ヒストリカル・ボラティリティ(HV)の見方・使い方について解説します。
テクニカル指標名 | タイプ | 分析適正 |
---|---|---|
ヒストリカル・ボラティリティ | オシレーター系・時系列 | – |
ヒストリカル・ボラティリティとは?
ヒストリカル・ボラティリティは直訳すると歴史的変動率といい、「過去の値動きをベースに計算した価格変動率」を表します。
FXよりもむしろ、オプション取引でよく使われているテクニカル指標です。
ヒストリカル・ボラティリティは、単なる為替レートの上下動ではなく、過去の価格変動幅の推移を基に算出されます。
設定期間において、過去の価格変動幅が一定の割合で推移していれば、ヒストリカル・ボラティリティは下落します。
過去の価格変動幅が大きくなると、ヒストリカル・ボラティリティは上昇します。
ヒストリカル・ボラティリティが上昇するのは、為替レートが大きく変動した場合(上昇・下落・急激な変動)が続いたときです。



ヒストリカル・ボラティリティは単に直近の為替レートの変動率を求めた指標ですので、これといった売買サインはありません。
ただし、この変動率を見ることで、現在の相場はどのような状況なのかの判断に生かすことができます。
同じく変動率を表すテクニカル指標に、ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)があります。
ヒストリカル・ボラティリティは「過去レートの終値の前日比」を元に計算されますが、ATRは「当日における最大の値幅(高値と安値の差など)を基準」として算出されています。
ヒストリカル・ボラティリティの計算式
ヒストリカル・ボラティリティでは標準偏差を用いて、価格の変動率を年率で表します。
年率換算において、年間営業日を250日として計算するのが主流です。
またボラティリティを計測する一定の期間は過去20日が主流であり、20日平均HVの場合、過去20日の値動きの変動率を年率にした計算となります。(10日、21日、25日、30日も使われたりします。)
ヒストリカル・ボラティリティの計算式
$$ HV = \sqrt{\frac{250}{n-1} \sum_{t=1}^{n} (R_t – \overline{R})^2 } $$
$$ R_t = \ln \left(\frac{S_t}{S_{t-1}}\right) $$
$$ \overline{R} = \frac{1}{n} \sum_{t=1}^{n} R_t $$
$$ S_t = 当日の価格 $$
$$ S_{t-1} = 前営業日の価格 $$
ヒストリカル・ボラティリティの見方と使い方を知ろう!
直近のヒストリカル・ボラティリティが10%の場合、過去20日間の価格変動の標準偏差を年率換算した値が10%であることを示します。
以下は、一般的な20日間で設定したチャートです。


ヒストリカル・ボラティリティが低水準で推移している期間が長くなると、相場が大きく動く可能性が高まります。
こうした場面では、三角保ち合いなどのチャートパターンを形成しやすく、併せてパターンを判断することで、ブレイクアウトのタイミングを捉えやすくなります。
相場の世界では、「保ち合いが長く続けば続くほど、比例してエネルギーをためた相場はブレイクアウトした方向に大きく動く」とするのが、チャート分析の基本的な考えとなります。
つまり、ヒストリカル・ボラティリティでは中〜長期的なエントリーポイントを探っていく使い方ができます。
ヒストリカル・ボラティリティが下がってきたら、相場の大きな波に乗ることを意識してチャンスを待つようにしましょう。
ただしヒストリカル・ボラティリティはあくまでも目安です。
移動平均線やトレンドラインを使って、トレンドの方向性やシグナルを分析していくことがとても重要です。
また短期トレード向けとして、現在動いている通貨ペアをヒストリカル・ボラティリティで探す使い方も可能です。
つまり、値動きが大きいほど短期で収益機会を得られるため、スキャルピングやデイトレードに活用できます。
ヒストリカル・ボラティリティが下がると、値動きが小さくなりレンジ相場への移行を示唆します。
その後、ヒストリカル・ボラティリティが上昇し、レートがレンジ相場をブレイクアウトしたら大きなトレンドに乗るチャンスだと判断できます。
ヒストリカル・ボラティリティの注意点は?
ヒストリカル・ボラティリティで示される変動率は、平均化されて算出されています。
そのためヒストリカル・ボラティリティは遅れやすい性質があり、為替レートが大きく動いてからヒストリカル・ボラティリティが上昇することもあります。
もしボラティリティを分析して売買に生かすなら、ボリンジャーバンドを活用することで、より視覚的にボラティリティの変化を捉えやすくなります。
このほか「ボラティリティ」についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。


ヒストリカル・ボラティリティが使えるFX業者
ヒストリカル・ボラティリティをチャートで標準装備しているFX業者は、ほとんどありません。
利用したい方は、外為どっとコム、DMM FX、みんなのFXのチャートを使ってみてください。
外為どっとコム「G.comチャート」
外為どっとコムでは、高機能ブラウザ版チャートのG.comチャートでヒストリカル・ボラティリティを利用することが可能です。



期間を変更したり、複数のラインを表示できることもG.comチャートならではの魅力です。
DMM FX「DMMFX PLUS」
DMM FXではPC、スマートフォンどちらでもヒストリカル・ボラティリティを使うことができます。


PC版ツール・DMMFX PLUSのほか、スマートフォンアプリ版(iPhone/Android)DMMFXでもヒストリカル・ボラティリティを利用できます。
みんなのFX「TradingView」
みんなのFXのPC取引ツール(Webトレーダー、FXトレーダー)、スマートフォンアプリにはシンプルチャートとTradingView、2つのチャートが搭載されています。
TradingViewは豊富なテクニカル指標と描画ツールが魅力となる、自由度が高い高機能チャートです。


ヒストリカル・ボラティリティも搭載しており、PC取引ツール、スマートフォンアプリどちらでも使うことができます。
【まとめ】ヒストリカル・ボラティリティについて
基本的な使い方をまとめました。
- 為替レートが一定の変動幅で推移していれば、HVは下落する。
- 為替レートが一定幅を抜けて激しく変動してくると、HVは上昇する。
- HVが下落したら保ち合い局面が多く、今後どちらの方向にブレイクアウトするかに注目。
各社のチャート機能は、こちらのページで詳しくご紹介しています。


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