数ある金融商品の中には「ノックアウトオプション」と「バイナリーオプション」があります。
こうして並べると、オプションと名が付くとおり、なんとなく類似している商品名であることが想像できますね。
『名前は似ているけど、ノックアウトオプションとバイナリーオプションはいったい何が違うの?』
このように疑問に感じている方に向けて、基本的な概要から詳しく解説していきます。
同じオプション取引から派生しているが取引方法が違う
ノックアウトオプション、バイナリーオプションはどちらもオプション取引から派生した金融商品です。
商品名に違いがあるように、もちろん取引方法や取引ルールにも違いがあります。
まずはオプション取引にはどんな種類があるのか、見ていきましょう。
- バニラ・オプション(=プレーン・バニラ・オプション、ノン・エキゾチック・オプション):通常のオプション取引
- エキゾチック・オプション:通常のオプションに色々な条件を設定したオプション
- バリア・オプション
- ノックアウト・オプション:特定の期間内(または特定の期日)に、一定の価格に到達したら無効になるオプション
- ノックイン・オプション:特定の期間内(または特定の期日)に、一定の価格に到達したら有効になるオプション
- バイナリー・オプション(=デジタル・オプション):満期日に特定の条件を満たすと決められた価値を持つオプション
- ラダー・オプション
- レンジ・オプション
- タッチ・オプション
- ダブル・ノータッチ・オプション
- キャッシュ・オア・ナッシング・オプション
- アセット・オア・ナッシング・オプション
- バリア・オプション
※このほかにもバリア・オプションには、バミューダ・オプション、ルックバック・オプション、アジア・オプション、バスケット・オプション、スプレッド・オプション、シャウト・オプション、リベートバリア・オプション、ターボワラント・バリア・オプション、パリジャン・オプション、数量調整オプションなどあまり聞き慣れないオプションも多数存在しますが、ここでは割愛します。
こうしてみると、オプション取引にはかなりの種類があることが分かりますね。
まずノックアウトオプションですが、バリアオプションの一種となります。
バリアオプションでは一定の価格(バリア)に到達(ヒット)するかどうかを条件としていますが、ノックアウトオプションのように、上下どちらかにバリアがひとつとなるシングル・バリア、上下両方のダブル・バリアがあります。
そしてバリアオプションとバイナリーオプションは、どちらも大きく分類するとエキゾチック・オプションです。
通常のオプション取引はもっとも基本的であることから、アイスに例えるとトッピングがないスタンダードな意味合いとして、バニラオプションとも呼ばれています。
これに対して、何かしらの条件を加えたオプションを総称して、エキゾチック・オプションとなります。
ノックアウトオプションとバイナリーオプション、どちらにも「オプション」が入っているように、兄弟関係にある金融商品ともいえますね。
現在、国内のバイナリーオプションでタッチオプションを提供する業者はありませんが、ノックアウトオプションはタッチオプションのノータッチオプションと似ている特徴があります。
タッチオプションは目標レートにタッチする・タッチしないかを予測する取引で、過去にFXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン)で取り扱っていましたが、現在はサービス終了となりました。
しかしながらノックアウトオプションは注文方法に種類があり、取引期間の自由度も高いです。
これによりノータッチオプションなどに比べても、より高度な売買も可能といえる魅力を備えているのです。
ノックアウトオプションとバイナリーオプションの違い
商品性の相違点をかんたんにまとめると、以下です。
違い | ノックアウトオプション | バイナリーオプション |
---|---|---|
取引の期間 | 最大1年程度 | 2時間が主流 最大1日程度 |
利益 | 満期まで多くの利益を狙える | 購入時点で決まっている |
最大損失 | 購入時点で決まっている | 購入時点で決まっている |
最小取引額 | 1Lot/約1,000円 (10,000通貨の場合) | 1Lot/約50円〜1,000円未満 |
取引方法 | 複数のノックアウトレベル の中から選択 | 目標レートを選び、 2択(上昇・下落)から選択 |
それでは具体的な違いを見ていきましょう。
取引期間の違い
まず大きく異なるのが、取引期間です。
金融商品名 | 取引期間の違い |
---|---|
バイナリーオプション | 最短数分〜最大約2時間 |
ノックアウトオプション | 最短数秒〜最大1年程度 |
FX | 最短数秒〜無期限 |
そもそも国内のバイナリーオプションでも、取引開始から判定時刻までの「取引期間」が1分や5分となるサービスが提供されていました。
この二択型であることと、なおかつ短期取引による賭博性の高さを抑制するために、金融庁は2013年に規制を行いました。
これにより現在のバイナリーオプションは、1回の取引期間が最短で2時間というルールとなっています。
※ただし途中で売却できるので、実質は1分や5分での取引も可能です。
なお国内のバイナリーオプションでは、唯一IG証券のバイナリーオプションのみが本格的な商品を提供しています。
たとえば満期は一般的な2時間のほかに、最大23時間となる「当日バイナリーオプション」というタイプもあります。
対してノックアウトオプションの取引期間は、最大1年程度です。
バイナリーオプションは2時間ないし1日で取引が完結しますが、取引期間においてノックアウトオプションは高い自由度を誇る特徴を備えています。
取引ルールの違い
肝心の取引ルールですが、仕組みはどのように違うのか見ていきましょう。
バイナリーオプションの取引ルール
まずはバイナリーオプションでスタンダードなラダーオプションを例にします。
ラダーオプションでは、自分自身で複数の目標レートから一つを選びます。
そして判定時刻のときの為替レートは、その目標レートを上回っているか、下回っているかを予測します。
2時間の開催期間のうち、権利放棄といって判定時刻の前に途中売却ができ、これにより判定前に利益確定も可能です。
このようにバイナリーオプションは、ある価格から「上昇方向」であるか「下落方向」であるかを予測します。
そして損益ルールですが、バイナリーオプションでは購入時点で損益が決まっているのが特徴です。
各社により若干の違いはありますが、主流となっているのが1Lotあたり約50円〜約990円で変動するオプションを購入します。
そして予測通りとなれば、1Lotあたり1,000円を受け取ることができます。
もし購入額が400円で、予測通りとなり1,000円を受け取れば、差し引くと600円が利益となりますね。
予測が外れたら400円そのものが損失となります。
ノックアウトオプションの取引ルール
先ほどノックアウトオプションはノータッチオプションに似ていると書きましたが、取引ルールを見ていきましょう。
そもそもノックアウトオプションは、ノックアウトレベル(=ノックアウト価格)に達しなければ、取引期限の間はずっと保有ができる金融商品です。
ノックアウトレベルはかんたんにいうと、FXでいうところの強制ロスカットラインといったイメージですね。
そのレベルに達した時点で保有ポジションが消滅となり、購入時のオプション料そのものが損失となります。
バイナリーオプションは予測が外れたら購入額そのものが損失となりますが、これはノックアウトオプションも同じですね。
ノックアウトレベルは自分で決められますが、今のレートの上方向、下方向どちらかに設置しなければいけないため、「上昇」か「下落」かを事前に選択します。
そして今現在のレートとなる原資産価格にノックアウトレベルが近いほどオプション料は安く、ノックアウトレベルが離れるほどオプション料は高くなる仕組みです。
バイナリーオプションは購入した後、途中売却するか判定時刻まで待つか、選択肢は2択しかありません。
対してノックアウトオプションは新規注文時は「成行注文」で発注されますが、決済注文時は「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」を使うことができます。
また、IG証券のノックアウトオプションではスキャルピングも可能です。
つまりノックアウトレベルに達さない限り、最短で数分、トレンドが続くなら最大1年間程度の保有もできる特徴を備えています。
取引ツールの違い
続いてバイナリーオプションとノックアウトオプション、それぞれ取引ツールの違いを見ていきましょう。
スマートフォン版の取引ツール
バイナリーオプションが規制された背景には、信託保全されていない海外業者による出金トラブルも要因として挙げられます。
これによりApp StoreやGoogle Playのガイドラインが変更され、バイナリーオプションはスマートフォンアプリでの取引が禁止されました。
そのため現在スマートフォンでバイナリーオプションの取引をするには、Safari、ChromeなどのWebブラウザを使った取引に限定されています。
反面、ノックアウトオプションはスマートフォンアプリで取引が可能です。
バイナリーオプションはスマートフォンでも取引可能であるものの、アプリで取引できる利便性ではノックアウトオプションの方が優れているといえます。
PC版の取引ツール
PC取引ツールに関しては、ほとんどのバイナリーオプション・サービスは、ラインチャートを組み込んだWebブラウザ版の取引プラットフォームを採用しています。
これにより、直感的に目標レートを選びやすい取引システムとなっています。
バイナリーオプションで有名な外為オプションを例にすれば、テクニカル分析は別途で提供しているプラチナチャートを使い、取引はWeb版のツールを使う形となります。
こいったバイナリーオプションを取り扱う業者のうち、IG証券のみが例外的な存在です。
他社との違いとして、FX、CFD、ノックアウトオプション、バイナリーオプション全てが一体型となる取引プラットフォームを採用しています。
そのためテクニカル指標を表示させつつ、同一の画面でバイナリーオプションを購入することができます。
お気に入りの銘柄をマイページに入れておけば、タブの切り替えだけで、FXでもノックアウトオプションでも取引できることが、IG証券ならではの魅力といえます。
【まとめ】どちらがおすすめの金融商品なのか
そもそも商品設計が異なるため、どちらがおすすめなのかは個人の考え方によります。
単純にバイナリーオプションは1pipsでも動けば利益となります。
高価格で低倍率のオプションほど予測通りとなりやすいため、こういった現在レートに近い目標レートを選ぶスタイルが基本といえます。
つまり、バイナリーオプションは短期間で相場があまり動いていないレンジ相場のときほど、相性がいい金融商品と捉えることができますね。
ただし動くと判断するときは、低価格のオプションを購入して利益率を重視する戦略も可能です。
逆にノックアウトオプションはスキャルピング的な短期売買から、数日保有するスイングトレードまで対応します。
そして最大損失が限定されていることはノックアウトオプションとバイナリーオプションはともに共通です。
しかしバイナリーオプションとの大きな違いとして、ノックアウトオプションでは利益の上限が固定されていないため、より大きな利益を追求することが可能です。
つまり、任意の取引期間において、積極的な利益を求めたい方に向く金融商品だといえます。
もしも両方取引したいなら、短期で動いていないならバイナリーオプション、相場が動いているならノックアウトオプションと、場面に合わせて使い分ける戦略を取り入れてみてはいかがでしょうか。
どちらの金融商品も取引したいなら、バイナリーオプションもノックアウトオプションもカバーするIG証券がおすすめです。
ノックアウトオプションおすすめの業者
IG証券 ノックアウトオプション
日本国内で初めてノックアウトオプションの提供をスタートさせたのがIG証券です。
ノックアウトオプションはマイナー通貨ペアまで網羅しており、世界各国の株価指数、金、銀、原油などの商品まで、全152銘柄と圧倒的な取扱数を誇ります。
さらにIG証券のノックアウトオプションはスプレッドが狭いので、取引コストを売買益で回収・収益化しやすい環境が整っています。
無期限のデモ口座で満足できるまで練習できることもIG証券ならではの魅力です。攻守に優れた金融商品を取引するなら、IG証券がイチオシの業者です。
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