オシレーター系の代表格、ストキャスティクスの見方・使い方を解説!

ストキャスティクスの見方・使い方

ストキャスティクスの見方・使い方について解説します。

テクニカル指標名タイプ分析適正
ストキャスティクスオシレーター系・時系列逆張り、順張り
目次

売られすぎ・買われすぎを判断するテクニカル指標

ストキャスティクスは、MACDRSIと並ぶ代表的なオシレーター系テクニカル指標で、売られすぎ・買われすぎの判断に使われます。

英語圏では、正式名称である Stochastic Oscillator(ストキャスティクス・オシレーター) と呼ばれています。

メジャーなテクニカル指標のひとつであり、基本的にどのFX業者のチャートでも利用可能です。

外為どっとコム リッチアプリ版のストキャスティクス
参考チャート:外為どっとコム「リッチアプリ版」

3本のライン(%K、%D、Slow%D)を使い、「当日の終値が、過去の高値・安値に対してどのような位置にあるのか」を分析し、売買タイミングを探ります。

ストキャスティクスとは?

ストキャスティクスでは3本の線のうち、短期線(%K)と中期線(%D)を使った分析手法を「ストキャスティクス」または「ファスト・ストキャスティクス」と呼びます。

まずは%Kと%Dの意味を確認しましょう。

ファスト・ストキャスティクス
  • %K = 短期線(ある期間内の高値・安値の間で、当日の値がどの位置にあるかを示す)
  • %D = 中期線(%Kを平均化したもの)

例えば、当日の終値が過去n日間の高値・安値のちょうど真ん中にあれば、%Kは50%になります。
%Dは%Kの平均値であるため、%Kよりもなめらかに推移し、やや遅れて動くのが特徴です。

他のオシレーター系指標と同様、30%以下のゾーンであれば売られすぎ、70%以上であれば買われすぎの目安となります。

より高い精度で判断するには、20%以下・80%以上や、15%以下・85%以上といった厳しめの基準を用いることも可能です。

%Kと%Dを使った分析がストキャスティクスの基本形です。

後述する中期線・長期線を使った「スロー・ストキャスティクス」に対し、短期線・中期線を使うことから「ファスト・ストキャスティクス」と呼ばれています。

スロー・ストキャスティクスとは?

スロー・ストキャスティクスは中期線と長期線を使う分析手法です。

  • %D(中期線)
  • Slow%D(長期線)
G.comチャートのスロー・ストキャスティクス
参考チャート:外為どっとコム「G.comチャート」

使用する線の組み合わせが異なるだけで、売買サインの見方は基本的に同じです。
短期線(%K)はカクカクとした動きをしますが、中期線(%D)、長期線(Slow%D)になるにつれて動きがなめらかになります。

ファスト・ストキャスティクスは直近の相場に敏感に反応するため、売買サインの多さに比例して、ダマシも多く発生してしまいます。

スロー・ストキャスティクスの方がシグナルの精度は高くなりますが、売買サインが多く発生しないことと、中期線と長期線を使うため売買サインが発生するタイミングが遅れやすいのがデメリットとなります。

とくにこだわりがなければ、ラインがなめらかで見やすく信頼性が高い、スロー・ストキャスティクスだけを使っても問題ありません。

売買サインの多さ・速さ、ダマシの多さ

スロー・ストキャスティクス < ファスト・ストキャスティクス

売買サインの信頼性

ファスト・ストキャスティクス < スロー・ストキャスティクス

ストキャスティクスの計算式

日足で直近14日間での算出を例にすると、以下となります。

$$ %K(短期) = \frac{(当日終値-過去n日間の最安値)}{(過去n日間の最高値-過去n日間の最安値)} × 100 $$

$$ %D(中期) = \frac{(当日終値-過去n日間の最安値)のm日間の合計}{(過去n日間の最高値-過去n日間の最安値)のm日間の合計} × 100 $$

$$ Slow%D(長期) = x日間の%Dの単純移動平均線 $$

日足で直近14日間とした%Kの算出を例にすると、以下となります。

$$ %K = \left(\frac{C−L14}{H14−L14}\right) × 100 $$

$$ C = 当日終値、L14 = 過去14日間の最安値、H14 = 過去14日間の最高値 $$

n日間は14日、9日、5日が一般的です。
m日間とx日間は、ともに3日単純移動平均線が一般的です。

%Dは、直近3日間なら3日間の合計を割ることになりますので、%Kよりも滑らかです。
そしてSlow%Dは、%Dの移動平均ですから、%Dよりもさらに滑らかとなります。

%K、%D、Slow%Dの順にラインがなめらかになるのが特徴です。

ストキャスティクスの見方と使い方を知ろう!

それでは、ストキャスティクスによる売買サインを見ていきましょう。

基本的には、30%以下は売られすぎ、70%以上は買われすぎと判断します。
そのゾーン内(0〜30%、70〜100%)でのラインのクロスが売買サインとなります。

ストキャスティクスの売買サイン
ストキャスティクス(短期+中期)の売買シグナル
  • 30%以下で%Kが%Dを上抜けたら、買いサイン(ゴールデンクロス)。
  • 70%以下で%Kが%Dを下抜けたら、売りサイン(デッドクロス)。
スロー・ストキャスティクス(中期+長期)の売買シグナル
  • 30%以下で%DがSlow%Dを上抜けたら、買いサイン(ゴールデンクロス)。
  • 70%以下で%DがSlow%Dを下抜けたら、売りサイン(デッドクロス)。

移動平均線の有名な売買サインにゴールデンクロスとデッドクロスがありますが、ストキャスティクスでも同じように分析を行うことができます。

またMACDの見方のように、「50」を上抜けたら上昇トレンドの継続、「50」を下抜けたら下降トレンドの継続と判断もできます。

ストキャスティクスの注意点

これはストキャスティクスに限らず、多くのオシレーター系指標に共通しますが、レンジ相場の終焉後にトレンドが発生すると、ストキャスティクスがその方向に張り付きやすくなります。

いわゆるオシレーター系指標にありがちな、ダマシ(騙し)という偽りのサインとなります。

このような状況では、エントリーのタイミングを誤ると予想と反対方向に相場が動いてしまうことがあります。

ストキャスティクスのダマシ

とくに日足などの長期足でダマシが発生した場合、「ストキャスティクスのダマシがトレンド相場を教えてくれた」と捉えて、レンジ戦略からトレンド戦略に切り替えるという手もあります。

上の画像のように、ストキャスティクスが上部に張り付くような強い上昇トレンドの場合、ストキャスティクスが下落して上昇へと反転したタイミングは、押し目買いで絶好のポイントとなります。

もし逆張り手法をするなら、移動平均線などのトレンド系指標を併用して分析すると精度も高まります。

例えば、「移動平均線が上向きなら上昇トレンドと判断できるため、ストキャスティクスでデッドクロスが発生してもトレードしない」といった戦略もできますね。

トレンドの方向に合わせて線の交差を見て、確実なエントリーポイントを探すことを心がけていきましょう。

ダイバージェンスによる売買サイン

価格とストキャスティクスの動きの逆行による売買サイン「ダイバージェンス」を売買判断に使うこともできます。

以下は、下落から上昇への転換を示唆するダイバージェンスの買いサインです。

ストキャスティクスを使ったダイバージェンスの買いサイン
ブリッシュ・ダイバージェンス(強気のダイバージェンス)

下降トレンドにおいて、価格の安値は切り下がって推移しているが、ストキャスティクスは切り上がってきている状態のこと。
大底圏を示唆する、ダイバージェンスの買いサイン。

価格は安値を付けたものの、ストキャスティクスは安値を付けずに先行して上昇すれば、大きなトレンド転換となる可能性があることを示唆します。

以下は、上昇から下落への転換を示唆するダイバージェンスの売りサインです。

ストキャスティクスを使ったダイバージェンスの売りサイン
ベアリッシュ・ダイバージェンス(弱気のダイバージェンス)

上昇トレンドにおいて、価格の高値は切り上がって推移しているが、ストキャスティクスは切り下がってきている状態のこと。
天井圏を示唆する、ダイバージェンスの売りサイン。

ダイバージェンスは、一部のオシレーター系指標に出現する特性があり、MACDRSIDMIでも応用できます。

このほかにもダイバージェンスには色々な種類があり、詳細はこちらの記事で解説しています。

ストキャスティクスの利益確定ポイント

ストキャスティクスの利益確定ポイントは2つあります。

1つ目は、先ほどご紹介したダイバージェンスを使う方法です。

ダイバージェンスはトレンド反転を示唆するため、利益確定のサインにも活用できます。

大きなトレンド反転となる可能性があるということは、現在のトレンドの勢いが弱まっていることを示唆するため、利益確定の目安と判断できます。

2つ目は、%Kと%Dの乖離を見る方法です。

%Dは%Kの移動平均線ですので、2本の線が上下に大きく乖離しても、また近づく傾向があります。
つまり価格が大きく変動して2本の線が乖離しても、値動きによって再び近づく習性を利用していきます。

価格変動によって%Kと%が大きく乖離したのち、それから2本線が20%以下・80%以上のゾーン内でクロスする直前が、利益確定の目安と判断できます。

【まとめ】ストキャスティクスの売買サインなど

基本的な使い方をまとめました。

ストキャスティクスの基本
  • 20%以下なら売られすぎ、80%以上なら買われすぎと判断ができる。
  • 15%以下、85%以上を基準にするとより信頼性が高くなる。
ストキャスティクスの買いサイン
  • ファスト・ストキャスティクス:30%以下の売られすぎゾーンで%Kが%Dを上抜いて、買いサイン。
  • スロー・ストキャスティクス:30%以下の売られすぎゾーンで%DがSlow%Dを上抜いて、買いサイン。
  • 下降トレンドにおいて、価格は切り下がって推移しているが、ストキャスティクスは切り上がってきているとき。(買いのダイバージェンス)
ストキャスティクスの売りサイン
  • ファスト・ストキャスティクス:70%以下の買われすぎゾーンで%Kが%Dを下抜いて、売りサイン。
  • スロー・ストキャスティクス:70%以下の買われすぎゾーンで%DがSlow%Dを下抜いて、売りサイン。
  • 上昇トレンドにおいて、価格は切り上がって推移しているが、ストキャスティクスは切り下がってきているとき。(売りのダイバージェンス)

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