ノックアウトオプションはどんな取引?

そもそもノックアウトオプションとはどんな金融商品なのか、基本から解説します。
- 損失リスクは限定的で、利益は無限大!
- ノックアウト価格(損切りレート)を事前に決めて、損失はオプション料のみ。
- オプション料以上の損失は絶対に発生しない。
- 成行で注文し、指値(利食い)、逆指値(損切り)で決済が可能。
- ポジションの保有は最長で1年間まで。
- FXでおなじみの通貨ペアや株価指数、商品などの銘柄を取引できる。
ノックアウトオプションはオプション取引の一種です。
オプション取引と聞くと難しいイメージがあるかもしれませんが、FXと同じ感覚で取引ができ、仕組み自体は難しくありません。
上昇を予想する例を見てみよう
まずは、上昇を予想する場合を例に解説します。
ノックアウトオプションでは上昇をブル、下落をブルと呼んでいます。
FXでいうと、ブル=買い、ベア=売りとなります。


新規で注文する前に必ず、「ノックアウト価格(=ノックアウトレベルともいう)」を決めます。
複数のノックアウト価格が用意されており、それぞれ異なるオプション料が設定されています。
そして、オプション料=最大損失額となります。
ノックアウト価格で最大損失が決まっている
ノックアウト価格とは、「強制ロスカット」「最終損切りライン」「最終撤退ライン」のイメージです。
予想に反してノックアウト価格に達した時点で損失が確定し、「購入額そのものが損失」となります。


このノックアウト価格に達しなければ、損失は発生しません。
つまり、最初の購入時点で最大損失額が決まっているという明快なルールもまた、ノックアウトオプションの魅力なのです。
ノックアウト価格の決め方
ノックアウト価格は、現在レートに近いほどオプション料は安くなります。
逆に、現在レートから離れるほどオプション料は高くなります。


現在レートから最低数pips離した位置で注文もできますが、すぐにノックアウト価格に達してしまいやすいことも考えて決めましょう。
※ノックアウト価格は相場動向や銘柄によって変動します。
一度ノックアウト価格を決めて新規注文したら、その後はノックアウト価格は変更することができませんので、しっかり理解しておいてください。
満期までは自由に保有できる
逆に、予想通りに上昇した場合、満期(取引期間)までは自由にポジションの保有ができます。


つまり、ノックアウトオプションは「損失は限定」「利益は無限大」という特徴を持った投資ということです。


なお、満期までの取引期限は業者ごとに異なります。
指値・逆指値で利食い・損切りも可能
ノックアウトオプションの新規注文は、成行注文です。
この新規注文時に、指値注文(利食い)、逆指値注文(損切り)を同時に発注できます。


新規注文 | 成行注文 |
---|---|
決済注文 | 成行注文 指値注文 逆指値注文 |
一度設定して発注したノックアウト価格は変更できませんが、新規発注後でも、決済の指値/逆指値が約定前なら自由に変更可能です。
例えば、想定どおりマーケットが上昇していけば、成行で反対売買を行って決済したり、指値をコツコツ引き上げて利益の最大化を狙ったり、逆指値も引き上げて損失を最小限に留めるトレードができます。
なおPlus500証券のノックアウトオプションでは、国内で唯一決済トレール注文が対応しています。
決済トレール注文を使いたい方はご検討してみてください。
仕組みの違いにより、FXよりも圧倒的に資金効率がよい!
ノックアウトオプションではノックアウト価格ごとに購入額が異なりますが、FXと比べても少額から取引を行うことができます。
FXの最大レバレッジは25倍ですが、1pips変動すると強制ロスカットになるため、実質25倍では取引できません。
(※ロスカット水準が100%の場合)
そのため、証拠金よりも多くの元手が必要となります。
米ドル/円が110円のとき、FXでは1Lotあたりの必要な金額は44,000円となります。
1Lotのポジションを保有する場合、10pips未満の損失に耐えるには、45,000円が口座に必要となります。
レートが同じ110円とすれば、50pips未満の損失に耐えるなら1Lotあたり49,000円、100pips未満なら1Lotあたり54,000円を元手として FX口座に用意しなければいけません。
しかし、ノックアウトオプションは注文に必要なオプション料そのものが損失額となる、分かりやすい仕組みです。
取引にあたり、必要な資金と損失額の例をご覧ください。
最終撤退価格 ※FX:強制ロスカットレート ※KO:ノックアウト価格 (損失までの値幅) | 必要資金と損失額 | ||
---|---|---|---|
資金/損失 | ノックアウト オプション | FX | |
109円90銭 (10pips) | 口座資金 | 1,200円 | 45,000円 (レバレッジ24倍) |
損失額 | 1,200円 | 1,000円 | |
109円50銭 (50pips) | 口座資金 | 5,200円 | 49,000円 (レバレッジ22倍) |
損失額 | 5,200円 | 5,000円 | |
109円 (100pips) | 口座資金 | 10,200円 | 54,000円 (レバレッジ20倍) |
損失額 | 10,200円 | 10,000円 |
そしてFXと異なり、ノックアウトオプションにはレバレッジ自体の概念はありません。
しかし、実質10,000米ドル(10,000通貨)の取引をするのに、最小1,000円前後で取引することができます。
仕組みは違いますが、これをFXに置き換えると「1,200円の資金で10,000米ドルの取引ができる」ため、実質のレバレッジはなんと「約1,000倍相当」となるのです。
ノックアウトオプションの取引画面を見てみよう
以下は、IG証券の取引画面です。


ご覧のとおり、FXと似ていることが分かりますね。
注文画面に違いはあるものの、シンプルな作りとなっており、FXと同じ感覚で取引できる金融商品となっています。
ノックアウトオプション4つの魅力
ノックアウトオプションには、その商品設計による魅力も備えています。
オプション料以上の損失がない
オプション取引は取引期限がある金融商品です。
その仕組みをベースとしたノックアウトオプションは、オプション料以上の損失となることはありません。
そもそもノックアウトオプションとは、満期までにノックアウト価格に達すれば権利が消滅(=ノックアウトのこと)する取引です。
つまり、トレーダー側に保有期間で不利な条件が設定されていることから、オプションの購入額が安く済むカラクリなのです。
もともと日本国内のFXでは、顧客が証拠金以上の損失をしないために、レバレッジの規制が厳しくなってきた背景があります。
ノックアウトオプションは、こうした問題をクリアした設計となっています。
海外FXよりも税制が有利!
現状、レバレッジ規制がない海外FXで資金効率を求めるトレーダーも多く存在します。
しかしノックアウトオプションの高い資金効率とリスク管理によって、もはや海外FXを使う理由はないでしょう。


税制面を見ても、海外FXは総合課税で最大45%に対し、ノックアウトオプションはFXと同じ申告分離課税で20.315%ですので、利益を出しても税金を抑えることができます。
こういった理由で、海外FXから乗り換えるトレーダーが後を立たず、とくにIG証券のノックアウトオプションが注目を集めているのです。
国内ではIG証券、FOREX.com、FXTF、Plus500証券の4社がサービスを提供していますが、すべて金融庁認可済みの業者ですので、安心して取引することができます。
多彩な銘柄を取引できる
ノックアウトオプションでは、多彩な資産クラスが用意されています。
FXと同じく外国為替のほか、CFDでおなじみの株価指数、株式、商品、暗号資産と多彩です。
資産クラス | 銘柄の例 |
---|---|
FX | 米ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円、ユーロ/米ドルなど |
株価指数 | 日経225、NYダウ、ナスダック100、ドイツ40など |
株式 | TOYOTA、任天堂、NVIDIA(エヌビディア)、Apple(アップル)など |
商品 | 金、銀、原油など |
暗号資産 | ビットコイン、イーサリアムなど |
バラエティ (その他) | VIX指数など |
もし米ドル/円の取引であれば、実際に米ドルの現物を保有するわけではなく、為替レートを参照とした「値動きそのもの」が投資の対象となります。
現在、株式ノックアウトオプションとVIXノックアウトオプションはIG証券のみ、暗号資産ノックアウトオプションはFXTFのみが提供しています。
スワップポイントの受け取りも可能!
FXと同じように、ノックアウトオプションでもスワップポイントの受け取り・支払いが発生します。
そのため受け取り側のポジションを保有することで、保有日数に応じてスワップポイントを受け取ることができます。
ノックアウトオプション自体が中長期の取引ではないため、スワップポイントを狙ったトレード向きではありませんが、保有ポジションの方向によっては、金利差益を得ることも可能です。
FXとノックアウトオプションの違い
FXでは損失が膨らんでも、証拠金に余裕があればロスカットされません。
たとえ含み損が大きくなっても、1年半後に相場が転換し、含み損がなくなってから決済すれば利益になります。
しかしノックアウトオプションは「取引期限」「最大損失額」が明快です。
FXとノックアウトオプションの大きな違い
- ノックアウトオプションは最大1年間の期限がある
- 損失確定時はスリッページせずに決済される
- ノックアウト・プレミアムが発生する
満期(取引期限)が決まっている
ノックアウトオプションでは、銘柄ごとに満期(取引期限)の日時が決まってます。
例えば、8月4日が取引期限となる銘柄を保有をしたいなら、その1ヶ月前の7月4日までに新規注文を完了させる必要があります。


つまり、新規注文の時期にもよりますが、ノックアウト価格に達することなく満期まで保有する場合、ノックアウトオプションは最短1ヶ月〜最長1年間の取引となります。
このように、商品自体に取引期間の制限があることが、FXとの大きな違いです。
FXなら長期的に含み損を耐える戦略もできますが、ノックアウトオプションは最大1年以内にノックアウト価格へ達したら、最大損失が確定してしまいます。
そのため長期トレード向きの商品設計ではありません。
その代わり、スキャルピング、デイトレード、また取引期限を見極めて最大数ヶ月のスイングトレードを行うことができます。
損失確定時はスリッページせずに決済される
FXではスリッページによって証拠金以上の損失となってしまうケースもあります。
しかしノックアウトオプションでは、ノックアウト価格に達したら、スリッページせずに決済されます。
以下は、上昇すると予想して買ったあと、予想に反して下落した例です。


急変動によって急激に下落したとしても、スリッページすることもなく、ノックアウト価格を下回って決済されることはありません。
いわゆる海外FXでいうところの「ゼロカット」と呼ばれるシステムに該当しますね。
ノックアウト・プレミアムが発生する
ノックアウトオプションでは、ノックアウト価格に達したら、ノックアウト・プレミアムという手数料を徴収されます。
ただしノックアウト価格に達しなければ、ノックアウト・プレミアムは一切発生しません。
ノックアウト・プレミアムはFOREX.comでは発生しません。
ノックアウト・プレミアムは米ドル/円で0.3銭〜2.0銭となっており、コスト的にはそれほど高くはありませんのでご安心ください。
IG証券、Plus500証券、FXTFの3社で発生し、ノックアウト決済以外での決済の場合、IG証券とPlus500証券では返金されます。
このように、業者ごとに異なる仕組みが採用されています。
ノックアウトオプション【まとめ】
ノックアウトオプションは、取引方向(ブル・ベア)とノックアウト価格を決めて売買を行う取引です。


ノックアウト価格の到達前に損切りしたり、予想方向に推移していれば任意のタイミングで利益確定ができます。
つまりFXとバイナリーオプションのいいとこどりの金融商品、といったイメージですね。
資金効率の高さにより少額から取引ができ、ノックアウト価格でのバリアによって「FXでいう証拠金以上の損失」となる心配もありません。


この画期的な仕組みにより、FXと同じ感覚で少額で取引できるだけではなく、リスク管理にも優れた設計です。
攻守に優れたノックアウトオプションは、今もっとも注目の金融商品として人気を集めています。
ノックアウトオプション取り扱い業者について
各社のノックアウトオプションは、以下の記事で詳しく解説しています。








各社の取り扱い銘柄や取引単位、スプレッドなどの違いは、以下の記事で比較しています。




ノックアウトオプション取引でおすすめの業者
ノックアウトオプションは、国内で以下の4業者がサービスを提供しています。
IG証券「ノックアウトオプション」


ノックアウトオプションを日本で初めて提供したのがIG証券です。
主要通貨はもちろん、マイナー通貨や株価指数、金・銀・原油など、約500銘柄に対応しており、圧倒的な取扱数を誇ります。
2025年1月には、日本株と米国株を対象にした株式ノックアウトオプションもスタート!
たとえば話題のNVIDIA(エヌビディア)なども、損失リスクを限定しながら利益を狙えるのが魅力です。
スプレッドが狭いため、取引コストを抑えて利益を追求しやすいこともIG証券ならではの特徴です。さらに、無期限のデモ口座で納得いくまで練習できるため、初心者でも安心してスタートできます。
攻めと守りのバランスに優れたノックアウトオプションを取引するなら、IG証券がおすすめです。
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FOREX.com「ノックアウトオプション」


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FXTF「FX KO」


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Plus500証券 ノックアウトオプション


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ノックアウトオプションのよくあるご質問
ノックアウトオプションの気になるコトをまとめました。