FXのボラティリティとは?ボラを判断するテクニカル指標と見方

FXをやり始めてくると「ボラティリティ」というフレーズが耳に入ってきた経験はあるのではないでしょうか。

初心者の方は、ボラティリティと聞いてもパッとイメージしにくいかも知れません。

ボラティリティを知ると、現在為替が動いているのかが掴みやすくなり、変動の大きい通貨ペアを狙ったトレードにも生かすことができます。

それではボラティリティについて詳しく解説していきます。

ボラティリティは「価格の変動率」

ボラティリティ(volatility)とは、価格の変動率のことです。略して「ボラ」と呼ばれています。

わかりやすく言うと、指定期間中に、為替レートがどのくらい上下に動いたかを数値で表したものです。

FXの日常会話では、相場が激しく動いているときは「ボラが高い」「ボラがある」と使われています。

逆に、値動きが穏やかで上下の変動が小さい、レンジ相場のような局面のときは「ボラが低い」「ボラがない」と使われています。

こちらは、とある1日の5分足チャートです。

ボラの低い相場とボラの高い相場

日中は値動きが穏やかで上下の変動が小さいため「ボラの低い相場」と判断できます。
夕方〜深夜になると相場に動きが出てきているため「ボラの高い相場」と見ることができます。

つまりボラを判断することで、良質なトレード機会を得ることができます。

それは、ボラの大きさは利益に直結するからです。
変動率を見るということは、今どの通貨ペアにトレードチャンスがあるかを確認するということ。
これが、ボラを判断することの大きな役目という訳です。

ボラが高くなる時間帯

「FXを始めるなら、入門向けなのはお昼頃の米ドル/円!」

という話を聞いたことはありますか?

その理由は、主要な欧州やアメリカのマーケットが眠っている時間帯だからです。

値動きの穏やかな傾向の米ドル/円といえど、夕方になると大きく動き出してくるので、朝方〜日中の値動きがもっとも穏やかなのです。

そのため、「損失となるリスクが少ないから、入門向けの時間帯」というのが話のカラクリなのです。

三大外国為替市場の時間帯
  • 東京市場 9:00〜17:00(コアタイム 9:00〜15:00)
  • ロンドン市場 夏:16:00〜1:00、冬:17:00〜2:00
  • NY市場 夏21:00〜6:00、冬:22:00〜7:00

FXでは、取引する時間帯によってもボラの高低は存在します。

日中の時点で静かだった相場が、夕方になるとロンドン勢の参入により、マーケットが豹変して流れが変わってきやすいです。

そしてもっともボラが高くなるのは、日本時間にして21:00〜2:00頃、つまりロンドン市場とニューヨーク市場が同時に動いて活発になるときです。

この時間は普段サラリーマンをしている方も売買しやすく、大きな変動を好むトレーダーが好んで取引しています。

主要市場の判断ならJFXのMT4インジケーターが便利!

時間帯ごとの値動き判断に便利なのが、JFXの会員限定で使える、分析専用MT4チャートです。

JFXでは16種類のオリジナルMT4インジケーターを提供していますが、そのうちこのタイムゾーンレンジ(JFX-TimeZoneRange)は、チャート上で市場時間帯別(東京時間・ロンドン時間・NY時間)に色分け・可視化したものです。

JFXのオリジナルMT4インジケーター「TimeZoneRange(タイムゾーンレンジ)」

時間帯は最大4つまで登録でき、時間帯の変更も可能です。

各市場の高値・安値を閲覧できる点も秀逸で、このインジケーターを使うことで市場ごとの値動きを分析したり、市場をまたぐ前に決済する使い方に役立てることができます。

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通貨ペアごとのボラは取引量で決まる

取引量が多いメジャー通貨ほどボラが低く、取引量が少ないマイナー通貨ほどボラが高くなります。

取引量が多い通貨ペア・少ない通貨ペアのチャートの違い
米ドル/円とトルコリラ円 5分足の違い

またその時々によってボラの高低は変わりますが、値動きの特徴も通貨ペアごとに違いがあるのです。

ボラの低い通貨ペア

まず安定した値動きをする通貨ペアといえば、FXの入門としてもおなじみの「米ドル/円」です。
世界の基軸通貨である米ドルと、世界で3番目に流通量のある日本円の組み合わせですので、穏やかな値動きをする傾向があります。

もうひとつ、ボラの低い通貨ペアの代表となるのが「ユーロ/米ドル」です。
米ドルと世界第2位の流通量を誇るユーロとの組み合わせであり、世界でもっとも取引されている通貨ペアですから、値動きが穏やかな傾向があるのもお分かりいただけるかと思います。

ボラの高い通貨ペア

反対に、ボラが高い通貨として知られていて人気なのが、英ポンドです。
英ポンドは日本円に次いで世界で4番目に流通している通貨です。

しかし日本円に比べても流通量が少なく、投機的な売買のターゲットともされていることから、大きく乱高下しやすいのが特徴です。

例えば米ドル/円が1円動いているとき、ポンド/円なら3円動くこともある位変動が激しいことから、殺人通貨との異名があるほどです。

また、スワップトレードで人気のトルコリラや南アフリカランドなど、俗にマイナー通貨と呼ばれる高金利通貨は、前途の通り流通量の少なさによってボラが大きい特徴があります。

ボラを判断できるテクニカル指標の見方

それでは一体、ボラはどうやって見極めたらいいのか?
そこで活用するのがテクニカル指標です。

ほとんどのFX会社のチャートで利用できる、ボラを分析する代表的なテクニカル指標をご紹介します。

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンド
参考チャート:GMOクリック証券

チャート分析の定番ボリンジャーバンドは、価格は平均からどのくらい離れているかを示すテクニカル指標です。
バンドの幅が拡がればボラが高くなり、バンドの幅が狭ければボラが低いことを表します。

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ボリンジャーバンドの見方・使い方

ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)

ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)
参考チャート:ゴールデンウェイ・ジャパン

ボラティリティ分析で有名なのがATRです。
ATRはボラティリティ(変動率)の強弱を測り、売られすぎ・買われすぎといった相場の過熱感を判断するテクニカル指標です。

なおATRはここで買い・売りといった売買シグナルを示すテクニカル指標ではありません。
単純に価格変動が激しくなれば上昇し、価格変動が小さくなってきたら下落する、というもの。

MT4ならATRのインジケーターがデフォルトで用意されていますので、ぜひお試しください。

DMI/ADX

DMI/ADXをチャートに表示した例
参考チャート:外為どっとコム「G.comチャート」

通常DMIとADXはセットで分析に用いられます。

DMIは上昇トレンド・下降トレンドを測り、ADXではトレンドの方向性(強さ)を測っていきます。
ADXは単体ではあまり使いませんが、トレンドが強くなってきたら上昇し、弱まってきたら下落しますので、強弱の判断に活用ができます。

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DMI/ADXの見方・使い方

HV(ヒストリカル・ボラティリティ)

HV(ヒストリカル・ボラティリティ)
参考チャート:DMM FX

ヒストリカル・ボラティリティはATRと同様、何らかの売買シグナルを示すテクニカル指標ではありません。
しかしながら変動率そのものだけを見たい時に重宝するテクニカル指標です。

為替レートの上昇・下落に関わらず、単純に変動幅が大きくなればHVは上昇し、一定の変動幅で動いてくるとHVは下落してきます。

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ヒストリカル・ボラティリティの見方・使い方

RVI

RVI
参考チャート:GMOクリック証券

RVI(Relative Volatility Index)は相場のボラティリティの拡大・縮小を表すテクニカル指標です。
中心の0(ゼロ)より下に推移するならボラの縮小、上に推移するならボラの拡大と判断します。

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RVIの見方・使い方

ボラをチェックできるツール

テクニカル指標を使わなくても、FX業者のツールでボラの確認をすることが可能です。
手軽に通貨ペアごとの変動率をチェックできるサービスをご紹介します。

JFX 「ボラティリティ表」

スキャルピングを公式サポートするJFXだけあって、スキャルピングやデイトレードに使いやすいボラティリティ表を提供しています。

こちらでは取引時間帯か時間足、どちらかを指定して通貨ペアごとのボラティリティをチェックすることができます。

  • 取引時間帯:オセアニア(5:00-13:00)、東京(9:00-17:00)、ロンドン(17:00-25:00)、ニューヨーク(22:00-7:00)
  • 時間足:5分足、10分足、1時間足、日足

例えば取引時間帯がニューヨーク時間なら、ニューヨーク時間の時間足ごとに動きやすい通貨ペアを見れます。

JFXのボラティリティ表(取引時間帯で指定)
指定時間帯のボラを分析

時間足指定で5分足なら、各市場時間帯において5分足で動きやすい通貨ペアを見れます。

JFXのボラティリティ表(時間足で指定)
時間足ごとのボラを分析

平均で何pips動いているかランキングで閲覧できるため、値動きの大きい通貨ペア探しに役立てることができます。

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ヒロセ通商「ボラティリティ表」

ヒロセ通商ボラティリティ表では、通貨ごとの変動幅をチェックすることができます。

以下条件ごとに、通貨ペアごとのボラをチェックすることができます。

  • 指定期間合計(期間指定・前週・前月)か営業日ごと
  • 全通貨ペアか指定通貨ペア

ボラティリティ表の使い方
例えば期間合計であれば、その期間中のボラが高い通貨ペア順に表示されます。
ボラティリティ表では、直近で変動の大きい通貨ペアを一目で確認できる点が便利です。

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マネーパートナーズ「変動率」

マネーパートナーズの変動率・高安差では、取り扱っている通貨ペアにおける前週の変動率をランキングで閲覧できます。

マネーパートナーズの変動率

任意の期間で変動率の推移を見ることも可能です。

このほか高安差では、高値・安値による上下のpips数が多い順にランキングで見ることもできます。

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OANDA証券「ボラティリティ グラフチャート」

OANDA証券のボラティリティ グラフチャートでは、FX/CFDの各銘柄ごとにボラティリティを確認できます。

FXは28通貨ペア、CFDは15銘柄が対応しており、日別/時間帯別/曜日別に、任意の期間で表示可能です。

OANDA証券のボラティリティ グラフチャート

どの時間帯にどれくらい動いているか、直感的に閲覧できるツールとなっています。

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みんなのFX「通貨強弱」

他社では通貨ペアごとの変動率を見れるボラティリティツールが提供されていますが、みんなのFX通貨強弱では「通貨ごと」の強さ・弱さを判断することができます。

通貨強弱では強くなってきた通貨(買われている通貨)が上昇し、弱くなってきた通貨(売られている通貨)が下落します。
そのため値動きが大きくなってボラが出てきた通貨ペアを、かんたんに見つけることができます。

みんなのFX Webブラウザ版「FXトレーダー」の通貨強弱チャート
「FXトレーダー」の通貨強弱チャート

上記を例にするなら米ドル買い・メキシコペソ/トルコリラ売りなので、米ドル/メキシコペソなどを買いで仕掛ける、といった見方ができます。

今のマーケットにおいて、「どの通貨ペアを選ぶと取引チャンスか、どちらの方向にエントリーすべきか」最適な組み合わせが一目瞭然です。

PC取引ツール、スマートフォンアプリどちらでもログインすれば閲覧できますので、ご利用したい方は口座開設を行いましょう。

みんなのFXはスプレッドが狭いので、デイトレードなどで短期のボラを狙った売買とも相性が抜群の業者です。

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