしまう恐れもあります。
レバレッジを効かせられるFXは、数ある投資に比べても少額から取引できる魅力がありますが、レバレッジを上げるほど変動リスクが高くなり、強制ロスカットとなる可能性が高くなります。
そのためスワップトレードをするなら、レバレッジ1〜3倍程度で売買するようにしましょう。
ちなみに、レバレッジ1倍なら外貨預金と同じ水準となり、なおかつFXならではの低いコスト(売買手数料)で投資が行えます。
正直、レバレッジは上げれば上げるほど、資金効率よく運用ができます。
しかしスワップトレードに大切なのは、長期的にスワップの受け取りができる体力を多めに預け入れた証拠金で作ることです。
低レバレッジによって大きな値動きにも耐えることが可能となるため、ロスカットされることなく、長期的にスワップポイントの受け取りができます。
取引通貨のトレンドと、政策金利の動きに注目
現在、高金利通貨といえばトルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドが代表的な通貨として注目されています。
順位 | 国名(政策金利) |
---|---|
トルコ(50.00%) | |
メキシコ(10.50%) | |
南アフリカ(8.00%) | |
4位 | 香港(5.25%) |
5位 | アメリカ(5.00%) |
5位 | イギリス(5.00%) |
6位 | ニュージーランド(4.75%) |
7位 | ノルウェー(4.50%) |
8位 | オーストラリア(4.35%) |
9位 | カナダ(3.75%) |
10位 | ユーロ圏(3.40%) |
11位 | スウェーデン(3.25%) |
12位 | 中国(3.10%) |
13位 | スイス(1.00%) |
14位 | 日本(0.25%) |
取引量の多さにより流動性が高い米ドルや日本円と異なり、新興国通貨は流動性が低いことから、為替レートの動きが激しい傾向にあります。
もちろんどの通貨ペアを選んでも同様にいえることですが、高金利通貨は思わぬ為替差損となってしまうリスクも留意しておかなければいけません。
ですから取引する通貨のトレンドには目を配っておく必要があります。
また取引通貨国の政策金利ですが、変動すればその分スワップの受け取り額も変わってきます。
取引する通貨の政策金利発表日はいつか、アラートをセットしておくなど最低限押さえておくようにしてください。
FX業者のページで定期的にチェックするなら、視認性に優れた外為どっとコムの「政策金利一覧」がおすすめです。
もしFXのアプリでアラートを使いたい方は、以下の記事も参考にどうぞ。
複数通貨を保有すれば、リスク分散ができる!
資金に余裕のある方は、複数通貨でポジションを持つことで、為替差損となってしまうリスクを分散するという手法を検討するのもいいでしょう。
仮に為替変動によってスワップ分の利益を失ったとしても、もう一方のポジションでは継続して金利差益を受け取ることができる可能性が出てきます。
たとえば豪ドルとNZドルは連動性があることで、「豪ドル/円」と「NZドル/円」は似た動きをする傾向があります。
通貨ペア分散の際には、こういった「正相関」の通貨ペアでヘッジするのではなく、「逆相関」といって全体的に動きが異なる通貨ペアを選ぶことがポイントです。
スワップトレードとは異なりますが、インヴァスト証券の自動売買サービス「トライオート」には多彩なプログラムが用意されています。
そのうちの「三大陸」や「ハイブリッド」は逆相関にある通貨ペアを複数組み合わせることで、安定した利益を追求する仕組みが採用されています。
※三大陸、ハイブリッドはロジックの「分散」に用意されています。
スワップ狙いのトレードとは根本的に違いはあるものの、長期的に安定した利益を狙う観点でいえば共通しています。
裁量取引に苦手意識があるなら、トライオートFXなどの自動売買を検討してみてもいいでしょう。
各社の自動売買サービスは以下記事でご紹介していますので、興味がある方はご覧になってみてください。
スワップ狙いでおすすめのFX業者
みんなのFX
みんなのFXは、スワップポイント狙いでおすすめの業者です。
メジャー通貨からトルコリラ/円などの高金利通貨まで、全通貨ペアにおいて「業界最高水準」「ほぼ固定スワップ」を提供しています。
これにより長期にかけて、安定的にスワップポイントを受け取ることができます。
スプレッドは業界最狭水準であり、約定率も高いので、デイトレードなど短期売買から中期売買にも向いています。
ほとんどの通貨ペアが1,000通貨に対応しているため、少額からスタートが可能です。
取引ツールには人気チャートのTradingViewを搭載!
さらに売買比率・価格分布(オープンオーダー)も備わっており、エントリーすべき方向性の判断に役立ちます。
口座開設すれば、FX、シストレ、バイナリーオプションと3つの取引ができることも魅力です。
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