ノックアウトオプションで「指値注文」「逆指値注文」を使いこなせていますか?
すでにFXの経験がある方なら、とくに意識することなく使いこなせているでしょう。
しかしFXもノックアウトオプションも未経験の初心者の方は、指値注文や逆指値注文といっても、なかなか理解しにくいかもしれません。
「指値注文=今より有利な価格で約定」「逆指値注文=不利な価格で約定」といっても、ちょっとイメージしにくいのではないでしょうか。
ノックアウトオプションでは、FXでいう複合注文(IFD注文、OCO注文、IFD-OCO注文など)が提供されていません。
ですから指値注文と逆指値注文を理解して使いこなせるようになると、取引を有利に進めるのに役立ちます。
そこで指値注文と逆指値注文の基本から、実際のノックアウトオプション取引画面での使い方までご紹介します。
ノックアウトオプションと指値・逆指値
まず前提として、ノックアウトオプションでは新規で注文するときは「成行注文のみ」となります。
そして、ノックアウトオプションで使える指値注文と逆指値注文は、決済時のみ使える注文方法となります。
まとめると下記の通りです。
新規注文 | 成行注文のみ |
---|---|
決済注文 | 成行注文 指値注文(利食い) 逆指値注文(損切り) |
IG証券のノックアウトオプションを例に、実際の画面で見ていきましょう。
以下は上昇と予想するときの指値注文、逆指値注文、ノックアウト価格(ノックアウトレベル)の位置関係です。
成行注文も含めて、まずはどんな投資でも基本となる、3つの注文方法についておさらいしていきましょう。
価格を指定せずすぐに発注する「成行」
そもそも成行(成り行き、なりゆき)には、「ものごとがだんだんと移り変わっていく様子、過程」といった意味があります。
単に漢字で成行とみてもパッとしませんが、実は「なりゆきに物ごとを任せる」といった風に、実は日常的に使われている言葉なんですね。
ですから刻一刻と変化するマーケットにおいて、価格は関係なく、その場ですぐに発注するのが成行注文となります。
つまりノックアウトオプションでは、新規注文時は成行注文が執行されたタイミングのレートでポジションを保有することができます。
指値注文
指値注文は、英語でリミットオーダーといいます。
Limitには限界、限度といった、ものごとを制限させる意味合いがあります。
本来、日本語での指値には有利な価格の意味があり、「今より有利なレートになったら注文する」という使い方で覚えている方も多いかもしれません。
投資の世界では「指定した価格以上(以下)になったら注文を実行させる」というのが、正しい指値注文の定義です。
FXで新規・指値注文の例
つまりFXでは、あらかじめ今より有利なレートを指値で入れておくことで、新規注文ができます。
- 買い目線なら、狙ったレートまで下がったら新規注文(買い指値)
- 売り目線なら、狙ったレートまで上がったら新規注文(売り指値)
FXを例にすると、今のレートが100円で、買いでエントリーして101円で決済するとしましょう。
米ドル/円を1Lotで今すぐ成行注文で買ったあと、101円まで想定通り上がってから決済したら、利益は1万円となります。
しかしテクニカル分析の結果、トレンドの調整で少し下がってから上がると考え、99.80円に指値注文を入れたとしましょう。
想定通りレートが下がって注文が約定し、同じように101円で決済したら利益は1万2千円となります。
KOの指値注文=利食い
先ほどFXの例で新規注文のときに指値注文をする例をご紹介しましたが、指値注文は決済時にも使うことができます。
- 買いポジション保有なら、狙ったレートまで上がったら決済(買い指値)
- 売りポジション保有なら、狙ったレートまで下がったら決済(売り指値)
今より有利な価格で注文することは、もちろん決済時も共通です。
買いポジションを保有していて、今のレートが100円なら、101円に決済の指値注文を入れておくことができます。
そもそも指値注文では、指定した価格以上(以下)になったら注文が実行されます。
新規・決済問わず買い指値なら〇〇円より下での約定が保証され、売り指値なら〇〇円より上での約定が保証されるというものです。
このルールによって、指値注文は今より有利なレートで注文ができるのです。
ノックアウトオプションで指値注文を使えるのは決済時のみです。
つまり保有するポジションの含み益が今よりも有利になって決済したいときに使います。
ですからノックアウトオプションの場合、『指値注文=利食い(利益確定)』と考えておけばOKです。
逆指値注文
逆指値注文は、英語でストップオーダーといいます。
逆指値には日本語で、今より不利な価格の意味があります。
指値同様に新規で発注もできますが、ストップオーダー(=注文の停止)が示すように、損失の制限や指定レートで利食いに使うのが基本です。
「指定した価格を超えたら注文を執行させる」というのが、正しい逆指値注文の意味となります。
つまりFXでは、あらかじめ今より不利なレートを逆指値で入れておくことで注文を行うことができます。
FXで新規・逆指値注文の例
以下は新規注文の例です。
- 買い目線なら、狙ったレートまで上がったら新規注文(買い逆指値)
- 売り目線なら、狙ったレートまで下がったら新規注文(売り逆指値)
ただしノックアウトオプションでは、逆指値注文は新規注文では使うことができません。
上昇すると判断して買いポジションを保有したとしましょう。
しかし予想に反して下落し、逆指値で指定したレートまで下がると、注文(成行注文または指値注文)が実行されます。
KOの逆指値注文=損切り
以下は、決済注文で逆指値注文を使う例です。
決済の逆指値注文は、投資家の損失を制限するように設計されています。
- 買いポジション保有なら、狙ったレートまで上がったら決済(売り逆指値)
- 売りポジション保有なら、狙ったレートまで下がったら決済(買い逆指値)
上昇すると判断してポジションを保有中、予想に反した下落に備えて、あらかじめ逆指値注文を入れておく使い方あできます。
ノックアウトオプションで逆指値注文を使えるのは決済時だけですので、『逆指値注文=損切り』となります。
逆指値注文は利食いでも使える
ポイントとなるのが、逆指値注文が使えるのは損失を確定させるときだけではない、ということです。
利益が出てきたときに、マイナスにならないように逆指値をセットすれば、その後トレンドが転換しても損失になることがありません。
さらに利益が出てきたら、一定の利益を確保する位置に逆指値を変更すれば、確実に利益を得ることができます。
以下はIG証券のノックアウトオプションで、上昇を予想した場合の例です。
Aの高値をBでブレイクアウトしたら、逆指値をAの直近安値からBの直近安値(の外側)に変更し、さらにCで直近高値をブレイクアウトしたら直近安値に変更するというものです。
つまり手動でトレール注文を行うイメージで、トレンドに合わせて利幅を大きくしていく使い方ができますね。
逆指値注文は今のレートより不利になったら決済するのですが、損切りだけではなく利食いにも有効的に使っていきましょう。
ノックアウト価格と逆指値の違いは?
このほかノックアウトオプションでは、ノックアウト価格に達したら、新規注文時のオプション料そのものが損失となる仕組みです。
逆指値注文とノックアウト価格に達したらともに損失が確定するのは共通ですが、具体的に何が違うのか気になりますよね。
そこで分かりやすくイラストにまとめてみました。
上昇を予想する場合
まずは上がると予想してブル(上昇)でポジションを保有する例です。
新規注文は必ず成行注文です。
取引画面で確定をクリックしたタイミングで、原資産価格のレートで買いポジションを保有できます。
ノックアウト価格はお好みで選べますが、そのノックアウト価格に達したら各ノックアウト価格ごとに設定されたオプション料が損失の最大金額となります。
逆指値注文はノックアウト価格の手前に設置できる防御のイメージで、事前に発注しておくことが可能です。
同じく上昇方向に指値注文を入れておくことで、狙った水準までの上昇によって利益を確定できます。
下落を予想する場合
続いて、下がると予想してベア(下落)でポジションを保有する例です。
単純に下がると予想するときは、上昇のときの逆の考え方でOKですね。
ノックアウトオプションで逆指値注文を使うポイント
攻守に優れたノックアウトオプションでは、最初に必ずノックアウト価格を決める必要があり、そのノックアウト価格を選んで注文した時点で、オプション料以上の損失をすることがありません。
オプション料=最大損失額ですから、狙った位置のノックアウト価格で発注すればノックアウトオプションでは無理に逆指値注文を入れる必要がないといえます。
ただし逆指値注文を入れることによって最大損失額を防ぐことができて、ノックアウトプレミアム(保証料)が発生しないメリットもあります。
ノックアウトオプションは「ノックアウト価格に達したら、購入したオプション料全額が損失」となる仕組みによって、数ある金融商品に比べてもオプションの購入額が安い特徴があります。
原資産価格から離れている余裕を持ったノックアウト価格で発注しても、ノックアウトオプションは少額で資金効率よく取引できます。
戦略としては、ノックアウトオプションでスイングトレードをする場合は、広めにノックアウト価格をとって逆指値で損切りを入れておく使い方ができます。
ノックアウトオプションでスキャルピング、デイトレードなら、ノックアウト価格によっては損切りは無理に入れる必要もないでしょう。
しかしスイングトレードの場合は、反対方向に本格的なトレンドとなる前に損失を最小限に留められますね。
ノックアウトオプションでの「指値注文」と「逆指値注文」使い方まとめ
ノックアウトオプションは、FXと比べても少ない金額でポジションを保有できる魅力があります。
中〜長期売買を行うとき、決済の逆指値注文を入れておくことで、ノックアウト価格に達する前に購入額全額の損失を抑えることができるのです。
また指値注文も入れておくことで、利食いタイミングをうっかり逃がすこともありません。
「指値注文」と「逆指値注文」どちらも上手く使って、ノックアウトオプションのトレードに役立てていきましょう。
ノックアウトオプションおすすめの業者
IG証券 ノックアウトオプション
日本国内で初めてノックアウトオプションの提供をスタートさせたのがIG証券です。
ノックアウトオプションはマイナー通貨ペアまで網羅しており、世界各国の株価指数、金、銀、原油などの商品まで、全152銘柄と圧倒的な取扱数を誇ります。
さらにIG証券のノックアウトオプションはスプレッドが狭いので、取引コストを売買益で回収・収益化しやすい環境が整っています。
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