端的に表すと「相場の大波に乗る!」といったイメージのスイングトレードは、本格的にFXで収入を得ている専業トレーダーにも多いトレード手法です。
こちらのページでは、スイングトレードの基本からメリット・デメリット、さらにスイングトレードの手法となる押し目買い・戻り売りやブレイクアウト、移動平均線を使った具体的な売買手法をご紹介します。
スイングトレードとは?
FXでは中長期のトレード手法となるのが、スイングトレードです。
ちなみに、保有期間が2日〜数週間となるスイングトレードよりも、さらに長期保有となるポジショントレードは、数ヶ月〜数年にかけてポジションを保有するスタイルとなります。
スイングトレード向きのタイプ
それでは、どんなタイプの方がスイングトレードに向いているのでしょうか。
- 一度のトレードで多くの収益を上げたい人
- 相場に頻繁に貼り付く時間がとれない人
- さざまなな通貨ペアをバランスよく見渡せる人
詳しくみていきましょう。
一度のトレードで多くの収益を上げたい人
たとえ短期のトレンドに乗っても、デイトレードは当日中に決済しなければいけません。
しかしスイングトレードはトレンドが続く限り保有するスタイルですので、トレンドが転換するまで保有すれば、1回のトレードでトレンドに見合った収益を上げることが可能です。
スイングトレードでは、為替の大きな波に乗るシナリオを描く分析を行っていきましょう。
相場に頻繁に貼り付く時間がとれない人
スイングトレードはデイトレほどパソコンに張り付かなくてもよいことから、サラリーマンや主婦とも相性のいい手法です。
スキャルピングは常にチャートに張り付く必要があり、デイトレードも短期で利ざやを狙っていくことから、スイングトレードに比べるとチャートを見る時間は遥かに長くなります。
対してスイングトレードでは、相場の大きな流れを見ていくため、1日数回レートチェックする程度でも取引を進めていけるのが、短期売買との大きな違いです。
さざまなな通貨ペアをバランスよく見渡せる人
相場はそのときによって、レンジ相場だったり、トレンド相場であったりします。
スイングトレードで大事なのは、そのときが旬となるトレンド相場の通貨ペアを選ぶことです。
米ドル/円しか取引しない方も多いですが、そのときレンジ相場だったとしたら、トレンドが始まるのはずっと後になるのかもしれません。
取引回数が少ないスイングトレードでは、さまざまな通貨ペアを取引対象とするほど収益チャンスが多くなります。
スイングトレードのメリット
スイングトレード「4つ」のメリット
- ずっとチャートに張り付く必要がないため、初心者でも取り組みやすい。
- スプレッドやスリッページはそこまで気にする必要がない。
- ポジション方向によっては、期間に応じてスワップポイントを受け取れる。
- 短期売買に比べると、低勝率でも収益化しやすい。
スイングトレードがスキャルピングやデイトレほどチャートを見る必要がないことは、もうご理解いただけたと思います。
そしてスイングトレードは取引回数が少なく、多少の変動は許容するやり方ですから、スプレッドの狭さや発注レートのズレ(スリッページ)をはそこまで意識する必要はありません。
ポジション方向によっては、保有期間に応じたスワップポイントを受け取れることもスイングトレードのメリットです。
ただしスワップポイントだけを気にしていては、ロングポジションに偏りやすい可能性が高くなってきます。
高スワップポイント業者に越したことはありませんが、スイングトレードは為替差益を狙う手法ですので、スワップポイントはあくまでもオマケと考えておくのが無難だと言えますね。
また低勝率であっても収益化に繋げやすいのが、スイングトレードの特徴です。
例えば米ドル/円のスプレッドを0.2銭、10,000通貨、利食い80pips、損切り30pipsの条件とします。
この場合、3勝(240pips)7敗(210pips+スプレッド2pips)でも利益となるように、損小利大のトレードができれば、たとえ勝率が低くともトータルで収益にすることができます。
スイングトレードのデメリット
スイングトレード「4つ」のデメリット
- 1度のトレードで損失が大きくなる可能性がある。
- 相場急変にやや対応しにくい。
- 短期売買比べると、取引チャンスが少なく資金効率が良くない。
- ナンピンと相性はいいが、多用に注意。
スイングトレードでは、また保有期間がデイトレードよりも長い分、相場急変に対応しにくいデメリットがあります。
デイトレードほど相場に張り付かないことで、損失方向に動いていても判断に遅れやすいのです。
もし週末に何か動きがあれば、月曜日のオープンレートが窓開け(ギャップ)となる「週末リスク」が存在します。
つまりデイトレードと比べても、リスク管理が重要になってきます。
具体的なリスク管理の方法は、以下の2点です。
- レバレッジを低くすること
- 逆指値注文で事前にストップロスを入れておくこと
レバレッジを下げると資金効率は下がりますが、スイングトレードではロスカットリスクを抑えることが再重要です。
また損失が膨らむ前に、確実に損切りを行うことも大切です。
とはいえ1日に何十回とレートをチェックし、あまり分析もせずにすぐに手動で損切りしてしまうと、利益を追求できるチャンスを失ってしまいがちです。
スイングトレードではそれなりの利益を狙うことから、多少の為替変動を許容できる心構えも必要となってきます。
まずは損小利大を心がけて、レンジに惑わされずにトレンドに乗ることを最重視し、ゆっくりと落ち着いて売買タイミングを見極めていきましょう。
焦らずに自分のペースを保つことが、スイングトレードで成功するための近道です。
また一定レバレッジ以下の条件で取引する前提であれば、ナンピンを仕掛ける戦略も可能となってきます。
ナンピンとは?
買いのナンピンを例にすると、買いポジションを保有中にレートが下落したため、さらに買い増しを行う手法です。
これにより平均購入レートも下がるので、ナンピン前に比べるとロスカットリスクが下がり、予想どおり上昇すれば収益にも期待ができます。
ただしナンピンは推奨されるものではなく、想定の反対に動くと損失も比例して大きくなります。
極力ナンピンしない判断でトレードをしなければいけませんが、低レバレッジのスイングトレードなら、場面によってはナンピン戦略も可能となります。
スイングトレード向きの通貨ペア
まずFXの短期売買(スキャルピング、デイトレード)では、流動性が高い通貨ペアを選ぶことが最重要となります。
スプレッドが安定していること、売りたいときに売って買いたいときに買えること、短期でもテクニカル分析しやすいかがポイントとなってくるからです。
値動きが荒い高金利通貨をスキャルピングするトレーダーがいないですよね。
つまり短期売買向きの通貨ペアは、
高い流動性+低スプレッド=「米ドル/円」「ユーロ/米ドル」が適しています。
スイングトレードでは、テクニカルだけではなくファンダメンタルズも重要となってきます。
ですから初心者のスイングトレードにもやはり、
高い流動性+低スプレッド+豊富な情報量=「米ドル/円」「ユーロ/米ドル」が最適です。
ボラティリティが大きいクロス円の通貨ペア
しかしスイングトレードでは、トレンドが発生しやすい通貨ペアを選ぶことも重要です。
1回のトレードで多くの利幅を狙うほど、スプレッドの重要度は低いといえます。
さらにメジャー通貨ペアとスワップポイントに固執すると、対象となる通貨ペアはほぼ無くなってしまうのです。
ですから中級レベルでしたら、親しみやすいクロス円でいて値動きが大きい「ユーロ/円」「ポンド/円」「豪ドル/円」も選択肢となってきます。
ただし米ドル/円以外のクロス円は値動きが大きいので、週明けの窓開けに注意してしっかりとストップロスを設定しておきましょう。
ドルストレートとユーロクロスにも注目
トレンドが発生しやすい通貨ペアに注目するなら、ドルストレートなどクロス円以外の通貨ペアも欠かせません。
中級以上の方なら、トレンドが継続しやすい「ポンド/米ドル」「豪ドル/米ドル」「ユーロ/ポンド」「ユーロ/豪ドル」の値動きにも注目してみてください。
ユーロ/円は世界でも取引量が多そうなイメージがありますが、上記4通貨ペアのうち、実はユーロ/円よりも「ポンド/米ドル」「豪ドル/米ドル」「ユーロ/ポンド」の方が取引量が多く流動性が高いです。
「ユーロ/豪ドル」は米ドル/円やユーロ/米ドルに比べると断然変動は大きいのですが、ショッキングな相場となっても、新興国通貨ほどの荒い値動きになることはそれほど起こりません。
低レバレッジで取り組めるスイングトレードですから、FXに慣れてきたら、広い視野でトレンドが出ている通貨ペアに注目することもポイントです。
スイングトレードの手法とチャート
それでは、スイングトレードの具体的な手法について見ていきましょう。
チャートの期間とテクニカル指標
まずはチャートの期間から解説していきます。
スイングトレードは中長期トレードですので、まずは週足と日足で大まかなトレンドの方向性を確認しましょう。
トレンド確認用 | 週足、日足で方向性を判断 |
---|---|
【2日〜5日程度】 短期のスイングトレード | 1時間足で売買タイミングを判断 |
【1週間〜4週間程度】 長期のスイングトレード | 4時間足で売買タイミングを判断 |
ローソク足は選択したひとつの期間を表しますので、FXでは取引期間に合わせた選び方をすることがポイントとなってきます。
1時間足のチャートを表示させ、移動平均線のゴールデンクロス、デッドクロスだけで売買判断するとしましょう。
そのときの通貨ペアごとのトレンド、移動平均線の設定によっても周期は異なってきますが、最短でも2〜3日程度のサイクルを見つけられるはずです。
これが、短期のスイングトレードで狙っていく一連のサイクルとなるのです。
トレンド系テクニカル指標を使う場合、まずは基本となる移動平均線や一目均衡表、ボリンジャーバンドなど定番のテクニカル指標を使うのがおすすめです。
多くのトレーダーが注目する通貨ペアで、なおかつ同じテクニカル指標ほど、同じポイントが注目される可能性が高いからです。
ですからテクニカル指標のパラメーターは自己流で凝る必要はなく、一般的な値から使いましょう。
スイングトレードは順張りが基本
スイングトレードは為替の大波に乗ってトレードするため、為替の一定の周期を見極めて売買を行います。
トレンドに乗った売買をすることから、※順張りの押し目買い(ロング)、戻り売り(ショート)が基本となります。
※順張りとは、上昇、または下降トレンドに乗ってトレードすること。
- 押し目買い:上昇トレンドのとき、一時的に下がった調整局面の安値で買うこと。
- 戻り売り:下降トレンドのとき、一時的に上がった調整局面の高値で売ること。
相場の天底を取れたらより大きな利益を狙えますが、天底を的確に捉えるのは難しくなかなかチャンスが到来しません。
ですから押し目買いと戻り売りによって、有利な地点でポジションの保有ができます。
そして新規エントリーのほか、買い増し・売り増しのポイントに使うことも可能です。
スイングトレードの押し目と戻りを探るにも、日足は役立ちます。
トレンドラインを引くときに転換となりうるレジスタンスゾーン、サポートゾーンを引いておけば、「◯日後あたりにゾーンを反発したら押し目買い/戻り売りできるな。」と目星を付けられますね。
日足で大まかな流れを掴んだら、1時間足や4時間足で的確な売買ポイントを判断しましょう。
もしショートで戻り売りを狙う場合、通貨ペアによってはスワップ金利分が日々マイナスとなります。
しかし微々たるスワップポイントを気にしていては、収益チャンスの通貨ペアを逃してしまう可能性があるため、できる限りトレンドがある通貨ペアであるかを中心に考えるのがおすすめです。
トレンドライン分析は水平線に注目
スイングトレードでは、押し安値(戻り高値)をつけた後にエントリーしたり、直近高値(直近安値)のブレイクアウトを狙って、トレンドが明確に現れてからエントリーする戦略も可能です。
「頭と尻尾はくれてやれ」という格言はまさにスイングトレードにピッタリで、トレンドの美味しいところだけ相場から頂戴するイメージですね。
これはいわゆるブレイクアウト手法といい、水平レジスタンス、水平サポートの転換点をブレイクアウトしたときにエントリーする手法となります。
上方にブレイクアウトしたときと区別して、下方にブレイクしたときは正しくはブレイクダウンといいますが、一般的には総称してブレイクアウト手法と呼ばれています。
押し目買い・戻り売りに比べると利幅は少なくなりますが、ブレイクアウト後にエントリーするやり方は精度にも期待できるため、初心者にもおすすめです。
先程のチャートのこちらにご注目ください。
この上昇トレンドの部分を4時間足で拡大したのが以下です。
サポートゾーンで押し目買いのタイミングを見失ったとしても、悲観することはありません。
水平線を使って、押し目前後の直近高値から引いた水平ラインのブレイクアウトを狙うことができます。
ただし、どんなに米ドル/円以外の通貨ペアでクロス円の取引をしようとしても、トレンドラインを描画するときは注意が必要です。
流動性が低い通貨ペアの短い時間足にトレンドラインを引いても、そもそも注目されておらず機能するとは限らないからです。
やはりスイングトレードでも、チャート分析を重視するなら、米ドル/円かユーロ/米ドルに注目しましょう。
ファンダメンタルズも重要
スキャルピング、デイトレードよりも取引回数が少ないからといって、完全放置でいいわけではありません。
長期目線のスイングトレードでは、政策金利や経済動向を読んで、先行きの大まかな方向性のシナリオを自分なりに組み立てていくことも大事です。
日々配信されるマーケットニュースや、経済指標の結果を追っていくのが手間なら、FX業者で配信されるマーケットレポートが分かりやすいです。
マーケットニュース、マーケットレポートはそれぞれFX業者ごとに配信内容に違いがあります。
多くのマーケット情報を取り入れたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
利幅、損切り幅、ロット数のポイント
スイングトレードでは、小さな値動きに惑わされて利確したり、小さな値動きに耐え切れずに損切りするようでは、大きな利益を追求することができません。
利食い幅はそれほど設定せず、テクニカルにしたがって判断するのが賢明です。
損切り幅も同様に、指定pipsで決めるのではなく、直近高値・直近安値のレートや、キリのいい節目となるレート、トレンドライン上のレートなどの外側(直近安値やサポートラインなら下方向)に設定することができます。
ロット数ですが、スイングトレードではデイトレード以上にレバレッジを抑える必要があります。
1米ドル=100円を例にします。
もし1,000通貨(1ロット)だけ取引するなら、10万円の入金だけでかなりレバレッジ1倍程度とかなり低く抑えることが可能です。
1万通貨で取引したいなら、10万円の入金だとレバレッジ10倍になるため、レバレッジ3倍に抑えるなら30万円が必要となります。
スイングトレードでは、レバレッジを抑えるために元手が多くなりがちですから、まずは1,000通貨対応の業者で始めるのがおすすめです。
入金予定額、取引予定額をイメージしたい方は、こちらの記事でレバレッジの計算をしてみてください。
スイングトレードの売買例
定番の移動平均線を使った、かんたんな売買条件をご紹介します。
- 陽線の終値が短期線(10)を上抜けたら買い
- デッドクロス、または陰線の終値が中期線(20)を下抜いたら買いを決済
- 陽線の終値が短期線(10)を下抜けたら売り
- ゴールデンクロス、または陽線の終値が中期線(20)を下抜いたら売りを決済
この買い、売り、決済のポイントを1時間足に描いたチャートが以下です。
こうしてみると、1時間足なら1日〜4日程度のサイクルで短期スイングトレードの売買タイミングがあることが確認できますね。
スイングトレードをするなら、まずは定番の移動平均線やトレンドラインを使って見極めていきましょう。
スイングトレードのポイント
- 上昇トレンド・下降トレンドを見極めて、順張りで取引をする。
- テクニカル指標で、一定の周期の波に乗れるような分析する。
- レバレッジは抑えめにし、損切りラインもしっかり決めておく。
- 流動性が高く、トレンドが継続している通貨ペアに注目。
- トレール注文は便利な注文方法だが、使い方にはある程度の慣れも必要。
- キャピタルゲイン(為替差益)だけではなく、インカムゲイン(金利差益)も狙えるが、スワップポイントは重視しないのがコツ。
こちらのページでは、押し目買い・戻り売りをレジスタンスゾーン、サポートゾーンでご紹介しましたが、ディナポリチャートでDMAという移動平均線を使ったテクニックもあります。
一般的な移動平均線でも使うことができるので、スイングトレードの参考にぜひご覧ください。
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スイングトレードのよくあるご質問
スイングトレードの気になるコトをまとめました。