EMAはSMAよりも直近の値動きに反応する!EMAの見方・使い方を解説!

EMA(指数平滑移動平均線)の見方・使い方

SMAとともに「2大移動平均線」とも言える、EMA(指数平滑移動平均線)の見方・使い方について解説していきます。

テクニカル指標名タイプ分析適正
EMA(指数平滑移動平均線)トレンド系・時系列順張り
目次

移動平均線の種類とEMA

主な移動平均線には以下の種類があります。

このうち、SMAとともに知名度が高い移動兵器線がEMAです。

FX会社のチャートではSMAとEMAはほぼ利用できますので、移動平均線はこのどちらかを使用するトレーダーが多いかと思います。

同じ移動平均線ですが、EMAはSMAをベースとして、より直近の値動きに反応するのが特徴です。

なぜ直近の価格を重視しているのかと言うと、「過去の値動きを少し軽視して、直近の値動きを重視した方が、より高精度な分析に期待ができる。」という考え方が、このEMAの元となっています。

つまり、「SMAよりも売買サインを早く確認できる」のが、このEMAです。

日本国内ではSMAの人気が高いですが、海外ではEMAやWMAもよく利用されています。
また近年では、EMAがベースで12本の移動平均線を表示させるGMMAも人気です。

まずは、それぞれの得意・不得意を知った上で使っていきましょう。

SMAとEMAの違いは?

SMAは、過去の一定期間における、終値の平均値ですが、EMAは一定期間の直近の値をより重視しています。

以下チャートで、SMAとEMAの動きの違いを見ていきましょう。

黃色=SMA、緑色が=EMAで、どちらも21日で設定しています。

SMAとEMAの違い
SMAとEMAの違い

下落・上昇時におけるレートと移動平均線の位置関係に注目してください。

レートが下落すると移動平均線も下降し、上昇にともない移動平均線の傾きが変化している様子がわかります。

このように大きな下落→上昇となった局面ですが、SMAよりもEMAの方が値動きへの反応が早く、上昇・下落した方向に追従しているのが確認できますね。

それではここで代表的な移動平均線の長所・短所をまとめておきます。

SMA長期的なトレンドの方向性を見るのに有効的。
直近の値動きによる売買サインが遅れがち。
EMASMAよりも、直近の値動きに早く反応する。
大きな変動のときやレンジ相場のときは、ダマシが多い。
WMA直近の値動きを重視していて、過去の値動きを軽視している。
緩やかな上昇・下降局面に有効的。
大きな変動のときやレンジ相場のときは、ダマシが多い。

EMA(指数平滑移動平均線)の計算式

SMAの過去を軽視し、より直近を重視したEMAの計算式は以下です。

※日足の場合

$$ EMA = 当日終値×k+前日のEMA×(1−k) $$

$$ k = 2÷(N+1)​ $$

$$ N = EMAの期間 $$

EMAの見方と使い方を知ろう!

移動平均線は共通で、短期線・中期線・長期線の重なり具合や、それぞれの移動平均線はどのくらい乖離(かいり)しているかを見て、トレンドの方向性や転換点を見極めていきます。

トレンドの方向性ですが、移動平均線が上昇していれば上昇トレンド、移動平均線が下降していれば下降トレンドと判断することができます。

また移動平均線の売買サインとして有名なシグナルとして、ゴールデンクロスとデッドクロスがあります。

EMAのゴールデンクロス
EMAのゴールデンクロス

短期線が中期線(長期線)を上抜いたらゴールデンクロス、つまり買いサインとなります。

EMAのデッドクロス
EMAのデッドクロス

短期線が中期線(長期線)を下抜いたらデッドクロス、つまり売りサインとなります。

この売買サインは移動平均線であれば全て共通ですので、SMAもEMAも見方は全く同じです。

詳しくは、ゴールデンクロスとデッドクロスの記事も合わせてチェックしてみてください。

EMAの注意点は?

EMAは「SMAよりも直近のレートを重視」しています。

そのため、SMAが苦手とする反応の速さがEMAでメリットである反面、その分ダマシも多く発生してしまいます。

トレンドの発生には反応が早いのですが、レンジ相場となると反応の早さがデメリットとなり、誤った売買のサインを掴んでしまうこともあります。

移動平均線は期間が短くなればなるほどダマシは多くなり、期間が長くなるほど大きなトレンドを教えてくれます。

EMAを使うなら、SMAと併用して違いを見たり、EMAは短期線・中期線・長期線それぞれを見て分析をしていくことが無難です。

SMAやEMAの長期線を利用して、短期的な値動きのダマシに引っかかりにくい分析を行なっていきましょう。

このほかEMAベースのテクニカル指標、MACD(マックディー)は分類上はオシレーター系であるものの、トレンドの判断にも使えるので、こちらも合わせてお試ししてみてください。

一口に移動平均線と言っても、短期売買のデイトレードで長期移動平均線を売買タイミングに使ったり、中長期売買のスイングトレードにおいて短期移動平均線で長期トレンドを見るのは、実にナンセンスですよね。

トレード期間に最適な移動平均線の使い方、というのは本当に大事なことです。

多くのトレーダーが意識するポイントほど大きな転換点になりやすいので、移動平均線はそういった価格帯での動きに注目していきましょう。

【まとめ】EMAの売買サインなど

基本的な使い方をまとめました。

EMAの基本
  • 上昇しているEMAよりも、レートが上で推移していれば上昇トレンドであり、EMAをサポートライン(支持線)として見ることができる。
  • 下降しているEMAよりも、レートが下で推移していれば下降トレンドであり、EMAをレジスタンスライン(抵抗線)として見ることができる。
  • 長期線で相場のトレンドを見ながら、短期線で売買のタイミングを図る。
EMAの買いサイン
  • 短期線が長期線を下から上に抜いたら、買いサイン(ゴールデンクロス)。
  • 安値圏でEMAが下降から上昇へと反転したら、買いサイン。
EMAの売りサイン
  • 短期線が長期線を上から下に抜いたら、売りサイン(デッドクロス)。
  • 高値圏でEMAが上昇から下降へと反転したら、売りサイン。

EMAの売買シグナルが見れるツール

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