日本国内では、ハイレバレッジで取引できることを理由に、海外FXの利用を考えるトレーダーもいます。
しかし海外FXは金融庁に認可されていないだけあって、実にさまざまなリスクが存在します。
危険と危惧されている、海外FXに潜むリスクをしっかり理解していますか?
海外FXならではのリスクを解説しながら、海外FXのデメリットを排除できるノックアウトオプションをご紹介します。
なぜ海外FXを選ぶトレーダーが存在する?
海外FXを選ぶ人が一定数存在するということは、やはり何かしらのメリットがあるからなんですね。
まずは海外FXならではのメリットをご覧ください。
- ハイレバで取引できる
- ゼロカットというシステムがある
- ボーナスがもらえる
- NDD方式によりレート配信の透明性が高い
- 共通の取引プラットフォーム(MT4/MT5)が採用されている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ハイレバで取引できる
海外FXを選ぶ最大の理由となるのが、ハイレバレッジで取引できる点です。
日本国内のレバレッジ上限25倍と異なり、海外にはレバレッジ規制が設けられていないため、レバレッジに上限がありません。
最大500倍、888倍、1,000倍、なかには3,000倍と、日本国内からすれば驚愕のレバレッジでFXの取引ができるところもあるようです。
レバレッジはテコの原理によって、少額で大きな金額を動かせる仕組みで、資金効率の高さにおいて、国内FXは海外FXの足元にも及ばないほど差があることが分かります。
しかしレバレッジは諸刃の剣とも言われているとおり、高ければいいものでもありません。
もともとFX人気が高まった2000年初頭は法整備が定まっておらず、国内でもハイレバで取引が可能でした。
その一方で、過去にはギャンブル的な取引の横行により破産するトレーダーも多かったのです。
過度なレバレッジによる投資家の資産を保護する観点から、レバレッジが規制されるようになってきた背景となっています。
ゼロカットというシステムがある
ハイレバとともに海外FXの柱となるゼロカットとは、ロスカット時に追証が発生しない仕組みです。
ゼロカットが示唆するように、証拠金以上の損失、つまり口座に預け入れた資金以上にマイナスが発生しないシステムということですね。
証拠金以上の損失が発生したら業者側が負担するので、ロスカットによってマイナス残高になることがありません。
画期的な仕組みと言えますが、国内FXでは法規制によりゼロカットが禁止されています。
ボーナスがもらえる
国内FXのキャンペーンと異なり、海外のボーナスとはリアル口座で使える仮想マネーのことです。
ボーナス自体の出金はできないものの、ボーナスを使って得た利益は出金できる場合が多いです。
ボーナスにより元手以上の金額を動かせるため、レバレッジ効果に期待ができます。
一方ボーナスによって、ハイレバのトレードになりやすいことで、元手の損失リスクが高くなるのも事実です。
ボーナスは使い勝手が考慮されているが、初回30日間限定、元手を出金したらボーナスは消滅のように、利用条件にはそれなりにハードルがあることも理解しておきましょう。
NDD方式によりレート配信の透明性が高い
国内FXの多くはDD方式といって、顧客の注文を自社のディーラーが相殺してインターバンクに注文を流す仕組みです。
一方で海外FXではNDD方式といって、自社にディーラーを置かず顧客の注文をそのままインターバンクに流す仕組みが採用されています。
いわゆるDD方式では呑み行為やストップ刈りが噂されることもあり、NDD方式は顧客の注文がダイレクトにインターバンク市場へ流れるため、レート配信の透明性が高くなっています。
共通の取引プラットフォーム(MT4/MT5)が採用されている
国内FXの多くでは、独自開発による取引プラットフォームが採用されています。
対して海外FXでは、世界共通であり標準ともいえるMT4(またはMT5)が採用されています。
MT4はチャート分析の自由度が高く、シストレにも対応するFX/CFDの取引システムです。
インジケーター(テクニカル指標)やEA(自動売買プログラム)を自由にインストールして取引でき、オリジナルの取引環境を構築しやすいのがMT4のメリットです。
ただし国内FXでもMT4提供業者は多く、独自に進化した取引プラットフォームは使いやすいので、選択肢の広さなら国内FXに軍配が上がると言えます。
海外FXに潜む6つのリスク
海外FXでの取引を始める前に知ってほしい、6つのリスクをご紹介します。
海外FXのリスク
- 金融庁が認可していない
- 出金拒否の可能性がある
- 入出金が分かりにくく、出金に時間がかかり手数料も発生
- 業者が倒産してもお金が100%返金される保証がない
- 高勝率の自動売買を謳った詐欺が蔓延している
- トラブルがあっても日本語で対処できるとは限らない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
金融庁が認可していない
金融庁及び財務局は、無登録業者での取引をしないよう国民に喚起しています。
無登録業者で取引をしてお金に関するトラブルが起こっても、無認可業者は国の後ろ盾がないため、金融庁が解決に介入することが難しいのが現状です。
無認可業者の場合は、仮に個人情報が流出したとしても、ユーザー側で何らかの対処をすることができません。
- IG証券:関東財務局長(金商)第255号
- ゴールデンウェイ・ジャパン(旧FXトレード・フィナンシャル):関東財務局長(金商)第258号
- FOREX.com:関東財務局長(金商)第291号
- OANDA証券:関東財務局長(金商)第2137号
- サクソバンク証券:関東財務局長(金商)第239号
- Ava Trade Japan(アヴァトレード・ジャパン):関東財務局長(金商)第1662号
- 外為ファイネスト:関東財務局長(金商)第102号
海外発祥のFX業者であっても、金融庁が認可していて国内で事業を運営している業者は、日本の法令に則ってサービスを提供しているため安心して取引ができます。
出金拒否の可能性がある
海外FXで多いのが出金トラブルで、国内の業者で出金トラブルになることはまずありません。
例えば、
「ある業者で口座開設して入金したものの、口コミで危険そうだと知って出金手続きをしたが、10回以上取引しないと出金できない」
という相談も金融庁に寄せられています。
このほかに、海外の同一業者での両建て、異業者間での両建て(A業者で買い、B業者で売り)、スキャルピング禁止のように、国内では当たり前にできる取引を禁止事項としている業者が多く、知らずのうちに禁止行為に接触していて出金拒否となるケースもあります。
せっかく利益を得たのに、いざ出金しようとして出金拒否されれば、溜まったもんじゃありませんね。
日本の金融庁の認可を受けていないということは、日本の法律に準拠して運営されていないので、出金拒否となっても泣き寝入りするしかありません。
入出金が分かりにくく、出金に時間がかかり手数料も発生
入出金の分かりにくさも、海外FXならではの懸念材料です。
海外FXでは主にクレジットカードで入金を行いますが、出金時には入金額以上をクレジットカードで出金できず、入金額以上の利益は他の手段で手続きを行わなければいけません。
クレジットカードでの入金にも、もちろんリスクは存在します。
また、オンラインの決済サービスとして有名なサービスに、PayPalやNetellerなどがあります。
これらは、もともと海外FXでも利用ができていましたが、金融庁の指導により海外FXでの利用が禁止になりました。
つまりオンライン決済サービスを使った入出金も、サービスの継続に不透明な曖昧さがあるのです。
そして送金手数料が発生するため、出金するにもかなりのトータルコストがかかってしまいます。
仮に出金拒否されずに出金できても、出金手続きから着金まで数日かかり、また海外から銀行口座への出金の場合、送金手数料として1回あたり2,500円程度発生するケースが多いです。
業者が倒産してもお金が100%返金される保証がない
先に挙げたように海外FXにはゼロカットというシステムがあります。
一見ゼロカットに死角はなさそうですが、実はそうでもありません。
国内FXでは全額信託保全により、業者が破綻しても口座に預けている資金は必ず返ってきます。
一方で海外FXは、全額信託保全が義務化されていません。
以前スイスフランショックの際に、国内でもライセンスを取得していたアルパリジャパンの親会社であるアルパリUKが破綻しました。
こういった相場急変によって多くの投資家の損失を海外FX業者が負担することで破綻することも珍しくありません。
全額信託保全でないということは、海外業者が破綻しても預けたお金は保証されないということです。
金融庁はたとえショック相場があっても、業者の倒産を防いでトレーダーの資金も守る観点から、ゼロカットの禁止をしているカラクリなのです。
基本的に国内FXではマイナス残高にならないために強制ロスカットがあるので、特殊なケースのスリッページを除き、口座資産がマイナスになることはほぼありません。
仮にショック相場となったとき、国内FXの仕組みだと該当ポジションを保有するトレーダーが損失となりますが、海外FXだと利用者全員が証拠金が戻ってこない可能性があるのです。
高勝率の自動売買を謳った詐欺が蔓延している
インスタ、LINE、TikTok、FacebookなどのSNSで多くの被害者が出ているのが、海外FXのMT4自動売買で高勝率を宣伝文句とした悪徳商材です。
LINE公式アカウントのようなクローズド環境に誘導するのは、ほぼ100%詐欺商材です。
海外FXの自動売買を斡旋する詐欺はかなり横行しているので注意しましょう。
海外FXのデメリット
続いて海外FXのデメリットも見ていきましょう。
海外FXのデメリット
- スプレッドが広いため取引コストの負担が大きい
- 約定、スリッページに不安要素が多い
- 総合課税の適用により、大きく稼ぐほど税金がかかる
スプレッドが広いため取引コストの負担が大きい
NDD方式の仕組みにより、国内FXに比べると海外FXのスプレッドは大幅に広いです。
海外FXでは、ハイレバ&ゼロカットの特徴を生かしてスキャルピングをするトレーダーもいますが、スプレッドが広いだけでスキャルピングで勝つのは至難の業です。
例えば米ドル/円スプレッドですが、海外FXでは1.6銭〜2.0銭程度に対し、国内FXでは多くの業者が0.2銭原則固定(例外あり)と大きな差があります。
1万通貨の取引なら、スプレッドが0.2銭(0.2pips)なら実際のコストは20円ですが、海外FXのように2銭(2pips)なら200円がスプレッドによる取引コストです。
スキャルピングでは3pips〜5pipsと数pipsの利益を狙う場面も多いので、スプレッドの広さは死活問題となります。
約定、スリッページに不安要素が多い
NDD口座は約定に強みがあるとされているのは事実なのですが、国内FXでも約定が遅延する場面はどれほどありません。
むしろ海外FXはサーバーが海外にあるため、いくらNDD口座といえど日本から物理的に距離があることから、約定力があるとも言い切れないのです。
日本から海外のWebサイトにアクセスすると、表示速度が遅く感じるのと同じ原理ですね。
またDD方式、NDD方式に限らず、FXにスリッページはつきものですが、物理的な距離に伴い、相場の状況によっては、大きなスリッページを引き起こす要因ともなります。
ですから海外FXだからといって、約定が早くスリッページしにくいという先入観を持つのは危険です。
ノックアウトオプションのスプレッドは、こちらの記事も合わせてどうぞ。
総合課税の適用により、大きく稼ぐほど税金がかかる
海外FXは雑所得で総合課税となります。
つまり本業の収入と海外FXで稼いだ金額が大きいほど、税金が高いデメリットがあります。
国内FXやノックアウトオプションの場合は申告分離課税ですから、給料が330万円以上の方が投資で稼いでも税率は*20%です。
つまりFXの利益・損失に関わらず、国内FXでは分離課税による恩恵を受けられます。
国内FX ノックアウトオプション | 海外FX | |
---|---|---|
所得税率 | 一律20%(住民税10%込み) *1 | 195万円以下:5% 195万円〜330万円以下:10% 330万円〜695万円以下:20% 695万円〜900万円以下:23% 900万円〜1,800万円以下:33% 1,800万円超:40% *2 |
住民税 | – (所得税に含まれる) | 一律10% |
所得税+住民税 | 最大20.315% | 最大50%+特別復興所得税 |
損益通算 (損益の相殺) | 可能 | 不可 |
損失繰越 | 最大3年間 | 不可 |
*1 2037年まで復興特別所得税として0.315%が加算により20.315%。
*2 2037年まで復興特別所得税として税額控除後の基準所得税額の2.1%が加算。
さらに海外FXでは損益通算ができないので、2社を使っていてプラマイゼロだとしても、1社が利益なら課税対象となります。
国内FXなら損失繰越もできるので、税制面は海外FXにデメリットが多いといえます。
海外FXよりもノックアウトオプションを選ぶべき理由
海外FXにはハイレバとゼロカットのメリットがあり、その一方でスプレッドと税制が不利なデメリットがあります。
これを解決してくれる金融商品が、ノックアウトオプションです。
上昇か下落か選び、ノックアウト価格を選んで、取引量を決定すれば発注ができます。
選択したノックアウト価格に達したら、購入額そのものが損失となる仕組みですね。
ノックアウトされなければ最大1年程度の保有ができ、指値でも逆指値でも任意のレートで決済ができちゃいます。
- 金融庁が認可する安心の国内業者で、資金効率の良い取引を追求できる
- ゼロカットのように、損失となってもスリッページすることなく、一定額での決済を確実に保証
- 海外FXよりもスプレッドが狭い
- どんなに利益を出しても税率は一律*20%で、損益通算と損失繰越による安心感
- 完全信託保全で資産は100%守られており、出金拒否の心配も一切ナシ
*平成25年から令和19年までは所得税と復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1%)が発生。
ノックアウトオプションは証拠金取引ではなくオプション取引なので、レバレッジの概念がありません。
しかしながらFXと同じような取引画面で、為替の取引を行うことができます。
選択するノックアウト価格によっては、少額でオプションを購入してポジションを保有でき、高い資金効率で収益を目指すことも可能です。
海外FXはデメリットだらけなので、資金効率よく取引するならノックアウトオプションを選びましょう。
ノックアウトオプションおすすめの業者
IG証券 ノックアウトオプション
日本国内で初めてノックアウトオプションの提供をスタートさせたのがIG証券です。
ノックアウトオプションはマイナー通貨ペアまで網羅しており、世界各国の株価指数、金、銀、原油などの商品まで、全152銘柄と圧倒的な取扱数を誇ります。
さらにIG証券のノックアウトオプションはスプレッドが狭いので、取引コストを売買益で回収・収益化しやすい環境が整っています。
無期限のデモ口座で満足できるまで練習できることもIG証券ならではの魅力です。攻守に優れた金融商品を取引するなら、IG証券がイチオシの業者です。
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