FXのチャートでは、「窓開け」「窓埋め」という値動きが発生することもしばしば見られます。
この値動きに注目することで、収益チャンスを掴むのに役立てることができます。
とくに「窓開け」は月曜日の早朝に発生しやすく、その後に「窓埋め」しやすい傾向にあります。
そのため月曜日にトレード機会を見つけていきたい方は、ぜひ窓開けと窓埋めに注目してみてください。
それでは窓開け・窓埋めのメカニズムから、この現象をトレードに応用していく方法まで、具体的にご紹介していきます。
窓開け・窓埋めとは?
平日はほぼ24時間取引ができるFXですが、土日は取引を行うことができません。
この土日に値動き要因があれば、月曜日の早朝にローソク足とローソク足に大きな隙間が発生し、レートが飛ぶような動きが見られることがあります。
この値動きのことを「窓開け」、英語ではギャップ(Gap)と呼ばれています。
そして窓が開いたら、元の水準へと窓を閉じる動きが見られやすく、この値動きのことを「窓埋め」といいます。
こうした一連の流れより、FXでは月曜日に窓開けを確認できたら、その後の窓埋めを狙ったトレード手法に取り組むトレーダーもたくさんいます。
また窓には、上窓(Gap Up, ギャップアップ)と下窓(Gap Down, ギャップダウン)があります。
上方向に窓が開いたら上窓、下方向に窓が開いたら下窓となります。
窓は出現するトレンドの局面やタイミングによって4種類に分類されますが、FXでもっとも発生しやすいのはコモンギャップ(一般的なギャップという意味)です。
詳しくは以下の記事で解説しています。
めったに出現しないものの、ローソク足を見るときは窓開けの一種であるアイランドリバーサルにも注目してみてください。
なぜ月曜日の早朝に窓が開くのか?
土曜日の朝方(金曜日NYクローズ)にその週のマーケットが終わりを迎えます。
そして土日を挟んで、月曜日の早朝(月曜日オセアニアオープン)に、再びマーケットが始まります。
この取引できない時間帯に、以下の価格変動要因が起こることで主な窓開けの要因となります。
- 土日にマーケットに影響を与える要因が発生したため
- 土日が祝日ではない中東で、土日も取引が行われているため
- 取引開始時間が早い業者で、先行して取引が始まるため
それぞれ詳しく解説していきます。
土日にマーケットに影響を与える要因が発生したため
窓開けにおいてもっとも大きな要因となるのが、土日にマーケットに影響を与えるファンダメンタルズ要因が発生することです。
代表的なのが、戦争・紛争・テロや天災による不安やパニックの発生であったり、政治情勢の変化や、週末の要人発言、経済指標発表です。
もしマーケットに影響を与える大きな出来事が週末に起こったとしましょう。
週末に成行注文やストリーミング注文で決済することはできませんが、FXでは週末でも指値注文、逆指値注文で発注しておくことができます。
事前に注文した価格を訂正したり、キャンセルも週末の間に行えます。
いざ月曜日早朝にマーケットが動いたとき、こうした多くの投資家の注文が約定するほど、値動きに影響を与えます。
そして月曜日早朝の経済指標で注目したいのが、FOMC政策金利発表です。
FOMC政策金利発表は米国夏時間はAM3:00、標準時間はAM4:00に発表が行われますが、年8回のうち発表される曜日は決まっていないのです。
そのため、月曜日早朝に重なって発表値にサプライズがあれば、大きな窓開け要因となることもよくあります。
土日が祝日ではない中東で、土日も取引が行われているため
FXの主要市場は、土日は休場のため取引することができません。
しかし中東の市場では、取引量は少ないものの土日も取引が行われているため、場合によっては月曜日マーケットオープンの為替レートに影響を与える可能性があります。
補足しますと、中東市場にはバーレーンやUAE、サウジアラビアなどの国々にマーケットが存在します。
それぞれイスラム圏の国ですので、金曜日は安息日として休日となっており、金・土曜日が週末です。
つまり日曜日にも為替レートが動いており、FX界隈ではこの値動きのことを、中東レートや、週明けの値動きを示唆することから未来レートとも呼ばれています。
しかしこれが為替レートに反映されているかというと、中東市場は取引量が低く、両替を目的とした取引が行われていることから、それほど影響がないとされています。
そこで、BIS(国際決済銀行)のデータに注目してみました。
参考リンク(英語サイト):Triennial Central Bank Survey of Foreign Exchange and Over-the-counter (OTC) Derivatives Markets in 2022|BIS
国別為替取引量において中東の割合は低く、中東の中で取引量が多いUAEであっても、2022年のデータでは世界全体の0.67%程度と低水準です。
つまり、当てにならないと言われている中東レートは、取引参加者が少なく『すずめの涙程度の取引量』ということで、月曜日の窓開けにはほとんど影響がないと考えられます。
取引開始時間が早い業者で、先行して取引が始まるため
早朝の窓開けにおいて、中東レートよりも注視すべきはオセアニア市場です。
土日にわずかな取引が行われている中東よりも、東京市場が始まる窓開け前に取引がスタートする、オセアニア市場の値動きに注目するほうが合理的といえるでしょう。
多くのFX業者では、オーストラリア市場~東京市場のオープンにかけた時間帯に取引をスタートできます。
米国・標準時の取引時間
FX会社名 | 月曜日の 取引開始時間 | 火〜金曜日の 取引不可時間 (スワップ付与時間) | 火〜土曜日の 取引可能時間 |
---|---|---|---|
FXネオ | 7:00 | なし (スワップ付与は7:00) | 土曜7:00まで24時間 |
7:00 | なし (スワップ付与は7:00) | 土曜6:50まで24時間 | |
7:00 | 6:55~7:10 | 火曜7:10~土曜6:55 | |
7:00 | 6:55~7:00 | 火曜7:00~土曜6:50 | |
7:00 | 6:40~7:00 | 火曜7:00~土曜6:40 | |
7:00 | 6:40~7:00 | 火曜7:00~土曜6:40 | |
7:00 | 6:55~7:05 | 火曜7:05~土曜6:55 | |
7:00 | 6:40~7:10 | 火曜7:10~土曜6:00 | |
7:00 | 6:55~7:05 | 火曜7:05~土曜6:55 | |
6:00 | なし (スワップ付与は7:00) | 土曜7:00まで24時間 | |
7:00 | 7:00から 約5分間 | 火曜7:05頃~土曜6:00 | |
7:00 | 6:55~7:10 | 火曜7:10~土曜6:55 | |
7:00 | 6:55~7:10 | 火曜7:10~土曜6:40 | |
OANDA FX | 7:00 | なし (スワップ付与は7:00) | 土曜7:00まで24時間 |
7:00 | 7:00から 約5分間 | 火曜7:05頃~土曜6:30 | |
7:05 | 6:55~7:05 | 火曜7:05~土曜6:50 | |
7:20 | 6:50~7:20 | 火曜7:20~土曜6:50 | |
7:00 | 6:55~7:10 | 火曜7:10~土曜6:55 |
米国・サマータイム時の取引時間
FX会社名 | 月曜日の 取引開始時間 | 火〜金曜日の 取引不可時間 (スワップ付与時間) | 火〜土曜日の 取引可能時間 |
---|---|---|---|
6:00 | なし (スワップ付与は6:00) | 土曜6:00まで24時間 | |
6:00 | なし (スワップ付与は6:00) | 土曜5:50まで24時間 | |
7:00 | 5:55~6:10 | 火曜6:10~土曜5:55 | |
7:00 | 5:55~6:00 | 火曜6:00~土曜5:50 | |
7:00 | 5:40~6:00 | 火曜6:00~土曜5:40 | |
7:00 | 5:40~6:00 | 火曜6:00~土曜5:40 | |
7:00 | 5:40~6:00 | 火曜6:00~土曜5:40 | |
7:00 | 5:55~6:05 | 火曜6:05~土曜5:55 | |
7:00 | 5:40~6:10 | 火曜6:10~土曜5:00 | |
7:00 | 5:55~6:05 | 火曜6:05~土曜5:55 | |
5:00 | なし (スワップ付与は6:00) | 土曜6:00まで24時間 | |
6:00 | 6:00から 約5分間 | 火曜6:05頃~土曜5:00 | |
7:00 | 5:55~6:10 | 火曜6:10~土曜5:55 | |
7:00 | 5:55~6:10 | 火曜6:10~土曜5:40 | |
OANDA FX | 6:00 | なし (スワップ付与は6:00) | 土曜6:00まで24時間 |
6:30 | 6:30から 約5分間 | 火曜6:35頃~土曜5:30 | |
7:20 | 5:50~6:20 | 火曜6:20~土曜5:50 | |
7:05 | 5:55~6:05 | 火曜6:05~土曜5:50 | |
7:00 | 5:55~6:10 | 火曜6:10~土曜5:55 |
早朝窓開け時の値動きの違いを見てみよう
一般的なFX業者では夏時間は6:00、標準時間のときは7:00から取引ができます。
つまり始値が付く時点ではオセアニア市場がすでに動いているため、前週金曜日の終値から為替レートが離れやすいことが、月曜日の早朝に窓開け要因ともなります。
対してサクソバンク証券は、他の業者より3〜4時間早い3:00または4:00から取引できます。
早朝は取引量が少ないことで窓開けしたり、不安定な値動きを見せやすいですが、国内でもっとも早い時間に取引をスタートできるのです。
たとえば早朝にサクソバンク証券のチャートで窓開けしていなかった場合、トレンドが出ているならその方向へエントリーするやり方もできますね。
つまり、サクソバンク証券を使えば、国内系FX業者で窓開けする前のトレードチャンスを狙えるのです。
もちろん、週末のファンダメンタルズ要因をもとに、早朝から動き出す相場を見極めていくようにしてください。
まとめると、以下が月曜日に窓が開く主な要因となります。
- 土日のファンダメンタルズ要因による、投資家の注文状況の変化
- FOMC政策金利発表など、月曜日早朝の経済指標による価格変動
- 一部の業者で、窓開け前のNZオープンから売買が行われているため
高確率で窓埋めが起こる理由
「埋めない窓はない」という相場の格言もあるように、とくに月曜日に「窓が開いたら埋めるものである」ことが、マーケットではセオリーとなっています。
相場の先行きを確実に予想できる人はいませんから、100%確実に開いた窓が埋まるものではありません。
しかし投資家の心理に「窓が開いたら埋めるもの」と織り込まれている以上、それを狙って売買する投資家も一定数存在することも、窓埋めを形成する要因と捉えることができます。
なお窓は上下に大きく開くほど、短期的に行き過ぎた相場であると判断されて、戻る確率がより高くなります。
ですからチャートにはボリンジャーバンドを組み合わせて、±2σに注目してみるのもひとつの手です。
月曜日の窓埋めトレード手法
それでは、月曜日に窓開け後の窓埋めを狙ったトレード手法について解説します。
逆指値必須で短期トレードで狙う
窓開けするということは、その方向への勢いが強いことを示します。
つまり高い確率で窓を埋める動きになりやすいとはいえ、窓埋めを狙うトレードは、トレンドに逆らった「短期トレンドの逆張り」となりがちです。
窓は短いときで数分で埋まったり、当日の午前中2〜3時間程度で埋まりやすい傾向にあります。
しかしトレンドが強いときは、窓が埋まらずに一方向へ向かって長期にかけてトレンドが継続することもよくあります。
ですから、長期トレンドの逆方向に窓が開いたときに「順張り」の方向への窓埋めを狙って仕掛けるほうが、危険なトレードになりにくいといえます。
例えば日足で上昇トレンドの場合は、月曜日朝に下窓が開いたら、買いでエントリーする形ですね。
もちろん週末のニュースなどの動向によっては、月曜日の窓開けによってトレンドが変わる可能性もあります。
ですからどんなに短期のトレードだとしても、新規注文時に損切りの逆指値注文もセットにして注文を入れることで、損失拡大リスクを防ぐことができます。
また、窓は完全に埋まるとは限りません。
ローソク足を見るときは陰線・陽線の実体の長さ、ピンバーや十字線などでヒゲの長さに注目し、短期的な値動きの変化に注目していきましょう。
窓が完全に埋まらず反転しそうな動きが見られたら、欲張らずに利食いすることもポイントです。
こういったローソク足を使った分析は、酒田五法とプライスアクションで学ぶことができます。
単純な窓埋めを狙うトレードではギャンブル的になりやすいかもしれませんが、以下のポイントに注目して取り組んでみてください。
- 長期トレンドをチェックして、トレンド方向への窓埋めを短期トレードで狙う
- 逆指値注文で損切りを必ず入れておく
- ローソク足の形状に注目する
- 窓が埋まらず反転しそうな値動きが見られたら、欲張らずに利食いする
ノックアウトオプションを使った両建て戦略
損切りを事前に入れておくことが必須の窓埋めトレードでは、FXではなくノックアウトオプションで取引機会を狙うのもおすすめです。
ノックアウトオプションはFXとバイナリーオプションを合わせたようなイメージで、FXと同じような感覚で取引できる金融商品です。
そして、FXでいうロスカットラインとなる「ノックアウト価格」を決めることで発注ができます。
予想に反して損失方向に値動きした場合、ノックアウト価格に達したら購入したオプション料が損失となります。
逆に利益の方向に値動きしたら、FXと同じように上限なく利益を追求できる特徴があります。
ノックアウトオプションは攻守に優れた設計となっており、オプション料以上の損失となることは確実にありません。
FXと比べても少ない資金で取引できることも魅力で、通貨ペアや為替レートによって変動しますが、おおよそ最小1,000円前後で取引できます。
少額でポジションを保有できるノックアウトオプションなら、どちらに動くかわからない場面での両建てに向いているということです。
上昇方向と下落方向で2つのポジションを保有し、一方がノックアウト価格に達して損失となっても、もう一方で2つのオプション料以上の利益を得られればプラスとなります。
土日にファンダメンタルズ要因で動きがあったり、月曜朝にFOMC政策金利発表が重なったときなど、大きく動きそうなときは、ぜひノックアウトオプションも活用してみてください。
早朝トレードの注意点
早朝のトレードは「スプレッド」「スリッページ」に注意する必要があります。
スプレッド拡大に注意
窓開け直後にエントリーしようとする場合、早朝は流動性が低い影響により、標準スプレッドから拡大している可能性が高くなります。
スプレッドが広いと短期トレードでの収益化に大きな影響を与えるため、スプレッドが広くないか必ず確認するようにしてください。
複数業者で口座を用意しておけば、エントリー時にスプレッドが低い業者をチョイスしてトレードができます。
トレードチャンスを逃さないためにも、早朝からトレードできる業者を用意しておくことをおすすめします。
スリッページを設定しておく
FXで為替レートが激しく動いているときは、注文レートと約定レートにズレが生じる「スリッページ」という現象が起こります。
価格を指定して発注する指値注文と異なり、価格を指定せずに発注するストリーミング注文ほど、スリッページによる不利なレートで約定しやすくなっています。
例えばスプレッドが0.2銭だとして、1万通貨分を140.100で買い注文するとしましょう。
しかしスリッページにより140.108で約定した場合、8pips不利なレートで約定したことになります。
スプレッドとスリッページを合わせると100円が注文コストとなります。
つまりスプレッドだけではなくスリッページも実質的な取引コストとなるため、短期トレードでは軽視できないのです。
どの業者も、スリッページは「許容スリッページ」で上限を指定すればコントロールすることができます。
もしストリーミング注文を使う場合は、事前に設定しておくようにしてください。
極力スリッページを避けるなら、0.3pips程度の上限で設定しておくのがおすすめです。
窓埋めトレードに役立つインジケーター、ツール
OANDA証券では、窓に関するインジケーターやツールを提供しています。
週明けの窓チェックインジケーター
こちらのMT4インジケーターを使用すると、チャート上で窓開けを手軽にチェックすることができます。
週末の終値、週明けの始値、窓のpips数が表示され、窓部分には水平ラインが描かれますので、視覚的に見やすいのが特徴です。
「週明けの窓チェックインジケーター」は、OANDA証券で口座開設すれば無料でダウンロードすることができます。
使ってみたい方は、事前に口座開設を済ませておいてください。
窓開け・窓埋めトレードにおすすめの業者
月曜日の窓開けを狙ったトレードなら、取引開始がもっとも早いサクソバンク証券の口座があると便利です。
IG証券はサクソバンク証券に次いで取引開始が早く、FXのほかノックアウトオプションの取引もできる業者です。
IG証券
「約100通貨ペア」と国内屈指の通貨ペア数を提供しているIG証券は、イギリスNo.1FX業者です。
人気のノックアウトオプションに加えて、バイナリーオプションも提供しており、CFDは国内最多となる約17,000銘柄が用意されています。
取引時間には英国時間を採用しており、英国サマータイム時(3月最終日曜日〜10月最終日曜日)は早朝5:00から取引が可能です。
取引ツールにはゴールデンクロスなどの売買シグナルを通知できる機能があり、収益機会を見逃すことなく取引が可能です。
さらに国内で唯一、ショック相場などのスリッページにより証拠金以上の損失となることを100%防ぐ、ノースリッページ注文も提供されています。
たとえば週末にポジションを持ち越しすると、月曜日窓開けで損失となるリスクもあります。
こんな場面で、指定レートで確実な損切りをしたい方は、防御に優れた決済注文「ノースリッページ注文」もご活用ください。
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