FXを始めたら何をするのか、それはシンプルに「分析をして注文をすることの繰り返し」です。
しかし初心者ほど難しく考えてしまい、結果として遠回りとなってしまうケースも見受けられます。
そこで重要なのが、基本的な視点で相場を見ていくことです。
これができれば、取引に必要な分析方法と注文方法を、少ない手順で身に付けることができます。
分析には、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析があります。
分析ができたら予想した方向に注文をしますが、いつエントリー(新規注文)、イグジット(決済注文)すればいいのか、重要な考え方があることをご存知でしょうか。
そして注文方法には多くの種類がありますが、どう使い分けるべきか悩んでいる方も多いかもしれません。
こちらの記事では、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析をしていくポイントと、注文にまつわる疑問を解決しながら、相場に合わせた注文の使い分け方までご紹介します。
テクニカル編
テクニカル分析というと、勝率◯%などと謳ったインジケーターもあるようですが、実際は自分自身でチャートをどう見ていくかが重要です。
基本的な見方ができれば、怪しい有料ツールに手を出すこともなく、どんなチャートを使っても先行きを見極められるからです。
それでは、チャートの未来を探っていくために重要となる、テクニカル分析の王道について解説します。
ローソク足こそが基本にして至高
ある程度FXをかじっても、ローソク足そのものを深く学んでいない方は多いかもしれません。
チャートでは様々なテクニカル指標や描画ツールで分析をできますが、もっとも基本となるのがローソク足です。
ローソク足はひとつひとつが過去の値動きを示してくれますが、その形状ひとつをとってもマーケットの思惑が反映されていることから、テクニカル分析には欠かせない存在です。
そして2本、3本と複数足分析により値動きや方向性を分析したり、数本〜数十本を使ってプライスアクションやチャートパターンを判断し、トレンドの加速や転換を見極めるにも役立ちます。
ローソク足にも陽線、陰線、十字線があり、それぞれたくさんの種類があります。
実体が長く同じ色のローソク足が連続したらトレンドの継続を示唆し、実体が短くヒゲが長いローソク足ならトレンド転換を示唆するといった風に、ローソク足の見方は早めに頭に叩き込んでおくようにしてください。
長期からトレンドを確認する
トレンドは直近の値動きによる影響だけではなく、過去の重要な価格からも大きな影響を受けます。
そして短期チャートではどんなに勢いが強くても、過去の重要な価格をかんたんに突破するほど一筋縄にはいきません。
つまりリアルタイムな短期足でも、長期足のトレンドにはなかなか逆らえないんですね。
ですからチャート分析は、長期足から分析をするのが基本中の基本です。
どんなに5分足や15分足でデイトレードをするとしても、長期のトレンドは把握しておきましょう。
この場合、月足→週足→日足→4時間足→1時間足とトレンドを確認して、分足でエントリーを行う形となります。
米ドル/円、次にユーロ/米ドル
分析のしやすさ、つまりテクニカル分析が効きやすい通貨ペアかどうかを判断するには、「流動性」が決めてとなります。
流動性が低いマイナー通貨ペアは乱高下する傾向があることから、高金利通貨ペアのローソク足はヒゲが長くなりがちです。
つまりテクニカル分析の精度は、マイナー通貨ペアよりもメジャー通貨ペアの方が高いといえます。
流動性が高く、テクニカル分析しやすい通貨ペアといえば、やはり身近な「米ドル/円」で決まりですね。
米ドル/円に比べると親しみやすさでは劣りますが、世界でもっとも流動性が高くテクニカルが効きやすい通貨ペアである「ユーロ/米ドル」も欠かせません。
取引量 ランキング | 通貨ペア | 世界シェア |
---|---|---|
米ドル/ユーロ | 22.7% | |
米ドル/円 | 13.5% | |
米ドル/ポンド | 9.5% |
参考リンク:BIS – Foreign exchange turnover in April 2022
テクニカル分析の精度を高めるなら、通貨ペアごとの流動性にも注目してみましょう。
まずは水平線、そしてトレンドライン
チャートにラインを描いて分析するとき、お好みの通貨ペアと足種で自由に分析できますが、ライン描画も信頼性を考えなければいけません。
まず為替が動いているとき、直近の高値・安値をブレイクするのかに注目が集まります。
例えば、当日の高値・安値、前日の高値・安値、直近の節目となった高値・安値ですね。
この価格はどの足種(分足、時間足)でチャートを見ていても、世界中のどの投資家が見ても全く同じ水準です。
業者の配信レートによって誤差は多少あるものの、直近安値に水平線を引くと、基本的には誰もが同一の価格に注目できます。
しかしトレンドラインの場合、個人の裁量でヒゲを含めずに描く人もいますし、見ている足種の違いによって描画した位置は人それぞれ異なるので、精度でいえば水平線に劣ると言わざるを得ません。
例えばNZドル/円の15分足にサポートラインを引くとしましょう。
しかし流動性が高い通貨ペアではないこと、そして15分足を使うトレーダーが世界的に少なければ、サポートラインは見向きもされず、あっさり抜けてしまうというのがその理屈です。
つまりライン描画において信頼性に注目するなら、トレンドラインよりも水平線に注目してみてください。
もちろんトレンドラインは魅力的ですから、トレンドラインを使うなら、やはり流動性の高い通貨ペアで分析するのがおすすめです。
マイナーなテクニカルを使う必要ない
テクニカル指標には数多くの種類がありますが、マイナーなテクニカル指標を無理に使う必要はありません。
前述の通り、多くの人が同じポイントを見てトレードをするほど、相場はその思惑通りに動きやすい傾向があるからです。
トレンド転換の局面で、日足の75日移動平均線を上抜いたら買おうと注文したトレーダーが多ければ、その瞬間に大きく上昇するのと同じですね。
ですから、まずはどのFX業者でも用意しているメジャーなテクニカル指標を、標準のパラメーター(設定値)で使うのがおすすめです。
- トレンド系:移動平均線(SMA、EMA)、ボリンジャーバンド、一目均衡表
- オシレーター系:MACD、ストキャスティクス、RSI、RCI
もちろん、知名度が低くてもでも有効なテクニカル指標はたくさん存在しますが、初心者の方は基本のテクニカル指標を使っていきましょう。
またパラメーターは凝った設定を探すよりも、多くのトレーダーが使うデフォルトで問題ありません。
移動平均線の期間に関しては業者ごとに既定値が異なりますが、短期線は5日か10日、中期線は25日、長期線は75日を採用している業者が多いです。
短期線に関しては、直近の値動きを重視して短期売買なら5日、信頼性を重視してスイングトレードなら10日といった形で選ぶのがポイントです。
ファンダメンタルズ編
身近なようでちょっと難しいと感じるのが、ファンダメンタルズ分析です。
WebやFXの本ではファンダメンタルズ要因として「経済指標」「要人発言」「経済関連のニュース」「有事」「金や原油などの価格変動」などが紹介されていますね。
しかしどんな視点で判断していけばいいのか、テクニカル分析に比べると、ファンダメンタルズ分析は分かりにくさも存在します。
ここでは、ファンダメンタルズ分析でスタンダードな相場分析に役立つ「経済指標」「金利」に的を絞って解説します。
経済状況を経済指標で知る
経済指標は、その国の経済状況が好調か、不況であるか、横ばいであるかを判断できる指標です。
経済指標には、大きく分けると5つのタイプ(金融政策、雇用、景気、物価、消費、国際収支)があります。
FXでも多くの経済指標が流れていますが、すべてのデータを追いかけるのはちょっとハードルが高いですよね。
そのため、シンプルに重要な経済指標に絞るだけでも、ファンダメンタルズ要因を掴みやすいです。
そこで、アメリカの経済指標で発表から米ドル/円が10pips以上動いた経済指標を、変動が大きい順にまとめました。
タイプ | 経済指標名 | ※10分間の 平均変動値 | 発表日時 | 夏・発表時間 ()は冬 |
---|---|---|---|---|
雇用 | 雇用統計 | 84.3pips | 毎月/第1金曜日 | 21:30 (22:30) |
金融政策 | FRB政策金利・経済見通し(SEP)発表 | 66.2pips | 3月・6月・9月・12月 の中旬 | 27:00 (28:00) |
金融政策 | FOMC政策金利発表 | 58.9pips | 年/8回 (6週間毎の火曜日) | 27:00 (28:00) |
金融政策 | FRB議長の記者会見 | 50.1pips | 年/8回 (6週間毎の火曜日) | 27:30 (28:30) |
景気 | ISM製造業景況指数 | 37.9pips | 毎月/第1営業日 | 23:00 (24:00) |
物価 | CPI(消費者物価指数) | 92.8pips | 毎月/10〜15日頃 | 21:30 (22:30) |
景気 | ISM非製造業景況指数 | 44.9pips | 毎月/第3営業日 | 23:00 (24:00) |
景気 | 小売売上高 | 42.7pips | 毎月/中旬 | 21:30 (22:30) |
国際収支 | 貿易収支 | 17.6pips | 毎月/上旬 | 21:30 (22:30) |
景気 | フィラデルフィア連銀景況指数 | 毎月/中旬 | 21:30 (22:30) | |
雇用 | ADP雇用統計(全米雇用報告) | 27.1pips | 毎月/雇用統計2日前 | 21:15 (22:15) |
景気 | 四半期GDP/個人消費 | 38.3pips | 毎月/下旬 | 21:30 (22:30) |
物価 | 生産者物価指数 | 43.8pips | 毎月/中旬 | 21:30 (22:30) |
金融政策 | FOMC議事録公表 | 25.2pips | FOMCの3週間後 | 27:00 (28:00) |
景気 | ミシガン大消費者信頼感指数(確報値) | 27.3pips | 毎月/中旬 | 23:00 (24:00) |
物価・消費 | 個人所得・個人支出/PCEデフレーター | 37.1pips | 毎月/下旬 | 21:30 (22:30) |
※2022年1月~2024年9月6日における米ドル/円の平均値(参考:http://shihyofx.com)
GDPは四半期ですが、予想、改定、確報により毎月発表があります。
こうしてみると、有名なGDP発表時の値動きは上位ではなく、雇用統計を筆頭とした政策金利関連のインパクトが大きいことが分かります。
アメリカ以外で変動の大きい経済指標では、ECB政策金利発表やECB総裁記者会見といったユーロ圏の金融政策や、各国の雇用統計にも注目してみてください。
もし短期的な売買をするなら、こういった経済指標に注目するのが手っ取り早いです。
ただしFXでは、短期的な動きやすさよりも「経済指標による長期的な経済状況の変化」に注目して、アメリカの景況感はどちらの方向に進んでいるかを考えることが、ファンダメンタルズ要因において重要といえます。
もちろん発表時のインパクトが大きい経済指標ほど世界中で注目度が高く、その後のトレンドに影響を与えやすいです。
複数の発表データの推移を総合的に見て、トレンドの大きな方向性を見極めていきましょう。
金利の変化を読み解く
金利というと、私たちの生活の中でも銀行預金の金利は身近な存在ではないでしょうか。
一般に金利は景気が良くなると金利が上がり、景気が悪くなると金利が下がるように、需要と供給の変化によって一定のサイクルで循環しています。
これは大きくいえば、為替の金融政策が基準となって私たちの生活に関わってきます。
日本の金融政策には、日銀の金融政策決定会合で決定される「政策金利(BOJ政策金利)」があります。
金利には短期金利と長期金利がありますが、代表的な「短期金利」といえば政策金利です。
この短期金利などをベースに、金融機関がお金を1年以上貸し出すときに適用する金利が「長期金利」です。
日本の長期金利といえば「日本10年国債利回り」ですね。
長期金利は「経済の基礎体温」とも言われており、冒頭で述べたように好景気なら長期金利は上昇、不景気なら長期金利は下落する傾向にあります。
米ドルを中心としたFXの世界では、米ドルの大きな方向性の見極めがファンダメンタルズ要因として重要です。
アメリカの経済が好調なら、高金利通貨を中心とした新興国から資金流出となって、新興国通貨が売られて米ドルが買われるように、米ドルと日本円以外の通貨にも大きな影響を与えるからです。
そして、米ドル相場の大きな変化を知るには、この短期金利と長期金利が役立ちます。
つまり、短期金利は「FOMC(FRB)政策金利」、長期金利は「米国10年国債利回り」が、米ドル相場の見通し材料となります。
経済指標発表時は、予想値と発表値のズレによって大きな変動をしやすいです。
値動きが予想しにくい発表の瞬間ではなく、長期的な方向性を知るためにも政策金利の推移に注目してみてください。
※新興国通貨は海外の資金調達に依存しているため金利が高い理由があり、上記画像のように新興国の場合は利上げ=自国通貨高の要因にはなりにくいのでご注意ください。
主要国の通貨でも逆相関となって例外となるケースも時折見られますが、基本的には利上げはその通貨の通貨高要因、利下げは通貨安要因となります。
そして短期金利と長期金利、両方に注目することで、現在の景気はどんな局面か判断しやすくなります。
以下は景気と金融政策を、4つのサイクルに分けたものです。
それぞれのサイクルにおける流れは、このようになります。
春 (リスクオン) | 夏 | 秋 (リスクオフ) | 冬 | |
---|---|---|---|---|
景気 | 回復 | 過熱 | 減速 | 後退 |
金融政策 | 中立 (利上げ検討) | 利上げ | 中立 (利下げ検討) | 利下げ |
為替 | 自国通貨高 | 自国通貨高 | 自国通貨安 | 自国通貨安 |
株価 | 回復〜ピーク | 上昇〜ピーク | ピーク〜下落 | ピーク〜底打ち |
短期金利 | 横ばい | 上昇 | 横ばい | 低下 |
長期金利 | 短期より先に 上昇 | 緩やかに 上昇 | 短期より先に 低下 | 緩やかに 低下 |
長短金利差 | 拡大 | プラス→マイナスに 縮小 | 縮小 | プラスに 拡大 |
このうち、短期金利と長期金利、そして景気をグラフ化したのが以下です。
為替と金利を分析できるチャートが見当たらなかったため、TradingViewで「米ドル/円」「米国10年国債利回り」「米政策金利」が見れるチャートを作成してみました。
米ドル/円、米10年国債利回り、米政策金利 by fxquicknavi on TradingView.com
こうして見ると相関性はもちろん、金利は為替に対し、長期的に先行指標ともいえる動きを見せていることが確認できますね。
『金利はちょっと難しい』と敬遠しがちという方は、意外にも多いかもしれません。
しかしFXで長期的な方向性を判断していくにあたり、金利は欠かせない存在ですので、ぜひこの機会に注目してみてください。
注文編・思考
利益を狙うにあたり、注文において重要となってくるのが売買タイミングです。
少しでも多くのpipsを狙いたいところですが、欲張りすぎると売買チャンスを見失ったり、含み益が含み損となって決済する機会を見失ってしまいがちです。
そこで、注文時に気をつけたい考え方、取引時のポイントを解説します。
天底を捉えることは考えない
最初にお伝えしたいのが、トレンドの天井から大底まで、または大底から天井まで的確に捉えることは、ほぼ不可能であるということです。
FXを始めると、どうしてもトレンドの全てを根こそぎ狙おうと考えがちな方もいますが、それは不効率なんですね。
そもそも大きなトレンドの天底というのは、トレンドの転換となる重要な高値や安値で取引することを指します。
そのようなチャンスを待っていては、時間だけが過ぎますし、少ないチャンスがきたと思っても、エントリーできなければ、また長期にかけて待たなければいけません。
「頭と尻尾はくれてやれ」という格言がありますが、これは天井と底は捨てて、トレンドの美味しいところだけを頂戴するイメージです。
天底だけを狙うと取引チャンスが少ないだけではなく、落ちてくるナイフを手で掴むような局面なので、価格変動リスクも付きまといます。
例えば以下のように、ゴールデンクロスまたは短期移動平均線を抜いたところでエントリーできますが、もしここで買い遅れても、買い増しポイントとなる押し目の位置で新規注文も可能です。
中期移動平均線に達したら上昇の勢いは弱まったと判断して決済ができますね。
トレンドの美味しいところだけを狙えば、テクニカル指標が明確なサインを発してから注文できるので、価格変動リスクを抑えたトレードができる利点もあるのです。
デイトレはLDN市場、NY市場オープン前に利食い
ポジションを翌営業日に持ち越ししないデイトレードは、深夜の変動や窓開け(ギャップ)のリスクを回避できることで人気の手法です。
デイトレードは当日中ならいつでも決済できますが、朝の含み益を深夜のギリギリまで引っ張ろうとすると、せっかくの含み益が吹き飛ぶ可能性があるので注意しなければいけません。
なぜならFXでは、三大外国為替市場(東京市場、ロンドン市場、ニューヨーク市場)ごとの値動きを意識する必要があるからです。
以下は3つの市場を色分けした例ですが、ロンドン勢やニューヨーク勢が参入してくるタイミングの前後では、それまでのトレンドが変わっていることが確認できますね。
特にロンドン市場が始まると投機的なトレードが行われやすい影響でトレンドが変わりやすいため、デイトレードはそれぞれの市場ごとに分けて利益を狙うのが得策です。
もちろん東京市場のトレンドが続く可能性があるものの、3大市場ごとに確実な利食いをすることがデイトレードにおいて重要だといえます。
注文編・場面による注文の使い分け方
FXの主要な注文方法には以下があります。
- 成行注文
- スピード注文(ストリーミング注文)
- 指値注文
- 逆指値注文
- IFD注文
- OCO注文
- IFDO注文
それぞれ、どんなときに有効的な注文なのか、GMOクリック証券、みんなのFXのアプリを例に見ていきましょう。
すぐに注文したいとき
デイトレードですぐに発注したいときは、成行注文かスピード注文を使いましょう。
元々スリッページの有無で区別されていましたが、最近ではどちらの注文でもスリッページや、両建てするか選べるので違いはありません。
チャートを見ながら、新規と決済を意識せずに発注できる取引画面をスピード注文と呼んでいる業者も多いですね。
もちろんデイトレードだけではなく、スイングトレードで取引チャンスと判断したときに成行注文で発注しても問題ありません。
またスピード注文には「何pipsプラスに動いたら利食い」「何pipsマイナスに動いたら損切り」と決済注文を同時発注できる機能を用意している業者もあります。
中長期で保有する可能性があるなら、大きな損失を回避するためにも、最低限は損切りを入れておくようにしましょう。
押し目買い、戻り売りを狙うとき
今のレートから〇〇円になったら注文するように、あらかじめ狙った指定レートで発注しておきたいときは指値注文を使うことができます。
指値注文は、今の価格よりも有利なレートで発注しておく注文方法です。
数ある注文方法の中でも、エントリー時に指値注文を使う人は結構多いですね。
狙った価格で発注して待ち構えておくので、デイトレードはもちろんスイングトレードとも相性がいい注文方法です。
ブレイクアウトを狙うとき
逆指値注文=ストップ注文、と決済専用のイメージを持つ方も多いかもしれませんが、逆指値注文はエントリー時も使えます。
逆指値注文は、今の価格よりも不利なレートで発注しておく注文方法です。
不利と聞くと聞こえは悪いかもしれませんが、注目すべき価格を抜けたら大きく動きそうだと考えるときと相性がいいです。
「110円などキリ番のいいレートのブレイクアウトを狙う」
「ゴールデンクロス後、直近高値のブレイクアウトでエントリーする」
といったブレイクアウトを狙ったエントリーをするときに、逆指値注文は力を発揮してくれます。
指値注文と逆指値注文の違いですが、上記でいうと現在レートを丸としたとき、グリーン、レッドが注文価格となるイメージです。
どちらに動くか分からないが、大きく動きそうなとき
OCO注文は、指値注文と逆指値注文を同時に発注する注文方法です。
「今より上昇してあるレートを抜けたら、さらに上昇しそうだ。もし下げたら、あるレートで反発して上昇しそうだ。」
このように考えるときに、2つの注文をまとめて発注できるのがOCO注文で、どちらか一方が約定したら、もう一方はキャンセルとなります。
このOCO注文に関しては、業者ごとに仕様が異なったりします。
以下は、みんなのFXでの「買い逆指値と売り逆指値」の例ですが、このほか「買い指値と売り指値」の組み合わせも可能なため、自由度が高いシステムといえます。
OCO注文を使って、三角保ち合いからのブレイクアウトを上下両方に仕掛けるような売買をするなら、みんなのFXで取引できる準備を整えておきましょう。
指値に利食いや損切りをセットするとき
IFD注文では、新規と決済ともに、指値と逆指値どちらも指定して発注できます。
王道の使い方は、エントリーは指値、イグジットは指値か逆指値です。
次にIFDO注文(IFO注文)ですが、エントリーはIFD注文と同じで指値か逆指値、イグジットはOCO注文の仕組みで、指値と逆指値の両方を指定して注文することができます。
利食いと損切りを両方設定できるため、使い勝手も考慮されている注文となります。
複合注文の早見表
複合注文を理解しやすいように、注文の内訳をまとめました。
注文名 | 新規注文 | 決済注文 |
---|---|---|
新規OCO注文 | [基本] 指値 + 逆指値 | – |
決済OCO注文 | – | [基本] 指値 + 逆指値 |
IFD注文 | 指値 または 逆指値 | 指値 または 逆指値 |
IFDO注文(IFO注文) | 指値 または 逆指値 | 指値 + 逆指値 |
最近のスピード注文には利食いと損切りを指定して発注ができるので、無理に複合注文を使わなくても問題ありません。
また複合注文をしなくても、保有ポジションに対し、決済注文として指値・逆指値を後から入れることもできます。
ですので最初のうちは、スピード注文、指値注文、逆指値注文の3つだけでも十分です。
注文方法についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。