ノックアウトオプションの取引で発生するコストは、「オプション料」と「スプレッド」だけです。
オプション料は対象となるオプションごとに価格が設定されており、どのオプションを購入(注文)するかは自分自身で決めることができます。
スプレッドは「売り値と買い値の差額」のことで、新規注文時に発生する取引コストとなります。
こちらの記事では、ノックアウトオプションのスプレッドはFX/CFDと比べて広いのか、狭いのか詳しく解説していきます。
オプション料はこちらの記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
ノックアウトオプションとFXのスプレッド
ノックアウトオプションはIG証券、FOREX.com、FXTFの3社が提供しています。
スプレッドはFXTFのノックアウトオプション、次いでIG証券のノックアウトオプションが狭いです。
FOREX.comのノックアウトオプションは変動制となっており、2社に比べると広めの水準となっています。
まずは3社のFXとノックアウトオプション、それぞれのスプレッドの違いを見ていきましょう。
通貨ペア | *IG証券のスプレッド | FOREX.comのスプレッド | FXTF | |||
---|---|---|---|---|---|---|
FX | KO | FX | KO | FX | KO | |
米ドル/円 | 0.2~ 0.4銭 | 0.6銭 | 変動制 | 変動制 | 0.2銭 | 0.4銭 |
ユーロ/円 | 0.5銭 | 1.1銭 | 変動制 | 変動制 | 0.4銭 | 0.6銭 |
ポンド/円 | 0.9銭 | 2.0銭 | 変動制 | 変動制 | 0.6銭 | 1.1銭 |
豪ドル/円 | 0.7銭 | 1.3銭 | 変動制 | 変動制 | 0.5銭 | 0.7銭 |
NZドル/円 | 1.1銭 | 4.0銭 | 変動制 | 変動制 | 0.7銭 | 取扱いなし |
カナダドル/円 | 1.7銭 | 2.0銭 | 変動制 | 変動制 | 0.7銭 | 取扱いなし |
スイスフラン/円 | 1.8銭 | 3.0銭 | 変動制 | 取扱いなし | 1.4銭 | 取扱いなし |
南アランド/円 | 1.0銭 | 4.0銭 | 変動制 | 変動制 | 0.9銭 | 取扱いなし |
トルコリラ/円 | 1.5銭 | 2.0銭 | 変動制 | 変動制 | 1.4銭 | 取扱いなし |
メキシコペソ/円 | 0.3銭 | 0.8銭 | 取扱いなし | 取扱いなし | 0.3銭 | 取扱いなし |
ユーロ/米ドル | 0.4pips | 0.6pips | 変動制 | 変動制 | 0.3pips | 0.5pips |
※スプレッド取得日・記載日:2024年12月2日
IG証券 FXノックアウトオプションの豪ドル/円、ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドル、ポンド/米ドルのスプレッドはAM9:00〜翌AM3:00は原則固定(例外あり)、他の通貨ペアは取得日時点のスプレッドとなります。
FOREX.comのスプレッドは変動制となります。
FXTFのスプレッドは原則固定ではなく、取得日時点のスプレッドとなります。
* FXは取得日時点のスプレッドとなります。
IG証券とFOREX.comそれぞれのサービスの違いは、こちらの記事で徹底的に比較していますので、合わせてご参考にどうぞ。
FOREX.comのFX口座では変動制のスプレッドを採用しています。
米ドル/円で2〜3銭程度のため、IG証券やFXTFに比べると広めの水準といえます。
IG証券はぼぼ固定といえるスプレッドで、全体的に狭いスプレッドであることも特徴です。
国内の低スプレッドFX業者といえばGMOクリック証券やDMM FXが有名ですが、IG証券のFX口座は、こういった知名度が高い業者と遜色ない狭いスプレッドとなっています。
FXのスプレッドは以下ページで比較していますので、合わせてチェックしてみてください。
まずはメジャー通貨ペアを選ぶ
IG証券は、スプレッドの狭さで有利となるスキャルピング、デイトレードにも力を発揮してくれます。
しかしFX口座に比べると、ノックアウトオプションの方はスプレッドが広くなっています。
ですから、以下のように使い分けることができますね。
- 元手に余裕があって低スプレッドを重視するなら「FX」
- 多少のスプレッドは気にせず少額の元手で始めたいなら「ノックアウトオプション」
ノックアウトオプションのスプレッドは米ドル/円の場合、0.6銭原則固定(例外あり)です。
1万通貨の取引であれば、もしBID(売値)が110.000円ならASK(買値)は110.006円となり、エントリーした瞬間にスプレッド分でマイナス60円となるイメージですね。
スプレッドは決済時には発生せず、往復(新規→決済)の取引でかかるのは最初のエントリーのときのみです。
プラス方向に推移したらすぐにスプレッド分は相殺できますし、秒スキャでもない限り、主要通貨でのデイトレードやスイングトレードならスプレッドはそれほど神経質になる必要はないと思います。
ただしスプレッドが気になるなら、やはり最初は米ドル/円などメジャー通貨ペアを選ぶようにしてください。
スプレッドはFXに劣るものの、ノックアウトオプションは少額から取引できて、損失リスクを確実に限定できることはFXにはない魅力です。
ノックアウトオプションとCFDのスプレッド
続いて、ノックアウトオプションとCFD銘柄のスプレッドの違いを見ていきましょう。
IG証券のノックアウトオプションは全161銘柄(FX:100通貨ペア、CFD61銘柄)とかなり多いので、ここでは主要銘柄のスプレッドを記載しています。
まずは、「株価指数ノックアウトオプション」と「株価指数CFD」です。
銘柄名 | 取引時間 | *ノックアウトオプション のスプレッド | *CFDのスプレッド |
---|---|---|---|
日本225 (日経225) | 8:00〜8:30 8:30〜15:25 15:25〜7:00 その他の時間帯 | 15pips 7pips 15pips 30pips | |
ウォール街 (NYダウ) | 16:00〜22:30 22:30〜5:00 5:15〜5:30 6:00〜7:00 その他の時間帯 | 2.4pips 1.6pips 9.8pips 9.8pips 3.8pips | |
(S&P500) | 22:30〜5:00 5:15〜5:30 6:00〜7:00 その他の時間帯 | 0.4pips 1.5pips 1.5pips 0.6pips | |
(ナスダック100) | 23:30〜5:00 5:15〜5:30 6:00〜7:00 その他の時間帯 | 1pips 5pips 5pips 2pips | |
16:00〜17:00 17:00〜1:30 1:30〜6:00 6:00〜10:00 10:00〜16:00 | 2pips 1pips 2pips 4pips 3pips | ||
ドイツ40 (DAX) | 17:00〜1:30 1:30〜6:00 6:00〜9:15 9:15〜16:00 16:00〜17:00 | 1pips 2pips 5pips 4pips 2pips |
※日本225以外は、英国夏時間時の取引時間は上記より1時間早くなります。
* 原則固定(例外あり)
続いて、「商品ノックアウトオプション」と「商品CFD」です。
銘柄名 | 取引時間 (英・夏時間) | *ノックアウトオプション のスプレッド | *CFDのスプレッド (期限なし) |
---|---|---|---|
WTI原油 | 8:00~7:00 (7:00~6:00) | 2.8pips | |
スポット銀 | 8:00~7:00 (7:00~6:00) | 2.0pips | |
スポット金 | 8:00~7:00 (7:00~6:00) | 0.3pips |
* 原則固定(例外あり)
実はノックアウトオプションで取り扱っているCFD全銘柄は、CFD口座のスプレッドと共通なんですね。
とくに株価指数CFDに関しては、各市場で流動性が高くなるコアタイムはもっともスプレッドが狭くなる仕組みです。
ですから、CFDでもノックアウトオプションでも、CFD関連ならスプレッド差を気にすることなくお好みで取引商品を選びやすいといえますね。
IG証券のKOは朝方のスプレッド拡大に注意!
IG証券では、流動性が低い朝方にスプレッドが拡大しやすいので、早朝にスキャルピングを考えている方は注意が必要です。
とくに月曜日の早朝は窓開けリスクがありますので、週末持ち越す予定で考えているなら広めのノックアウト価格を選ぶ戦略を考えなければいけません。
なおIG証券ノックアウトオプションの原則固定スプレッドは以下です。
- 原則固定:AM9:00〜翌AM3:00
- 原則固定対象外:AM3:00〜AM9:00
FX口座のスプレッドは公式で開示していますので、参考までに掲載しておきます。
2社における、取引時間(標準時間/サマータイム時間)と月曜日の取引開始時間は以下です。
IG証券の取引時間と取引開始時間
- 英国冬時間・・・10月最終日曜日~3月最終日曜日(月曜日早朝はAM6:00〜)
- 英国夏時間・・・3月最終日曜日~10月最終日曜日(月曜日早朝はAM5:00〜)
FOREX.comの取引開始時間
- 米国冬時間・・11月第1日曜日~3月第2日曜日(月曜日早朝はAM7:00〜)
- 米国夏時間・・・3月第2日曜日~11月第1日曜日(月曜日早朝はAM6:00〜)
この月曜日でスタート直後となる時間帯が、スプレッド拡大で一番注意したいタイミングなんですね。
ノックアウトオプションはFX口座よりもスプレッドが広いので、早朝はFX口座以上に広がる可能性があります。
もうひとつ、月曜日以外の平日もポイントがあり、月曜のオセアニアオープンから金曜のNYクローズまでのうち、IG証券では平日の深夜〜朝(火曜日〜金曜日)は24時間取引できてしまうので積極的に考えがちですが、あえて取引しない時間を決めておくようにしましょう。
また雇用統計などの経済指標発表時も広がりやすいので注意が必要です。
以下は2021年4月19日(月)7時40分のIG証券、FOREX.comそれぞれのスプレッドです。
この時間のIG証券はそこまで広がっている印象はありませんでしたが、朝に取引するならスプレッドを確認する習慣を付けていきましょう。
ノックアウトオプションでスプレッドを考慮した戦略
FXのデイトレードなら、原資産価格のレートに近いノックアウト価格(20pipsなど)を選ぶ戦略もできます。
保有ポジションが日をまたぐ場合は、早朝のスプレッドでノックアウトとなる可能性が高くなるため、資金効率は下がるものの、原資産価格のレートから離れたノックアウト価格(100pipsなど)を選ぶことが重要になります。
スイングトレードの場合は、事前にどのくらいのノックアウト価格なら耐えられるか、事前にチャート分析して広めにノックアウト価格を決めておき、週末の持ち越しなど、必要に応じて逆指値注文のON・OFFを繰り返して損切りを調整するやり方ができます。
ポイントは、「一度決めたら変更できないノックアウト価格を広めにとる」「逆指値注文なら何度でも変更できること」を活用する感じですね。
相場が予想通りに推移したら、逆指値注文を引き上げたり(引き下げたり)して利益を確保する使い方もできます。
つまり手動トレール注文のイメージです。
もしノックアウトオプションで数日トレードをするなら、早朝のスプレッド拡大や窓開け対策、利食いに逆指値注文を活用していきましょう。
もしFXと組み合わせてヘッジ戦略をしたい方は、こちらの記事も合わせてどうぞ。
ノックアウトオプションのスプレッド【まとめ】
IG証券でノックアウトオプションをするなら、9:00〜翌3:00のスプレッドが0.6pipsの米ドル/円、ユーロ/米ドルは流動性も高いのでおすすめです。
またIG証券では、豪ドル/米ドルのスプレッドが0.9銭とFXと比べても最狭水準となっています。
大きなトレンドに期待できるドルストレートに興味があるなら、損失が限定されたノックアウトオプションで始めるのもひとつのやり方ですね。
低スプレッドにこだわるならFXが有利ですが、損失を許容しつつ利益率を重視するときはノックアウトオプションと、場面に応じて使い分けしてみてはいかがでしょうか。
ノックアウトオプションおすすめの業者
IG証券 ノックアウトオプション
日本国内で初めてノックアウトオプションの提供をスタートさせたのがIG証券です。
ノックアウトオプションはマイナー通貨ペアまで網羅しており、世界各国の株価指数、金、銀、原油などの商品まで、全152銘柄と圧倒的な取扱数を誇ります。
さらにIG証券のノックアウトオプションはスプレッドが狭いので、取引コストを売買益で回収・収益化しやすい環境が整っています。
無期限のデモ口座で満足できるまで練習できることもIG証券ならではの魅力です。攻守に優れた金融商品を取引するなら、IG証券がイチオシの業者です。
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