ノックアウトオプションはどんな取引?
そもそもノックアウトオプションとはどんな金融商品なのか、基本から解説します。
ノックアウトオプションはオプション取引の一種です。
オプション取引と聞くと難しいイメージがあるかもしれませんが、FXと同じ感覚で取引ができ、仕組み自体は難しくありません。
以下は、IG証券の取引画面です。
ご覧のとおり、FXやCFDと似た画面ですが、注文画面に違いがありながらもシンプルな作りとなっているのが分かりますね。
そしてノックアウトオプションでは、複数のノックアウト価格が用意されており、それぞれ異なるオプション料が設定されています。
予想に反してノックアウト価格に達した時点で損失が確定しますが、ノックアウト価格の到達前なら事前に損切りしたり、予想した方向に推移していれば任意のタイミングで利益確定ができます。
この画期的な仕組みにより、FXと同じ感覚ながらも少額で取引できることで、今もっとも注目の金融商品といえるほど人気を呼んでいます。
- 損失リスクは限定的で、利益は無限大!
- ノックアウト価格(損切りレート)を事前に決めて、損失はオプション料のみ。
- オプション料以上の損失は絶対に発生しない。
- 成行で注文し、指値(利食い)、逆指値(損切り)で決済が可能。
- ポジションの保有は最長で1年間まで。
- FXでおなじみの通貨ペアや株価指数、商品などの銘柄を取引できる。
仕組みの違いにより、FXよりも圧倒的に資金効率がよい!
FXの最大レバレッジは25倍ですが、1pips変動すると強制ロスカットになるため、実質25倍では取引できません。
(※ロスカット水準が100%の場合)
米ドル/円が110円のとき、FXでは1Lotあたりの必要な金額は44,000円となります。
1Lotのポジションを保有する場合、10pips未満の損失に耐えるには、45,000円が口座に必要となります。
レートが同じ110円とすれば、50pips未満の損失に耐えるなら1Lotあたり49,000円、100pips未満なら1Lotあたり54,000円を元手として FX口座に用意しなければいけません。
以下をご覧のとおり、ノックアウトオプションは、注文に必要なオプション料そのものが損失額となる、分かりやすいシステムとなっています。
FX:強制ロスカットレート KO:ノックアウト価格 (損失までの値幅) | 必要資金 と損失額 | ノックアウト オプションの場合 | FXの場合 |
---|---|---|---|
109円90銭 (10pips) | 口座資金 | 1,200円 | 45,000円 (レバレッジ24倍) |
損失額 | 1,200円 | 1,000円 | |
109円50銭 (50pips) | 口座資金 | 5,200円 | 49,000円 (レバレッジ22倍) |
損失額 | 5,200円 | 5,000円 | |
109円 (100pips) | 口座資金 | 10,200円 | 54,000円 (レバレッジ20倍) |
損失額 | 10,200円 | 10,000円 |
ノックアウトオプションでは、ノックアウト価格(ノックアウトレベル)という最終撤退ラインを自分で設定します。
予想に反した方向に大きく動いても、取引に必要なオプション料そのものが最大損失額となります。
そしてFXと異なり、ノックアウトオプションにはレバレッジ自体の概念はありません。
しかし、実質10,000米ドルの取引をするのに、最小1,000円前後で取引することができます。
仕組みは違いますが、これをFXに置き換えると「1,200円の資金で10,000米ドルの取引ができる」ため、実質のレバレッジはなんと「約1,000倍相当」となるのです。
海外FXよりも税制が有利!
オプション取引は取引期限がある金融商品です。
その仕組みをベースとしたノックアウトオプションは、あらかじめ強固なノックアウト価格でオプション料以上の損失を出しません。
そもそもノックアウトオプションとは、満期までにノックアウト価格に達すれば権利が消滅(つまりノックアウトのこと)する取引です。
つまりトレーダー側に保有期間で不利な条件が設定されていることから、オプションの購入額が安く済むカラクリなんですね。
もともと日本国内のFXでは、顧客が証拠金以上の損失をしないためにレバレッジの規制が厳しくなってきた背景がありますが、ノックアウトオプションはこういった問題をクリアした設計となっています。
現状、レバレッジ規制がない海外FXで資金効率を求めるトレーダーも多く存在します。
しかしノックアウトオプションの高い資金効率とリスク管理によって、もはや海外FXを使う理由はないでしょう。
税制面を見ても、海外FXは総合課税で最大45%に対し、ノックアウトオプションはFXと同じ申告分離課税で20.315%ですので、利益を出しても税金を抑えることができます。
こういった理由で、海外FXから乗り換えるトレーダーが後を立たず、IG証券のノックアウトオプションが今注目を浴びているのです。
国内ではIG証券、FOREX.com、FXTFの3社がサービスを提供していますが、すべて金融庁認可済みの業者ですので、安心して取引することができます。
ノックアウトオプションの仕組み
それではもっと詳しく、ノックアウトオプションの仕組みを見ていきましょう。
ノックアウトオプションでは多彩な資産クラスが用意されており、FXと同じく為替のほか、CFDでおなじみの株価指数、商品が用意されています。
資産クラス | 銘柄の例 |
---|---|
FX | 米ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円、ユーロ/米ドルなど |
株価指数 | 日経225、NYダウ、ナスダック100、ドイツ40など |
商品 | 金、銀、原油など |
その他 | VIX指数など |
もし米ドル/円なら、実際に米ドルの現物を保有するわけではなく、為替レートを参照とした値動きで取引していきます。
新規で注文する前に必ず、「ノックアウト価格(=ノックアウトレベルとも言う)」を決定します。
FXではちょうど強制ロスカットにあたるイメージで、損切りレベルを自分で決めます。
そして前述しましたが、オプション料=最大損失額となります。
ノックアウト価格は、現在レートに近いほどオプション料は安くなります。
逆に、現在レートから離れるほどオプション料は高くなります。
現在レートから最低数pips離した位置で注文もできますが、すぐにノックアウト価格に達してしまいやすいことも考えて決めましょう。
※ノックアウト価格は相場動向や銘柄によって変動します。
一度ノックアウト価格を決めて新規注文したら、その後はノックアウト価格は変更することができませんので、しっかり理解しておいてください。
FXとノックアウトオプションの違い
FXでは損失が膨らんでも、証拠金に余裕があればロスカットされません。
たとえ含み損が大きくなっても、1年半後に相場が転換し、含み損がなくなってから決済すれば利益になります。
しかしノックアウトオプションは「取引期限」「最大損失額」が明快です。
FXとノックアウトオプションの大きな違い
- ノックアウトオプションは最大1年間の期限がある
- ノックアウト価格に達したら、必ず最大損失額が確定する
ノックアウトオプションでは、銘柄ごとに満期(取引期限)の日時が決まってます。
例えば8月4日が取引期限の銘柄を新規注文したいなら、1ヶ月前の7月4日までに新規注文を完了させる必要があります。
つまり新規注文する時期にもよりますが、ノックアウト価格に達せず、利食い・損切りをしない場合、ノックアウトオプションは最短1ヶ月〜最長1年間の取引となります。
このように商品自体による制限が、FXとの大きな違いです。
FXなら長期的に含み損を耐える戦略もできますが、ノックアウトオプションは最大1年以内にノックアウト価格へ達したら、最大損失が確定してしまいます。
そのため長期トレード向きの商品設計ではありません。
その代わり、スキャルピング、デイトレード、また取引期限を見極めて最大数ヶ月のスイングトレードを行うことができます。
ノックアウト価格に達したら損失が確定
FXではスリッページによって証拠金以上の損失となってしまうケースもあります。
しかしノックアウトオプションでは、ノックアウト価格に達したら、スリッページせずに決済されます。
以下は上昇すると予測して買ったあと、予測に反して下落した例です。
どんなに下落しようと、スリッページすることもなく、ノックアウト価格を下回って決済されることはありません。
いわゆる海外FXでいうところの「ゼロカット」と呼ばれるシステムに該当しますね。
なお、IG証券ではノックアウト価格に達したら、※ノックアウト・プレミアムという手数料を徴収されますが、FOREX.comでは手数料は発生しない、システム上による違いもあります。
※ノックアウト価格に達しなければ、ノックアウト・プレミアムは発生しません。
指値・逆指値で利食い・損切りも可能
新規注文は成行注文に限定されますが、最初に注文するときに指値注文(利食い)、逆指値注文(損切り)を同時に発注することができます。
新規注文 | 成行注文 |
---|---|
決済注文 | 指値注文 逆指値注文 |
一度設定して発注したノックアウト価格は変更できませんが、新規発注後でも、決済の指値/逆指値が約定前なら自由に変更可能です。
例えば、想定どおりマーケットが上昇していけば、成行で反対売買を行って決済したり、指値をコツコツ引き上げて利益の最大化を狙ったり、逆指値も引き上げて損失を最小限に留めるトレードができます。
スワップポイントも発生する
FXと同じように、ノックアウトオプションでもスワップポイントの受け取り/支払いが発生します。
そのため受け取り側のポジションを保有することで、保有日数に応じてスワップポイントを受け取ることができます。
ノックアウトオプション自体が中長期の取引ではないため、スワップポイントを狙ったトレード向きではありませんが、保有ポジションの方向によっては、金利差益を得ることも可能です。
ノックアウトオプションについては、こちらの記事も合わせてどうぞ。
ノックアウトオプション取引でおすすめの業者
ノックアウトオプションは、国内で以下の3業者がサービスを提供しています。
IG証券「ノックアウトオプション」
日本国内で初めてノックアウトオプションの提供をスタートさせたのがIG証券です。
ノックアウトオプションはマイナー通貨ペアまで網羅しており、世界各国の株価指数、金、銀、原油などの商品まで、全152銘柄と圧倒的な取扱数を誇ります。
さらにIG証券のノックアウトオプションはスプレッドが狭いので、取引コストを売買益で回収・収益化しやすい環境が整っています。
無期限のデモ口座で満足できるまで練習できることもIG証券ならではの魅力です。攻守に優れた金融商品を取引するなら、IG証券がイチオシの業者です。
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FOREX.com「ノックアウトオプション」
FOREX.comでは「ノックアウト・プレミアム(保証料)が完全無料」「1,000通貨対応」「高機能チャートTradingViewを利用可能」とハイスペックが特徴のノックアウトオプション・サービスを提供!
ノックアウト・プレミアムがかからないため、スプレッドを加味してもIG証券に比べて低コストなので、ノックアウト・レベルに達することなく利益を狙うなら、FOREX.comがおすすめです。
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FXTF「FX KO」
FXTFのノックアウトオプションでは、FX7通貨ペア、商品4銘柄を提供しています。
分かりやすさが特徴の取引システムでは高機能チャート「TradingView」で分析もでき、デモトレードで練習も可能です。
取引期限が長い他社に比べると、FXTFは最大1日のため保有期間が短い反面、最狭水準スプレッドが最大の魅力です。
低スプレッドで売買したい方は、FXTFのノックアウトオプションをチョイスしてみてください。
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ノックアウトオプションのよくあるご質問
ノックアウトオプションの気になるコトをまとめました。