FXの順張り手法・逆張り手法の違いは?時間帯ごとの戦略も解説!

順張り VS 逆張り

FXの売買手法には「順張り」「逆張り」があります。

しっかりと違いを知れば、今の相場にはどちらで狙う判断をすべきか、自ずと見えてきます。

それでは、順張りと逆張りの特徴や取引手法を分かりやすくご紹介します。

目次

順張りとは?

順張りとは、相場が上昇トレンド(または下降トレンド)のとき、相場の流れに乗って売買をする手法のことです。

順張りのイメージ
順張りのイメージ

相場は一般的に、細かいレンジを繰り返しながら、一方方向に推移する傾向があります。
順張りはトレンドフォローとも呼ばれるように、トレンドに乗って利益を追求する手法です。

順張りの取引期間は、逆張りに比べると長期間となりやすいため、中長期のトレードスタイルが主流ですが、スキャルピングデイトレードで順張りも可能です。

数日から数週間にかけて、相場の波に乗って大きなpipsを狙うトレードスタイルをスイングトレードといいます。
このスイングトレードは、典型的な順張りの手法です。

通常、順張りのトレーダーは、移動平均線などのトレンド系のテクニカル指標を用いて、チャート分析を行います。
順張りではオシレーター系テクニカル指標を全く使わないということではなく、トレンド系テクニカル指標の重要度が極めて高いです。

なかにはMACDなど、オシレーター系でもトレンド判断に役立つテクニカル指標がありますので、いろいろ試してみるのもいいでしょう。

なお中長期のスイングトレードにも、逆張り的なアプローチの手法があります。

トレンド相場のときに一時的に下がった(上がった)ときにエントリーしていくもので、押し目買い・戻り売りと呼ばれています。
デイトレードであればボリンジャーバンドの±3σのタッチを、スイングトレードであれば5日や25日移動平均線の反転を見たり、ローソク足との乖離に注目してもいいでしょう。

長期目線のトレードとしては、各国の政策金利や金融政策の動向、株価指数の動き(日経225、NYダウ、ナスダックなど)に注目して、大まかな想定をしておくことも大切です。

順張りをまとめると
  • 相場:一方向に大きく推移するトレンド相場
  • エントリー方向:相場のトレンドに沿ってエントリー
  • チャート分析:主にトレンド系
  • ファンダメンタルズ:重要
  • 主な期間:スキャルピング、デイトレード、スイングトレード

逆張りとは?

逆張りとは、相場の天井や大底などで、相場が反転するタイミングを狙って売買をする手法のことです。

逆張りのイメージ
逆張りのイメージ

トレンド方向の反対方向にポジションを保有することから、逆張りと呼ばれています。

一般には短期のレンジ相場における、高値圏や安値圏での反転タイミングを狙って売買をします。

長期的には上昇(下降)トレンドとなっている相場も、短いスパンでレートを見ると細かいレンジを繰り返しながらどちらかの方向に推移していきますので、逆張りは順張りに比べると短期間となるのが特徴です。

「落ちてくるナイフは掴むな。」という投資の格言がありますが、相場急落時に買うのはまさに「落ちてくるナイフを素手で掴むような感覚」といえます。
大底だと思って買ったら、さらにずるずると下がってしまう局面は、典型的な逆張りの失敗トレードとなります。

逆張りは短期売買でも中長期売買でも、トレンド系に加えて、オシレーター系のテクニカル指標も使うのがおすすめです。
その理由として、逆張りは順張りの売買タイミングよりも、早いポイントでエントリー・エグジットをする必要があるからです。

オシレーター系はトレンドが発生するとダマシが発生するものの、トレンド系よりも早くシグナルを捉えることができるのが特徴です。

長期間での逆張りなら、テクニカル分析に加えてファンダメンタルズ分析も重要です。
しかし短期間のレンジを狙った逆張りであれば、テクニカル分析と経済指標を重視する形でもよいでしょう。

逆張りをまとめると
  • 相場:短期のレンジ相場、長期の天底
  • エントリー方向:相場のトレンドの反対方向にエントリー
  • チャート分析:トレンド系、オシレーター系を併用
  • ファンダメンタルズ:必要
  • 主な期間:スキャルピング、デイトレード

順張りと逆張りの違い

先ほど解説したように、大きなトレンドに乗るのが順張りで、通常は短期的なレンジ相場の天底で売買するのが逆張りとなります。

順張りは一方向に推移するときですから、上昇局面ならサポートライン、下降局面ならレジスタンスラインのように斜めにトレンドラインを描ける場面となります。

順張りと逆張りのポイント

一方で逆張りが意識されるレンジ相場のことは、別名でトレンドレスまたはトレンドレス相場ともいいます。

つまりレンジ相場とは、短期間においてトレンドがなく、相場が小休止していることを表しているんですね。

上下の変動幅が小さいことから、水平にサポートライン・レジスタンスラインを描ける場面となります。

そのためトレンドがあるならスイングトレードで順張り、トレンドがないときはデイトレードで逆張りのように、相場のトレンドに合わせ、順張りと逆張りの使い分けが可能です。

順張りと逆張りはどちらがいいのか

逆張りで自分が底値(天井)だと判断して買った(売った)ものの、実際のレンジは自分が判断したラインよりも下であったため、損失となってしまった方もいらっしゃることでしょう。

FX初心者の方は、相場の流れに乗って売買をする順張りをおすすめします。

順張りは逆張りに比べると、大底や天井で売買できるチャンスは少ないですが、トレンドが継続するほど利益の追求ができます。
もし天底でのエントリーでも、しっかりトレンドが切り替わってからエントリーすれば、逆張りではなく順張りとなります。

逆張りするなら天井・大底でエントリーができたらベストですが、自分の判断とは反対に損失がズルズルと大きく膨らみやすいケースが多々ありますので、ストップロスをきっちり入れておく必要があります。

もちろん順張りでも損切りは大事ですが、順張りはトレンドが生まれた段階でエントリーしますので、逆張りに比べると反対方向に動いたときの損失は限定的である場面もよくあります。

そのため、逆張りは損切りラインに達したら、迷わずに決済できる判断力の早さが重要となってきます。

このような背景があることから、FX初心者は短期的な値動きで翻弄されにくい順張りからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

2018年に行われた日銀によるアンケートでは、以下が明らかとなっています。

  • 7割の投資家が順張りを行っている。
  • 投資期間が一日以上の投資では、逆張りを行うトレーダーが多い。
  • 投資期間が一日未満の投資では、全体として逆張りが多いが、局面によっては順張りも使い分けるトレーダーもいる。

関連リンク:外為証拠金取引における個人投資家の投資行動|日本銀行

つまりFXの主流は順張りで、スキャルピングかデイトレードは逆張りが多いことが分かりますね。

順張りにもデメリットもあり、順調にトレンドに乗って保有していたが、思わぬ急落や急騰で、これまでに発生していた利益分がゼロになってしまうことも十分考えられます。

どちらが優れているということではなく、その時の相場を読み、両方の手法を組み合わせて売買をするのがベストな判断だと言えます。

日本人は逆張り、欧米人は順張りを好む傾向にある

これは投資の世界では良く言われている話ですが、日本人は逆張りを好んでトレードし、欧米人は順張りを好んでトレードします。

もともと農耕民族の日本人は集団での生活を重んじる傾向にあり、今日においても、一般社会でも枠から外れることを嫌う傾向にあります。

これがトレードにおいては、反転の異常シグナルをみて逆張りを行いがちである、という考え方からきています。

逆に狩猟民族であった欧米人は、枠に収まることなく、その勢いに乗って進み狩猟や開拓をしてきた背景があります。

順張りを英語で表すとTrend Follow(トレンドフォロー)ですが、「天井や大底を気にすることなく、どんどんトレンドに乗って突き進め」という見方をするのが、欧米人の考えの主流といえます。

国民性から見る、順張りと逆張り戦略

上に挙げた国民性をもとに、順張りと逆張りの戦略を見ていきましょう。

  • 東京為替市場が動いている午前から夕方にかけては、逆張りを意識する
  • 逆にニューヨークやロンドン市場が動く日本時間の夜からは順張りを意識してみる

このような戦略を考えることもできます。

FXでは、各通貨ごとに値動きの傾向が異なり、またどの通貨においても時間帯によって値動きの傾向が異なりますので、その時のマーケット参加者を意識した売買戦略も可能です。

あくまでも例となりますが、日本時間の午前中は、日本人の参加者が多いと想定して、ボリンジャーバンドで反転タイミングを見る、というのも戦略のひとつとなります。

順張りと逆張りですが、どちらも長所・短所があります。
どちらも手法がいいかは、正直、個人の好みによって変わってきます。

それよりも、損切りラインを決めてしっかり損切りを行ない、損小利大を徹底することが、FXで利益を得ていく上でもっとも大切です。

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