FXや投資の世界で使われている用語を、50音ごとにまとめています。
マーケットニュースでは専門用語が飛び交う場面もよくありますね。
こういった用語が分かると、マーケットの流れを瞬時に判断できますので、コツコツと身につけていくようにしましょう。
用語ごとにスピード索引
あ行
か行
さ行
た行
は行
あ行
IMM(International Monetary Market)
IMMとは、アメリカのシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)にある国際通貨市場のことです。
IMMではおもに、主要通貨や新興国通貨の先物やオプションを取り扱っています。
なお、IMMという名称は、CME内ではもう使われておらず、CMEは、2007年にシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)とシカゴ商品取引所(CBOT)の合併により誕生した世界最大のデリバティブ取引所で、今日では金利・株価指数・外国為替・コモディティ・エネルギー・天候・不動産など、多様な先物やオプションを提供しています。
IMM通貨先物ポジション
IMM通貨先物ポジションとは、CMEで取引されている、通貨先物のポジションのことで、単に、IMMポジションとも呼ばれます。
公表されるデータにおいて、投機筋のロング(買い)と・ショート(売り)の枚数を差し引いたネットポジションが最も注目されています。
これは、取引に参加しているヘッジファンドや金融機関などの投機的なポジションを示しており、ロングの割合が多ければ相場下落、ショートの割合が多ければ相場上昇の可能性が高まっていると考えられます。
このデータの変化を見て、相場の方向性(トレンド)の判断材料とする使い方もされています。
関連記事:IMMポジションとは?
相対取引
外国為替市場では、株式市場のように「特定の場所」での取引は行なわれません。
つまり、相対取引とは、取引所を介さずに、金融機関など当事者同士が、売り手と買い手となり、相対(一対一)で交渉し、値段、数量、決済方法などの売買内容を決定する取引方法のことを指します。
一般的には店頭取引やOTCとも呼ばれ、FXではその多くが相対取引となります。
このうち、くりっく365は取引所を介したFX取引となるため、相対取引ではありません。
アスク(Ask)
プライスを提示する側(FX会社)の売り値のこと。オファーとも呼ばれます。提示された側(トレーダー)はそのプライスで買うことになります。
売りレートがアスク、買いレートはビッドで覚えましょう。
アセット(Asset)
アセットは金融資産のことです。
FXなら通貨ペア、CFDなら外国株から日経225、金や原油もこのアセットに該当します。
アナリスト(Analyst)
アナリストとは、個別の株価や相場全体の動きを分析し、運用者に対して情報を提供する人のことです。
大きく分けると、チャート分析などテクニカル要因を活用するテクニカルアナリストと、経済統計や経営実態などファンダメンタル要因を元に分析するファンダメンタルアナリストがいます。
アノマリー(Anomaly)
アノマリーとは、ある法則や理論では説明のつかない相場の変動のこと。
はっきりとした理論的な根拠があるわけではないが、よく当たるかもしれないとされる経験則のことを言います。
FXではジブリの法則や、ゴトー日、水星逆行、満月、窓埋め、大統領サイクルなどがアノマリーで有名で、季節要因もアノマリーに属します。
関連記事:アノマリーって何?FXや株など投資のアノマリーを集めてみた!
アベレージ・コスト(Average Cost)
同一銘柄のポジションを複数にわたって保有しているときの平均の持ち値、つまり平均コストのことを指します。
FXのほか、株など投資全般で、ドルコスト平均法などでも用いられている用語です。
例えば、1米ドル110円と120円で購入したとき、アベレージ・コストは115円となります。
通常、ロングのときアベレージ・コストが低ければ、為替相場が予想通りに上昇すれば利幅が大きくなります。ショートのときアベレージ・コストが高ければ、為替相場が予想通りに下落すれば利幅が大きくなります。
アービトラージ
アービトラージとは、価格差を利用した鞘取り(サヤ取り)手法のことです。裁定取引(さいていとりひき)とも呼ばれます。
現物市場で取引されている為替レートと、先物市場で取引されている為替レートのギャップ(差)を利用して利益を出す手法もアービトラージの一種です。
FXでは相関通貨ペアの価格差が縮小したときに両建てして、サヤが広がったときに決済する手法のほか、相関異通貨ペアの両建てによるサヤ取りが有名です。
関連記事:価格差のサヤ取り手法、スワップポイントのサヤ取り手法
IFD(イフダン)注文(IF Done注文、IFD注文)
新規の指値注文と、決済の指値注文(利食い)または決済の逆指値注文(損切り)をセットにして発注する注文方法のことです。
あらかじめ行ったチャート分析でどの価格でエントリーするのか、どの価格で決済するのか、しっかりトレードプランを設計できている方と相性のいい注文方法となっています。
関連記事:FXの注文方法
インカム・ゲイン(Income gain)
インカム・ゲインとは、投資、預金、不動産などの資産を保有することによって得られる「利子・配当による収益」のことを指します。
FXでは、2国間の金利差によって生じる利益、すなわち「スワップポイントによる利益」がこのインカム・ゲインに該当します。
インターバンク市場(Inter-Bank Market)
インターバンク市場とは、金融機関が相互の資金の運用と調達を行う場のことで、主に金融機関や大手証券会社などによって構成されています。
インターバンク・マーケットや銀行間市場とも呼ばれます。
関連語:外国為替市場
ECB(European Central Bank)
ECBはユーロ圏(EU)の経済政策を行なう、欧州中央銀行(European Central Bank)のことです。ユーロ圏最大の金融センターである、ドイツのフランクフルトにECBの本店があります。
ユーロ圏の物価安定を主要目的として、欧州単一通貨であるユーロの通貨発行・管理、金融・金利政策の決定、欧州中央銀行制度(ESCB、European System of Central Banks)の中核として、ユーロ圏の統一的な金融政策を行なっています。
またユーロ圏各国にある中央銀行の管理を行い、各国の中央銀行は託されている任務を遂行しています。
このECBの政策を決定する最高意思決定機関はECB政策委員会といい、ECB総裁、ECB副総裁、理事4人の計6人と、ユーロ圏各国の中央銀行総裁が加わったメンバーで構成されています。
イールド・カーブ(Yield Curb)
イールド・カーブとは、縦軸を「債券の利回り」、横軸を「債券の残存期間(満期日までの期間)」として、利回りと残存年数の関係をグラフ化したもので、利回り曲線ともいわれています。
主に、国債の利回り金利と償還期間との相関性を示す曲線として用いられてます。
長期金利(残存期間の長い債券の利回り)が短期金利(残存期間の短い債券の利回り)を上回る状態を順イールドといい、イールドカーブは右肩上がりの曲線になります。
通常は順イールドとなることが多く、順イールドでは将来的に金利が上昇すると考えられ、短期金利よりも長期金利の方が高くなります。
反対に、短期金利が長期金利を上回る状態を逆イールドといい、イールドカーブは右下がりの曲線になります。
まれに逆イールドとなることもあり、逆イールドでは将来的に金利が下落するとと考えられ、長期金利よりも短期金利の方が高くなります。
景気転換期となり金利水準が今後どう変化するかが不透明なとき、長期金利と短期金利の差が小さくなって、イールドカーブは緩やかな曲線になります。これを「フラット化」といいます。
今はまだ景気が良いと判断できないが、徐々に将来の見通しが明るくなっていくようなときでは、長期金利が上昇し、短期金利との差が拡大して、イールドカーブは急な曲線になります。これを「スティープ化」といいます。
このように、イールドカーブは債券市場の金利状況を表しますので、将来の景気動向予測、金融政策の先行指標、債券投資の指標として使われています。
関連記事:米ドル/円の値動きは「米国債の価格」「米国債10年利回り」との相関性に注目!
インサイダー取引
インサイダー取引とは、大株主や役員などの内部関係者が、未公開情報をもとに株式の売買を行うことです。
内部関係者が株価に大きな影響を与えるような未公開情報を知った場合、2社以上の報道機関によって情報が公開された後、12時間経過しなければその株式の売買を行ってはいけないと法律で定められています。
この法律は、内部関係者から情報の伝達を受けた者にも適用されます。
陰線(いんせん)
陰線とは、ローソク足において、始値よりも終値の方が安い線のことです。
逆に、始値よりも終値の方が高い線は、陽線(ようせん)といいます。
こういったローソク足の形状は、四本値(始値・終値・高値・安値)によって形成されます。
陰線は白黒のチャートでは黒色の線、カラーのチャートでは青色が一般的です。
関連記事:ローソク足の見方・使い方
インフレーション(Inflation)
インフレーションとは、経済全体の財やサービス、モノの価格レベル(物価)が継続的に上昇する現象のことで、貨幣価値の下落を意味します。
一般的には略語となる「インフレ」と呼ばれます。
インフレになると好景気でモノがよく売れて品不足、企業業績は上昇して、従業員の給与も上がります。
しかし、給与の上昇が物価の上昇に追いつかないために家計は苦しくなります。
そのため、実質所得は低下し、特に経済的弱者(年金生活者等)の生活は厳しくなってしまいます。
ウォールストリート(Wall Street)
ウォールストリート(ウォール街)とは、アメリカのニューヨーク市、マンハッタン島にある通りのことですが、一般的には、ウォール街の金融地区全体を指す意味として定着しています。
有名な金融映画にウォール街がありますが、この街が舞台となっています。
ウォールストリートにはニューヨーク証券取引所のほか、連邦準備銀行(FRB)、大手証券会社や大手銀行が集まっており、世界の金融における中心地となっています。
またアメリカ最大の経済新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」はウォールストリートが由来となっています。
売り持ち
売り持ちとは、外貨を売って保有している状態のことです。
ショート(short)や、ショートポジション、売りポジションを持っている、といった言い方の方がメジャーかもしれません。
米ドル円を売り持ちしているとき、円高に推移してから決済すれば為替差益が発生します。
反対に、外貨を買っている状態のことを買い持ち(ロング)といいます。
売り持ちでも買い持ちでもないゼロの状態、つまりポジションを決済して保有していないことをスクエアといいます。
S&P500(Standard & Poor’s 500 Stock Index)
S&P500とは、アメリカの有力な投資情報会社であるスタンダード&プアーズ社がニューヨーク証券取引所、アメリカン証券取引所、NASDAQに上場している企業(銘柄)から、代表的な500銘柄の株価を基に算出している株価指数のことです。
S&P500種株価指数とも呼ばれます。
ダウ平均株価(NYダウ、ダウ工業株30種)と並ぶアメリカの代表的な株価指数であり、CFDやETF、投資信託等で取引が可能となっています。
FFレート(Federal Funds Rate)
FF(フェデラル・ファンド)レートとは、無利息の準備金を表します。
これは何を表すかというと、アメリカの代表的な短期金利、すなわち米・政策金利のことです。
FRBがFFレート(加盟銀行間がお金を貸し借りするときの短期金利)誘導目標の範囲を定めており、FOMC政策金利発表で公表されています。
FRB(Federal Reserve Board)
FRBは連邦準備制度理事会のことです。
日本では日銀(日本銀行)が中央銀行ですが、アメリカの中央銀行に相当する機関がFRBとなります。
FRBによってFOMCが開催され、FFレート(政策金利)が公表される仕組みです。
FOMC
FXではおなじみのビッグイベントとして注目されているのが、FOMC政策金利発表です。
先に挙げたように、FRBがFOMCを開催して決定したFFレートを定期的に公表していますが、アメリカの政策金利は世界的な景況感や為替相場全体の先行きを見ていく上で、非常に重要な指標となります。
景気が悪化しすぎると継続的なデフレ(物価下落)が懸念されるため、FFレートを下げて景気の刺激をします。(金融緩和)
景気が過熱しすぎると継続的なインフレ(物価上昇)が懸念されるため、FFレートを上げて資金量を絞り、景気の抑制を行います。(金融引き締め)
金利操作が事前予想の範囲を大きく乖離した場合、為替レートにも大きな影響があります。
関連記事:注目すべきFOMC政策金利の変動要因と、為替・株・商品との相関性を解説!
関連記事:FOMC政策金利の予想(市場織り込み度)を見れる「CME FedWatch Tool」の見方・使い方を解説!
円キャリートレード
円キャリートレードとは、機関投資家・ヘッジファンドなどが低金利通貨の円を調達し、高金利の外貨で運用して金利差収入より高利回りを狙う取引のことです。
通貨だけではなく、株式、債券(米ドルで運用するなら、米国債)と多様な取引が行わえています。
仮にドルで借り入れした場合は、ドルキャリートレードといいます。
FXでは、低金利通貨として知られている「日本円」や「スイスフラン」がキャリートレードの対象となりやすく、例えば円キャリートレードが加速した場合は、円が売られやすくなることから、円安になるとされています。
関連語:キャリートレード
円高
円高とは、円が他国の通貨に対して、相対的に価値が高い状態のことです。
円高になると、同一単位で交換できる他通貨の単位数が、相対的に多くなります。
対ドルを例にすると、「円の価値が上がって、相対的にドルの価値が下がること」になりますので、1ドルに対して支払う円が「小額」になります。米ドル/円のチャートでいうと上昇している局面となります。
通常、円高になれば日本の輸出は不利になり、輸出企業の収益は減少します。
反対に、原材料などを輸入している企業は、安価で材料の調達ができることで生産コストが下がり収益は増加します。
円安
円安とは、円が他国の通貨に対して、相対的に価値が低い状態のことです。
円安になると、同一単位で交換できる他通貨の単位数が、相対的に少なくなります。
対ドルを例にすると、「円の価値が下がって、相対的にドルの価値が上がること」になりますので、1ドルに対して支払う円が「高額」になります。米ドル/円のチャートでいうと下落している局面となります。
通常、円安になれば、原材料などを輸入している企業は、安価で材料の調達ができることで生産コストが下がり、収益は増加します。
反対に、円高になれば日本の輸出は不利になり、輸出企業の収益は減少します。
オイルマネー(Oil Money)
産油国というと主にOPEC( 石油輸出国機構)に加盟する中東諸国が代表例ですが、こういった石油の産出・輸出によって得た巨額の資金のことです。
先進国の株式市場においてオイルマネーの流入などと言われるように、中東産油国が公的資金を対外投資に回す際にオイルマネーと呼ばれたりします。
需給に大きな影響を及ぼすことがあり、その動向が注目されています。
押し目、押し目買い
押し目とは、相場が上がり続けているときに、一時的に価格が下がる相場のことです。
このタイミングで買うことを押し目買いといい、英語ではBuy On Dips(バイ・オン・ディップス)といいます。
つまり、上昇トレンドのときに一時的に安くなったタイミングを見計らって買うことなのですね。
上昇基調が続いている相場であっても一時的に下落するタイミングがあり、投資の世界ではこういった相場の調整を狙う「押し目買い」「戻り売り」はオーソドックスな取引手法です。
しかし、非常に強い上昇トレンドのときは押し目を作らないこともあり、必ずしもこの戦略が通用する訳ではありません。
相場は方向性に沿ってしばらく継続することも多く、上昇を始めた相場の押し目を買おうと待っていても、なかなか下げに転じる場面も少ないこともよくあります。
この押し目を待っていても、なかなかトレードチャンスが巡ってこないときは「押し目待ちに押し目無し」と呼ばれています。
押し目買い・戻り売りをチャート分析で判断するやり方として、移動平均線やフィボナッチなどのテクニカル指標を用いたり、トレンドラインを引いて分析する方法が広く知られています。
関連記事:【押し目買い・戻り売り】とは?手法と投資家の判断タイミング
オシレーター系(Oscillator)
テクニカル指標は主に、トレンド系とオシレーター系に大別されます。
オシレーター系テクニカル指標の多くは「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を判断します。チャートで上下する動きから相場の反転を予測して、逆張りをするために用いられます。
RSI、RCI、ストキャスティクス、MACD、DMI/ADXなどがメジャーなオシレーター系です。
通常、トレンド系テクニカル指標は長期間の方向性を判断する使い方をしますので、オシレーター系指標はトレンド系に比べて、より短期間の分析に向いています。
オフショア(Offshore)
オフショアとは、日本語では「陸地から離れた沖合い」や「海外での」という意味があります。
オフショア取引とは外国人の非居住者向けの金融取引のことで、原則として運用・調達ともに非居住者が取引を行います。
規制や課税方式などが国内市場とは切り離されて優遇されており、比較的自由な取引が認められているのが特徴です。
自国の国内市場とは区分して、外国との取引のみを行なう国際金融市場のことをオフショア市場といいます。
FXで取引されている中国人民元(CNH)はオフショア人民元であり、中国国内で流通するオンショア人民元(CNY)とは異なるオフショア市場の代表的な通貨となります。
オプション取引(Option Trade)
オプションとは、デリバティブの一つで、特定の期日または特定期間内に、金融商品を特定の価格で買う(または売る)ことができる権利のことで、その権利の売買のことをオプション取引といいます。
その対象となる金融商品(原資産)には、通貨、株式、株価指数、金利、債券、コモディティなどがあります。
例えば通貨を対象としたオプション取引は通貨オプションといい、バイナリーオプションもこの一種となります。
またバリア・オプションのうち、原資産価格がある一定価格(ノックアウトプライス)に到達するとオプションの権利が消滅(アウト)する取引をノックアウトオプションといい、これもオプション取引の一種です。
関連記事:バイナリーオプションの専門用語を解説【コール/プット/プレミアム】
ノックアウトオプションは現在3社が提供しています。
銘柄数が豊富なIG証券、FOREX.comのノックアウトオプションは、以下で詳しく比較しています。
OCO(オーシーオー)注文
事前に2つの注文を出しておき、一方が約定したらもう一方はキャンセルとなる注文方法です。
たとえば新規OCO注文の場合は、買いの新規・指値注文と売りの新規・逆指値注文を出しておき、相場が上昇して指値注文が約定したら、逆指値注文はキャンセルされます。
ポジション保有時は決済OCO注文を発注でき、利食いと損切りをセットしておく使い方もできます。
関連記事:FXの注文方法
オージー
通常オージーというと、オージービーフのように「オーストラリアの〜」「オーストラリア人」という意味で使われます。
FXでは、豪ドル(オーストラリアドル)の愛称として呼ばれています。
OTC(Over The Counter)
OTCは相対取引のことで、取引所を介さない取引全般をOTCと呼びます。
オーバーシュート(Overshoot)
オーバーシュートとは、相場がチャートポイントを飛び越えるような形で、相場が急激な変動をすることです。
ローソク足でいうと、ヒゲが大きく伸びた場面を指します。
オーバーシュートが発生すると、移動平均線やサポートライン、レジスタンスラインなどの適正だと考えられていたラインを、上または下に大きく乖離します。
おもに上昇/下降相場の最終局面で起こりやすく、このような過熱相場のときはギャンブル的な要素も多いことから、取引への参加はリスクも高いとされています。
一般的に上方向への乖離をオーバーシュート、下方向への乖離をアンダーシュートと呼びますが、総称してオーバーシュートと呼ばれています。
オーバーナイト(over night)
オーバーナイトとは、その日のうちに決済せず翌日まで持ち越すことを指します。
そのポジションのことをオーバーナイト・ポジション、持ち越す取引のことをオーバーナイト取引といいます。
オーバーナイトの際にロールオーバーが行われ、スワップポイントが付与される仕組みです。
これに対して、その日のうちに決済する取引のことをデイトレードといいます。
終値
終値は四本値(始値・終値・高値・安値)の一つで、日・週・月・年など一定の取引期間における最終価格のことです。
外国為替市場には東証のような取引所はないため、終値は取引終了時刻ではありません。
そのため東京市場の場合は東京時間で17:00のレート、ニューヨーク市場の場合はニューヨーク時間で17:00のレートを終値としています。
なお一般的には、1日はニューヨーク市場の終了時間を基準としていますので、標準時間の場合、1日の終値はニュヨーク時間17:00(東京時間翌7:00)が終値となります。
始値よりも終値の方が安いときは陰線となり、始値よりも終値の方が高いときは陽線となります。
関連記事:ローソク足の見方・使い方
か行
介入(かいにゅう)
介入とは、外国為替市場で経済実態を反映しない相場の急変動に対して、中央銀行が相場を安定させるために行う為替売買のことです。また、平衡操作とも呼ばれます。
例えば日銀が相場を安定させるため円を買うことを「円買い介入」、逆に円を売ることを「円売り介入」といいます。
介入はまれにマーケットニュースでも配信されています。実際に通貨の売買を通じた市場介入は単に「介入」といいますが、これ以外にもいくつか種類があります。
- 委託介入:当該国の中央銀行が、他国の中央銀行に市場介入を代行してもらうこと。
- 口先介入:政府首脳や金融当局者が発言によって相場を意図する方向に動かそうとする介入のこと。
- 強調介入:各国の中央銀行が共同して行う介入のこと。
- 覆面介入:外国為替市場において、中央銀行が為替介入を公表せずに秘密に行なう介入のこと。
なお覆面介入は英語で「Covert interbention」と呼ばれています。
正式な用語ではありませんが、マーケット関係者が一般的に使用しているスラング(隠語)で、隠密介入という場合もあります。
なお、日本銀行がどのくらいの金額や規模で為替介入したのかは、財務省が毎月月末または四半期毎の日ベースで公表する「外国為替平衡操作の実施状況」で確認することができます。
買い持ち
買い持ちとは、外貨を買って保有している状態のことです。
ロング(long)や、ロングポジション、買いポジションを持っている、といった言い方の方がメジャーかもしれません。
米ドル円を買い持ちしているとき、円安に推移してから決済すれば為替差益が発生します。
反対に、外貨を売っている状態のことを売り持ち(ショート)といいます。
買い戻し
買い戻しとは、売りポジションを反対売買により決済することです。
FXでは、為替レートがこれから下落するだろうと予測するとき、売り注文をしたのち、この注文を「買い戻す」ことで利益を得ることができます。
例えば、120円で売り注文をして為替レートが下落したあと、119円で買い戻しすれば利益となります。
関連語:転売
外貨準備高(Foreign Exchange Reserve)
外貨準備高とは、通貨当局(中央銀行・財務省など)が保有する流動性の高い外貨建て(外国債券、外貨建定期預金、金など)の残高のことです。
外貨による対外支払、直接借入や、急激な為替相場の変動を制御する際に行われる為替介入などに用いられます。
外貨建てMMF
外貨建てMMFとは、外貨で運用される公社債投資信託です。
主な外貨の通貨には米ドルのほか、ユーロ、豪ドル、英ポンド、ニュージーランドドルの5種類があります。
ドル建て10ドルから購入ができ、国内では主な証券会社のほか、一部の都市銀行でも扱っています。
金利に相当する部分には一律20%源泉分離課税されますが、為替差益が出ても課税はされません。
ちなみに、外貨預金では為替差益は雑所得として課税されます。
外国為替(Foreign Exchange)
外国為替とは、日本と外国など、異なる2つの国の通貨を交換することです。英語の「Foreign Exchange」の頭文字からFXと呼ばれています。
日本では一般的な名称のFXですが、海外ではForex(フォレックス)と広く呼ばれています。
通貨を交換する行為のことを「外国為替取引」といい、ニュースでもよく用いられている「為替レート」とは、2つの国の通貨を交換するときの比率(レート)を表します。
FXは証拠金(保証金)をFX業者に預託して証拠金を預け、レバレッジをかけて取引することから、日本語で正しくは外国為替証拠金取引、これを短縮して「外為」とも呼ばれています。
FX以外にも外貨建ての金融商品には、外貨預金や外貨建てMMF、外国投信などがありますが、他の金融商品にはないFXだけの特徴として、「売りからの注文が可能なこと」「レバレッジを利用した売買が可能なこと」「売買手数料が極めて安いこと」「銀行預金の金利にあたる、スワップ金利が他の金融商品よりも有利であること」「少額から取引を始められること」などが挙げられます。
外国通貨建て
外国通貨建てとは、外貨で決済が行なわれることを指します。「外貨建て」も同じ意味として使われています。
例えば、外貨建て債券であれば、購入時の支払いや、利金・償還金の受取りが外貨で行われます。
通常、外国通貨建て商品には高金利の魅力もあったりしますが、外貨でのやりとりには為替変動によるリスク(為替リスク)もありますので、注意も必要です。
また、自国通貨1単位に対して、外国通貨がいくらになるかを表す方法としても使われています。
米ドルを例にすると、1円 = 0.015米ドルとなりますが、分かりにくいため為替市場では単位を上げて150円 = 1米ドルと表します。
反対に、外国通貨1単位に対して、自国通貨がいくらになるかを表すことを自国通貨建てと言います。
こちらはFXをやっている方にはお馴染みの表示方法で、1米ドル = 150円と表されます。
外国投信
外国投信とは、日本国内で販売されている投資信託の中でも、外国の法律に基づいて運用会社によって設定・運用されている外国籍の投資信託のことです。外国籍投資信託とも呼ばれています。
「外資系運用会社が運用するファンド」や「海外の株式や債券に投資する投資信託」という商品のことではなく、設定が海外か日本国内かが違うだけで、国内の証券会社からも販売されています。
外国投信には米ドル建てMMFやユーロ建てMMFも含まれ、通貨には米ドル建て、ユーロ建てのほか、円建てに対応する商品もあります。
多くの外国投信は、国内の投信と比べ、高い運用利回りに期待ができる反面、収益が大きい可能性があれば、それに比例してリスクも大きくなります。
また他の外貨建て商品と同様に、投資した後に円安基調であれば為替差益のメリットがありますが、円高基調になると為替差損が出るリスクがあります。
外国為替市場(Foreign Exchange Market)
外国為替市場とは、外国為替取引を行う場のことです。
インターバンク市場と対顧客市場の2つに大別され、通常、外国為替市場という場合には、銀行をはじめとする金融機関中心の市場であるインターバンク市場のことを指します。
証券取引所のような取引所は存在せず、シドニー、東京、香港、シンガポール、チューリッヒ、パリ、ロンドン、ニューヨークなどの世界各国の都市における、24時間オープンの市場です。
関連語:インターバンク市場
外債(がいさい)
外債とは、外国政府や法人が発行する債券(外貨建て債券)のことです。略して外債といいます。
発行者だけでなく、通貨や発行場所のいずれかが海外である場合も外債といいます。
円貨建て外債は、払込み、利払い、償還が円貨建てで行われます。
また外国の政府や法人が、日本国内で発行する円貨建て債券のことを「サムライ・ボンド」といいます。
外貨建て外債は払込み、利払い、償還が外貨建てで行われ、払込みと利払いの通貨が同じで償還の通貨が異なるものをデュアル・カレンシー債といいます。
為替差益(かわせさえき)
為替差益とは、為替相場の変動によって発生した利益のことです。
為替差損(かわせさそん)
為替差益とは、為替相場の変動によって発生した損失のことです。
為替手数料
為替手数料とは、外貨を金融機関と売買する際にかかるコストのことです。
FX、外貨現金、トラベラーズチェック(T/C)、外貨預金、外貨MMF、外国債券、外国投信、外国株式など、円から外貨または外貨から円、および外貨から外貨に替えるときに必ず為替手数料は発生します。
FXはこのような数ある外貨投資のなかでも、最も為替手数料が小さいのが特徴です。
為替変動リスク
為替変動リスクとは、為替相場の変動により損失が発生するリスクのことです。
カウンター・パーティー(Counter Party)
カウンター・パーティーは取引相手のことで、主に金融機関(銀行)のことを指します。
外国為替取引やスワップ取引、オプション取引、大口の債券の取引などは、金融商品取引所を介さずに直接相手と取引を行なう、インターバンク取引が一般的です。
投資家はそれぞれ独自の基準をもとにカウンターパーティー(取引相手)の信用度をランク付けすることで、信用度の高い取引相手と売買が行なわれます。
取引相手の債務不履行や倒産などでお金を受け取れなくなるリスクのことを、カウンターパーティー・リスクや決済リスクといいます。
FXでカウンターパーティーというと、FX業者が個人投資家との取引リスクをカバーする先(信託保全先)となる金融機関を指す場合もあります。
カバー・ディール(Cover Deal)
カバー・ディールとは、FX業者が顧客取引の反対売買をして、自社の持ち高をゼロにするための取引のことで、カバー取引とも言います。
例えば、顧客が通貨を売ったとして、その通貨の残高が不足するため、インターバンク市場で不足した通貨をFX業者が買うことで、残高調整をするために用いられています。
カントリーリスク(Country Risk)
カントリーリスクは海外への投資や融資、貿易において、その対象国の政治・経済・社会などの観点から信用度はどの程度であるか表す、危険リスクのことです。
多くは民間の格付会社によって公表されており、国民一人当たりの国民所得や外貨準備、国際収支、政治の安定度や経済政策などを判断基準として、その国の債務返済能力の程度を判断します。
特に新興国は総じて、カントリーリスクが高いと懸念されています。
機関投資家(Institutional Investor)
機関投資家とは、生命保険、証券会社、投資信託、損害保険、信託銀行、銀行など、個人や企業から預かった資金を運用する企業投資家のことです。
多くの資金をまとめて運用することができるため、市場に大きな影響を与えます。
基軸通貨(Key Currency)
基軸通貨とは、国際間の決済や金融取引などで基軸となる特定国の通貨のことです。
現在は、アメリカの通貨である「米ドル」が基軸通貨となっています。
期末・月末要因
期末要因・月末要因とは、決算期末が近づくとともに株式など金融資産の売り圧力が強まり、市場に影響を与えることです。
日本国内における銀行などの金融機関や一般企業では、1年間の決算を締める期末になって想定外の損失が出ないように、毎年1月ごろから3月期末の株価水準を予想しながら、保有株式の評価や株式運用成績の確定などを行なったりします。
そのため、保有金融商品の売却(利食い・損切り)が同時期に重なることで、期末要因が増えてくる傾向があるとされています。
逆指値注文
関連記事:FXの注文方法
逆ざや
逆ざやとは投資などで利益が得られず、損失が発生する状態のことです。一般的には含み損、英語ではアゲインストと言います。
「さや」とは相場の価格差のことで、その語源は江戸時代の米相場まで遡るとされています。
関連語:利ざや
金融政策(Monetary Policy)
金融政策とは、各国の中央銀行が物価安定や経済動向の調整をする政策のことです。
政策金利や通貨供給量(マネーサプライ、マネーストック)の調節を行うことで、物価の安定をはかり、経済の動きを調整する目的として金融政策が行われています。
経済を継続的に拡大させることが金融政策の目的です。
日本では、中央銀行である日銀(日本銀行)が金融政策を行なっています。
キウィ
Kiwi(キウイ、キーウィ、キウィ)は、ニュージーランドの国鳥でもある、ニュージーランドに生息する飛べない鳥のことで、キウイフルーツもこの鳥にちなんで命名された経緯があります。
またキウィには「ニュージーランドの〜」「ニュージーランド人の〜」という意味があります。
FXの世界では、ニュージーランドの通貨であるNZドル(ニュージーランドドル)の愛称で親しまれています。
逆張り(Contrarian)
逆張りとは、相場が反転することを予想して売買することです。
これは、相場の流れに逆らって売買する手法であり、上昇相場のときに売り、下降相場のときに買いをしますので、ほかの投資家や市況の裏をかく投資手法となります。
具体的には、為替相場が大きく下落したときに買ったり、為替相場が大きく上昇したときに売ったりします。
関連語:順張り
キャピタル・ゲイン(Capital gain)
キャピタル・ゲインとは、債券や株式、通貨、不動産など、「資産価格の上昇によって生じる利益」のことです。
FXでは為替変動によって生じる「為替差益」のことを指します。
反対に、資産価格の下落によって損となる場合はキャピタル・ロスといいます。
関連語:インカム・ゲイン
キャピタル・ロス(Capital loss)
キャピタル・ロスとは、債券や株式、通貨、不動産など、「資産価格の下落によって生じる損失」のことです。
FXでは、為替変動によって生じる「為替差損」のことを指します。
反対に、資産価格の下落によって損となる場合はキャピタル・ゲインといいます。
キャリートレード(Carry Trade)
キャリートレードとは、調達した低金利通貨を高金利通貨に換えて運用し、金利差を利用して利益を得ることで、機関投資家やヘッジファンドなどが大規模に仕掛けている取引手法です。
このうち、通貨が日本円で借り入れされて運用されることを円キャリートレード、ドルで借り入れされて運用されることをドルキャリートレードといいます。
FXでは、低金利通貨として知られている「日本円」や「スイスフラン」がキャリートレードの対象となりやすい性質があり、例えば円キャリートレードが加速した場合は、円が売られやすくなることから円安になるとされています。
個人投資家がFX取引で高金利の通貨を買い、スワップポイントを稼ぐのも一種のキャリートレードといえますが、取引では為替変動による損益の可能性もありますので注意も必要です。
キャンドル(Can-Doll)
キャンドルとは、Canadian Dollerを略したカナダドルの愛称のことです。
カナダは貿易収支が黒字で財政も安定しており、国土からは豊富な資源が算出されるため、カナダドルは安定した通貨である特徴があります。また、カナダはアメリカとの結びつきが非常に強いため、アメリカ経済の動向に左右されやすいという特徴もあります。
ちなみにカナダとアメリカが地続きであることから、カナダドルは両国の一部の国境近辺でも使用できます。
カナダドルは代表的な資源国通貨とされていて、カナダ経済自体が多様な産業や商品で構成されていることから、豪ドルやNZドルと比べると、為替レートの変動は比較的小さく、安定している傾向にあります。
一般的に米ドルに比べてもカナダドルは値幅が狭く、長期投資やリスク回避として買われやすい側面もあります。
クォート(Quote)
クォートとは、銀行などの金融機関が為替レートを提示することです。日本語では、建値と呼ばれています。
FXではお馴染みですが、買値と売値の両方を同時に提示することを、2 Way Price (ツー・ウェイ・プライス)や、2 Way Quote(ツー・ウェイ・クォート)と呼びます。
なお、FXにはクォート注文(ストリーミング注文)という注文方法がありますが、これは提示レートで発注する注文方法となります。
価格変動が激しいときなど、クォート注文は現在レートで約定せず注文が通らないこともあります。
(この注文が約定しない、約定拒否のことをリクォート(Requote)といいます。)
似たような注文方法として成行注文がありますが、こちらは、スリッページの許容範囲を設定した上で発注をする注文方法です。
成行注文の場合、スリッページの許容範囲を超えるレートの変動があれば約定されずに、レートの再提示が行われますが、許容スリップの値を大きくすれば、すぐに約定させることができます。
クロス取引(Cross Trade)
クロス取引とは、米ドルを介さない為替取引のことです。
FXでは基軸通貨である米ドルを含まない通貨ペアの組み合わせは、全てクロス取引となります。
ユーロクロスと言えば、ユーロを中心にした取引 (ユーロ/円やユーロ/英ポンドなど)を意味し、円クロスといえば円を絡めた取引(ユーロ/円やポンド/円など)を意味します。
なお、このようなFXにおけるクロス取引と、株などの有価証券取引のクロス取引では意味が異なります。
株取引におけるクロス取引とは、1つの証券会社が、ある銘柄の注文において、同一銘柄、同数量の買い注文と売り注文を同時に発注し、約定させる取引のことを指します。
気配値(Quote)
気配値(けはいね)は、FXでは買いレートと売りレートの総称で、MT4ではレートパネルを気配値と呼んでいます。
英語ではQuotation(クォーテーション)やQuote(クォート)と呼ばれています。
通常の株式や債券などでは、気配値は売り手や買い手が出した価格のことをいい、約定価格(実際に取引が成立した価格)とは異なり、売買が成立しそうな気配がある価格を意味します。
この気配から、その瞬間の注文状況で、売りと買いのどちらが優勢であるのかが分かります。
売りの指値による注文がある気配は「売り気配」、買いの指値による注文が入っている気配を「買い気配」といいます。
通常は売り気配、買い気配ともに、現在値に近い価格のことが多いですが、売りか買いのいずれかが一方的に多いときは、極端に低い売り気配や、極端に高い買い気配となる場合もあります。
このように極端に注文が偏り、すぐには売買が成立しないような状況を「特別気配」といいます。
現受け、現渡し
現受けとは、買いポジションを円に交換せずに決済して外貨のままで受け取ることです。
海外旅行などで外貨が必要なとき、銀行で両替するよりも手数料が安く、狙ったレートで替えられるメリットがあります。ただし、現受けを行っていない取引業者もあります。
反対に売りポジションで持っている外貨の対価を円で受け取ることを現渡しといいます。
固定相場制
固定相場制とは、自国通貨を主要通貨の為替レートを固定する制度のことで、ぺッグ制ともいいます。
多くの先進国では、市場の需要・供給の動きから為替レートを決める変動相場制が採用されていますが、新興国や流通量の規模が小さい国では固定相場制を採用する国もあります。
ドルペッグ制では中国人民元や香港ドル、ユーロペッグ制ではデンマーク・クローネが代表通貨となります。
固定相場制のメリットとしては、為替の変動がないことから貿易が安定する点です。変動相場制での貿易は、自国通貨が割高になれば輸出産業にダメージを受けますが、固定相場制ではそのようなことが起こりません。
ただ固定相場制のデメリットとして、相手国の金利に左右されることがあります。
また特定の国ではなく、複数の通貨の平均値に連動させるバスケット制(例.シンガポールドル)をというのもあります。
ゴールデンクロス
ゴールデンクロスとは、2本の移動平均線を使うテクニカル分析において、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜けることを指します。
「より直近の価格傾向が上向きに転じた」とみられるために、買いサインとされています。
ただし、各移動平均線の期間の取り方によっては、クロスする時期と実際の値動きにズレが生じて上手く分析できないこともありますので、注意が必要です。
長期間の移動平均線であれば信頼性も高く、下降トレンドから上昇トレンドへ転換するときの分岐点をみる判断材料に利用されています。
反対に、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に抜いたときはデッドクロスと呼ばれ、売りサインとして見られています。
ゴトー日要因
ゴトー日要因(5・10日要因)とは、輸入企業が海外からの購入代金を支払う為の外貨を購入しなければならない為に、手形決済日の5日、10日の倍数の日にドルなどが買われる傾向があり、その結果外貨不足となる事をいいます。
FXでは、ゴトー日は他の日にちよりも為替レートの変動があるとされて注目されています。
さ行
裁定取引
同義語:アービトラージ
差金決済(Settlement on balance)
差金決済とは、証拠金(保証金)を業者に預託し、買いと売り(売りと買い)の差額のみを授受する取引方法のことです。
FXの決済方法も、原則としてこの差金決済となります。
FX取引やCFD取引、先物取引など、証拠金を預託して直接原資産の買い付けを行わない金融商品では、差金決済で取引が行われています。
なお、株式投資(現物取引)ではこの差金決済が禁止されています。
指値注文
指値注文は自身に有利な価格で注文を入れておく注文注文です。
新規の指値注文の場合は、上昇トレンドの流れにおいて、現在レートよりも一時的に下がったところで買いたいと考えるときに活用します。
想定どおり一時的に下がった価格で買うことができれば、先ほどのレートで成行注文で買うよりも有利な価格でポジションを保有でき、含み益となって決済すれば、指値注文で買ったポジションのほうが利益は大きくなります。
買いポジションを保有しているときに決済で指値注文を使うときは、このまま上昇してある価格に達したら決済しようと考えるときに、事前に発注することができます。
関連記事:FXの注文方法
サポートライン
トレンドラインをチャートに描画して、複数の安値同士を結んだ線のことです。
支持線とも呼ばれます。
関連記事:トレンドラインの見方・引き方
CFD(Contract For Difference)
日本語では差金決済取引といい、証拠金を預託して、現物を保有せずに株式、株価指数・株価指数先物、債券先物等の価格を原資産とした、差金決済デリバティブ取引の一種のことです。
CME(Chicago Mercantile Exchange)
CMEとは、シカゴ・マーカンタイル取引所のことです。
アメリカのシカゴにある、北米最大の商品先物取引所および金融先物取引所となっています。
CME傘下のIMMを通じて通貨先物取引を行っている投資家は、シカゴ筋と呼ばれています。
GTC(Good Till Cancel)
GTCとは、取引が成立するまで無期限で有効な注文のことです。
GTCは指値注文や逆指値注文などで利用され、注文が約定するか、または自分でキャンセルするまで有効となります。
一般的に、FXやCFDで利用でき、指値で自分が売買したいタイミングまで待ったり、逆指値で損切りなどリスク管理にも使うことができます。
関連語:デイオーダー
実現益・実現損
実現益とは、保有するポジションを決済して利益を確定させたことを指します。
逆に、保有するポジションを決済して損失を確定させたときは「実現損」といいます。
実需(じつじゅ)、実需筋(じつじゅすじ)
実需とは、輸出業者や輸入業者による貿易取引や資本取引など、実際の商取引に基づいた為替の需要のことです。
この実需に伴って外国為替取引を行う機関投資家などの市場参加者は、実需筋と呼ばれています。
一方で、短期的な値動きに注目して、利ざやを得ていくことを目的とした資産運用取引を投機といいます。
実需筋に対して、短期的な売買により利益を得ることを目的とした市場参加者は投機筋と呼ばれています。
この投機筋は外国為替取引全体の7~8割を占めると言われており、相場への影響力も大きいのが特徴です。
順張り(Market Follower)
順張りとは、相場のトレンド(方向性)にしたがって上昇局面のときに買い、下降局面のときに売りをする売買のことです。
例えば、ドル/円相場でドル高の傾向にある場合、この先もドル高が続くだろうという予測のもとにドルを買うのが順張りとなります。
関連語:逆張り
シカゴ筋(Chicago Muscle)
シカゴ筋とは、アメリカのシカゴマーカンタイル取引所(CME)傘下のIMMを通じて、通貨先物取引を行っている投資家のことです。
これには、ヘッジファンドやCTA(Commodity Trading Advisor、商品投資顧問業者)、金融機関など含まれています。
全米最大の先物取引所であり、世界第2位の規模を誇るシカゴ先物取引は、世界の為替マーケットの縮図ともいえ、シカゴ筋が大きく動いたときは外国為替市場にも影響を及ぼすとされています。
ショート(Short)
ショートとは、外貨を売った状態のことを指します。売り持ちや、売りポジションを持っているとも呼ばれます。
米ドル/円でショートといえば、ドル売り・円買いの状態のことで、この場合円高・ドル安が進むほど利益を得ることができます。
しかしショートの場合、高金利通貨を保有して、低金利通貨を買い戻すときは、通貨の金利差がスワップ金利としてコストが発生しますので、注意が必要です。
関連語:ロング
スクエア
ロング(買い持ち)でもショート(売り持ち)でもないゼロの状態、つまりポジションを決済して保有していないことをスクエアといいます。
スティープ化
スティープ化とは、短期金利と長期金利の差が大きくなった状態のことをいいます。
また、スティーブニングとも呼ばれます。
縦軸に債券利回り、横軸に債券の残存期間を取ったグラフ(イールドカーブ)は、一般的に残存期間が長いほうが金利が高くなります。
イールドカーブの傾斜角度が急な右肩上がりになった場合は、短期金利と長期金利の金利差が大きくなったことを意味し、スティープ化するといいます。
このイールドカーブのスティープ化は、現在の景気はそこまで良くはないが、将来の景気が上昇していく傾向があると考えられるとき、市場の投資家が、将来金利は上昇していくと予測している状態を意味します。
ストップロスオーダー(Stop Loss Order)
ストップロスオーダーとは逆指値注文のことです。逆指値注文は損失を限定する使い方をすることから、海外のトレーダーのほか、日本の投資家も逆指値注文をストップロスオーダーと呼ぶこともしばしばあります。
主に損切りで使うことから、決済の逆指値注文として使うのが一般的です。
たとえば買いポジションを保有しているとき、最低限利益を確保しておきたい価格を逆指値注文で指定して入れておく使い方ができます。
関連記事:FXの注文方法
スプレッド
スプレッドは買いレートと売りレートの差額のことです。
取引手数料が無料が主流となっているFXでは、スプレッドが実質の取引コストです。
提示スプレッドでポジションを保有した場合、スプレッド分が含み損として口座がマイナスの状態から取引が始まります。
たとえば1万通貨でスプレッドが0.2銭でポジションを保有すれば、口座はスプレッド分が徴収され−20円からスタートします。
スプレッドは新規注文時のみ発生し、決済注文時に発生することはありません。
関連記事:スプレッドとは?
スリッページ(Slippage)
スリッページとは、成行注文やストップロス注文(逆指値注文)などの注文成立時に発生する現象のことで、指定したレートや提示レートと、実際に約定したレート差のことです。
英語に直訳すると「slippage」には「滑る」という意味があり、スリッページしたことを、スリップした、滑ったなどとも言います。
例えば経済指標発表時などの、相場の急落・急騰が起こりやすい状況ほど、スリッページが起こりやすい傾向があります。
スリッページは不利な方向に約定する場合が多いですが、有利な方向に約定することもあります。
スリッページを防ぐには、発注時に「許容スリップ」でどのくらいのpipsまで許容できるかを設定で行えますが、許容スリップの値を小さくしすぎると、なかなか注文が通らない状況に陥ることもあります。(この注文が約定しないことは、リクォートと呼ばれます。)
保有ポジションがマイナスとなっているときに損切りをするときは、多少のスリッページは想定範囲内だと割り切って約定させることも大切です。
スワップ(Swap)
スワップとは、英語で直訳すると「交換」という意味があります。
金融用語では、あらかじめ決められた条件に基づいて、将来の一定期間にわたってキャッシュフロー(現金の流れ)を交換する取引のことを「スワップ取引」といいます。
このスワップ取引では、あらかじめ決定されたキャッシュフローの交換時期等の条件により、 キャッシュフローの交換は1回だけではなく、長期間にわたって数回行われたりします。
なおスワップ取引には、同一通貨のキャッシュフローを交換する「金利スワップ」、異なる通貨のキャッシュフローを交換する「通貨スワップ」、直物為替と反対方向の先物為替を組み合わせた「為替スワップ」などがあります。
スワップポイント(Swap Point)
スワップポイントとは、取引している2通貨の金利差(スワップ金利)の受け取り金利・支払い金利のことです。
外貨預金でいうところの「利息」のようなイメージです。
高金利通貨であるトルコリラ、メキシコペソなどを買いポジションで保有している間は日々スワップポイントを受け取ることができます。
反対に、高金利通貨を売って買いポジションで保有している間は、日々スワップポイントをの支払いが発生しますので、これらの通貨を売りから新規注文する際は注意するようにしましょう。
ゼロサム(ZERO-SUM)
ゼロサムとは、一方が利益を得たとしたら、もう一方は同じだけの損をし、利益と損失が全体でプラスマイナスゼロになることをいいます。
また、参加者全員の特典と失点の合計がゼロとなるゲームを、ゼロサムゲームといいます。
一般的に、FXや株式取引などの投資では、儲かる人と損をする人がいますが、(ブローカーへの手数料を除いて)日々の参加者の損益を合計するとゼロサムとなりますので、投資は全ての参加者が儲かるというものではなく、勝者は少数で、敗者は多数なのが現実となっています。
損切り
損切りとは、損失をそれ以上拡大させないために、現在損失がでている保有ポジションを決済することです。
ソブリンリスク(Sovereign Risk)
ソブリンリスクとは、カントリーリスクのなかでも、取引相手国への融資に対する信用リスクのことです。
一般的に融資対象となる新興国において、過大な経常赤字や政情不安などによって国(政府)の債務返済能力が懸念される場合にソブリンリスクが高まりやすくなります。
た行
大統領サイクル
大統領サイクルとは、アノマリー(経験則)の一種で、アメリカ合衆国の大統領選挙のサイクル(4年周期)と、株価(S&P500等の米国株価指数)や外国為替(ドル相場)との間に相関関係があるとする考え方のことです。
具体的には、株価は米中間選挙の年は安く、大統領選挙の年に向かって上昇していき、また為替(ドル円相場)については、大統領選挙の年とその翌年は円安ドル高が進み、反対に中間選挙の年とその翌年は円高ドル安に振れる、という傾向があります。
高値
高値とは、四本値(始値・終値・高値・安値)の一つで、日・週・月・年など、ある特定期間の中で最も高い価格のことを指します。
その期間ごとに高値の価格は異なりますが、基本的にはその日の高値として使われます。
タカ派
為替市場でのタカ派とは、要人発言における景気見通しに対し、強気な発言や楽観的な考え方の人のことを指します。
また金利引き上げ派であり、金融緩和に消極的であることがタカ派の特徴となります。
建値(たてね)
建値とは、「建値段」の略で、一般的には、売買の基準とすべき値段のことです。英語では、クォートと呼ばれています。
このFX取引でお馴染みである、買値と売値の両方を同時に相手方に提示することは、2 Way Price (ツー・ウェイ・プライス)や、2 Way Quote(ツー・ウェイ・クォート)ともいわれています。
外国為替市場においては、銀行が為替相場で公表する標準値段(為替レートの提示)のことを指します。
またFXでは建玉をしたとき(ポジションを保有したとき)の値段を指す意味で、この建値が使われたります。
WTI(West Texas Intermediate)
世界最大規模の先物市場と言われているニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で取引されている原油先物のことです。
WTIはWest Texas Intermediateの略で、アメリカのテキサス州西部とニューメキシコ州南東部で産出する低硫黄の軽質原油を指します。この軽質原油は硫黄分が少ないため、ガソリンや灯油などを多く取り出せる高品質さが特徴です。
なおWTI原油は、国際的な原油価格を判断する上で注目されています。
中央銀行(Central Bank)
中央銀行とは、国家や国家連合など同一の通貨地域において、中核となる金融機関のことです。
紙幣を発行したり、一般の銀行などの金融機関に対して融資を行ったり、また通貨の安定を図るため、金融政策を行います。
日本の中央銀行は日本銀行で、日銀(にちぎん)という略称でも呼ばれています。
アメリカには単一組織としての中央銀行がないかわりに、連邦準備制度(FRS)が中央銀行制度として存在しています。このFRSは連邦公開市場委員会(FOMC)、連邦準備制度理事会、および12の地域の連邦準備銀行(FRB)で構成されています。
ユーロ圏では欧州中央銀行(ECB)が金融政策を担っており、本店はドイツのフランクフルトに置かれています。
長期金利
長期金利とは、取引期間が1年以上の資金を貸し借りする際の金利のことです。
償還期間の長い債券や、満期まで長期間の金融資産、負債の金利が該当します。
通常、期間が1年未満の場合は短期金利、1年以上の場合は長期金利とされていて、日本国内では、10年物国債(長期国債)の中で流通量が多い銘柄が代表的な指標となり、ほかの長期金利に対して影響を与えます。
また長期金利は、銀行などの金融機関が企業に融資するときの金利や、個人向け住宅ローンの金利の基準となります。
長期金利が低下して資金調達しやすくなると、住宅購入や設備投資などが活発になり、経済に好影響をもたらすと考えられています。
短期金利は日銀などの金融政策の影響を直接的に受けますが、長期金利は短期金利の影響も受けつつ、景気やインフレ動向など、将来の物価変動の予測によって左右されます。
調整局面(Correction)
調整局面とは、上昇が続いていた為替相場の動きが停滞し、利益確定の動きも強まり、相場は上げ幅を縮小する動きがしばらく続く期間のことを指します。
相場に生じた過熱感により、為替レートの適正水準を大きくかけ離れたときに見受けられることも多く、要人発言や経済指標の結果によって、元の上昇トレンドに戻ったりします。
調整局面の後は、そのまま元の上昇トレンドが続く相場に戻ることもあれば、反転して下降トレンドとなれば、結果的には天井であったということになります。
チョッピー(Choppy)
チョッピーとは、変わりやすく、絶えず不規則に変化している状態のことを指します。
為替相場では、参加者が少ない状況に起こりやすいので、上下に不規則に動く相場はレンジ相場の動きにも似ているが、より荒いレートの動きが特徴です。
クリスマスなどのように極端に取引参加者が少なく、流通量が少ないときにチョッピーな動きをしやすい傾向があります。
本来の英語のChoppyには「(風などが)変わりやすい」「ばらばらの・まとまりのない」「(海・湖が)波立っている」といった意味があります。
通貨先物取引(Currency Futures)
通貨先物取引とは、取引所に上場されている通貨の先物取引のことです。
世界的には、アメリカにあるシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の国際通貨先物市場(IMM)が有名です。
FXの経済指標では、CMEで取引されているIMM通貨先物ポジションが毎週公表されており、これはヘッジファンドなどによる投機的なポジションを示しています。
買いポジションがの増加は相場下落、売りポジションの増加は相場上昇の可能性があると見られています。
ツー・ウェイ・プライス(Two Way Price)
金融機関が為替レートの提示をすることを建値やクォートといいますが、ツー・ウェイ・プライスとは、レートを表示する際に、売値と買値の両方を同時に提示することです。
ツー・ウェイ・クォート(2 Way Quote)とも呼ばれています。
例えば、テレビなどで「今日の為替相場は1ドル120円90銭から120円93銭となっています。」と2つのレートが配信されたりしますが、これがツー・ウェイ・クォートにあたります。
FXでは、このツー・ウェイ・プライスによって、現在この値段で買えますよという「買値」と、この値段で売れますよという「売値」の両方を同時に投資家に提示することで、売買の透明性が保たれています。
手仕舞い
手仕舞いとは、現在保有している買い、または売りのポジション(建玉)を、反対売買で決済することです。
このとき、利益がプラスで決済する時は利益確定(利食い)、利益がマイナスで決済する時は損切りといいます。
デフレーション(Deflation)
デフレーションとは、経済全体の財やサービスの価格(物価)が継続的に下落する現象、貨幣価値の上昇を意味します。
略してデフレと呼ばれます。
デフレで不景気でモノが売れない状態が続くと、企業業績は悪化し、従業員の給与が下がり、リストラや倒産により失業が発生します。
そのため予定収入が落ち込むことにより、借金の負担が重くなり、経済活動を縮小させていく要因となります。
転売
転売とは、投資全般で使われる用語で、買いポジションを反対売買により、全部または一部のを決済することです。
バイナリーオプションにおける転売とは、現在購入しているオプションを判定時刻の前に売却することを指します。
対義語:買い戻し
デイオーダー(Day Order)
デイオーダーとは、注文を出したその日のみが有効となる、売買注文のことです。
FXでは、指値注文や逆指値注文などに有効期限を設定して注文をすることができます。
オーダーを出した日に注文が成立しなければ、注文は自動的にキャンセルとなります。
デイオーダーはニューヨーク時間が終わるまでが注文が有効となりますが、FX業者ごとに有効期限異なったりしますので注意も必要です。
通常、日本時間の月曜日朝7時にデイオーダーをすれば、火曜日の朝7時直前までが有効となり、夏時間(サマータイム)のときは火曜日の朝6時直前までが有効となります。
なお、デイオーダーに対して、その週の金曜日のニューヨーク・クローズまでが有効期限の注文をウィークオーダー(Week Order)、無期限の注文をGTC(Good Till Cancel)といいます。
デイトレード(Day Trade)
デイトレードとは、翌日にまでポジションを持ち越さずに、その日のうちに決済をする取引のことです。日計り商いや日計りとも言われます。
チャンスがあれば1日に何度か売買を行い、寝ている間の相場急変によるリスクを抑えるためにその日のうちに決済する、というのがデイトレードの基本的な手法となります。
デイトレードよりも短期間の取引にはスキャルピングがあり、こちらの手法は数秒から数分程度の短い時間での取引となります。
また、1日で決済せず、数日から数ヶ月などやや長期間の保有をし、ある程度の値動きを狙って売買する手法は、スイングトレードと言います。
ティック(Tick)
ティックとは、株式や為替などの価格(レート)の刻々と変わる細かい値動きのことをいいます。
また、金融商品における値動きや価格の変化の最小単位(値)を表わすこともあります。
このティックという名称は、時計が時を刻む音のティック・タック(tick tack)が由来となっています。
なおFXでは、ティックの値動きを表示したチャートを、ティック・チャートといいます。
ティック・チャートには、分足・時間足・日足のように期間がありません。
1分足よりも短い期間での表示となり、売買が約定するごとに、チャートに点を付けて動きが表されます。
始値や高値の概念がないため、ローソク足やバーチャートと異なり、折れ線グラフで表示されるのが特徴となり、1本の線が心電図のように上下に動いていく、といったイメージです。
数十秒から数分で、相場のわずかな変動を瞬間的に狙う取引手法の「スキャルピング」で有効的なチャートですが、投資初心者には難易度も高いとされています。
ディップ(Dip)
ディップとは、金融市場全般で使われる用語で、値段(価格)が急落することです。
また、英語のDipには沈下する、沈む、急降下するといった意味があり、外国為替市場では、値動きを表す表現として、「ストンと落ちること」「軽くすっと下がること」を指します。
また、Buy on Dipというフレーズは、日本語では押し目買いの意味があります。
ディーラー(Dealer)
ディーラーとは、株式や外国為替市場などをはじめとした金融機関のマーケット部門で、トレードを業務をする人たちのことです。
なかでも、外国為替の取引するディーラーを外為ディーラーと呼びます。
為替ディーラーのうち顧客担当を務めるのがカスタマーディーラーです。
ディーラーの補助をする人のことをアシスタントディーラーといい、一般的にアシスタントして経験を積んでからディーラーになります。
ディーラーには自己判断で売買できる権限が与えられておりますが、アシスタントディーラーは自己判断ではなく、サポートするディーラーの判断に従って取引を行ないます。
さらに何人かのディーラーをまとめあげ、トップに立つ役割となるのがチーフディーラーです。
ディーリング(Dealing)
ディーリングとは、証券会社や銀行などが、自己の勘定で外国為替や有価証券の取引をすることです。
株式市場では、自己勘定で取引をする場合をディーリング、顧客勘定で取引する場合をブローキングと分けて呼びますが、外国為替市場ではひとくくりにディーリングと呼びます。
テクニカル分析
テクニカル分析とは、過去の値動きをチャートと呼ばれるグラフで表し、そこからトレンドやパターンを把握し、今後の為替レートの動きを予想するというものです。
また、チャートを使うことからチャート分析とも呼ばれます。
このテクニカル分析には、市場の全体的な方向性(トレンド)を見極めることを目的とした「トレンド系分析」と、現在のトレンドの強さや過熱感など変化の大きさや兆しを察知することを目的とした「オシレーター系分析」の2つがあります。
そのため、トレンド系分析は中長期の予測に、オシレーター系分析は短期の予測に用いられています。
このほかFXには、各国や地域の経済状況から値動きを予測する、ファンダメンタルズ分析があります。
デッドクロス
デッドクロスとは、2本の移動平均線を使うテクニカル分析において、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に抜けることを指します。
「より直近の価格傾向が下向きに転じた」とみられるために、売りサインとされています。
ただし、各移動平均線の期間の取り方によっては、クロスする時期と実際の値動きにズレが生じて上手く分析できないこともありますので、注意が必要です。
長期間の移動平均線であれば信頼性も高く、上昇トレンドから下降トレンドへ転換するときの分岐点をみる判断材料に利用されています。
反対に、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に抜いたときはゴールデンクロスと呼ばれ、売りサインとして見られています。
投機
投機とは、短期的な価格変動の目論見から、利ざやを得ようとする行為のことです。
もともとは禅の仏教用語であり、師弟の心機が投合することを言います。
英語でいうSpeculationには、思索・推測の意味があります。
投機筋
投機筋とは、株や為替の短期的な売買によって利ざやを得る、投機を目的とした投資家全般のことを指します。
ヘッジファンドや機関投資家によって構成されており、投資額が大きいことから、投機筋の売買が株価や為替価格の変動に大きく影響を与えます。
反対に投機筋に対して、輸出入の事業により為替取引が必要となる市場参加者のことを、実需筋といいます。
外国為替市場では、実需筋が2割、投機筋が8割の割合で参加しているとされていて、投機筋による売買の影響の方がより大きい市場となっています。
特に世界の要人の発言、経済指標などに反応して動く投機筋の動向は注目度も高く、短期の為替レートへの影響力があります。
対義語:実需筋
独歩高(どっぽだか)、独歩安(独歩安)
独歩高とは、相場全体が低迷しているにもかかわらず、ある特定銘柄の株価(通貨)だけが高いことです。
このような動きは、ある銘柄(通貨)に好材料が出て多く買われたり、相場が停滞している時に、探りを入れるための打診買いが入った場合などに起きたりします。
独歩安とは、相場全体が上昇傾向にあるにもかかわらず、ある特定銘柄の株価(通貨)だけが安いことです。
このような動きは、ある銘柄(通貨)に悪材料が出て多く売られた場合などに起きたりします。
ドルコスト平均法(Dollar cost averaging)
ドルコスト平均法とは、定期的に継続して定額ずつ購入することにより、中長期でアベレージ・コスト(平均購入コスト)を引き下げられる投資手法のことです。
定期定額購入法とも呼ばれます。
FXでいえば、毎月一定額で買い付けていけば、価格が下落した時にはたくさんの量を購入でき、価格が上昇して高い値段の時には少ない量しか購入できないため、平均コストを安く抑えることができる、という意味となります。
しかしこれには注意も必要で、長期的に上昇トレンドであれば効果的な投資法といえますが、長期的に下落トレンドにある場合は、ナンピンを繰り返す結果となり、マイナスとなってしまうこともあります。
ドルペッグ(Dollar Peg)
ドルペッグとは、自国の通貨レートをドルに一定の割合で連動させる、固定相場制(ペッグ制)のことです。
ドルペッグは、ドルに対しての為替レートは安定し、貿易や投資を円滑に行なうことができますが、通貨レートを維持するためにアメリカの金利政策に追随しなければならないというデメリットがあります。
固定相場制は、経済基盤の弱い国が、自国の通貨レートを経済的に関係の深い大国の通貨と連動させて、経済を安定させるために用います。
FXでドルペッグ制を採用している通貨には、香港ドル(HKD)があります。
関連語:変動相場制
トレンド系(Trend)
FXのテクニカル分析には、トレンド系指標とオシレーター系指標、2タイプのテクニカル指標があります。
このトレンド系テクニカル指標は、現在の相場の方向性を計測し、その方向に順張りをするために用いられます。
トレンド系テクニカル指標にはSMA(単純移動平均線)、EMA(指数平滑移動平均線)、WMA(加重移動平均線)などの移動平均線や、一目均衡表、ボリンジャーバンドなど様々な種類があり、長期的な分析に向いています。
もう一方のオシレーター系テクニカル指標は、「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を見て、相場の反転を予測するために用いられています。
トレンド相場(Bull Trend)
トレンドとは、長期的に、上下どちらか一定方向に価格が動いていることです。
相場は日々、細かく上下に繰り返し動いていきますが、トレンド相場とは、為替市場の値動きに方向性(Trend)があるということを指します。
「現在円安(ドル高)トレンドである」などとニュースなどのメディアでも使われます。
また、トレンド相場と異なり、一定の変動幅の範囲内で上下に価格が推移する相場のことを、レンジ相場(ボックス相場)といいます。
トレンドライン(Trend Line)
トレンドラインとは、FXや株式におけるテクニカル分析手法のひとつです。
ローソク足の高値同士、もしくは安値同士に引いた線のことを総称して、トレンドラインといいます。
このとき、高値と高値を結んだものをレジスタンスライン(上値抵抗線)、安値と安値を結んだものをサポートライン(下値支持線)と呼びます。
レジスタンスラインを超えて値段が上昇するときは、さらに上昇トレンドが続き、サポートラインを超えて値段が下降するときは、さらに下降トレンドが続くことが予測されます。
値段に大きな変動がなく、トレンドラインが水平を保っているときは、レンジ相場もしくはボックス相場と呼びます。
な行
仲値
仲値とは、銀行などの金融機関で、外貨を売買する際の基準レートのことです。TTMともいいます。
金融機関の毎営業日の午前10時頃に発表され、外国為替市場(インターバンク市場)の取引実勢レートを基準(参考)にして金融機関毎に決定されます。
このレートは、その後余程大きな為替変動がない限り、その日一日の間は適用されることになります。しかし大きな為替変動があった場合には変更が行われます。
関連記事:ゴトー日に米ドル/円で仲値トレードする手法と注意点を解説!
仲値不足
仲値不足とは、仲値決済による外貨の需給バランスで、外貨(主に米ドル)が不足している状態のことです。
これは、仲値での取引で顧客のドル買いがドル売りより多く、米ドルが不足している場合に使われます。
ドルの需要が強いことから、仲値不足は米ドル買い材料となります。
一般的に東京市場では、5と10が付くゴトー日(5日・10日・15日・20日・25日・30日)にドル買いや決済水準が高い傾向にあり、これらの日は仲値が高めに設定される傾向があります。
投売り
投げ売りとは、損失が出ることを承知で売ること(=損切りすること)です。
これは、為替レートが暴落したり予想外の悪材料が出た時などに、保有している買いポジション(ロング)を、損を承知で安値で売ることを指します。
また、投げ売りに対して、売りポジション(ショート)を損を承知で買い戻すことを、「踏み」「踏む」「踏まれる」といいます。
NASDAQ(National Association of Securities Dealers Automated Quotations)
NASDAQ(ナスダック)とは、ナスダックOMXグループが運営するアメリカの店頭株式市場(取引所がない店頭取引のシステムによる市場)のことです。
ナスダックは、ニューヨーク証券取引所(NYSE)と並ぶ、米国の代表的な株式市場で、ベンチャー企業や中堅企業だけでなく、グーグル、アマゾン、アップル、インテル、シスコシステムズ、デル、マイクロソフト、オラクル、アドビシステムズ、イーベイなどのIT企業も数多く公開しています。
関連語:JASDAQ
成行注文
関連記事:FXの注文方法
難平(ナンピン)
難平(以下ナンピン)とは、相場が予想とは逆に動いた場合などに、平均売買コストが有利になるように、同一通貨を追加で売買を行うことです。ナンピンには以下2つがあります。
ナンピン買い:相場が下落して評価損が出た時に平均コストを下げるために、追加で買いポジションを増やすこと。
ナンピン売り:相場が上昇して評価損が出た時に平均売コストを上げるために、追加で売りポジションを増やすこと。
ナンピンは、相場が予想とは逆に動き続けた場合、ポジションも評価損も大きく膨らみ、運用状況が大きく悪化してしまいます。
ナンピンで失敗すると、損切りが中々できずに損を膨らませることが多いので、投資手法として非常にリスクが高いので注意しましょう。
値洗い
値洗いとは、現在持っている資産(ポジション)を実際の市場価格で計算し、時価で評価し直すことです。
例えば、ドル売り・円買いの場合は、市場レートで今買い戻した時にどれだけの利益・損失が出るかを、逆にドル買い・円売りの場合は、市場レートで今売った時にどれだけの利益・損失が出るか、を計算することを指します。
は行
バイナリーオプション
為替金融商品の一種で、値幅によって利益が変動するFXと異なり、購入するオプションによって利益が固定となる取引のことです。
またロスカットがなく取引期間が決まっており、購入時点で最大損失額が限定されていることも特徴です。
関連記事:バイナリーオプション
国内でバイナリーオプションを提供している業者は、こちらで詳しく比較しながら解説しています。
売買シグナル
テクニカル分析に基づいた売買判断を示唆する合図のことで、代表的な移動平均線を例にすれば、ゴールデンクロスやデッドクロスが売買シグナルに該当します。
ローソク足であれば酒田五法やプライスアクション、チャートパターン分析による売買判断を示唆する合図も売買シグナルとなります。
関連記事:売買シグナルアプリ、売買シグナルツール、酒田五法、プライスアクション、チャートパターン分析
始値
始値とは、四本値(始値・終値・高値・安値)の一つで、ある特定期間における、営業開始日の最初の価格のことです。
期間ごとに始値の価格は異なりますが、基本的にはその日の最初の価格が始値として使われます。
また為替ニュースでは、今週の始値などとも使われます。
4本値はFXのチャートではローソク足で用いられていて、始値よりも終値の方が安いときは陰線となり、始値よりも終値の方が高いときは陽線となります。
関連記事:ローソク足の見方・使い方
ハト派
為替市場でのハト派とは、要人発言における景気見通しに対し、弱気な発言や慎重な考え方の人のことを指します。
また金利引き下げ派であり、金融緩和に積極的であることがハト派の特徴となります。
日計り商い(ひばかりあきない)
計り商いとは、翌日にまでポジションを持ち越さずに、その日のうちに決済をする取引のことです。
つまり日計り商いはデイトレードと全く同じ意味で、単に日計りとも言われます。
翌日までポジションを持ち越す取引の場合は、オーバーナイト取引といいいます。
評価損益
評価損益とは、FXや外貨資産、株式投資、不動産などの保有資産において、購入時の価格と現在の価格の差額のことです。
他には、含み損益とも呼ばれています。
これは、未決済ポジションの現時点における損益の評価であり、実際に決済するまでは損益が確定しないことから、この表現が用いられています。
また、購入時に比べて現在の価格が高く、利益となる可能性があるときは「評価益がある」といいます。
反対に、購入時に比べて価格が低く、損失となる可能性があるときは「評価損がある」といいます。
ビッド(Bid)
ビッドとは、プライスを提示する側の買値のことです。提示された側はそのプライスで売ることになります。
FXのレートにはビッドとアスクがあり、レートにはこの2つの価格が表示されています。
買いレートは「Bid」、売りレートは「Ask」で覚えましょう。
ピップス(Pips)
ピップスとは、FXでさまざまな通貨の単位を統一させる単位のことです。
利益や損失を表す場合にも、+50ピップス、−30ピップスなどと使われます。
なぜpipsという単位を用いるかというと、それぞれの通貨の単位を合わせるためです。
日本円でいえば銭、ドルでいうセント、ポンドでいうペニーなどと、各通貨によって単位を表す名称が異なるからです。
つまり1pipsは1銭(0.01円)、1セント、1ペニーなどと通貨の最小単位のことを指します。
例えば、米ドル/円を110円20銭で買い、110円50銭で売った場合、利益は30pipsとなります。
また、ときにはポイント(point)もpipsと同じように使われたりします。
含み益・含み損
プラスとなっている保有ポジションの利益額を含み益、マイナスとなっている保有ポジションの損失額を含み損といいます。
それぞれ評価益、評価損ともいいます。
踏み
踏みとは、損失が出ることを承知で 買い戻すこと(=損切りすること)です。
踏む、踏まれるなどともいいます。
踏みが集中して起こった場合、相場が一層上昇する踏み上げが発生することもあります。
踏みに対して、買いポジション(ロング)を損を承知で売ることを、「投げ売り」「投げる」といいます。
踏み上げ
踏み上げとは、売りポジションを持っていた人が、相場の予想外の値上がりにより、損を承知で買い戻すこと(踏み)が集中して起こった結果として、相場が一層上昇することです。
例)価格は下がると予測して売りポジションを保有していたものの、価格は思惑を外れて上昇したため、損切りをするために買いを入れて決済した。その後、相場は踏み上げでさらに上昇した。
ファンダメンタルズ(Fundamentals)
ファンダメンタルズとは、経済の基礎的条件のことです。
為替市場に当てはめると、各国の経済状況、物価動向、金融政策などがファンダメンタルズに該当します。
このファンダメンタルズをもとに将来の為替の値動きを予測することをファンダメンタルズ分析といいます。
ファンダメンタルズ分析(Fundamental Analysis)
ファンダメンタルズ分析とは、その国や地域の経済状況(ファンダメンタルズ)などから、将来の為替の値動きを予測する分析手法のことです。
このほかFXには、チャートを用いて将来の値動きを予測するテクニカル分析があります。
ブル(Bull)
ブルとは、雄牛という意味で、角を下から上に突き上げて攻撃する姿から、相場は強気な上昇相場であるとの見方に使われます。
また米ドルに対して強気の見方をするときはドルブル(Dollar Bull)といい、米ドルが今後上昇すると考えられる場面で使われています。
反対に、弱気な下降相場のときはベア(熊)と呼ばれます。
ブル = 上昇相場、強気相場
ベア = 下降相場、弱気相場
変動相場制
変動相場制とは、外国為替市場で取引される為替の交換レートを固定せずに、市場の需要と供給の動きを通じて決める制度のことです。
フロート制とも呼ばれます。
現在多くの先進国では、この変動相場制が採用されています。
中国の人民元は管理変動相場制となっており、一定の変動幅の範囲内において自国通貨を変動させる仕組みを採用する国もあります。
関連語:固定相場制
ベア(Bear)
ベアとは、熊が爪を振り下ろして攻撃する姿から、相場は弱気な下落相場であるとの見方に使われます。
また米ドルに対して弱気の見方をするときはドルベア(Dollar Bear)といい、米ドルが今後下落すると考えられる場面で使われています。
反対に、強気な上昇相場のときはブル(雄牛)と呼ばれます。
ブル = 上昇相場、強気相場
ベア = 下降相場、弱気相場
ヘッジ(Hedge)
ヘッジとは、価格変動によるリスク回避をする投資のことで、リスクヘッジとも呼ばれます。
これは金融商品全般に当てはまり、例えば、分散投資や反対売買もヘッジと言えます。
リスクを回避するということは、収益チャンスを限定させることになりますので、リスクヘッジをするにも注意が必要です。
ヘッジファンド(Hedge Fund)
ヘッジファンドとは、本来の意味であれば、リスクをヘッジ(回避)しながら運用を行なうファンドのことですが、巨額の資金をもつ少数の投資家から出資を受けるファンドを指します。
この資金の集金は私募によるため、公募のファンドには義務づけられている情報開示などが、私募により義務化されていないため、ヘッジファンドの実態は明らかにはなっておりません。
私募形式のファンドは、監督官庁に届け出る義務・規制がなく、投資対象や投資手法に規制・制限がないので、非常に多額の金額を運用しているファンドもあります。外国為替市場においても、1990年代以降、非常に大きな影響力を持っています。
保証金(Margin)
保証金とは、FXで取引をするのに必要な担保となるお金のことです。
保証金のほか、証拠金とも呼ばれます。
この保証金により、FXではこの担保の範囲内でレバレッジを利用した取引ができる、という仕組みとなっています。
ポジション(Position)
ポジションとは、為替取引では現在保有している通貨のことを指します。
買いで保有する通貨のことを買いポジション(ロング)、売りで保有する通貨のことを売りポジション(ショート)といいます。
ポジション調整(Position Adjustment)
ポジション調整とは、投資資金の分配を変更したり、保有ポジションを減らすために、保有するポジションの一部を決済することです。
ポジション調整は、雇用統計などの重要イベント前や週末、連休前に行われることが多く、多くのポジション調整で売買が重なった場合、相場が動く要因となることもあります。
ポジショントーク(Positon Talk)
ポジショントークとは、FXや株式などの金融市場において、ロングやショートのポジションを保有している有名な市場関係者などが、自らのポジションに対して利益が出て欲しい、といった願望を含んだ会話や発言を、媒体やメディアを通じて周囲に話すことです。
これはあくまでも客観的な見方ではなく、自分の保有するポジションが有利な方向に推移してほしいと、主観的な願望を話すことを指し、市場心理を揺さぶることを目的とした発言が、このポジショントークにあたります。
ただし、このポジショントークはあくまでも偽りではなく市場の予測であるため、合理的で根拠のない発言の場合罰せられる可能性もありますが、過去に摘発された事例はないとされています。
ボックス相場(Boxed Range)
ボックス相場とは、一定の変動幅の範囲内で価格が何度も上下を繰り返す相場のことで、レンジ相場とも呼ばれます。
箱の中に閉じ込められたかのように一定の価格帯で上下することから、ボックス相場との呼び名がついています。
具体的には、レジスタンスライン(抵抗線)とサポートライン(支持線)に挟まれた値幅内(高値と安値が一定のレンジ)で価格が推移する形がレンジ相場となります。
通常、相場の先行きを決定する材料(ニュース)が少ないときや、相場の先行きが不透明でどちらにも大きく動きずらいときなどにボックス相場になりやすい傾向があります。
ボックス相場では、テクニカル分析のオシレーター系を用いて、サポートラインの下限に来たときに買い、レジスタンスラインの上限に来たときに売るという売買手法が有効ですが、レジスタンスラインを抜けた場合には新たなトレンドが発生するため、大きな損を出さないためにも逆指値注文を置いておくことは重要です。
関連語:トレンド相場
ボラタイル(Volatile)
ボラタイルとは、相場の値動きが激しく乱高下していることです。また、今後も乱高下が続きそうだと考えられる場面でも使われています。
日本語に直訳すると「揮発する」という意味があり、外国為替市場や株式市場、商品先物市場などのマーケット全般で使われている用語となります。
これは、ボラティリティ(価格の変動率)が高まっている状態のことで、今後さらなる大きな変動や乱高下が予想されることを意味します。
投資家の間では、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が算出・公表しているVIX指数(恐怖指数、ボラティリティー・インデックス)が、ボラタイルの判断材料として広く用いられています。
例えば、「週明け早々、ボラタイルな展開となっている。」「米ドル/円はボラタイルな値動きが続いた。」などと使われています。
ボラティリティ(Volatility)
ボラティリティとは、価格の変動の激しさを表す度合い(価格の変動率)のことを指します。
日本語に直訳すると、「変動性」という意味があり、略して「ボラ」と呼ばれています。
「ボラティリティーが大きい」「ボラが大きい」とは価格変動が大きいことを意味し、「ボラティリティーが小さい」「ボラが小さい」とは価格変動が小さいことを意味します。
またFXや株式、商品先物取引などの金融商品では、このボラティリティを元に算出したテクニカル指標によって、チャート分析にも使われています。
有名なものとして、「ボリンジャーバンド」や「アベレージ・トゥルー・レンジ(ATR)」、「ヒストリカル・ボラティリティ(HV)」などのテクニカル指標があります。
ま行
窓、窓開け、窓埋め
窓とは、ローソク足チャート上で2本(日足なら前日と当日)が連続せず、離れてできた空間のことです。
窓が開いたようにも見えることから、「窓開け」ともいわれます。
この状態は強い買い材料や売り材料が出て、相場に対して大きな力が働き、為替相場が激しく上下したことを示しています。
通常であれば、FXでは、土日は外国為替市場は動いておりません。
なぜ窓が開くかというと、金曜日のNYマーケット・クローズ時の終値のレートと月曜日のNZマーケット・オープンまでの間に、大きなニュースがあると、窓が開きやすくなります。
FXの主要通貨となる先進国の多くは土日休みですが、一部の欧米の国や中東では、土日でもマーケットが動いています。
主要通貨国で週末に大きな出来事がなくとも、その他の国で戦争や紛争、地震や災害などが起こると、月曜日の早朝に窓が開くことがあります。
また、FX業者によっては取引開始時間が異なりますので、現在利用しているFX業者でまだ売買できない時間のとき、早くから取引ができるFX業者で大きく売買が行われた場合、窓が開くこともあります。
つまり、窓が開くかどうかは、利用するFX業者によって異なります。
またチャートに窓ができると、その反動で、窓が開いた反対方向に為替レートが動くという、窓を埋めるような動きをする現象がよく起こりますが、この動きのことを「窓埋め」といいます。
マイナーカレンシー(Minor Currency)
マイナーカレンシーとは、メジャーカレンシー(主要通貨)以外の通貨のことです。
メジャーカレンシーの区分として、流動性が高いかどうかが判断の元となります。メジャーカレンシーとなる米ドル、ユーロ、日本円、英ポンド、スイスフランの5通貨以外は、全てマイナーカレンシーの扱いとなります。
流動性が低い通貨は、ボラティリティが大きくなった場合(かんたんに言うと、チャートが激しく動いているとき)、買いたくても買えなかったり、売りたくても売れないという状況となってしまうことも考えられますので、注意する必要があります。
マージンコール(Margin Call)
マージンコールとは、FXで担保として預け入れた証拠金の金額が、現在のレートで決済したら大きく損失になる状況となった場合、証拠金預け入れの追加を求める警告のことです。
マージンコールとなった場合は主に、登録しているメールアドレス宛にFX業者からメッセージが届きます。
仮にマージンコールとなり、そのまま放置して損失がさらに拡大した場合、ロスカットとなってしまい預け入れた資金は減ってしまいます。
FXは証拠金取引ですので、このマージンコールとロスカットにより、顧客は借金をすることなく資産が保全されておりますが、常日頃から損切りを行なうことと、レバレッジのかけすぎには注意する必要があります。
ミセス・ワタナベ(Mrs.Watanabe)
ミセス・ワタナベとは、FXなどの外貨投資で使われる言葉で、日本の(プロではない)個人投資家のことを指します。
名前の通り、おもに主婦など女性の投資家のことをを表しており、家庭の主婦が外貨投資を行ってることに驚いたイギリスの為替市場やメディアからこの言葉が広まったと言われています。
もともと「投資は外貨よりも株」「女性は家を守る」という考える人も多いイギリスにおいて、静かな印象の日本人女性が、自らの判断でFX取引をしていることは、衝撃も大きかったようです。
アベノミクスによる円安相場で為替市場は盛り上がりを見せる中、日本の個人投資家は世界中に置いても一目置かれた存在であり、今日ではミセス・ワタナベは日本の個人投資家全体を指す言葉として使われています。
メジャーカレンシー(Major Currency、主要通貨)
メジャーカレンシーとは、世界中の外国為替市場で取引参加者、取引量がともに多い通貨のことです。日本語で主要通貨といいます。
現在であれば米ドル、ユーロ、日本円、英ポンド、スイスフランの5通貨のことを指します。
これに豪ドル、NZドル、カナダドルも含めて主要通貨とする見方もありますが、流動性の高さが判断基準となります。
これら5通貨ペア以外の通貨は全てマイナーカレンシーとなります。
持ち高
持ち高とは、売買を行い、未決済のまま保有している為替や株などの数量のことで、金融市場ではよくポジションと呼ばれています。
買いで保有しているなら買いポジション、売りで保有しているなら売りポジションのことです。
つまりFXでは、現在保有している通貨のことを指します。
戻り、戻り売り
戻り売りとは、相場が下落トレンドのとき、一時的にレートが上がったタイミングを見計らって売りを入れることです。
英語では、Sell On Rallies(セル・オン・ラリーズ)と呼ばれています。
通常、下降基調が続いている相場であっても、トレンドの一部としてショートカバーから反発するタイミングがあり、この一時的な調整の戻りを狙うという、投資の世界では「押し目買い」とともにオーソドックスともいえる取引手法となります。
押し目買い・戻り売りをチャート分析で判断するやり方として、移動平均線やフィボナッチなどのテクニカル指標を用いたり、トレンドラインを引いて分析する方法が広く知られています。
関連記事:【押し目買い・戻り売り】とは?手法と投資家の判断タイミング
や行
約定(やくじょう)
約定とは、FXや株式などの金融取引において、買いまたは売りの注文を執行して売買が成立することです。
本来の約定には、「約束して定めること。取り決めを結ぶこと。」という意味がありますが、投資の世界では「売買の成立」ということになります。
また、約定した日を約定日、約定した価格を約定価格(約定レート)といいます。
安値
安値とは、ローソク足を構成する四本値(始値・終値・高値・安値)の一つで、日・週・月・年など、ある期間において取引された中で最も低い価格のことです。
また為替ニュースでは、今週の安値、直近1週間の安値などと使われ、値動きの転換となりうる価格としてマーケットで注目されています。
有事のドル買い(ゆうじのドルがい)
有事のドル買いとは、戦争紛争など有事の際に、世界の基軸通貨であるドルが買われることをいいます。
これは、世界で最も流動性が高いことから、ドルは安心資産であるとの考えや経験則に(アノマリー)よるものです。
近年では、9・11でアメリカがテロの標的になったこともあり、以前に比べて有事のドル買いの動きは弱まりつつあると言えます。
また有事が起こった状況によっては、「有事のドル売り」にもなりますので、注意も必要です。
有事のドル買いと同様に「有事の円買い」のほか、スイスは永世中立国であり通貨価値も安定していることから「有事のスイスフラン買い」として買われたりします。
揺り戻し
揺り戻しとは、相場が上がりすぎたり、下がりすぎた後に、それまでとは反対の動きを見せることです。
つまり、「相場が大きく上昇したときは、その後に下落すること」「相場が大きく下落したときは、その後に相場が上昇すること」が揺り戻しとなります。
これは、売られすぎや買われすぎで行き過ぎた相場に対して、多くの投資家が買い戻し・売戻しをすることで、揺り戻しが発生する要因であると考えられています。
陽線
陽線とは、ローソク足において、始値よりも終値の方が高い線のことです。
こういった陽線・陰線の形状は、4本値(始値・終値・高値・安値)によって形成されます。
陽線は白黒のチャートでは白抜きの線で、カラーのチャートでは赤色が一般的です。
関連記事:ローソク足の見方・使い方
寄り付き
寄り付きとは、相場が始まって最初についた値段のことをいいます。
オープニング・レートともいいます。
四本値
四本値とは、マーケットにおいて、ある期間(時間)を区切って相場の値動きを示すときに、始値・高値・安値・終値の4つの値段のことです。
この4つの値段(価格)のデータをもとに、それを一つにまとめてグラフ化(チャート化)した代表的なものがローソク足で、一日なら日足、一週間なら週足、一月なら月足、一年なら年足となります。
ら行
LIBOR(London InterBank Offered Rate)
LIBOR(ライボー)とは、イギリス・ロンドン市場における銀行間平均貸し手金利のことで、ライボーと呼ばれます。
英国銀行協会(BBA)により1日1回発表されております。
これは、金融機関がユーロ市場で、短期間における資金のやり取りに対する基準金利として用いられており、特に3ヶ月物と6ヶ月物は、短期金利の指標として注目されています。
利益確定売り
利益確定売りとは、含み益となっている買いポジションを売って(決済注文)、利益を確定させることです。
利食い売りとも呼ばれます。
利食い
利食いとは、利益を確定させるために、現在利益がでている保有ポジションを決済する取引のことです。
両建て
両建てとは、同じ通貨で買いポジションと売りポジションの両方を持つことです。
通常、同じロット数で同じ通貨を両建てした場合、スワップ金利分がマイナスとなります。
両建ては経済合理性を欠く部分もあることから、リスクヘッジに活用できる反面、くれぐれも十分注意する必要があります。
リミットオーダー(Limit Order)
リミットオーダーとは、指値注文のことです。
関連記事:FXの注文方法
リーブオーダー(Leave Order)
リーブオーダーとは、希望価格を指定して注文を出すことです。
直訳すると指値注文のことですが、一般的には、指値注文と逆指値注文を総称してリーブオーダーといいます。
関連記事:FXの注文方法
利ざや
利ざやとは、売買の結果生じる利益のことです。
相場で、買値と売値の価格差の事を「さや」といい、売買の結果利益がでた際に「利ざやを得る」または「利ざやを抜く」というふうに使われます。
関連語:逆ざや
リピート系注文
相場の変動幅を指定し、その変動幅に対しIFD注文を任意の本数を発注し、各注文に連続自動発注機能をもたせた注文システムのことです。
注文の停止をさせない限り複数の注文が回転して利益を追求することから、自動売買(システムトレード)の一種となります。
関連記事:リピート系注文とは?、リピート系注文を比較
流動性(リクイディティ)
流動性とは、市場の大きさや厚みのことを表します。英語ではリクイディティ(Liquidity)といいます。
流動性が高い = 通貨の交換(売買)がしやすい
流動性が低い = 通貨の交換(売買)がしにくい、という見方だと分かりやすいかと思います。
流動性が著しく低い場合、注文が全然通らず、決済したくでもできなくなってしまいますので、注意が必要です。
例えば、大きく市場を動かす出来事が起こった場合や、雇用統計の発表は流動性が低くなります。
また各国の祝日や祭日、また新興国などのマイナー通貨は流動性が低くなりがちで、このようなリスクのことを流動性リスクといいます。
なぜ流動性が低くなるのかというと、FXなどの外国為替取引は、買い手と売り手がいて成り立つものであり、買い手と売り手が極端に偏った場合、「買いたくても買えない、売りたくても売れない」状況となってしまうからです。またこのような状況の場合、スプレッドが拡大し、注文がなかなか通らなくなってしまいます。
反対に、流動性が高いというのは、指標発表がない時間帯のドル、ユーロ、日本円が該当します。
レジスタンスライン(抵抗線)
トレンドラインをチャートに描画して、複数の高値同士を結んだ線のことです。
抵抗線とも呼ばれます。
関連記事:トレンドラインの見方・引き方
レバレッジ(Leverage)
レバレッジとは、テコの原理のことです。
FXではこのレバレッジを使うことによって、小額の資金を運用することができる外貨投資です。
たとえば10万円の保証金を預け入れて、1万ドル相当の外貨を売買するとします。
そのとき1ドル=100円だとすれば、10万円の元手で100万円相当のドルを運用できることになります。
この場合、元手に対して10倍に相当する資金を運用しているので、つまり10倍のレバレッジをかけていることになります。
レバレッジをかけて、相場が思惑通りとなった場合は、高利益を得られる反面、逆に相場が思惑通りとならなかった場合、元本に対して損失も大きくなります。慣れないうちはレバレッジのかけすぎにはくれぐれも注意しましょう。
レンジ相場(Boxed Range)
ボックス相場と同じ意味で、上下一定の範囲で推移する相場のことをいいます。
ロスカット(Loss cut)
ロスカットとは、損切り(損失を確定させる決済注文)のことです。
各FX会社では、「ロスカット・ルール」を設けており、損失額が口座内の資産、もしくは保証金額に対して一定の割合を超えて増加した場合、自動的に反対売買(決済)がされる、という仕組みとなっています。
関連語:マージンコール
ロング(Long)
ロングとは、外貨を買った状態のことを指します。買い持ちや、買いポジションを持っているとも呼ばれます。
米ドル/円でロングといえば、ドル買い・円売りの状態のことで、この場合円安・ドル高が進むほど利益を得ることができます。
しかしロングにおいて低金利通貨を保有して、高金利通貨を売り戻すときは、通貨の金利差がスワップ金利としてコストが発生しますので、注意が必要です。
関連語:ロング
ロンドンフィキシング
イギリスで毎営業日1:00(24:00)に行われている為替レートの値決めのことです。仲値のイギリス版のイメージです。
とく月末・期末になるとロンドンフィキシング前後に大きな売買が行われやすい特徴があります。
関連ページ:ロンドンフィキシング
ロールオーバー(Rollover)
ロールオーバーとは、直訳すると「乗り換え」という意味があります。
FXやCFDでのロールオーバーは、未決済のポジション(建玉)を翌日に持ち越して、決済期限を繰り延べることを指します。
FXでは、ロールオーバーによって1日ごとにスワップ金利(スワップポイント)を受け渡す仕組みです。
スワップ金利は取引する2国間の金利差毎に異なり、原則決済の2営業日後に、スワップ金利の受け取り、支払いが発生することとなります。