近年FX業界で話題をかっさらっているのが、「リピート系FX」「リピート系注文」と呼ばれる注文方式を採用した自動売買システムです。
ネットや口コミで、リピート系FXに興味を持った方も少なくないかもしれません。
リピート系注文を始めるには、注文方式の仕組みをしっかりと理解して始める必要があります。
こちらのページでは、リピート系FXにおける基本から、メリット・デメリット、失敗しないための注意点をご紹介します。
リピート系は「裁量」と「シストレ」いいとこ取りの半自動売買!
リピート系FXの前に、裁量取引とシストレの違いを解説していきます。
裁量取引とは、「買う」「売る」を自分自身で判断をする、通常のFX取引のことです。
裁量取引という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、FXに参入するほとんどの方が始めている、自分の判断でトレードするFXのことを指します。
シストレ(システムトレード)とは自動売買のことです。
これは取引システムが一定ルールに従って、自動で売買を繰り返すもので、相場に張り付く必要がないメリットがあります。
このうち有名なシストレにはMT4がありますが、MT4のデメリットを先にまとめておきます。
MT4は難易度が高い
シストレで有名なサービスにはMT4(メタトレーダー4)があり、EA(エキスパート・アドバイザー)と呼ばれる自動売買プログラムを稼働させることで自動売買を行うことができます。
EAは無料、有料それぞれありますが、組み込まれたプログラムは運用者にとってはブラックボックスということもあり、中身を完全に理解することのハードルは高いといえます。
またMT4でパソコンの電源が入っていないときもEAを動かすには、VPSという仮想デスクトップを利用する必要があり、安いプランで月々2,000円ほどのコストがかかります。
EAは自由度が高い反面、自作にはプログラミング言語を習得しなければならず、初心者向きではありません。
それではリピート系FXとは、どんなサービスなのでしょうか。
リピート系FXとは、ちょうど裁量取引とシストレ、それぞれのいいとこ取りの「半自動売買」といった位置付けです。
裁量取引の仕組みで複数の注文を発注することができ、シストレと同じく稼働をストップするまで売買を繰り返してくれます。
さらに、VPSを契約する必要もありません。
かかるコストといえば「スプレッド」と「取引手数料」だけで、取引手数料に至っては業者によっては無料となっているところもあります。
リピート系FXの魅力とメリット
それでは「リピート系FX」の具体的な魅力とメリットを見ていきましょう。
一定ルールで自動で売買を繰り返してくれる
「リピート系」が指すように、一定ルールの注文をリピートさせる(=繰り返す)のがリピート系注文の特徴です。
上記は「買い」のイメージですが、複数の一定間隔で設定した注文を一度に発注し、それを何度も繰り返す自動売買となります。
また多くのシステムでは、親注文ひとつの発注により、複数の子注文が発注される仕組みです。
どの業者もそうですが、基本は一定のレンジ幅をターゲットとし、1注文で小さめの利幅を狙っていきます。
IFDone(イフダン)注文で新規注文を行い、一定間隔で複数の注文を仕掛ける形となります。
見てのとおり裁量取引と同じ感覚で発注でき、注文をレンジの範囲で継続させるため、為替が上下に動くたびに収益にすることができます。
裁量取引では損失となる顧客の割合が多い反面、リピート系FXは6割から、相場が安定しているときは8割ほどの顧客が収益化できていることが、FXブロードネットやアイネット証券、マネースクエアなどが公開するデータで明らかとなっています。
3つの弱さをカバーしてくれる
リピート系FXは裁量トレードでなかなか克服できない、3つの弱さをカバーしてくれます。
- メンタル(心、精神)
- トレード技術
- 体力
裁量トレードでのメンタルですが、ポジションを保有していて思惑の反対方向に動いたとします。
「このまま含み益がなくなってしまうのでないか」と心配になったり、「膨らむ含み損にどこまで耐えるべきか」といった心理的な弱さが出てしまいがちです。
後述しますが、リピート系注文は最初に含み損を抱える設計なのですが、裁量トレードに比べるとほったらかしの運用ができることから心理的な負担が少ないです。
裁量トレードの売買判断で失敗を繰り返し、自分自身のトレードテクニックに自身を持てない方も少なくないでしょう。
それもそのはず、どんなプロトレーダーであれ最初は初心者であり、何年間も積み重ねた実績があってこそ、勝率を上げられているわけです。
裁量トレードでレベルアップを目指すにしても近道はなく、日々トレードで検証を繰り返し、成功体験を増やしていくしかありません。
ですがリピート系FXなら、こういった技術的な不安をしっかしカバーしてくれます。
裁量トレードにおいてもっとも陥りやすいのが体力、つまり身体的な負担です。
事前にストップロスを入れておいても、保有ポジションが気になって夜ずっとPC画面に張り付いてしまったり、安心して寝られず睡眠不足になったり、通称「ポジポジ病」になって実生活にきしみが出るようでは元も子もありません。
どんなに健康的な生活をしようとしても、相場が動く深夜に夢中になるほど、それまでの生活リズムを崩しがちです。
その点リピート系FXならある程度「ほったらかし」できますので、規則正しい生活をしやすいのも大きなメリットです。
リピート系FXの仕組み
それではリピート系FXの仕組みをご紹介します。
仕組みもちろん業者ごとに異なりますが、まずはスタンダードな設計はどういったものか、見ていきましょう。
以下は外為オンライン「iサイクル2取引」の売買イメージです。
為替相場をピンポイントの「点」ではなく、想定変動幅として「面」で予想するトレードとなります。
漁でマグロの一本釣りを裁量トレードと例えるなら、リピート系FXは大網で小魚を狙っていくスタイル、といったところでしょうか。
2タイプのリピート系FX
リピート系FXには2タイプがあります。
まず基本形となる『レンジ相場型・リピート系FX』と『トレンド相場型・リピート系FX』です。
予想するのは裁量トレードでいう「ここまで下がる・ここまで上がる」ではなく「レンジの変動幅」です。
一定間隔で、新規指値+決済指値(または決済逆指値)を複数仕掛け、それを何度も連続させることで、レンジ相場を注文を行き来するたびに収益となります。
上下一定の幅で一定の利益を狙うレンジ相場型に対し、トレンド相場型は決済トレールで利益を追従するのが大きな違いです。
上昇・下降トレンドがあるときはトレンド相場型のほうが大きな利益となりますが、一定レンジで推移するときはレンジ相場型のほうが利益が大きくなります。
ちなみに先ほどのiサイクル2取引は「トレンド相場型」となります。
このようにリピート系FXは、相場の大きな流れで捉えていくスタイルなので、裁量トレードが苦手な方と相性がいい注文機能となっています。
リピート系FXのデメリット
リピート系FXにはメリットだけではなく、もちろんデメリットも存在します。
あらかじめ、裁量トレードに比べて不利となる点も理解しておきましょう。
急激なトレンドの変化に弱い
リピート系FXはのレンジ相場型はレンジ相場、トレンド相場型は一方向にトレンドが継続する局面で効果を発揮します。
例えば以下のような相場で注文を仕掛けたなら、ブルーの陰線で新規注文が入り、レッドの陽線で決済注文が繰り返されます。
一方で急激なトレンドの変化に弱く、反対方向に大きくトレンドが発生すると、多くの含み損を抱えるリスクがあります。
こういった動きのときに適切に損切りができないと、損失が大きく膨らみ最悪ロスカットとなってしまいます。
そのため初めてリピート系注文を行う方は、自動で損切りされる機能を使うことが必須といえます。
設計上、発注後に含み損を抱えやすい
リピート系FXのベースはIFD注文(IF-Done注文、イフダン注文)です。
上昇予想でおさらいすると、「100円まで下がったら買い、100.50まで上がったら利益確定する。」といった流れです。
現在レートより安く買い、買ったときよりも高く売り戻す注文を、均等なpips間隔で発注していきます。
そして決済注文が約定するには、その前に新規注文が約定しなければいけません。
新規注文が複数約定するときは、レートが下落して最初の注文が約定し、そのままレートが下落するごとに注文が約定していく流れとなります。
つまりナンピン買いをしているようなイメージです。
まとめると短期的には「下落局面」で新規注文が全て発注され、その後の反転による「上昇局面」で決済注文が約定していきます。
つまり利益になるには、最初に含み損となることが前提となっている仕組みなのです。
とはいえ短期的な値動きに惑わされず、長期的な収益を目指すのがリピート系FXの原点です。
リピート系FXで運用するときは、証拠金をしっかり用意してロスカットされない運用をすることと、細かい値動きに翻弄されないことが大切です。
原則、裁量取引よりも証拠金が必要
リピート系FXは注文本数が10本、20本と増えるにつれ、必要証拠金が大きくなります。
そのかわり提供している全ての業者は1,000通貨に対応しており、1注文が1,000通貨なら20本の発注で20,000通貨となります。
買い方向を予想するとしたとき、含み損が膨らむ方向で次々に新規注文が入っていきますので、余裕のある証拠金で挑まなければいけません。
証拠金を抑えて挑戦したいなら、1回のトータル発注本数を減らすなどしてコントロールしましょう。
業者によっては取引手数料が発生する
リピート系FXは、顧客側はかんたんな操作で何度も注文を行えますが、取引システム的には多くの取引が行われ、業者側のサーバーでは多くの注文処理が行われるため、裁量取引に比べるとコストがかかりがちです。
その理由により、取引手数料を徴収するカラクリとなっています。
この辺をもったいないと感じるかは個人の考え方によるでしょう。
しかしリピート系FXは長期で継続しているトレーダーが多く、提供業者は顧客数も伸びていいます。
わずかなコストに捉われることなく収益化できているトレーダーの多さが、アイネット証券、ひまわり証券、FXブロードネットの公開データで明らかになっています。
「なぜ取引手数料がかかるの?」と始めてから不安にならないためにも、あらかじめ手数料はかかるものと理解しておきましょう。
このように以前に比べるとコスト面の負担はかなり少なくなってきていますので、正直それほど意識するレベルではないと言えます。
リピート系FXで失敗しないためにすべきこと
まず取引を始めるときは、下記の順番から決めていきましょう。
- 取引通貨ペアを決める
- 想定変動幅を決める
- 注文間隔を決める
この流れをもとに、失敗しないために注意したいことを具体的に解説します。
リピート系FXと相性のいい通貨ペアを選ぼう
FX入門者が取引する通貨ペアといえば、やはり米ドル/円ですよね。
米ドル/円がリピート系FXに適しているかというと、そのときの相場によっては相性がいいときもあれば、他の通貨ペアが効果的なときもあります。
- 長期的にレンジ相場を形成している通貨ペア
- 長期的にレンジの上下幅が広くない通貨ペア
- 短期的に上下に動きやすい傾向がある通貨ペア
該当する通貨ペアは、米ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円、NZドル/円、カナダドル/円、ユーロ/米ドルです。
なかでも長期的にレンジ相場となりやすい傾向があり、短期的に上下に動くことによる注文の入りやすさ、証拠金が低いカナダドル/円、豪ドル/円、NZドル/円がおすすめです。
また同じ経済圏であり、相関性があることで一定の上下幅で推移しやすい「豪ドル/NZドル」「ユーロ/ポンド」は、リピート系FXで人気があり、取引しやすい通貨ペアで有名です。
逆にトルコリラ/円のように長期的に下落している通貨ペアは、お世辞にも相性がいいとはいえません。
どの通貨ペアがリピート系FXに適しているかは相場状況によって変わってきますので、各社のリピート系コンテンツにあるランキングに注目してください。
外為オンラインの特設コンテンツでは、毎週ランキング形式で成績のよい通貨ペアが掲載されています。
想定変動幅と注文間隔が重要!
取引通貨ペアを決めたら、想定変動幅と注文間隔を決めていきます。
とくに想定変動幅は「価格変動リスク」にも直結するので重要です。
どのくらいの期間で取引するかをざっくり決めたら、その期間内で上下の変動幅はどのくらいあるかに注目してください。
米ドル/円で1年間の変動を例に見てみましょう。
引用元:アイネット証券
画像取得日時点で、過去3ヶ月の変動は5.1円、1年間の変動は9.5円だったことが確認できますね。
続いて必要資金の目安も見ていきましょう。
このように、注文間隔が狭いほど、多くの注文を入れられるため必要資金が多くなり、注文間隔が広いほど、注文本数が少なくなるので必要資金も少なくなります。
初期資金を多く用意できない方は注文本数を少なくする必要がありますが、「100銭」のように広くするとなかなか注文が約定しにくくなります。
このあたりはご自身の予算感で調整していくようにしてください。
レバレッジとロスカットラインを把握して資金管理を徹底する
レバレッジは低いほど価格変動リスクを抑えられ、価格が予想の反対方向に動いても強制ロスカットされにくくなります。
極力リスクを抑えるならば、レバレッジ5倍以内を目指すことをおすすめします。
こちらの例は外為オンラインの取引画面ですが、どの業者でもレバレッジは取引画面内で必ず確認することができます。
またロスカットラインを把握しておくことも大事です。
ひとつひとつの注文は、何pipsくらい反対に動いたらストップロス(損切り)となるかは、とくに値動きが逆行しているときは確認しておきましょう。
またあまりにも短期間でストップロスが続くようなら、強制ロスカット前に売買方向の見直しを十分検討してください。
強制ロスカットレートは以下の方法で確認できます。
対円通貨ペアの場合
(有効証拠金 − ロスカット値)÷ *ポジション数量 = 強制ロスカットレート
*対円以外は(ポジション数量 × 米ドル/円レート)で試算可。
マネースクエアで口座開設したユーザーなら、「トラリピ運用試算表」のシミュレーションでロスカットレートを試算できます。
リピート系FXを長期にかけて利益を積み重ねれば、口座内の資金が増えてレバレッジが下がっていくことも魅力です。
そうすると強制ロスカットのラインも下がっていくため、より細かい値動きに翻弄されない運用ができるようになっていきます。
相場に合ったリピート系FXを使い分けよう
前述の通り、リピート系FXにはレンジ相場型とトレンド相場型があります。
現在の注文が相場に適していないと判断できるなら、ほかのリピート系FXを稼働させた方がより効果的です。
相場の転換を待ち続けることで取引機会を失うくらいなら、そのときの相場に見合った注文を稼働させたほうが、取引チャンスを失わずに済むからです。
レンジ相場のときに決済トレールにすると、高値掴み(安値掴み)をしてしまいがちで、レンジ相場の天井(大底)で反転するほど含み損が大きくなります。
逆にレンジ相場を想定しているときに、レンジを抜ける大きな変動があれば、レンジ相場型のリピート系FXでは注文が入らず、収益機会を失ってしまいます。
FX業者名 | トレンド相場型 | レンジ相場型 |
---|---|---|
外為オンラインFX | iサイクル2取引 | サイクル2取引 |
トラッキングトレード | トラッキングトレード | – |
トライオートFX | ハイブリッドなど | コアレンジャーなど |
ループイフダン | – | ループイフダン |
ループ・イフダン | – | ループ・イフダン |
トラリピ | トラリピ (決済トレールあり) | トラリピ (決済トレールなし) |
パートナーズFX/nano | – | 連続予約注文 |
みんなのシストレ | – | みんなのリピート注文 |
相場のトレンドが変わっても、外為オンライン、インヴァスト証券、マネースクエアなら、同一口座内で注文の変更ができるため、柔軟に対応します。
なお外為オンラインのiサイクル2取引には「買い」「売り」を自動で判断し、トレンド転換となったら売買方向を自動切替してくれる自動トレンド機能があるため、長期的なトレンド追従と相性がいいのもポイントです。
リピート系システムの違い
一口にリピート系注文といっても業者ごとに採用しているシステムが異なります。
そのため各社の特徴を理解して、自分にあった取引システムを選ぶことが重要となってきます。
そこで、主要なリピート系注文システムの特徴やメリット・デメリットをまとめました。
トラリピ
特徴 |
|
---|---|
取引単位 | 1,000通貨単位(南アランド/円、メキシコペソ/円を除く14通貨ペア) |
外付け手数料 | 完全無料 |
ランキングから発注 | ◯ |
メリット |
|
デメリット |
|
提供業者 | マネースクエア |
外為オンライン系システム
特徴 |
|
---|---|
取引単位 | 1,000通貨単位 |
外付け手数料 | 最初の90日は無料、それ以降は1,000通貨あたり往復20円 |
ランキングから発注 | ◯ |
メリット |
|
デメリット |
|
提供業者 | 外為オンライン(iサイクル2取引)、FXブロードネット(トラッキングトレード) |
ループイフダン系システム
特徴 |
|
---|---|
取引単位 | 1,000通貨単位 |
外付け手数料 | 完全無料 |
ランキングから発注 | ◯ |
メリット |
|
デメリット |
|
提供業者 | アイネット証券、ひまわり証券 |
みんなのリピート注文
特徴 |
|
---|---|
取引単位 | 1,000通貨単位 |
外付け手数料 | 完全無料 |
ランキングから発注 | ◯ |
メリット |
|
デメリット |
|
提供業者 | トレイダーズ証券(みんなのシストレ) |
トライオートFX
特徴 |
|
---|---|
取引単位 | 1,000通貨単位 |
外付け手数料 | 完全無料 |
ランキングから発注 | ◯ |
デメリット |
|
提供業者 | インヴァスト証券 |
より詳しく各社のリピート系FXを比較するなら、こちらのページをご覧ください。
取引ツール別にリピート系注文などの自動売買をを比較するなら、こちらの記事も合わせてどうぞ。
リピート系注文でおすすめの業者
外為オンライン「iサイクル2取引」
外為オンラインは1,000通貨単位に対応しているので、少額からFXを始めたい方におすすめの業者です。
また人気のリピート系自動売買「iサイクル2取引」なら、手間をかけずに利益を狙うことができます。
取引システムはシンプルながらも直感的に操作できる、初心者にも扱いやすいのが特徴です。
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